9日振りだけど何か久しぶり丈二だよ。
まぁ、アレだ。
グリフィンの支部に入社したら、軍役時代に率いていた特殊戦術人形小隊『白い猟犬』と再会し流れるままにリーダーになるわ、新しい部下の戦術人形の癖が強いわ、長年行方くらませていた反動でもみくちゃにされたり仕事内容とか何故か戦闘テストの強制参加とかで筋肉痛になったりとたった9日でとても濃い日々を過ごしたよ。
先ずは白い猟犬がルームシェアをしている部屋に泊まった後の後日談を話すとしよう。
わいわいと騒いだ後、俺は寝袋の中に入りリビングで寝たわけだが朝起きたら知らない天井、顔を動かす限りシンプルな女子部屋だった。
俺は夢遊病を患っていないから何が起きたと思ったら腹部に自律人形特有の重み、人指し指が妙に生温かい。
まさかと思い声に出さなかったが『ペルソナ!』と叫ぶような勢いで目をカッと開く感じで開くと胴体にしがみついたすやすやと眠る黒いネグリジェを着たクアンと俺の右の人指し指をおしゃぶりのように咥えて赤子のように眠る『秘密』を縦に赤々と書かれたLサイズのダサTを着たティスがいた。
....あれぇっおっかしいぞ~?確か俺は寝袋で寝てた筈なのになぁ?何で俺、ベッドの上で寝てるのですかねぇ?ってちょっと困惑した。
紳士淑女はこのラノベ野郎と殴り掛かりそうな状況だが目が覚めたら戦術人形達に拘束されて、抜け出そうにもガッシリ拘束されているのだから結構困惑するぞ諸君?これに此を言うのもアレなものだが肉体はまだ頑張れる三十路ボディだが俺の精神年齢はかなりの年配者だ。性欲が無いとは言い切れないが、流石に長年生きてきた身としては曲がりなりにも家族として戦場を駆けてきた彼女達に対して沸かない。
特にこの二人に関しては擬似的な祖父と孫達みたいな感じだ。
上手いこと彼女達をひっぺがして毛布をかけ後ろを振り向くと白い猟犬の新メンバーとして加わった戦術人形vectorこと『ベック』がじっと見ていた。
ナズェミテルンディス!!
まぁその日以降は、俺の荷物が届いてそれ以降は自室で寝ているのだが2日に一回のペースで目が覚めたらベックとナガンを除く残りのメンバーがランダムで寝ている。鍵を変えようがピッキングして開けてきそうなので諦めている。貞操を奪うつもりではなく一緒に寝たいという子供特有の欲求だから(震え声)。
多分きっとメイビー(遠い目)。
それで仕事の方なのだが、カモフラージュとして表向きは人形と機械の整備関連の事務処理と修理担当の社員。
その裏では、グリフィンの試作兵器等の作業員の一人として、はぐれ鉄血人形を保護と言う名の鹵獲をし戦力に加えるユダ計画の鹵獲兼メンテ兼改造担当。
そして、臨時の指揮官として戦術人形達及びはぐれ鉄血人形と共に任務で働く現場主義の兵士として戦場を駆け抜けるのが俺の使命だ。
.....俺がロシア軍で働いていた頃よりもハードワーク過ぎる。基本的に裏の仕事がメインだから表の仕事の方はだいぶ楽な仕様になっているとはいえまさか戦場に赴くことになるとは思わなかった。
しかも糞猫女郎のペルシカめ。まさか俺が軍役時代に着ていた外骨格式特技兵強化スーツ『Isaac Ⅱ-Δ』を裏ルートで入手していやがった。しかも近代化改修をしているオマケ付きだ。このスーツを使うってことは思っている以上のハードな任務をさせる気満々じゃねぇか。
そのスーツの性能チェックと俺の勘を取り戻すという意味で戦闘訓練に参加させられた訳だが、リハビリと言う名のルナティック訓練。
VRシミュレーションで第三次世界大戦時に記録されたあらゆる激戦区を再現し、様々なシチュエーションで訓練させられたり、キルハウスの訓練の一つとしてベックが味方側として参加し、『白い猟犬』全員と相手にするというペイント弾を用いた模擬戦をした。
あいつ等、俺の癖を完全に覚えているし容赦ないから俺とベックは身体の六割がカラフル状態になった。
俺もこの訓練で転生特典であるmenuを戦闘に役立てる為に試行錯誤した結果、能力が成長した。
地形、相手の動き癖等をデータとして随時記録更新することで罠の予測配置と見越し射撃の精度が軍役時より上がったのだ
体力が若干衰えている身としてはこの技術はかなり重要になる。戦う相手は戦闘特化型の『鉄血人形』、馬鹿正直に真っ向勝負をしたら確実に死ぬ。ハイエンドモデル至っては成す術もなく秒殺だ。それ故に相手の兵装や相手のパーツを破壊して確実に相手の力を削いで倒した方が生き残る確率が上がるものだ。
流石にガンダムに出てくる背面撃ちといった曲芸が出来た時は俺も驚いてしまったが。しかし、鉄血人形に押され気味とはいえこの会社結構ブラックだな。まぁ、人類激減による様々な低下を補う為に自分達が作り上げた自律人形に仕事を奪われてデモを起こすという皮肉過ぎる時世の中で就職出来たから文句は言えないがな。
さて、ここからが肝心なのだがユダ計画に参加している身としてキャサリンの案内の元この支部で保護している鉄血人形数体のうち話が出来る三体と面会した。電子的ミラーガラス式牢屋に一体ずつ収容されていたが自律人形に携わっていた身としては中々に興味深かった。
最初に会ったのは、鉄血人形においてよく見かける戦術人形『Vespid』。雀蜂の名を冠する彼女は、常時装着しているヘルメットがなく、黒髪のサラサラなショートヘアーに鉄血人形量産型特有の紫色の瞳をしていた。
彼女は落ち着きがあり初対面であるおれに怯えていたものの対応は柔軟なものだった。どうやら白い猟犬が作戦中に偶然見つけて保護したらしく、その際に感じる事がなかった様々な感情に疲弊し怯えていた彼女を救ったのがクアン。それ以降、話し相手として仲良くなり自分を救ってくれた俺についての話をしていたそうだ。自分としてはちょこっと恥ずかしいのだが、クアンについて話す度に頬を赤らめでたのは気のせいだろうか?
次に会ったのは、『Jaeger』。猟兵の名を持った彼女は右腕以外の四肢はi.p.s製の機械義肢をしていて寡黙。最初に面会した彼女と共に行動していた。多くの言葉を話さず「私,●●。」といった単語だけで話す彼女は、半壊し放置されていた自分を応急修理したり、駆動系の故障で動けなかった自分を背負って移動したりとVespidに対して感謝していた。
そして最後に会ったのは、鉄血人形のハイエンドモデル『
彼女はオリジナルであるアルケミストのスペアボディの一つで蝶事件が起きた時、鉄血人形が占拠したとある兵器工場で自我が芽生えた。初めて感じる感情と心の底から溢れる渇きに苦しんでる最中に巡回していた鉄血人形に見つかり殺されそうになる。しかし、彼女は獣のように相手に襲い掛かり喉元を噛み付いて破壊した。その時に人工血液を啜り心が満たされる錯覚に陥り右眼も黄色から赤に変貌したらしい。
彼女は殺した相手の銃を強奪し応援に駆け付けた増援部隊を殲滅し工場から脱出。それ以降は渇きを潤す為に各地を転々としながらはぐれを除く鉄血人形を襲撃し人工血液を啜っていだがある日、鉄血人形の部隊を殲滅し敢えて半壊させていた鉄血人形の生き血を啜っている最中にペルシカから依頼を受けた404小隊に鹵獲され今に至る。
なんでも最低でも2日に一回、鉄血人形の人工血液を飲まないと気が済まないらしい。ペルシカの野郎、とんだサイコパスを鹵獲しやがって。
敵のハイエンドモデルで尚且つ危険を孕んでいる為かコイツだけ拘束具と椅子で固定、爆弾内蔵式首輪という徹底ぶりだ。それでも彼女は気にもせずケラケラと笑う狂気じみているヴァンプに臆することはなく普通に話す俺に彼女は驚くと気に入ったかは不明だが獲物を見つめる目で舌舐めずりをした。.......俺の血は美味しくないからな。そしてキャサリン、眼鏡を光らせて何処か去るの止めて。それ絶対に仕事が増えるヤツやん。流石の俺でもこれ以上厄介事が増えたら倒れるからね。
これが俺が短い時間に起きた出来事。
現在も上記のはぐれ人形達と面会しているが、話せば話す程に面白くなる。感情機能が無いに等しい量産型がi.p.sの戦術人形と同レベルまでの感情を得たのか、何故自我を得たのか。そして鉄血人形が暴走した蝶事件。果たしてそれは防衛プログラムのエラーが原因だったのか?考えれば考えるほど謎が深まるばかりだ。おっといけない、いけない。まだ事務処理の最中だった。
これを処理しないと........って電話?しかも、キャサリン?ったくこんなときに。
はい、丈二です。どうしました?.......緊急任務?『白い猟犬』と共に現地に向かえ?ちなみに俺は単独で別行動ぅ!?
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「えーと......ここをこうしてあーしてと。よし、ヴァルチャー装着完了。」
両翼のティトルローラーと後ろに一個のローターが搭載された小型オスプレイ『dragon fly』が高速で空を掛けていた。
アタッチメントメントとして機体の下部に輸送コンテナにあるスーツを着た男、丈二が背中に折り畳まれた機械仕掛けの翼の最終調整を終えていた。
身体の至るところに特殊合金製の防護プレートが配置されヘルメットもバイザーを隠す形で装着、視界確保の為に確保された縦に3つの横線が引かれたスリット部分から青白い光が漏れる。まるで近未来の設備用の防護服のようだ。
そしてヴァルチャーと呼ばれた男の背中に装着しているユニットは鳥の翼を機械化させたような形状、緑色の装甲に黒と白を基調とした鋭い羽根パーツ。その両翼を支えるメインフレームには一基の推力偏向ノズルが存在していた。
丈二が準備を終えるとヘルメットに搭載された空間投影機能が作動し金髪をした眼鏡女性キャサリンが移しだされる。
『Haey!丈二。準備は整った?』
「準備万端だぜキャサリン。」
『Oh.great!!それじゃあ簡単に任務をおさらいするわネ。』
『貴方の任務はG&K社の主力部隊AR小隊の救助。任務中に奇襲してきた敵のハイエンドモデルの
『デストロイヤー部隊の爆撃が厄介なので、丈二はこの支部で作られた空中急襲ユニット「ヴァルチャー」と支給された武器を用いて上空から強襲して戦力を削って下サーイ♪その混乱に乗じて貴方の小隊を送りマース。質問はありませんか?』
「ないぜ。」
『そうですか‼︎それじゃあ健闘を願ってますネー!see you again♪』
「ふぅ、初任務にしては荷が重いぜ。」
《丈二少尉。そろそろ作戦エリアに潜入します。出撃準備お願いします。》
「了解。」
キャサリンとの通信を終えると溜め息をつく。今回救助するAR小隊は会社にとっての稼ぎ頭にして重要な立ち位置にいる小隊。あのペルシカが大変気に入っている事からとても重要な何かを握っているのだろう。特にリーダーであるM4A1に至っては指揮官がいなくても他の戦術人形に指揮が出来る辺りとてつもない闇がありそうだから無闇に調べられないが。
そんなことを考えるとこの機体を操るパイロットから通信が入ると同時にコンテナの後部ハッチが開かれ、丈二は肩を回しながら配置に着く。
「それじゃあ、丈二・ルキーチ・シリニコフ。出撃する!ypaaaaaa!!」
ロシアの叫び声を上げると走りながら飛び降り両翼を展開。ジェットエンジンを点火させ羽ばたくように空を掛けた。
おまけ
Isaac Ⅱ-Δ
工具製作を専門とした複合企業『石村屋』が手掛ける外骨格式スーツ「Isaac」シリーズの魔改造品。
ベースとなった『Isaac』は元々過酷な現場での作業を想定した堅牢な構造をしている。その使い安さと頑丈さが人気となり警備用や救助用等の派生スーツが生まれた。
このスーツは軍用だったものを丈二が魔改造した結果ピーキーな仕様になったが性能の向上と小型ブースター内蔵による機動性、作業と戦闘を両立した代物が出来上がった。
丈二が引退後はペルシカがそのスーツを引き取り近代改修をしながら保管、再び丈二の手に渡った。
元ネタ Dead Space2
見た目:パッケージ絵に描かれているイケメンスーツ「advanced suits」→[ ¥]
dragon fly
両翼のティトルローラーと後ろに一個のローターが搭載された偵察用の小型オスプレイ。
旋回速度と移動速度が高くより高度な三次元移動が出来るが武装が前方のチェーンガン2つしかなく装甲が薄い為、戦闘時の撃墜率が高い。ついたあだ名はカトンボ。
アタッチメントにより輸送用コンテナや機動兵器を運べるが、積載量によっては若干遅くなる。
元ネタ及び姿 ロストプラネット2 vsと呼ばれる兵器の一つ『オスプレイ』
ヴァルチャー
S20区が作り出した強襲用空中ユニット。鳥の翼を再現している。その両翼を支えるメインフレームには一基の推力偏向ノズルにより急降下やスムーズな方向展開といった動きが可能。
しかし、翼が大きすぎる事による被弾率、加速によるGの負荷という欠点を抱えている。
元ネタ Marvel's Spider Manに登場するヴィラン「ヴァルチャー」の飛行ユニット
ヴァンプ(吸血鬼)
ハイエンドモデル錬金術師のスペアボディが自我を持ったはぐれ鉄血人形。
性格は錬金術師と同じだが武装と眼帯がなく、大きく見開いた赤い瞳が特徴。自律人形の人工血液を飲まないと心の渇きに飢えて不機嫌になる。一番の好みは鉄血人形の生き血で絶賛拘束中。