牙狼〈GARO〉~インフィニット・ストラトス~   作:憲彦

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夜勤はやっぱり疲れますね。ハハハ(・_・)


第4話

午後の授業を全てを終えた一夏は、箒との約束のために剣道場へと向かう。この学園の敷地面積はかなりの物だが、要所要所で案内の看板が立てられている。余程の事がない限りは迷わずに済む。その看板に従って進むと、ようやく剣道場へ到着した。中では気合いを入れて竹刀を振るう部員たちがおり、真面目に練習に取り組んでいた。流石にこのタイミングで入るのは忍びない為、この素振りが終わってから入ることにする。

 

『昔は殺しの術だったものが、今じゃお行儀の良いスポーツ格闘技か』

 

「そう言うな。昔ほど誰かを殺したり殺されたり、自分の身を守る必要が無くなった証拠じゃないか」

 

『とは言うものの、時代は逆行してるみたいなものだがな。またいずれ戦う時代が来るだろ』

 

「人間同士の争いからなら、それは仕方ないのかも知れない。でも、もし人間じゃなくてホラーとだとしたら、俺はそれを全力で止める。あんな光景を二度と見たくないからな」

 

『烈の事、まだ振りきれないのか?』

 

「振りきれてない訳じゃない。忘れたくないだけだ。嫌な光景だけど、戦う意思が固まった時で、ホラーから人を守ると約束した時だから」

 

少し昔の事を話ていると、部員たちの素振りが終わったようだ。そして一夏を見つけてくれた箒が声をかけて、そのまま道場へと上がっていく。勿論入り口で一度頭を下げてからだ。

 

「防具は着けるか?」

 

「いや。昼間も言ったけど、俺は剣道はやらないから着けないよ。それにそもそもサイズ無いでしょ?」

 

「それもそうだな。竹刀は好きなのを使ってくれ。後、私は防具を着ける」

 

「分かった」

 

防具を着け終わった箒は一夏と対峙する。正眼に構え、いつでも動けるようにしている。対して一夏は竹刀を持ちながら徒手空拳の様な構えを取り、微動だにせず箒を凝視していた。

 

「ディヤァァア!!」

 

「ッ!はぁ!」

 

声を上げて闘志を高めながら箒の鋭い一撃が一夏を襲うが、一瞬で攻撃の行き先を見極め最小限の動きで回避。箒が自分の横を通過した所を首に一撃入れて倒れさせた。

 

「いてて……まさか避けられるとは……」

 

「大丈夫だった?」

 

「あ、あぁ。動きが全く見えなかったぞ。どうなってるんだ?」

 

『コイツの動きは捉えられないほど速いわけじゃない。単にお前さんが見えてなかっただけだ』

 

ザルバが言うには、箒は戦いの全体を見ているのではなく一点のみを見ているどの事だった。それは相手。それが原因で全体を捉えることができず、空間も範囲もスピードも見失ってしまっていたのだ。

 

『いきなりは無理だが、全体を見た立ち回りをしてみたらどうだ?少なくともコイツに着いていく事はできると思うぞ』

 

「な、成る程……」

 

その後も何度が箒と打ち合い、使用時間終了の合図で2人の練習が終わり、一夏は剣道場を出ていった。そのまま寮に向かっていたのだが、途中で走ってきた山田先生に止められた。

 

「どうしたんですか?」

 

「鍵を渡し忘れてて。すいませんでした」

 

「ありがとうございました。俺って一人部屋ですよね?」

 

「それがその~……私は詳しい事を聞いていないので、織斑先生に聞いてください。恐らく一人部屋だと思うんですけど、今は寮長室にいる筈ですから」

 

「寮長室?」

 

「はい。クラス別で担任が担当しています。クラスごとに場所も決まってますので、1組の寮の最初の部屋が織斑先生の部屋です」

 

山田先生に丁寧に教えられ、言われた通りに千冬のいる寮長室に向かう。この時間はいると言われていたが、マナーとしてノックして中にいるかを確かめる。

 

「入れ」

 

「失礼しまッ!?」

 

「どうした?」

 

「へ、部屋が綺麗だ……と!?」

 

『なに!?一夏!お前近々死ぬんじゃないか?!』

 

「怖いこと言うな!」

 

「ザルバのその言葉を今すぐここで現実にしてやろうか?」

 

才色兼備で完璧な人間と見られる千冬だが、1つだけ壊滅的に無理な事がある。それは家事だ。そこそこ片付いてる部屋を掃除すると、崩落したウォールマリアの様に荒れ果て、料理をすればクトゥルフの支配者が出てきたかと思うようなカオスになり、洗濯をすれば堕落した人間に怒り狂った神が起こしたノアの大洪水の様に家が水浸しになる。そんな千冬の部屋が綺麗になっていることに、一夏もザルバも驚いてしまったのだ。

 

「で、部屋の件なんだが、今回は人数が多いと言うのを建前にして、お前を一人部屋にした」

 

「建前?そんなの必要?男子と女子を一緒の部屋にするわけには行かないって理由なら分かるけど」

 

「昔は国家機密と言う扱いにして、お前の存在を隠してきた。当然委員会にはお前がISを使えるなんて話してなかったし、政府管理下の施設で過ごしてきて貰った。過去の訓練映像はその都度バックアップも含めて即削除。ログを持っているのは開発者の大神博士のみ。しかしこれ以上は不可能だ。IS起動の時期の偽装工作はできたが、ここに入れる以外の保護手段は無かった」

 

政府による保護は限界が来た。と言うことで、一夏はこの学園に入学した。IS学園は特殊な環境下にあり、日本領土内にありながらも様々な国や政府、企業からの干渉を受けない。故に安全だと判断した。だが、それは学園の外の話。学園に通う物に話を通せばいくらでも国や企業の都合を持ち込むことができる。既に、学園には織斑一夏と同室にして欲しいと言う者が沢山来た。しかも目的は駄々漏れ。苦肉の策として、寮付きで生徒の多い学園にありがちな言い訳を理由に全て回避してきたようだ。

 

「成る程。それで漸く部屋を確保できたと」

 

「あぁ。その通りだ」

 

「ならここに呼ばなくても直接話せば良いんじゃないの?」

 

「ここからが注意事項だ。まずは、これを持っていけ」

 

渡されたのは黒いバッグ。しかも入っているものの大きさに比例しない重量をしている。

 

「何これ?」

 

「盗聴器、盗撮カメラ、潜入者を発見してくれる機械だ。部屋の入り口付近にでも置いて帰宅時にスイッチを入れるんだな」

 

「入れたらどうなるの?」

 

「まず、盗聴器と盗撮カメラは破壊される。どこかに送信していたらそれを妨害する優れものだ。侵入者の場合は即教師に通報。これは私に来る。後危険物が部屋に置かれた場合は警報が鳴るぞ」

 

「うわぁ~……便利なのか不便なのか分からない生活に突入しそうだな」

 

「それと、部屋には自分が信用しても良いと思う者以外は入れるな。これはザルバもゴーサインを出した人間限定だ。危険な生徒のリストは纏めたから、部屋に入ったら確認しろ。道具は早速今日から使え」

 

『これ全部だと?この学園には怪しい生徒は何人いるんだ?』

 

「生徒以外にも教師も入っている。数が多くなるのは仕方のないことだ」

 

ページ数にして、200ページはありそうだ。どの学年の何組に所属し、出身国や所属企業、国籍、部活、更には趣味や性格等が細かく記載されている。

 

「これ全部覚えるのか~……」

 

『まぁ頑張れ。俺も覚えてやる』

 

肩を落として部屋に入り、千冬に言われた通りに渡された機械を起動。その後は荷物を片付ける為に持ってきた道具の整理を始めたのだが、何ヵ所かで機械がショートする音が聞こえてきた。

 

『早速かよ……』

 

「危険物が無くて良かった~」

 

初日から危険物が置かれていると言うのもどうかと思うが、置かれていたら置かれていたで、この学園の警備を疑ってしまう。

 

「ザルバ。あのISは白か?黒か?」

 

『安心しろ。あの機体は白で間違いない』

 

「そうか」

 

この短い会話を最後に、2人は休みに入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから1週間経ち、代表決定戦当日を迎えた。ただのクラスの代表決定戦だが、噂の男子生徒が出ると言うことで会場には多くの生徒が集まってきている。

 

「織斑。分かっていると思うが、お前の機体は長時間展開ができない。時間には気を付けろ」

 

「分かってるって。じゃ、行ってくるよ」

 

ISを展開することなく走っていき、そのままピットを飛び出しアリーナに着地する。格好は魔法衣をカモフラージュさせずにそのままにしている状態だ。

 

「来ましたわね。それにしても、なんですか?その格好は。もしかしてコスプレと言うヤツですか?だとしたら笑い物ですね!そんな格好しても実力の差なんか埋まりませんわよ!」

 

「これは俺専用のISスーツだ。気にするな」

 

『両者、規定の位置に進め』

 

千冬の合図で、一夏はアリーナにある規定の位置まで歩いていく。だがオルコットは驚いていた。相手がISを展開していないのに合図がスタートしたからだ。

 

「お待ちください!この男はISを―」

 

『オルコット。私は進めと指示を出した。審判からの命令無視と取られたくなければ指示をきけ』

 

渋々、オルコットも規定の位置まで進み、上空で待機。その直後に千冬から試合開始の合図が言い渡され、試合スタートとなる。

 

「何故、ISを展開しないのですか?」

 

「俺のISは特別製でね。これで良いんだよ」

 

「そうですか。なら……死んでも文句は言えませんわね!!」

 

ライフルを構え一夏に照準を合わせると、すぐに引き金を引いてレーザーを放つ。誰もが目を覆いたくなる状況だが、すぐにそれは変わった。独特な金属音が鳴り響き、本来でるはずの試合終了のブザーが鳴らない。目を瞑っていた生徒もアリーナに目を向け、状況を確認した。

 

『どうだ?レーザーを斬った感想は』

 

「意外と行けるもんだな」

 

えらくドライな感想だ。もう少し待って喜んでも良いような気がする。

 

「なっ!?貴方本当に人間なのですか?!レーザーを斬るなんて……あり得ない!?」

 

またライフルで一夏を狙撃。だが面白いように斬られてしまう。ライフルでの攻撃が意味をなさないと理解すると、オルコットはビット兵器を展開様々な方向から一夏に攻撃を仕掛ける。だが、それも当然の様に全て斬られる。

 

『一夏。あの女はビット展開中に狙撃をすることができない。安心して突っ込め!』

 

「分かった」

 

ザルバの言葉通り、安心してオルコットに向かって走っていく。オルコット自身からの狙撃は全く来ないため、ビットの攻撃を注意してさえいれば自分に当たることは無かった。

 

「ハッ!」

 

地面を蹴りあげ、周りにいる4機のビットを足場にして上空にいるオルコットに飛んでいく。最後のビットから飛んだ所で、待っていた剣を使い空中に円を描き、自分のISを展開した。

 

「ッ!?キャアッ!!?」

 

一夏のISを見て驚いたオルコットは一瞬思考が完全に停止。動けなくなってしまい、そこに一夏が重たい一撃を入れて地面に叩き落とした。

 

「くっ……そ、その鎧は……まさか、本当に?!」

 

「そうだ!これが黄金騎士、牙狼だ!!」




力尽きたので今日はここまで!次回もお楽しみに!感想や評価、お気に入り登録もよろしくお願いします!
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