俺の第2の人生は戦車道と言う競技のある世界でした   作:ふみみん

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初投稿です。
はじめまして、ふみみんと申します。
ありふれた転生物です。
数年前劇場版見てずーっと思ってたこと書いてみたくて、
それを書くためだけに初めから書こうと思いました。
願望とか欲望を垂れ流してるようなものになります。
最初から若干キャラが崩壊してるような……。



プロローグ~第2の人生の始まりです!~

俺は数日前からこの世界に生まれた。

初めはその状況にパニックに陥り声を荒げようとした。

声は出ずに大きな泣き声だけが響き渡ったわけだけが。

 

それから数日が経ちある言葉が思い浮かんだ。

 

―――転生

 

生まれる前……()()()()の記憶を保持したまま第2の生を受けること。

実際、自分がなるとは思ってなかった。

そもそもこんなことが本当にあり得るのかって話だ。

俺だってマンガとかアニメなんかの設定でしかないと思ってたし。

ただまぁ、時折来る看護師や明らかにサイズが縮んだと思われる自分の体を考えるときっとそうなんだろう。

 

前の人生は……まぁ、なんてことない普通の一般人だったと思う。

アニメとゲームが生きがいだった男だった。

何で死んだかも覚えてなければ、どうやって死んだかも覚えていない。

俺の大好きなキャラみたいに自らの力で国境作って砕け散るような

漢な死に様だったら嬉しい。

 

あ、ない?(無慈悲)

 

 

というより、死んだって実感がまったくない訳で。

気づいたら目はぼやけて、喋れなくて、体の自由がまったく利かなくて。

……まぁ、考えても仕方ない……仕方なくない?

前の人生に戻れるわけじゃないしこれからを考えた方が有意義だと思う。

種火周回の日々から解放されたと考えると天国かもしれないな(ニッコリ

でもあのゲームがないと言うことは地獄かもしれないな。

ガチャ回せないのか(絶望)

 

ちょっと首を動かしてみる。

まだ俺の目では見えないけどベットには俺の名前が書かれている。

呼ばれたこともあるし、父親が半紙に書いたものを俺に見せてくれたこともある。

 

 

 

荒谷 守矢(あらや もりや)

 

 

 

これより第2の人生始めます!

 

 

 

……とは言ったものの現状俺に出来ることなんてない。

寝て、起きて、母乳吸って……母乳なんだよなぁ……。

何がって、この歳で……いや、今は0歳児なんだけど。

もう両親の深夜のプロレスごっこ見たときぐらいの衝撃である。

で、母さんは俺をすっごい触ってくる。

 

ほっぺたを突かれながら時折聞こえてくる声は、

 

「うん、この子は絶対に嫁を取らせんし婿にもやらん」

「将来、この子の初めては私が貰う」

 

不穏である、生まれて数日ながら将来がとっても不穏である。

ただこの母親、どうやら人脈はすごいらしい。

色んな人が来ては祝福の言葉をかけて俺の顔を覗いて帰っていく。

違いがわかるのが声とシルエットくらいだけど。

 

ただ、2人の女性がしょっちゅう来るんだよねぇ。

 

「もーちゃんは二人の子供じゃないんだよ~!」

 

あ、もーちゃんというのは俺のことだ。

そしてこの二人が同時に現れると必ず喧嘩する。

 

「しぽりんはすぐ来れる距離だから良いじゃないの!」

「そう言ってこないだオムツ変えたのはそっちだろちよきち!」

 

今日はどちらが俺を抱っこするかで言い争っている。

ちなみに先日は俺のオムツを変えるかで喧嘩してました。

ぼやけて見えないんだけど明らかにキラキラした目で見てた……と思う。

一人でトイレに行けないって哀しいことなの……。

 

「親友の子供に会うために態々家のヘリで来るなよちよきちぃ!」

「近くの演習場でめんどくさいからって使った戦車そのままぶっ飛ばしてくるしぽりんにだけは

言われたくないかなぁ!」

 

ヘリ?戦車?何この人たち自衛隊か何か?

確かに来る人来る人なんか軍服みたいな格好?してたし?

でも自衛官ってそんなに暇だっけ……。

ヘリならまだしも戦車で来るっておかしい気がするんだけど……。

 

「しぃちゃん、まほちゃんとみほちゃんは?」

「ちゃんと下で常夫さんと一緒に待ってますよ」

「子供が居ない私が言うのもなんだけどそれはないと思うなー」

「えぇい、だまらっしゃい!親友が子供を生んだともなれば先輩として

アドバイスするのが当然でしょう!」

 

散々二人で言い合った後じゃんけんを始めた。

気合が入りすぎて怖ぇ。

 

 

「あれが次期家元達なんだよ?戦車道大丈夫なのかしらね~、もーちゃん」

ベットから俺を抱っこしてほっぺをむにむにしながら話しかけられる。

次期家元ってなんか偉い人なんかなぁ……。

え?そしたらうちの母親も割りとお偉いさんなのか!?

あんなこと子供に言ってるのに!?残念だよ!残念すぎるよ!

そんなこと思ってたら遠目でじゃんけんに勝ったたと思われるしぽりん?さんに抱きかかえられた。

 

いやすげぇ。

 

どこがとは言わないけどすげぇ。

母さんもすげぇと思ってたけどしぽりんさんとんでもねぇ。

 

「これは……まほとみほに負けない魅力がありますね……」

「しーぽーりーんー!はーやーくー!」

 

そう言いながらちよきちさん?が俺を強引に奪っていく。

これもやべぇ、ちよきちやべぇ。

 

「あぁ^~こころがぴょんぴょんするんじゃ^~」

残念だ!俺の周りの大人は残念な人しかいねぇ!!!

「返せちよきち!ジャンケン負けたろ!」

あぁ^~二つの胸部にもみくちゃにされるんじゃ^~。

やわらかくて張りがあってそれでいて弾力もあって……。

あぁ^~しほちよは正義なんじゃ^~。

 

しばらくもみくちゃにされる状況を楽しんだが思考と違って

体はそうもいかないらしくそろそろ疲れてきた。

天国を手放すのは非常に、非常に惜しいが母さんの方に手を振って助けを求める。

マミーヘーッルプ!

 

「ほら、母親の私が一番なんだから!」

いまだにいがみ合う二人から俺を取り上げる。

 

「「あぁー、もうちょっと……」」

 

「それに友達とはいえ立場を考えたほうがいいよ?パパに対応はしてもらってるけど

二人が来るだけで騒ぎになるんだから!」

確かに二人が来た後は父親がげんなりしてるところをよく見るなぁ。

 

「それは違うわよ、西住流・島田流をそれぞれ破った選手の子供よ?話題にもなるわよ」

「昔の話だよ、今はどう足掻いたって勝てないよ~」

「ちよきちが面倒見てる選手を破ったと聞きましたが?」

「殲滅戦なら無理かなぁ……フラッグ戦なら一撃加えればいいだけだもん」

「簡単に言いますね……さすが流星と言ったところでしょうか」

首を横に振る母さん。

「しぃちゃんのとこはトップダウンが強すぎるかなぁ?自分で動くって事が少なく感じるよー」

思うところがあるのかしぽりんさんの表情が暗くなる。

「ちぃちゃんのところは変幻自在すぎて各車の車長と隊長とが連携できてない場面が多いかなぁ」

ちよきちさんも同じく暗くなる

「しぃちゃんとこもちぃちゃんとこも絶対的に不足してたのは経験かなぁ?」

「頭が痛いですね……」

「色々な相手とやってれば嫌でも経験とか対応力は身についてくと思うけどねー」

そういいながら俺のほっぺたをつつく。

「しぃちゃんのところには柔軟な発想を持てる副隊長クラスが、ちよきちのところには

ちぃちゃんちやしぃちゃんクラスの隊長と信頼のおける車長がいたら間違いないかな?」

 

「「簡単に言ってくれるわねぇ……」」

 

「流派が大きすぎるってのも考えものだねぇ、二つがひとつになったらちょうどいいんじゃないかな?」

 

むむむ……難しい話をしているようだ。

まぁ、組織なんて大きくなればなるほど舵取りは難しくなるってそれ一番言われてるから。

下っ端社員だった俺にはスケールがでかすぎて関係ない話だがね。

 

「単機、隠密で侵攻してフラッグ車を狙撃で一撃白旗上げさせて勝つ人間には言われたくないですが……」

「私は砲手だよ?、気づかれなかったのは操縦手の腕がよかったからだし、撃つのだって装填手が

私と呼吸合わせてくれるからだよ。通信手が各車の状況を把握してくれなきゃまともに進めないし

そもそも作戦を立てたのは車長と隊長なんだから私がすごいわけじゃないかなって」

「あらゆる場面で必中させてくる流星の子供ですよマスコミも騒ぎ立てますよ……ただ……」

そういいながらしぽりんさん多分難しい顔をしながら俺を覗き込む。

 

 

「もったいないですね……()()()ですか」

 

 

あれ?男の子じゃまずいの?

「男子で戦車道取る人間なんてまず居ないわよ」

「女子の嗜みとまで言われてるからねぇ」

「やれて中学生くらいまでかしら?公式の大会にはまず出れないわね」

「んー……でもこの子が戦車やりたいっていうなら私はやらせてあげたいかな!」

戦車道?なにそれ?そこまで言われるとちょっと興味が湧いてきたな。

母さんはその関係者っぽいし出来そうなことは色々やりたいからな。

手足を振って意思表示、これが俺にできる精一杯。

「あら、守矢君なんかきゃっきゃし始めたわね」

「戦車道って言葉に反応してるような感じね」

「いいんじゃないかしら、お堅い西住流と違って私はさせてもいいと思うわよ?」

 

あぁ、また売り言葉を……。

「おうおう、喧嘩売るなら買うぞちよきちぃ」

「もりやくーんしぽりんがこわいですよー?」

「よし!表に出ろ!」

 

しかし何故に二人は俺なんかに構うのかねぇ。

親友の子供とはいえ戦車道ができない?男だし。

「もしかしたらもーちゃんをまほちゃんやみほちゃんの婿にとか思ってきてるのかもねぇ」

それはそれでとんでもねぇな。

実質0歳で会ったこともない相手やぞ……。

しかし、なんか次期家元とは思えん会話だな。

しかもライバル同士だろ?

「まぁ、こんなところじゃないと3人で会えないからねぇ」

その一言で合点が言った。

 

3人は本当に仲がいいんだろう。

 

普段は他の眼があるからここまで素になれないんだろう。

2人はお互いライバル同士の流派だし1人は1選手なんだから。

生前の俺にもわからないようなストレスなんかもあるんだろう。

 

「ちょっとはガス抜きさせてあげないと、ね」

そう俺に向けられた表情はとてもやさしげだった。




出来るだけ早く更新できるといいなぁ……。

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