俺の第2の人生は戦車道と言う競技のある世界でした   作:ふみみん

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2度目の初投稿です。
一気に時代が飛んだりするし文章になってるかわかんないし……。
1ミクロンでもいいから他の方の文才が欲しい。


1・あれから数年です!

「……ここだな」

俺は息をするようにトリガーを引く。

 

轟音と共に砲弾が放たれ吸い込まれるように敵戦車に命中する。

 

「フラッグ車行動不能!Aチームの勝利!」

 

ふーっと一息つき椅子に背を預ける。

ここは戦車の砲手席で俺はこの戦車の砲手。

第2の人生、砲手として謳歌しております。

 

 

 

 

自分の強みがわかりやすく現れたのが小学校に入学してからだ。

体育や昼休みに球技なんかや鬼ごっこなんかをやるんだが、

 

誰がどこにどの程度の速さで移動してるかが少し見ればなんとなくだがわかるのだ。

バスケなんかであればどれくらいの力でどれくらいの角度で放てばいいかもわかってくる。

 

 

自分でも驚くほどの空間認識能力の高さだと思う。

 

 

これについては恐らく生まれてからの生活と母親の遺伝が多分に含まれているのだろう。

戦車道の選手である母さんにくっ付いて行っては

一緒に地図を見ながら実際の演習場を歩いたりした。

「やっぱり実際現場を見ないとね、地図だけじゃわからないこともあるのよ」

とは後輩達に教えていた母さんの言葉だ。

整備担当の父さんにくっ付いて行っては整備を眺めたり手伝ったり。

手伝いといっても軽めの工具を持っていったり、

体が少し大きくなってからは簡単な整備も手伝ったりもした。

「お前本当に整備好きだなぁ……まぁ、男の子だし気持ちはわからんでもない」

えぇ、こういう機械とか大好物ですよ。

 

正直な話、反則だとは思う。

思考は大の大人と変わらないため、自分の意思でその方向を鍛えられる。

それに子供のころの成長期ってのはすごい。

比喩なんかでスポンジが水を吸収するように……

と言う表現があるががまさにそのとおりだと思う。

両親も知ってか知らずかその方向での成長を促してくれるような育て方をしてくれたし。

 

小学生を明らかに逸脱した能力の高さを知って色々な人から誘いを受けた。

球技がやっぱり多かったかな?

ただ、その誘いを全部断った。

体力も筋力も人並みしかないし、やりたいことがあったから。

 

それが戦車道。

 

男の身ではあるが戦車道を始めた。

だって前の人生ではなかったものだもの!

 

初めは母さんに我侭を言って乗せてもらった。

試しに砲撃をさせてもらったが至近弾にはなったが当たらなかった。

母さんや他の人は驚いていたが当てられなかったことが悔しかった。

毎日学校が終わっては母さんのところに行って撃たせてもらった。

次第に的に当たるようになって今度は行進間射撃の練習を始めた。

やっぱり最初は当たらなかったが練習すると当たるようになった。

楽しかった、それに褒められると精神年齢はおっさんに近いが嬉しかった。

調子に乗ってドリフト中の砲撃なんかも練習した。

 

 

その結果がこれだ。

当然非公式にはなるが、11歳の男子小学生だが()()()()()()()()()()()()()()

成長して行くのが楽しすぎてやりすぎたな(確信)

俺自身まさかここまでとは思ってなかった。

 

……母さんの子供じゃなきゃここまでは到達できなかっただろうな。

これについては感謝してもしきれない。

自分の我侭で男なのに戦車道に関わらせてもらってるしな。

聞いたところによるとやっぱり偏見とかすごいらしいし。

 

「やっぱ守矢君がいると撃破率が違うねぇ」

「車両がどんな状況であろうと撃てば必中とかチート過ぎる」

同じ戦車内のおば……お姉さま方から肩を叩かれる。

この人達も俺を蔑んだりせずにちゃんと砲手として扱ってくれる貴重な人達だ。

「行進間射撃と言っても今回は相手が棒立ちでしたから……それならいい的ですよ」

「言い切るねぇ……流石は流星の息子にして……」

 

「はぁ……アーラシュはやめてくださいよ?足元にも及びません」

 

これが俺についた渾名だ。

相手が偉大すぎるにもほどがあるだろ……。

たった一射で国境を作った英雄やぞ?周回でお世話になりまくる英雄やぞ?

いや、キャメ○ットでのあれは痺れた、知らずに涙してたもん。

光栄ですよ?俺みたいなミジンコがそう言ってもらえるのは。

 

だがこの大英雄の名前になった経緯が微妙すぎる。

 

荒谷守矢(あらやもりや)→荒 守(あら もり)→荒 守(あら しゅ)

→あれ?そんな感じの偉人いなかったっけ?→すげぇ!この人の弓すげぇ!

→パパパッと決めて、終わり!

 

やめてくれよ……(絶望)

俺がある試合で取った戦法がそう言わせたってのもあるらしいんだけど。

……うん、我ながらあれはやばかった。

頭にきてたってのもあるんだけどある意味で流星一(ステ)……

みんなもアーラシュさんには感謝しようね!

 

「あ、守矢君。演習終わったらすぐに会いに来いって(てる)さんが言ってたよ」

「母さんが?」

 

 

照と言うのはうちの母親の事だ。

「宿題はちゃんと終わらせてるし何かしたっけ……」

まったく身に覚えがないが……。

「後はこっちでやっとくから先上がってていいよ~」

「了解です、後はよろしくお願いします」

行ってみたらわかるか。

 

 

 

「ねぇ、モリモリってたまーにすっごい歳いってる様に見えない?」

「あぁ~、同い年くらいに感じたことはあるかも」

「やっぱ照さんの躾が厳しかったりするのかなぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日も頑張ったね~!あぁもう!ママがハグしたげる!」

はい、絶賛スキンシップを受けてる最中です。

親バカと言うかなんと言うか……母さんからの愛がやばい。

「母さん、何か用事があったんじゃないの?」

一児の母親とは思えないくらい若く見えるのだがそれはそれ。

正直、鬱陶しく感じるときもある。

同じ歳ならしほさんや千代さんの方が断然いいわ。

「もーちゃんが冷たい!」

はぁ……会話が前に進まない。

母親からの愛の抱擁から脱出する。

「母さん、用件言わないなら今日は一人で寝るからな」

「はい!明日熊本へ泊まりに行きます!」

「熊本?しほさんとこにでも行くの?」

「せいかーい、顔見せに来いってさ」

最後に会ったのは……いつだっけ?なんかの交流戦のときだっけ?

「まぁ、それとは別の思惑があるような気もするんだけどね……」

思惑ねぇ……母さんを西住流に引き込むとか?

 

……いや、無理だな。

この母親が西住流の統率された動きに乗っかるとも思えん。

どちらかと言えば島田流に近いけど……これも無理だな。

現状、この母親を制御できる人間がいるとは思えん。

出来るとしたら千代さんのお子さんかねぇ。

確か小学2年生くらいで次元の違う車長らしいね。

なんか、母さんが千代さんと電話してるときに何度も聞かされたらしくて

げんなりしてた覚えがある。

 

 

「じゃあ、明日は朝早くから熊本に移動するからちゃんと起きること!」

「はいはい、特別持っていくものとかは?」

「んー……ママへの特別濃厚に愛する気持t」

「シャワー浴びてきまーす」

「もーちゃんが厳しい!!!」

 

 

けどまぁ……しほさんに久しぶりに会えるのは嬉しい……かな?




母親の名前はウィリアム・テルから

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