俺の第2の人生は戦車道と言う競技のある世界でした   作:ふみみん

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就職・・・・・・完了です。
これは更新速度が・・・さらに倍々タイムで遅くなるな・・・・・・。

営業の仕事がつらいのでどれだけ期間がかかっても初投稿です。


32・大事な告白です!

「角谷の姐さん、ちょっと話があるんだけどな」

 

連絡船が学園艦に到着した後、荒谷ちゃんからそう声をかけられた。

「えぇ~、もう遅いんだよ~?明日じゃ駄目なの~?」

夜も遅いのに一体なんだろう。

「出来るだけ早いほうがいいんだがね」

「なになに?生徒会に入ってくれるの?だったら来年も安泰だねぇ」

 

言ってて悲しくなってくる。

 

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「その来年に関してなんだよな、これが」

「来年に関して?一体何かな?」

 

少し手が汗ばむ。

まさか、そんなはずはない。

知られているはずがない。

きっと、来年の行事についてに違いない。

そう自分を納得させる。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「大事なこと?なんにもないんだけどなぁ?」

 

 

動揺を必死に押し殺す。

なんで、どうして知っている?

小山が話すなんてことはないだろうし、

かーしまも抑えてあるから問題ない……。

 

「前はあれで引き下がったがそうも言ってられないみたいだからな」

 

「なにがなんだかわからn」

 

 

 

 

「戦車道の復活は大洗学園の廃校に起因するものなんだろ?」

 

 

時間が止まった。

私は確かにそう感じた。

 

 

知られてしまった。

 

最も知られてはいけないことを

知られてはいけない人に知られた。

 

 

 

「……どうやって知ったのかな?」

「マジで偶然知り合いから聞いたんだよ。

まさか自分の通ってる高校がそんなことになってるなんてな」

 

この間の様におどけた様子はなくこちらを見つめてくる。

 

「他に知ってる人は?」

 

「いや、生徒会を除けば俺だけだろう。

ここにはそういった情報を取り扱う人間は少ないからな」

 

その言葉で少し安心する。

 

「……荒谷ちゃんの言う通り、今年度一杯での廃校を通告されたんだ」

「は?今年度?普通廃校って言ったら3年くらいは

期間があるだろ?在校生どうすんだよ?」

「今いる在校生に関しては文科省で転校先を割り振るんだって」

「完全ランダム?」

「みたいだよ」

「んなバカな話があるかよ……」

「それがあるんだよねぇ、私も耳を疑ったよ」

 

両手を広げて呆れる荒谷ちゃん。

そんな荒谷ちゃんを見て少しだけ気持ちが楽になった。

 

「……今年の戦車道全国大会で優勝すれば廃校が撤回されるんだ」

 

私は3月に文科省から来た役人とした話の内容を伝えた。

 

学園艦を運用する為には多額の資金が必要となり

現在文科省では全体数の見直しをし成果のない学園艦から

統廃合していくことを進めている。

なのでこれといった実績がなく男女共学としてからも

生徒数の減少が止まらない大洗学園を廃校とし学園艦を解体する。

 

そう文科省の役人から言われた事。

 

その役人が口走った[昔は戦車道が盛んだった]という言葉から

ならばこちらはその実績を作る、

まさか優勝校を廃校には出来ないでしょう?そう役人に言った事。

 

 

それを荒谷ちゃんは黙って聞いていた。

 

 

「これが私が隠していたこと全部だよ」

 

 

 

全部、荒谷ちゃんに話してしまった。

必死に隠していたこと全部。

 

「ねぇ、荒谷ちゃん……お願いがあるんだ」

「まぁ、俺が出来る範囲でなら叶えてやるが」

 

優しいねぇ、荒谷ちゃんは。

 

「この事をみんなには黙ってて欲しいんだ」

「いや、これは言った方が良いやつだろ」

 

「言わないでおいてくれるなら何でも言うこと聞いたげるよ」

 

この学校の会長の権限ってすごいんだよねぇ。

学園艦自体が生徒主導での運営だから、

大体のことであれば叶えてあげられちゃうんだよねぇ。

 

「ん?今なんでもするって言ったよね」

 

真顔になる荒谷ちゃん。

 

「単位とか出席日数とか改竄してあげるし、食券も好きなだけあげられるよ」

その程度なららくしょーだし。

 

 

「別にいらねぇかなぁ、それくらいなら」

「いらないって……じゃあ何が欲しいのさ」

 

あんまり資金の要らないものだったらいいなぁ。

 

「角谷の姐さんでも貰おうかね」

 

……へ?

 

「一応、風紀委員からも模範生の太鼓判貰ってんだぜ?

冷泉が絡まなきゃ無遅刻無欠席だからな。それに食券にもさほど困ってねぇよ。

いろんな部活の助っ人の報酬がたいてい食券だからな」

「えっと……私ってのはどういうことかナー?」

「言わせんな恥ずかしい」

「そ、それは私のセリフじゃない?」

「まぁ、冗談だが」

 

 

……それはそれでなんか傷付くなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、姐さん。何でそこまでして自分で背負い込もうとするんだ?

こいつは大洗の生徒……いや、この学園艦に住む住人の問題だろう?

個人でどうこう出来る問題じゃない」

この学園艦全体の問題だ、学園艦の運営を担っているとはいえ、1学生にこれは重すぎる。

「でも、みんなには余計な期待と責任を背負わせたくないんだよ」

「期待と責任か……」

「例え負けても私が黙ってそんな賭けをしていたと知られれば、

非難は私だけに向かうだろうからね」

「それじゃあ、姐さんだけが悪者じゃないか」

「それに私のキャラだったらそんなことしても不思議じゃないでしょ?」

「……」

「だからそれでいいんだよ、最後の最後に責任を取るために

私みたいなのが居るんだからさ」

 

それじゃあいくら姐さんでも潰れちまう。

 

「姉さん、もうちょっと俺らを頼っても良いんだぜ」

「そういうわけにもいかないよ……これに関しては、ね」

「戦車だって一人じゃ動かせねぇんだよ。人一人でやれることには限界ってもんがある」

 

どんだけ姐さんが有能でもな。

 

「だけど……」

何でもかんでも一人でやりすぎなんだよ。

出来るからって一人でやることはねぇんだ。

「小山先輩と桃ちゃんには聞けない事もあるだろ。

学園艦の運営はさっぱりだが戦車道に関しては二人よりは上だ」

「……うん」

「だから頼れ、事情を知っちまってる俺を」

頼られた結果、最終的にどう転がるかはわからんがな。

だけど俺ができることはやってやる。

「んじゃ、俺は野暮用を片付けなきゃならんから行くわ」

ちゃんと考えとけよ、そう言って生徒会室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

「さてと……これで角谷の姐さんも多少は考えてくれるだろうし、

後は当日までに出来ることをしないとな」

みほが編成がわかれば戦い様があるって言ってたしな。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

久しぶりに行ってみるかぁ……あそこに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これでどこから見てもサンダース生徒です」

私は手に持ったカメラで撮影を始める。

昨日、みほ殿が編成がわかれば戦えると言っていました。

 

車両も経験も足りてない私達が勝つには情報戦で優位に立つしかないのです。

学校によっては専門部署もあります。

有名なところで聖グロリアーナの情報処理学部第6課(GI6)

それだけ情報というものは重要というわけです。

 

しかしながら、そんな諜報員がうちの学校にいるわけもなく……。

ならばと!不肖、秋山優花里が敵地へと潜入し情報を得てこようと!

コンビニの定期便に乗り込んでサンダース学園艦に潜り込みました。

 

 

……スパイみたいでちょっとかっこいいと思ったのは内緒です。

いや、みたいではなく立派なスパイなのですが。

 

 

 

 

「すごいです、シャーマンがずらり!あれはM4A1型!あっちはM4無印!

あぁ!わずか76両両しか作られなかったA6があります!

一回戦!頑張ってくださぁい!!!」

 

 

……思わず興奮して激励をしてしまいました。

でも、しょうがないですね(ニッコリ)

 

 

 

 

しばらく歩いていると大きな部屋を見つけました。

大量のパイプ椅子が並んでおりそこには生徒がちらほらと……。

どうやらここでミーティングを行うようです!

 

「では私も目立たないようにここでm……」

 

私は固まりました。

 

「( ˘ω˘)スヤァ……」

 

パイプ椅子を3つ並べて爆睡する見知った()()がいたのです。

なぜ……なぜ彼がここに……!?

 

 

「( ˘ω˘)……このオウムはお亡くなりになっている……このオウムはイッてる……

息をひきとった……息絶え創造主のみもとに戻った……This is a late parrot」

 

 

 

 

そこにいたのは同じ戦車道メンバーである荒谷守矢殿でした。

 

 

 

 

 

 

 

しかしなぜ最後だけ急に英語だったんでしょう……。

 




はじめてのひとりぐらし、はじめてのえいぎょう、だれかたすけてくだちぃ

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