俺の第2の人生は戦車道と言う競技のある世界でした 作:ふみみん
「懐かしいね~……あの後、マジで西住流師範になっててびっくりしたよー」
あの出来事から数年後、しぽりんは本当に西住流を変えていった。
ちょくちょく連絡は取っていたのだがそのことに関してはほんとにサプライズだった。
「えぇ、あなたを真正面から叩き潰すために頑張りましたよ」
「結局、私の流星止められたんだっけ~?」
「……もういいでしょう?その話は」
私としぃちゃんは結局相対した。
結果はこちらの勝利。
私の流星は止められないのだ!
……まぁ、ほんとに僅差だったけど。
どちらが勝利してもおかしくなかった。
勝利の女神がたまたま私に微笑んだだけだ。
西住しほの西住流は恐ろしいほどの強さだった。
「で、とうとう家元だもんね~」
「まだ、ですけどね」
「いやいや、あの状況を完全にひっくり返したんだから大したもんだよ~」
現に、ここ数年の西住流は驚異的な強さを誇っていた。
島田流が脅威に思うのも無理はないだろう。
どんな状況でも動じず、統制された部隊での圧倒的火力による蹂躙。
いいね~……ちょっと戦ってみたいかも……。
「やっと老害連中を追いやれたので……、
それに照さんに少しお願いがありまして」
「ん~?お願いとな?」
お願い……お願いねぇ……。
「あっ!もーちゃんはやらんぞ!しぃちゃんでもそれは無理!」
「違います!」
違う?何だろう……。
「まほちゃんとみほちゃんにもまだもーちゃんはやれん!」
「何で発想がそうなんですか!」
「いや、まほちゃんがもーちゃんを見る目って明らかに何かあるんですがそれは」
「……否定できません」
「やっぱり!何があったのかなぁ?まほちゃんにぃ」
もーちゃんは素敵だからしょうがないけどネ!
「いや、私も知らない間に守矢君が出ていた試合の配信みてたみたいで……」
ほぉほぉ……。
「先日来るって伝えた時は、なんか無言でガッツポーズしてたわ……」
「ラブなのかライクなのか……楽しくなってきたねぇ」
「私は楽しくありませんよ……そうじゃなくて!」
あ、やっぱ違う?
「照さんと守矢君でこちらの選手と試合をして頂きたいのです」
「試合?なんでまた、西住流のお膝元なんだから強い選手はいくらでもいるでしょ?」
「えぇ、ですからその子達に教えて欲しいのは技術なんかじゃありません」
技術じゃないの?私に出来ることないんですがそれは。
「男で戦車道なんかやってると思ってる連中を叩き伏せて欲しいのです」
「……あ~、やっぱ居るんだ?」
戦車道は乙女の嗜みと言われている。
男であれば戦車に乗ってはいけない、と言うことはないが
実際に戦車に乗り競技を行うものは小数だ。
整備班には男性が多いが戦車乗りとなるとそうはいかない。
ここ数年で男性での戦車乗りも理解され始めてはいるが、
と言う考えも未だに根深く残っている。
もーちゃんが乗り始めたときもやはりいた。
幼く、私の息子であった為理解してくれる人もいたが
やはり少なくはなかった。
もーちゃんの場合、日々の練習とその成果を見てくれた人が居て、
それでも言ってくる連中には自らの腕で叩き伏せたこともあったかな?
「ふーん……試合の件は別にいいよ」
しぃちゃんのお願いだし。
ちょっと頭にくるし。
「ただ、私達のやり方って西住流を真っ向から否定してるってことはわかるよね?」
「えぇ、構いません。照さんの好きなようにどうぞ」
表向き西住流以外は邪道って言ってるからねぇしぃちゃん。
「照さんのチームの交通費も全額負担するので、チームごと呼んで貰えると助かります」
「わお!しぃちゃん太っ腹!チームも明日は練習日だから召集できると思うよ!」
試合したがってたし交通費出るし喜んで来るでしょ!
「それと……出来れば
え~、奥の手見せるの~?
「しぃちゃんのお願いとはいえ安売りはしたくないんだけどなー」
「見せたところで出来る人間もかわせる人間も居ないと思いますが?」
個で劣る私達が戦力差を埋めるために編み出したもの。
煙幕を利用し敵を撹乱させ同士討ちを誘発させる至近距離での乱戦と、
最高速度で敵に突っ込んでの零距離射撃からなる戦術。
「まぁ、一朝一夕じゃあれは出来ないし防げないよ」
しぃちゃんにはぎりぎり防がれそうになったけど。
多分、しぃちゃんちぃちゃん辺りなら二度目は通用しないかなぁ?
しっかし流星もかぁ……そうだねぇ……。
「
「私の?他に誰か使える方が居るのですか?」
「ん?もーちゃんに決まってんじゃん」
「守矢君が?」
「私の愛する息子だよ?叩き込んでるに決まってるじゃん」
まぁ、教えた結果とんでもない方向に進化したんだけど。
「守矢君のが使えない理由があるんですか?」
「いや、使えないわけじゃないんだよ?」
砲撃だけなら私超えてるかもしれないし。
「まさか照さん自身と比べてる訳じゃありませんよね?
それはいくらなんでも可哀想ですよ?」
いや、そうじゃないんだよねぇ……。
「あのね、しぃちゃん。厳密には私ともーちゃんの使う流星って違うんだよ」
まぁ、しぃちゃんだし言ってもいっか。
「正直に言えば
「次元が……違う……?」
「本人は
「それって一体……」
「んー……明日、試合が終わって誰にも見せない、口外しないのであれば見せたげる」
まぁ、見せたところでやる人間なんて居ないだろうけど念の為、ね。
「あ、まほちゃんみほちゃんくらいならいいよ」
「えっと……私が言うのもおかしいと思いますが……本当にいいんですか?
みほはともかくまほは間違いなくこの西住流を継ぎますよ?」
「へーきへーき!」
「余裕ですね……」
「将来、もーちゃんが王道を真正面からぶち抜いた方が認められそうじゃん?」
「私達、西住流を踏み台にする……と?」
「そこまでは言ってないよー、でも強い相手が居なきゃ評価なんて出来ないじゃん?」
相手が、弱すぎてももーちゃんのためにならないしねぇ。
「あ、試合に関してはちゃんと私ももーちゃんも出るし流星も使ってあげる!」
わたしはしぃちゃんにVサイン。
「ただ、それが原因で相手が戦車道止めても責任は取らないよ?」
「構いません、そうなってしまったのならそれまでだっただけの事」
「しぃちゃん本気だねぇ……」
しょうがない、親友の為に一肌脱ぎますか!
それにくだらないこと言う子達にはお灸をすえなきゃダメだからねぇ。
多少文章がおかしくてもノリと勢いで見てくれると助かります!
ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!