Monster Hunter Delusion【更新停止】   作:ヤトラ

2 / 63
 テーマは「火山でも氷山でもない地域で活躍するアグナコトル」です。
 何気にこのアグナコトル、アラムシャザザミに噛み付いて水辺に適応した奴なんです(笑)



part2:「海戈竜の生態」

 人生とは解らないものである。それは人間もモンスターも同じだ。

 自分の人生を大きく変える出来事が突然やってくるのも、それは致し方ないことだ。

 それはモンスターが、何らかの理由で突然変異を遂げ、亜種という道筋を辿る事も同意である。

 

~ある研究者のレポートより抜粋~

 

 

 

 さて、まずは炎戈竜アグナコトルについて解説しよう。

 アグナコトルとはウロコトルの成体で、火山に生息する海竜種として知られている。

 どうして海の竜が火山に居るかって?長年海竜種を研究している私でも、そこまでは解らんよ。

 マグマの中を泳ぐだけではなく、その碇のような口を使い、身体を捻る事によって地面を掘り進むことができる。

 また、口から熱光線を放つ、冷えると固まるマグマの鎧を纏っているなど、中々手ごわい相手だ。

 

 そんなアグナコトルだが、絶対零度の凍土に適した亜種も存在している。

 一体どういった経緯で凍土に適したかはまったく解らないが、この亜種もまた手ごわい。

 硬い氷を貫くほどの硬度を誇る嘴の他、口から高圧縮の冷水を吐く、氷の鎧を纏うなど、攻撃手段は似ているがまったく違っている。

 共通点は姿と、火属性攻撃を与えると外殻が溶けて攻撃が通りやすくなるという性質かな。

 

 

 これで二種のアグナコトルについて、簡単にだが説明させてもらった。

 では、ここからが本題。今度はアグナコトル変異種について語らせてもらおう。

 

 

 アグナコトル変異種とは、最近になって姿を現し、学者達を騒がせているモンスターだ。

 その名の通り、アグナコトルから派生した変異種で、海のような美しい群青色の甲殻を纏っているのが特徴。

 

 

 このアグナコトル変異種は、なんらかの理由で水中での活動を可能にした海竜種なんだ。

 当初は海で発見されたらしいから、別名が「海戈竜(かいがりゅう)」とされている。

 ユクモ地域の海竜種は潜口竜も含めて陸上活動が多いけど、これは海竜種らしい海竜種だね。

 

 とはいえ、この変異種(以後、海戈竜(かいがりゅう))はまたまた変わっていてね。目撃例のほとんどは陸上なんだ。

 遥か先にあるというモガの村やロックラックでもちらほらと見かけているが、水中で目撃されているのはここだけだ。

 どうやら海底火山を根城にしているらしいけど、見えはすれど行けはしないから、詳しくは解らないけどね。

 ではどうして主に陸上で姿を現しているのか?

 

 

 

―なんと彼は、地中深くにある地下水脈を辿って各地に出没しているんだよ。

 

 

 

 知っていると思うけど、ユクモ村は温泉が有名な観光地だよね。私は地学には詳しくないが、温泉というのは地下の水が溶岩の熱で温められてできる物だという。

 ユクモ村の地域では水脈が沢山あるから、海戈竜(かいがりゅう)は地中を掘り進み、その水脈を伝って移動しているそうなんだ。

 というのも、大抵は地中から間欠泉と一緒に出てくる事が多いから、そこから推測した結果なんだけどね。

 

 そのため、海戈竜(かいがりゅう)は水が多い地方にならどこにだって出現する。

 主に発見されているのは孤島と水没林。それと渓流にも姿を現した記録もあるらしい。

 また水脈を伝って移動するからか稀に人々の前に突然現れることもあるが、今のところすぐに地中へ潜るだけで目立った被害は無い。

 まったく、はた迷惑なモンスターだよね。先代が付けたという「神出鬼没の無法者」の異名も納得だよ。

 

 

 しかしこの変異種、原種や亜種以上に手ごわいよ?

 先も言ったが、彼は地中を掘り進み、出現する時は間欠泉と共に現れることもある。

 海戈竜(かいがりゅう)が出てくる!と思って近づいたら、それがただの間欠泉で吹き飛ばされたハンターも多い。

 しかもあちこちで水柱が立つから、迂闊に近づくと危ない目に合うよ。

 

 続いて、海戈竜(かいがりゅう)身体的な特徴も忘れずに伝えておこう。

 彼らは海底や地下水脈を移動できる為、圧力に強く硬い甲殻を持っている他、爪や嘴が著しく硬い。

 ヒレは本来の水棲らしい柔らかさを持つが、甲殻はまるで鮫の歯のような鱗がびっしり生えている。

 さらに碇口は原種や亜種とは比べ物にならないぐらいに硬い。掘削に適した身体といえるね。

 しかも地中深く掘り進むだけあって、スタミナが半端無いよ。スタミナ切れを狙うなら根気強くないと。

 

 おっと、原種や亜種と同じと思って火属性の武器を使うのは大きな間違いだ。彼らは体温を保つ為、海底火山のマグマや紅蓮石をお腹に溜め込んでいる。

 そのため火属性攻撃を受けると、体温が上昇してスタミナが回復してしまうんだ。原種や亜種と同じと思っていたら大間違いさ。

 逆に氷属性攻撃を受けると体温が下がって疲れやすくなるから、武器は氷属性をオススメするよ。

 それと、普段は圧縮した水を吐き出すんだけど、時にこのマグマや紅蓮石の熱を光線状にして吐き出すこともある。

 圧縮水と熱線を見極めるポイントは、口をカチカチ鳴らす回数だ。2回が水で3回が熱線。覚えておくといいよ。

 

 

 間欠泉による罠、幅広い行動範囲、硬く鋭い甲殻、高いタフネス、水と火を操る。

 このように、アグナコトルとしては高い戦闘能力を誇っているから、戦う場合は充分に気をつけて。

 

 

 

 最後に記しておくけど、この海戈竜(かいがりゅう)、実は害ばかり及ぼすだけではない。

 かつて砂漠の村に海戈竜(かいがりゅう)が現れたけど、オアシスを残して去っていった記録がある。

 水に飢えていた民を救ってくれた水の神様として、砂漠の都市となった今でも、人々から崇められているほどだ。

 また、ある村にも海戈竜(かいがりゅう)が現れた記録があり、その村は温泉で有名な観光地として栄えた。

 変異種が掘って出たという温泉は「アグナ温泉」と呼ばれているよ。いやぁ、いい湯だったなぁ。

 

 このように、モンスターはただ害を為すだけの存在ではないということを伝えたい。

 私たちは彼らから身を守っているだけにすぎないんだ。それを―――(ここより先、字が霞んでしまって読めない)

 

 

 

―――――――――――――

 

 

「な、なんだい今の地震は!?」

 

「た、大変だ先生!村に青いアグナコトルが出たーっ!」

 

「な、なんだってー!?」

 

 

―――――――――――――

 

 

 忙しくなってきたので、執筆はここまでにするとしよう。

 これだけははっきりしているから言うが、海戈竜(かいがりゅう)は、いつどこに出てくるのかさっぱり解らない。

 もし長い地震が続いたら、ひょっとして海戈竜(かいがりゅう)が近づいてきているのかもしれない。

 だからこそ、「神出鬼没な無法者」の異名が与えられたんだろう。

 

 

 

―みんなも間欠泉には気をつけろ!

 

 

 

―とある海竜種研究家著作の書物より―

 

 

 

―完―

 




 海に入ったウロコトルは普通に亜種化させようと思って、つい浮かんだネタです(笑)
 時代はMHP3rdになります。なので今後は本編に登場しません。あしからず(苦笑)

 このように、当作品ではオリジナルの亜種モンスターがたまに出てきます。
 しばらくは溜まっていた物を投稿するだけですので、くれぐれも、過度な期待にはご注意してください。
 何はともあれ、「こんなモンスターいいなぁ」と思ってくれたら幸いです。ではでは。

 ○本日の防具と素材一覧

 ●マリンブルーシリーズのスキル一覧 (剣士)
 ・水属性攻撃強化+1
 ・ランナー
 ・回避距離UP
 ・火属性攻撃弱化

 ●マリンブルーシリーズのスキル一覧 (ガンナー)
 ・連発数+1
 ・貫通弾・貫通矢追加
 ・水属性攻撃強化+1
 ・火属性攻撃弱化

 ●主に剥ぎ取れる素材
 ・海戈竜の棘鱗
  鮫の歯のような鋭い鱗。美しい群青色をしており、装飾品としての価値もある。
 ・海戈竜の碇口
  地中深くにまで掘削できるほどの硬度を持つ嘴。原種のよりも太くて鋭いのが解る。
 ・熱水の堅胸殻
  高圧に耐える頑丈な外殻。マグマを蓄える器官としてだけでなく、貯水機能をも併せ持つ。 

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。