Monster Hunter Delusion【更新停止】   作:ヤトラ

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実に一ヶ月以上経過してしまいました(汗)というわけで久々の更新です。予定日が大幅に狂いました(汗)

今回のテーマは「雷を纏ったグラビモス」と「ボンバッタを扱うジンオウガ」です。活動報告のアイディアを参考にさせてもらいました。
そしてモンスター同士の戦いが結構好評だったので今回も書いてみることにしてみました。

内容は薄いでしょうが勘弁してください(汗)



part28:「雷鎧竜と爆狼竜の決闘」

音と光は時に人を恐怖と驚愕に陥れることがある。

 

殆どの感覚を視覚で捉える人にとって閃光は驚愕を誘い、視覚で捉えられず聴覚で頼らざるを得なければ恐怖を抱く。

人は観て考え判断する知恵ある生物だ。しかし知恵は時に枷となり、感覚を何らかの形で刺激されると敏感になり、直感に頼ることが出来なくなる。

人の祖先は火を克服したというが、火が恐怖を与える存在であることには変りは無い。それは身を焦がすからではなく、突如として光と熱が灯した瞬間に恐怖を抱くからだ。

 

しかし人が最も解り易い恐怖の対象といえば……やはり雷だろう。

 

閃光が走り、あらゆる物を強大な電気で焦がし、落ちた瞬間に爆音が響く。光と音の恐怖、自然の驚異、神の怒りと表現するには充分な威力だろう。

故に大抵のモンスターは雷に弱いが、そんな雷を日常茶飯事に起こすモンスターがいるのがこの世の中だ。フルフル然り、ジンオウガ然り。

最近では爆破属性という特殊な状態異常のこともあり、爆発というもう1つの解り易い恐怖が増えている。過去にあったテオ・テスカトル、現在はブラキディオスがその筆頭となっている。

 

 

 

―これは、そんな爆音と閃光を操る希少種級モンスター同士の大決戦である。

 

 

 

―――

 

 辺境の地に聳える塔の頂に、二頭の見慣れぬモンスターが陣取り、争い合っている。

 遠くの空から望遠鏡で観測していた古龍観測隊の隊員がそう告げると、隊長格らしき男が別の望遠鏡でその光景を目の当たりにする。

 望遠鏡を覗き込んだ直後、観測船にまで届く閃光と爆音が轟き、望遠鏡で拡大して見ていた隊長がムスカってしまった。

 

 その閃光と爆音の正体は2つ。1つは雷で、1つは爆発。これらは2匹の大型モンスターが繰り出したものだ。

 

 片方は、巨重を誇る飛竜種モンスター・グラビモス。

 しかしその甲殻は青白いものとなっており、大きさはグラビモスの金冠サイズに届きかねないほどに大きい。

 何よりも驚愕すべきは、その青白い甲殻からは幾多もの稲光が走っており、グラビモスの口からは熱の代わりに電撃が漏れていることだ。

 先ほどの閃光と爆音の正体は、このグラビモスが口からビーム状に放った雷光だったのだ。

 

 片方は、強靭な四肢でグラビモスの前に立ち塞がる牙竜種モンスター・ジンオウガ。

 体毛は赤く、甲殻は橙色に染まっており、どこからやってきたのか赤い光が次々とジンオウガに集っていく。

 その赤い光の正体は、絶命すると爆発する虫・ボンバッタ。この赤いジンオウガが募らせているのはその上位種である「爆雷虫」である。

 閃光と爆音のもう1つの正体。それはこの赤いジンオウガが放った爆雷虫がグラビモスを覆い、爆発で包み込んだのだ。

 

 しかし、両者の一撃は無意味に終わっていた。グラビモスは爆発を物ともしないほどの防御力で、ジンオウガは雷光ビームを易々と避ける程の跳躍力で凌いだのだ。

 両者の放った一撃は隊員達が感じ取ったように強大無比な物。間違いなくG級か、もしくは希少種と呼ぶに相応しい実力を得ている。

 

 

―後日、青白いグラビモスは「雷鎧竜(ライガイリュウ)」、赤いジンオウガは「爆狼竜(バクロウリュウ)」という名称で報告されることになる。

 

 

 古龍観測隊の者達は先の閃光と爆音に恐れているが、それでも逃げ出そうとしない。

 観測隊の役割は、古龍種に匹敵する脅威をギルドなどに報告すること。その責務を果たすべく、彼らは2匹の戦いを見続ける事にしたのだ。

 

 まず動き出したのはジンオウガ。原種同様に脚力に優れているらしく、颯爽と駆け抜ける。

 対してグラビモスはゆったりとした動きで、受け止める自信でもあるのか、両足に力を込めて重心を低くして身構えていた。

 ジンオウガはそのまま大きく跳躍し、重心を低くしたグラビモスの背に己の前脚を叩きつけ―――爆発を起こした。

 先端に引っ付いていた爆雷虫を潰したことで起こした爆発だが、グラビモスの甲殻にはスス汚れしかつけられていない。

 しかしジンオウガは前脚からの爆発を利用して後方へ跳躍、四肢を地面に着地させたかと思えば今度は四肢の先端で爆発が起こり、その勢いに乗じてさらに高く跳ぶ。

 

 グラビモスはといえば、先ほどの衝撃を受けてからというものの、体に走る稲光の本数が増えたような気がする。

 このグラビモスの甲殻は圧力が加わると電気を生じるという電圧岩と呼ばれる鉱石で覆われている為、攻撃を受けるなどして圧力を加え電力を溜めるのだ。

 それだけジンオウガのダイナマイトお手が強かったということなのだが、グラビモスの分厚い甲殻は物ともせず、むしろ電量を高める結果となった。

 高く跳躍したジンオウガに向けて口を開き、先ほどのよりは細いとはいえ、それなりの太さを持つ雷光ビームを発射する。

 

 ジンオウガは空中で身を捻ることでなんとか回避、そのままグラビモスの背に向けて己の背を向け、空中から身体全体を叩きつける。

 流石のグラビモスもジンオウガの巨体を高高度から叩きつけられたことで岩盤ごと沈むが、ここでジンオウガは更なる一撃をお見舞いする。

 

 背中を叩き付けた直後、背中の爆雷虫が大量に押し潰されたことで、グラビモスとジンオウガの間に大きな爆発が生じた。

 

 流石のグラビモスもこの一撃は堪えたらしく、背中に大きな皹が生じ、思わず体が倒れこんでしまう。

 だが大きな爆発故にジンオウガもただでは済まず、爆発の勢いで跳んで再び地面に着地するも、硬く重い甲殻に体をぶつけたこともあってフラついてしまう。

 

 しかし両者に「諦める」という辞書は無い。そもそも辞書ですら無いが。

 グラビモスは割れた背中を誤魔化すかのように胸を張って咆哮を轟かせ、ジンオウガはそれに応えるかのように咆哮を飛ばす。

 いずれも先ほどの雷撃と爆音に負けないほどの音量を誇っていた。

 

 

 その咆哮を聞いた観察隊の皆は震え上がった。

 それは生物が持つ本能。雷といった大自然の驚異だけではない、強大なモンスターだと知ったが故の危機感だ。

 雷鎧竜と爆狼竜の決着を最後まで見る事なく、観察隊は逃げるようにしてギルドへ船を飛ばす。

 ギルドが駆けつけた頃には、2匹の姿が塔から消え去ったなどと知らずに。

 

 

 

―完―




●変異種紹介
雷鎧竜グラビモス希少種
電圧岩と呼ばれる石英のような鉱石で身を覆い、雷属性を身につけたグラビモス変異種。
衝撃を受ける度に蓄積された電力を用いて強力な雷ビームを口から放つことが出来る。
また、周囲に微弱な電気を生じて獲物を麻痺させたりするなど、絡め手も多くなった。

爆狼竜ジンオウガ希少種
爆破液を体毛に滲ませ呼び寄せたボンバッタを「爆雷虫」に強化させ使役する牙竜種。
爆破攻撃はもちろん、行動一つ一つに爆発を加え、よりアグレッシブな動きを見せる。


○本日の防具と素材一覧

●グラビドLシリーズのスキル一覧
・雷電(雷属性攻撃強化+3・雷耐性【大】の複合スキル)
・砲撃王
・麻痺無効
・水耐性弱化

●ジンオウBシリーズのスキル一覧
・異端者(状態異常攻撃+2・会心撃【特殊】の複合スキル)
・体術+1
・ボマー
・悪霊の加護

●ジンオウBシリーズのスキル一覧(ガンナー)
・爆雷(爆破瓶追加+爆破弾追加の複合スキル)
・体術+1
・ボマー
・悪霊の加護

素材は後日記載予定(滅)

ではでは。遅くなると思いますが、モンハンデルシオンもよろしくお願いします。

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