「えー、短期転校生の篠ノ之星です。
ニュースかなんかで知ってるかもしれないけど、あの光線を浴びれば男でもISを操縦する事が出来ます。 いや、こんな体になった以上男とは言い難いけど、俺は俺が男だと思っているので俺は男です。 それでは質問どうぞ」
1-Aの生徒は困惑した。噂の篠ノ之束の弟……いや、妹だろうか。とにかく、噂の人物がしかめっ面で「転校生」と名乗ったからである。
星の横では、連れてきた千冬が眉間を抑えていた。
「あ、あの……兄さん? 質問していいですか?」
「どうぞ」
「これからは姉さんと呼んだ方がいいのですか……?」
「兄さんと呼べ、俺は男でありたい。 次の方」
あくまでも自分は男だと言い張る星、天災の手で『股間』の一部分以外は女に作り替えられたと言って、早々魂の在り方が変わるわけではない。
『息子』は未だ健在…というより、何故か以前よりも雄々しく猛々しいので、自分が男だと思うのは無理もないのであった。
現在の彼はIS学園の制服を着ているが、長めのスカートの下のモッコリはそこらの男よりも大きく膨らんでいた。
「お、俺も質問したいんですけど……」
「どうぞ」
「星さんもISを動かせるからココにいるってことでいいんですか?
ニュースで見たから知ってるんですけど、身体は女なんですよね?」
「男だっつってんだろ一夏ァッッッ!!!」
クワッと目を見開き、握り拳を教卓にダンッと叩きつけて叫ぶ星。
その剣幕に、教室にいた生徒は全員身をすくませた。
百戦錬磨の千冬も驚いた。
「……失礼、とにかく俺は男です。
中継を見ていた人は知っていると思いますが、『ナニはある』から男と言えるんです。
あと、ISは動かせます……適正はSでした」
S、という言葉に周囲はざわつく。
それもそのはず、適性Sというのは世界中でも数人しか確認されていないほどの高ランク。
篠ノ之束の血族とは言え、元々男だった者がそこまでの適性を叩き出すとは到底信じられないからだ。
実際、束と星の妹である箒は適性Cで良くもないが悪くもない、平凡とも言える物である。
「星の適性は本当だ。私も確かなものだと確認している」
千冬の鶴の一声を信じたのか、ざわつきは一応収まった。
「次の方、どうぞ……はい、そこの金髪縦ロールさん」
「セシリア・オルコットですわ。 その、篠ノ之束博士の弟様とのことですけれど……本当に男性ですの? やはり、どう見ても女性としか……」
「男です」(半ギレ)
「で、ですが……」
「そんなに信じられないんじゃあオラオラ来いよオラァ!」(全ギレ)
「えっ!? あっ、ちょっと!?」
あまりにもしつこい問いにキレた星は、いきなりセシリアの腕を掴んで廊下に連れ出す。
そして星の「ホラ、見ろよ見ろよ」という言葉の次に、セシリアの絹を裂くような悲鳴が廊下に響き渡る。
しばらくすると相変わらず不機嫌な顔の星がスタスタと、茹蛸の様に顔を真っ赤にしたセシリアがよろよろと教室に戻ってきた。
「ねえ、大丈夫? 凄い声がしたけど」
「だ、大丈夫ですわ。 そして、間違いありませんわ……彼は紛れもなく男性です。 とてもご立派なスターライトMkⅢの持ち主でしたわ 」
「お、オルコットさん……?」
顔を紅くし、目がグルグルと回っているセシリアの錯乱したかような言動に、隣の席の生徒は戸惑う。
「星、何をした?」
「『見せつけてやった』だけですとも」
千冬は問答無用のジャイアンパンチを星の顔面に叩きこんだ。
時系列的には銀の福音戦手前ぐらいです。