授業を受けている間、星は常に悶々としていた。
周りから女学生特有の香しい甘い匂いと黄色い声が常に脳髄を刺激し、ビームマグナム(意味深)が今にも暴発しそうだった。
教師である山田真耶のグレネードがプルプルと震える時があり、実際はデストロイモード(意味深)が発動寸前だった。
『こんなことを繰り返していたら、心が壊れて人間ではなくなってしまう! 』と心の中で叫んだのも無理はない話である。
そのせいで休み時間は常にトイレに駆け込み、ビームマグナムを斉射するハメになった。
そんなこんなで放課後。
「ここは股間に悪すぎる……」
前かがみになって歩きながら、星は呟く。
デストロイモードは未だに治まらず、ビームガトリングガンは今にも唸りを上げそうである。
「あっ……」
「んん?」
鈴を転がすような綺麗な声が後ろからしたので振り返ってみると、自己紹介時に星が『見せつけた』相手であるセシリア・オルコットが立っていた。
「あ、あ、あの……っ」
「どうしたのさ?」
相変わらず顔を紅くして、視線を目と股の間をチラチラ行ったり来たりさせるセシリア。
(うう、いくら篠ノ之博士のいも……弟様とは言え、あのような真似をした方とお近づきになり、あわよくば遺伝子情報を入手しろだなんて……もしくは、この方を通じて篠ノ之博士とのコネを作るか、あのビーム砲を入手しろだなんて……本国も酷いですわっ)
イギリス本国からの星との接触命令が出ていたセシリア。
実はイギリスのみならず、ほとんどの国は一夏以上に星との接触を優先していた。
何しろ、貴重な男性操縦者ということもあるが、それ以上にあの天災がワザワザ『新人類』とまで言ったのだ。
その遺伝子を解析すれば、貴重な男性の操縦者の量産のみならず生命として新ステージに立てるかもしれないと各国は考えた。
その新ステージに立つ先駆者争い、つまり星争奪戦は水面下ですでに始まっていた。
そして、その争奪戦に先手を打ったのがセシリアというわけである。
「あ、あ、貴方のことが気になりますの! よろしければ一緒に紅茶でもいかがですか!?」
「アッハイ」
半ばヤケになっていたセシリアは、後先考えずに勢い任せでナンパ紛いの言葉を発した。
そしてその勢いに押された星は、セシリアに背を押されながら彼女の部屋に押し込まれた。
「おかけになって? 今、お茶を淹れてきますわ」
セシリアに促されるまま、星は趣味の良さが感じられる椅子に腰を掛け、部屋の主であるセシリアは部屋の奥においてある冷蔵庫へと向かった。
その瞬間、ピアス型の通信機に束から連絡が入った。
『うぷぷ、どーやら侵入できたようだね? そこで束さんからのプレゼントだよ! その椅子の裏を調べてごらん!』
椅子の裏に何か仕込んだのか、と訝しげに思いながらも素直に星は座っている椅子の裏を調べる。
すると、椅子の裏には手のひらに収まる程の、小さなビニール袋が張り付けてあった。
ビニール袋の中には白い粉末が入っている。
『昼頃に言ってた束さん印の超即効性睡眠薬だよ! それで眠らせて…セックス!!(カミーユ精神崩壊シリーズ)』
『やめないか!!』
『そうは言っても、身体は正直だよねぇ? 今の星くんは興奮状態に入ってるって束さんにはわかるんだよ』
どうでもいいが、このセリフは両方とも田村ゆかりヴォイスであることを記載しておく。
『まぁまぁ、とにかくヤっちゃいなよ。 イギリスには『オタクの代表候補性、うちの星くんがレイプするけどいいよね? 答えは聞いてない!(リュウタロス)』って話つけてあるから』
『きょ……脅迫じゃねーか!(田所アキラ)』
『ま、そういうわけだから後はよろしくね。 あ、ちなみに薬の効果は2時間程度で切れるけど、時間が来るまでは何しても起きないからね』
言うだけ言った束はプツン、と通信を切る。
しばらく待っていると、セシリアがお盆に2杯のアイスティを乗せてやってきた。
「お待たせしました、アイスティーしかなかったのですけれど……いいかしら?」
テーブルの上にアイスティーを乗せると、セシリアも向かいに座る。
「そ、そのルームメイトは部活で離れているから、3時間は来ませんの。
それまで色々とお話をしましょう?」
上目遣い、しかも頬を紅潮させながらの潤み目でセシリアは言う。
本人が意識してやったことではないだろうが、並大抵の男では対抗できないほどの魅力をセシリアは放っていた。
「お話ねえ……あっそうだセシリア」
「はい」
「お前、さっき俺の股をチラチラ見てただろ(指摘)」
「えっ……なぜ見る必要なんかあるのですか(反論)」
「嘘だよ(ジョーク)」
「う……か、からかわないでくださいな……あっ、そっそうですわ! お茶菓子も持ってきますわ!」
いきなり事実を指摘され動揺するセシリアは、話題をそらすために再びキッチンへと向かった。
瞬間、星の目がキラリと光り、セシリアの飲む紅茶に束印の睡眠薬を混入する。
一秒も掛からないほどの早業だった。
何やかんや言ってても、星も一定の欲望……主に肉欲を持つ男(体はほとんど女だが)だった。
「お、お待たせしました! スコーンしかなかったのですけど、いいかしら?」
「あ、いいっすよ(快諾)」
慌てながらスコーンをテーブルの上に乗せるセシリア、その手は震えていた。
席に座ったセシリアは、気分を落ち着かせるためにアイスティーを一口飲む。
すると、そのままコテンとテーブルの上に突っ伏し、寝息を立てはじめた。
「……さて」
星がスカートとパンティを下ろす。
今、可能性の獣が解き放たれた。
事の最中はR18で書くかもしれない