ガーリー・エアフォース Electronic wing 作:ECMO
《Ghoul leader to all units.Sequence D-6 .Penetrating enemy intercept line.Prep for EW.MASTERARM to ON.》(グールリーダーより各機、シークエンスD-6、敵機迎撃ラインに侵入、電子戦用意、マスターアームオン)
私が眺める戦術マップに自機のレーダーとデータリンクの情報を統合した画面の表示されたディスプレイの下方にある細い線を超えて新たに友軍機が到着しました。数は4機、F/A-18Eを駆るGhoul squadronです。
既にその先では別部隊が戦闘をしています。引っ切り無しに聞こえる無線が戦闘の忙しさを感じさせます。
《Happy1 in》《Happy3 in》
《Happy2 FOX3 out》 《Happy4 naked out》
《Happy1 FOX3 FOX3》
さてと、私も自分のお仕事をするとします。
「Gray eye to Ghoul. Happy target merge.Type1 three bandits.Correction,make that five.invade BRAVO-4-2.Those are decoys.Type2 from 10-7.Reading six bandits》(グレイアイよりグール。ハーピィが接敵、タイプ1敵機は3いや5機、ブラボー4-2に侵入する、これらは囮。10-7よりタイプ2、6機)
《Ghoul leader ,roger,RDR contact. Gray eye,do you read? Targets merge.》(グールリーダー、了解、レーダーコンタクト、グレイアイ聞こえるか?ターゲットマージ)
「copy」(了解)
《Ghoul SQD will hit Type1s,All units,follow me.》(グールはタイプ1を叩く、各機続け)
「copy.OK Ghoul leader.」(了解した、グールリーダー)
《Ghoul leader dive to closing.Angel3》(グールリーダー、ダイブして接近。3000フィート)
《Target closing.Type2 invade 10-5》(ターゲット接近中。タイプ2は10-5に侵入)
《10-5 copy.Ghoul leader Engaging. seeker open lock-on FOX2 FOX2》(10-5 了解、グールリーダー エンゲージ、シーカーオープン、ロックオン、FOX2 FOX2)
《Ghoul3 naked! out》(グール3ロックされた、退避する)
《Ghoul2 cover》(グール2 カバーに入る)
《Ghoul2 behind you! break left!》(グール2!後ろだ!ブレイクしろ!)
《break! break! break!》(ブレイク!ブレイク!ブレイク!)
戦闘が開始されたら私の仕事はは周辺の索敵・警戒と電子妨害、それにデータリンクを通じて各機のレーダー情報等を収集しEPCMノイズの除去を行い、情報を統合して再分配する事です。またデータリンクを結んでいる機体とリンクが繋がっているミサイルに対するEPCMの打ち消しも行います。あとは仲間の彼等の幸運を願い、彼等を信じる事。
《Ox leader it Arrived in combat zone.Request Targets.》(オックスリーダー、戦闘区域に到達、リクエスト ターゲット)
戦闘区域に到達したと報告してきたのはOx spuadron、8機のF-35Cで構成された部隊です。
「Gray eye to Ox.Right turn heading 050 Angel4」(グレイアイよりオックス、右旋回 方位050 4000フィート)
10-5にいるタイプ2の6機を側面から攻撃できる位置に誘導します。
《Right turn heading050 Angel4 copy.》(右旋回 方位050 4000フィート、了解)
「After turning the end 1o'clock 140km Angel3 Type2 six bandits」(旋回終了後、1時方向 140km 3000フィート タイプ2が6機)
《Ox leader copy.》(オックスリーダー了解)
《Ox leader RDR contact.Approach to 110km.All units follow me》(オックスリーダー レーダーコンタクト。110kmまで接近する。各機続け)
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《Good kill ! Good kill !》
最後に残っていたザイを撃墜したみたいです。EPCMが消えました。私自身のレーダーを確認し、データリンク越しにF/A-18E・F-35Cの戦闘機部隊とE-2D 早期警戒機のレーダーを確認しても敵機は見当たりません。
戦闘の終了を確認してステーションナンバー2・5・8のパイロンに装備しているECMポッドの動作を停止させます。
あ、自己紹介を忘れていました。それでECMどうのこうの言っても何の事かよく分かりませんよね。
初めまして、私の名前は『EA-18G-ANM グロウラー』アメリカ海軍が所有する2機のドーターの片方です。よろしくお願いします。
さてと、今回の戦闘で収集した情報を簡単に確認しておくとします。私の仕事はEPCM環境下での戦闘の支援と管制、それに戦闘時のあらゆる情報を収集して持ち帰ることです。
ドーターでは有りますが基本的に直接的に戦闘には参加しません。代わりに支援には全力を尽くします。敵の目を潰して、味方の目をより良く見えるようにします。目に見えない電子の世界で私は戦います。
私も私を作ったモノも、それがより効果的なドーターの使い方だと考えています。
今回の戦闘ではタイプ1を5機とタイプ2を6機の計11機のザイを撃墜し、友軍の被害は軽度の損傷をした機体が2機だけで被撃墜機はいません。嬉しい事です。
戦闘機部隊の彼等はとても優秀です。私は優秀な彼等が好きです。仲間が出撃した時と同じ数だけ帰ってこれる事はとても嬉しく思います。
さて私たちの家である船が見えてきました。広大な海原では針のようにしか見えませんが、あれは全長が333メートルもある巨大な船です。ニミッツ級航空母艦9番艦CVN-76ロナルド・レーガンです。
先程まで戦闘していた機体が次々に着艦していきます。甲板上は大忙しでしょうね。
私の番になりました。甲板に向けてアプローチします。誘導装置に従って高度を落として接近して行きます。
着艦の時に毎回思いますけど船の上で飛行機を使うのって無理がありますよね。明らかに狭過ぎます。機体を降ろす場所の左右には色々置いてありますし、手前に降ろしすぎると艦尾に衝突しますし、奥過ぎたら艦を飛び越してしまいます。前後左右にもっとずれたら海ですよ?飛行機を運用する環境として間違っていると思います。
そんな事を思いながらいつも通りタッチダウン、アレスティングフックを3番目のワイヤーに引っ掛けて機体を停止させます。
うんうん上手い上手い♪我ながら完璧な着艦です。艦載機のドーターが着艦下手だったら笑い話ですからね。
誘導に従って機体を移動して主翼を畳みエンジンを停止します。
ダイレクトリンクを解除してキャノピーを開き、ストレーキに内蔵されているタラップを展開して機体から降ります。
「お疲れさんグロウラー。ご褒美だ、ほれ」
そう言って何かを投げてきた初老の男性はこの艦の艦長さんです。普段はお出迎えなんてしてくれませんが今日は何かあったのでしょうか?
「おっとと、ありがとうございます。艦長さん、何かあったんですか?出迎えなんて」
飛んで来た物をキャッチします。それは紙パックのココアでした。ココアは大好きです、艦長さんもよぉ知っとる、んー♪
「大した事ではないよ。ん?あぁ飲みながら聞いてくれていいぞ。この後は予定があるから指令を伝えるついでに挨拶しておこうと思っただけだからね。」
紙パックにストローをさしてココアを飲みながら話を聞きます。
「帰って来たばかりに悪いんだが2時間後に出発だ、厚木行き。詳細は端末に送ってある、質問もCCSに聞いてくれ。君を運用するベースが変わる事になった一時的にか、永続的にかは分からないがな。」
「そうなんですか残念ですね、ここは気に入っていたんですが仕方ありませんか。」
「こちらとしても残念だよ君が居なくなるのは。寂しくなるな。今まで良くやってくれた、素晴らしい戦果だったよ。美味しいココアを用意しておくからいつでも帰って来ると良い、我々は君を歓迎するよ。」
「それは良いですね、すぐにでも帰って来ますよ」
「急いで美味いココアを見繕っておかないといけないな。それでは元気でな、グロウラー」
ポンポンと私の頭を優しく叩き艦長さんは歩いて行きました。
携帯端末を取り出して指令を確認します。
指令はCCS(セントラル・コンピューター・システム)からです。
CCSはアメリカ軍が試験的に運用している超大型コンピューターで将来的に陸軍、海軍、空軍、海兵隊の全ての情報を統合して処理し、戦術的・戦略的な作戦立案や現地とのリンクによって情報支援を行うことを目標としているものです。現在は対ザイ戦で試験運用中で空軍・海軍が主に利用しています。
私はCCSの指揮下に位置していて特定の部隊に所属しません。また私の、つまりはEA-18Gのドーター化はCCSが主導して行われました。
そのCCSからの指令の内容は厚木海軍飛行場へ移動とのこと、上海攻略作戦で協力する事になる日本のアニマ達と顔合わせをするためだそうです。それに加えて厚木行きは私一人ではないみたいです。彼等も連れて行くように指示があります。
ちょうど今着艦した機体です。あれはX-47 AFM(Advanced Flight Model)です。無人攻撃機X-47Bを改造して作られた機体です。当初はCCS又は私の遠隔操縦で運用される予定でしたが今では完全自律で稼働しています。あれを2機連れて行きます。
さて、時間もあまり無いので準備してきます。
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多くない荷物を鞄にまとめて機体のタラップを登り鞄を後部座席に持っていきます。しかし後部座席は空っぽではありません後部座席はCCSのターミナルユニット、コンピューターが占領しています。これは作戦行動時に私の演算能力をブーストすると共にCCSとリンクする際に使用します。狭い隙間に鞄を入れて固定します。
私も前席に乗り込みます。声が聞こえてそちらを見ると人が集まっていました。この艦の戦闘機部隊のパイロット達です、大勢で騒いでいます。何と言っているかは分かりませんが、見送りに来てくれたみたいです。取り敢えず手を振っておきます。騒いでいる声が大きくなった気がしますが気にしません。
NFI、アニマとドーターをリンクさせる端末に手を置きます。ダイレクトリンク。機体の外装がガンメタリックグレーに輝き6角形の模様が機体の各所に現れます。ドーターが起動した事を検知してCCSのターミナルユニットも起動し機体とリンク、機体の外装に銀のラインが加わりました。
発艦の準備手順を進めていきます。
誘導に従い主翼を展開しながらカタパルトの位置まで移動、準備、確認を行います。カタパルト後方の遮風板が立ち上がります。
発艦。カタパルトに引っ張られながらアフターバーナーを使用して一気に加速します。艦から離れたらギアアップして加速しながら旋回、X-47が発艦してくるまで待機します。
しばらく待つとX-47が2機発艦してきました。合流して編隊を組み、1度艦隊上空をフライパスしてから進路を目的地に向けます。
さぁ!厚木飛行場に向かいますよっ
色塗りと六角模様を諦める悲しみ