ガーリー・エアフォース Electronic wing 作:ECMO
大規模戦闘だからっていっぱい書いたらゴチャゴチャになって、分かりづらくなったから削ったら中身スカスカになっちまった。己の文書力の無さを呪うぜ。
原子力空母『ジェネラルド・R・フォード』ニミッツ級航空母艦を改良したフォード級航空母艦の1番艦です。
各種機能の自動化により機能を維持したまま必要人員を1000人程ニミッツ級よりも削減したこの新鋭空母は堂々と横須賀に陣取っています。ここ一応ロナルド・レーガンのベースなんですけどね。この船のせいでレーガンはグアムで補給だそうです。
フォードがここにいるのは上海攻略作戦に参加する日本のドーターを積み込む為です。
「お、グロウラー、来たよー来た来た。ツーマンセルと......わ!あと二人もいる。すっごーい!」
ハンガーベイに入って来た客人を目指してライノが走り寄って行きました。私も行きましょう。走りませんよ?
歩いているとライノと握手して何か話していた少女が手を離してこちらに顔を向けました。
鮮やかなエメラルドグリーンに煌めくおかっぱ髪、透き通るように白い肌、薄紅を垂らしたような唇、コルセットスカートとブラウスが清楚な印象を与えお嬢様然としたイメージを受けます。
お人形さんみたいですね。すごくかわいいです。
「こちらがライノと言う事は貴女がグロウラーですか、実際に会うのは初めてですね。」
「私とコンタクトを取ったことがあるってことはファントムですね?よろしくでーすよっ」
「ファントムとグロウラーは知り合いだったのか?」
慧君が質問してきました。
「ええ、まぁ」
「んーネット上でやり取りしてた仲みたいな?」
「ネット上?メールとかか?」
「ファントム割りと頻繁にCCSにアタックしてくるんですよね」
「CCS?」
「ウチの親玉の大きいパソコンです」
「おいファントム流石に米軍のコンピュータをクラッキングするのはマズイだろ」
いや米軍に限らずどこのコンピュータでもクラッキングはマズイと思いますよ?
「随分と一方的な供述ですね。セキュリティを抜けて侵入できたのは最初の1回だけですしそれもすぐに弾き出されました。こちらも逆侵入を受けて怖い思いもしましたし」
「アタックに関しては否定しないんだな」
「嘘はつきませんわ」
「あれですね、逆侵入はCCSがテストで高負荷処理してた時にアタック受けてX-47 AFM7機の電子知性が対応した時ですね」
「物理切断出来なければ危ないところでしたよ、まったく」
そう言って肩をすくめるファントム、でもそれアタックしてくるファントムが悪いと思うんですけど。
「電子知性は貴重なアニマを使用不可になんてしませんから大丈夫でーすよ」
「グロウラー、そろそろ良いー?ウィリーが待ってる」
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移動した先の部屋で簡単に作戦概要の説明です。
制空戦闘は大きく分けて3つの部隊で行います。
第1集団は通常の艦載機、対EPCM性能を持たないため敵を引きつけるように動きつつ戦闘は避ける。ザイの迎撃を分散させる役割です。
第2集団はブロウラー、主攻勢方面に向け突入し敵の数を減らします。
第3集団はライノやファントム達ドーターです、ブロウラーの空けた穴を拡大して制空権を確保します。
なんと私もこの第3集団に参加して直接戦闘を行うように命令が来ています。私も直接戦闘が出来ないわけではありません。しかし、より有効な効率的な運用をするべきです。
CCSはこの命令に対して複数回異議の申し立てをしていますが残念ながら撤回される事はありませんでした。
この作戦ではこれまでの戦闘により得られた情報から推測された『単位時間で戦力の2〜3割を消耗するとザイは撤退するアルゴリズムを持つ』という事を利用するそうです。
作戦開始直後に全航空戦力を投入して多くの敵を叩き撤退アルゴリズムを発動させる。一気に片を付けなければ単位時間あたりの撃墜数は減ってしまうので短期決戦です。
であれば通常戦力をより有効に使える私の出番のはずですが、私は直接戦闘の担当から外されません。私やCCSの事を消したい人間も一定数いますからそういう事でしょう。
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「ウェルカーム!」
歓声やクラッカーで騒がしいここは日本から来たゲストの歓迎会です。
ゲスト達に人だかりが出来ています。あれ?人だかりの中から1人私の方に来ました。何?少年が英語でコミニュケーションが取れないから通訳してくれ?口を埋めておけば言語の壁なんて出来ませんよ。
ふと壁際に1人の人影に気付きました。ファントムです。
近寄って行くとファントムもこちらに気付きました。
「あら、貴女は参加しないんですか?お祭り騒ぎが好きそうなものですが」
「勝手なイメージですねー、私は沢山の人と関わるのが苦手なんですよこれでも。」
「意外ですね、EPCM環境下で管制をするのが仕事なのに大勢の人と関わるのが苦手とは」
「戦闘中に私が話している相手は人間じゃなくて戦闘ユニットですよ。パイロットなんて戦闘機の操縦装置に過ぎません、それが人間である必要はありません。むしろ無人機の方が好きです。」
「それがブロウラーですか?」
「まさか、あんな物役に立ちませんよ。ファントムには伝えておいた方が良いかもしれませんね、まぁ堂々と言える事じゃありません、また後で。」
そんな話をしていると慧君がこちらにやって来ました。
「どうしたのですか?慧さん」
「いやなんか食べ物が無限に運ばれて来るから逃げてきた。」
「あ、ごめんなさい私が指示しました。」
「お前のせいかよ」
この後は3人で話しているところのライノが乱入して来て、ライノに煽られたファントムがお祭り騒ぎに参加したりしましたが大して重要な話ではありません。あえて言うならばファントムが可愛いらしいところを見せてくれました。
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時は進んで8月12日午前7時。
東シナ海に艦艇が大集合です。見渡す限りの大軍。
格納庫から甲板へと移動するエレベーターから見える景色は壮観と言うに相応しいものです。振り返れば空母の格納庫には似合わないF-15とJAS-39、タイムスリップしてきたのかと思うF-4。すごい景色です。エレベーターが上昇して彼女たちが見えなくなりましたが空ですぐ合流します。
甲板に上がればいつも通りの光景です。指示に従って指定されたカタパルトに向かい、いつもと変わらない手順で発艦。いつも通りです。
《Gray eye, Contro, Taxi toAC01》
いつも通りと言えば私のコールサインもいつも通りです。最初は自衛隊のドーター部隊Barbieに編入される予定でしたが、第3集団として戦闘を行った後、弾が無くなったドーターは自衛隊組はそのまま日本は帰り、ライノは空母で補給。その際私は兵装の補給に戻らず友軍に対する電子支援に入ります。ここで戦力になるドーターがまだ戦場にいると勘違いされない様にコールサインがいつも通りです。
にしてもこの電子支援に入るように命令が変更されて良かったです。まぁCCSが命令をバレにくい範囲で改竄しただけですけど。電子媒体に頼るのが悪いんですよ。
さて発艦です。レーガンのスチームカタパルトに慣れているせいでフォードの電磁カタパルトは不思議な感じですが、発艦に影響はありません。
ものの2秒で時速250km程度まで加速して発艦。高度を上げます。ライノの合流して編隊飛行を開始。日本のドーターが上がるのを待ちます。
全機無事上がってきました。
「Gray eyeよりBarbie各機へ第1集団は既に敵と接触、作戦通り陽動を行なっています」
《第2集団、ブロウラーは少し遅れてるねー》
ライノの声です。
《遅れてるって……早くしないと通常機が!》
慧君の言う通り陽動を行う通常機の部隊からは既に何機も墜されています。
《落ち着きなってあれでも急いでるから。もうすぐ来るから。タイミングを合わせて、突撃するよ!》
12機のブロウラーが戦場に到着するとそれに続くように私達第3集団も戦闘に参加します。
《BRW, ENGAGE》
機械音声が戦闘開始を告げてブロウラーが散開した直後でした。
WRAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!
大出力のEPCM。未知のパターン。何でしょうか?今のは。
閃光。彼方の空に爆炎が舞っています。友軍機が撃墜された?撃墜したのは......ブロウラー。
《なんてこと……こんなに早く手を打ってくるなんて》
《ど、どうしたんだ》
慧君はまだ状況を理解出来ていないようです。
《彼ら、ブロウラーを操っています》
ブロウラーを操る。その可能性は以前からCCSは指摘していました。ブロウラーはX-47 AFMの電子知性とは違い自律思考をしているわけではありません。検出したEPCMをデータベースと照合して一致するものに紐付けられた行動をします。敵がそれに気付いていれば状況を誤認させるのはたやすい事です。
「第2集団が消えたのでは作戦は失敗です。Barbie、離脱したください。私は友軍の撤退支援に入ります。Gray eye、アウト」
機体をバンクさせて編隊から離脱します。大きく広がる戦線の中央を目指して進路を取り上昇します。
《ぶっ壊れた人形がぁ!俺が、貴様ら如きに!》
破裂音に続いてノイズが聞こえます。
ザイはブロウラーではドーターに勝てないと理解しているのかブロウラーは一般機を狙っているようですね。ん?Barbie1が離脱していない?なぜです?ファントムもイーグルも離脱しているのに1機だけ残っています。ザイに囲まれて。
チッ何故指示に従わない?民間人と言っても軍の作戦行動に参加しているんですよ?
《しっかりして!こっち、突破するよ!》
《ライノ》
そう言ってライノがグリペンに接近するザイを砕きます。あれを助けるなんてライノは優しすぎるんですよ。自分から死地に飛び込んで。
ライノとグリペンはザイの包囲網の薄い場所はを破り抜けていきました。艦隊から遠ざかる方へ。
気にしていても今私に出来る事はありません。私は私の仕事をします。
《Kraken leader,this is Kraken6!I have three Type1s on my tail!》(クラーケンリーダー、こちらクラーケン6、タイプ1 3機に後ろを取られた!)
《Shake them off,Kraken6!l'm on my way!Hang on!》(振り切れクラーケン6!すぐに行く!)
《Shit, I can't shake them!Help me!》(振り切れない!助けてくれ!)
進路上に追撃を受けている友軍機がいます。無視する訳にもいきません。AIM-120を3発発射。中射程ミサイルはそのロケットモーターの燃焼時間を残したまま速度を落とすこと無く目標に命中。ザイを火の玉に変えます。
《Thanks for the save,Growler!?》(グロウラー!? 助かった!)
黒煙のすぐ脇を通過し上昇を続けます。
「God speed.」(幸運を)
《You, too!I'll buy you a drink when we get back,Brother!》(そっちもな!帰ったら一杯奢るぜ、兄弟!)
《New contacts, bearing to starboard!》(新たな敵影、右側!)
《Roger! starboard!》(了解、右)
目標地点に近付きました。どうやら艦隊には既にCCSから撤退命令が出ているようです。
目標地点に到着。
「Gray eye to all unit. Use Barrage Jamming for all frequency bands in 20 seconds.Designate units to retreat.」(グレイアイより全てのユニットへ。20秒後に全周波帯に対しバラージジャミングを使用。指定のユニットは後退しなさい)
全周波帯にバラージジャミングなんて頭痛が痛いみたいな言い方ですが、通常のバラージジャミングと異なり友軍の使用する周波にもジャミングを展開するためその旨を理解してもらうためです。
前衛で陽動任務についていた部隊は全て後退してもらいます。
このジャミング中に敵の勢いを削り取ります。本来であれば攻撃を終え離脱するドーターチームと入れ替わり、前線を維持する担当だった後方で待機しているロナルド・レーガン所属の戦闘機部隊にテキストメッセージで支援要請を送ります。
全周波帯にジャミングを展開すると言っても私の持っているECMポッドだけでは足りません。ジャミングは広い周波帯に対して行うとバンド当たりのジャミング強度が下がってしまいます。
なのでフォード所属のEA-18G各機にジャミングを行う周波をそれぞれ割り振って指示します。各機の後席の電子戦士官が機材を操作し指定した周波に高強度ジャミングを展開してくれるはずです。
「ジャミング開始」
ジャミングが開始されると友軍の無線すらノイズしか聞こえなくなりました。私のレーダーは問題無く使用出来ますがこれは私がジャミングパターンを把握してノイズを除去しているからであり、私及び私とリンクしているX-47 AFM各機以外のこの戦場にあるレーダーは機能を潰されているはずです。
ジャミングが展開されるとEPCMを受信出来なくなったブロウラーは待機モードに入り、戦闘を停止しました。
これと同時に今まで上空から戦場を観測していたX-47が全機降下を開始しました。彼等はそれぞれ独立した知性体であり自分で考えて行動しますが、この状況で必要な行動は全機が同じ結論に至ったようです。
X-47が狙う目標はブロウラーです、6機のX-47は自機と他機の位置情報から誰がどの目標を狙うのが最も効率的かを考えて、目標を選別し目標に正対する様に回り込みます。2発のAIM-120を発射。X-47は直ちに上昇退避します。
ブロウラー12機はそれぞれ自機に向かって来るミサイルを探知し、回避運動を開始しました。しかし無駄です。
互いに正対した位置関係にX-47が高度優勢、1機につき1発のミサイル。いつかの模擬戦と同じ条件を揃えました。これらの条件下でブロウラーがとる回避運動を我々は知っています。
どのように動くか分かっている目標にミサイルを当てる事は難しくありません。ブロウラーにAIM-120が次々に命中し蒼空に散って行きます。
ブロウラーが全機撃墜された事を確認して、友軍の使用する周波帯に対するジャミングを終了します。
遥か後方より膨大な量のミサイルが飛来してきました。先程援護要請を送ったグールスコードロンとハーピィスコードロンからのものです。グール・ハーピィ共に本作戦では8機で構成された部隊になっています。両部隊ともグアムで受領して来たAIM-120Dを装備しています。
この攻撃で確実に敵の勢いを削ぐため、今回はいつもと違いEPCMノイズの除去ではなくアニマコントロールによる誘導をCCSから指示されました。
両部隊の1機あたりに搭載されているAIM-120は12発で8機編成の部隊が2つ。
12×8×2=192発のミサイルを、高速で移動し回避運動さえとる目標に誘導しろと?ええ、簡単ですとも。
とは言え流石にそれだけの演算を1人で処理するのはまあまあキツイです。だから仲間を頼ります。
[並列分散リンク]active
並列分散リンクは私、EA-18G-ANMとセントラル・コンピューター、ドーターの存在する戦場にいる又は未出撃で待機中のX-47 AFMの演算容量を統合し演算処理を各ユニットに分配する事で高負荷の演算処理を行うシステムです。
目標の情報をイージス艦、早期警戒機、その他戦闘ユニットから収集します。各ユニットからの情報を統合し目標の選定と機動予測、ミサイルの飛翔経路演算は仲間に丸投げして、私は帰ってきた指示通りに192発のミサイルをコントロールします。丸投げと言っても自分で考えないだけで私の演算領域は勝手に使用されますが。
まるで巨大な壁のようにも感じさせる大量のミサイルが私を追い越していきます。無煙化されているミサイルですが膨大な数のロケットモーターの排気が空気を霞ませます。
CCSが選んだ優先目標はまず、友軍機に近いもの、前線を引っ張っているType2(制空強化型)。あとは前から順に削り取ります。
前線を構成していたザイがミサイルの接近に気付き回避運動を始めました。その回避運動は既に読めています。
アニマとアニマを上回る処理能力がある大型コンピュータ、さらに戦場の6機と未出撃の4機で計10機のちょっとしたスーパーコンピューター並みの高性能マシンが計算した機動予測は簡単には外れません。もし外れてもリアルタイムで機動予測演算がやり直され対応します。
着弾
192発のミサイルが一斉にガラス細工に死をもたらします。逃げる場所はありません。
目標の直近まで近づき炸裂。無数の金属ロッドがガラスの表面を砕き、内部構造を蹂躙して内側から外装を破砕して飛び出し別のガラス細工に更に損傷を与えます。
損傷を負いながら辛くも被撃墜を逃れたザイは次の瞬間には別のミサイルに襲われ、ガラスの破片を散らします。
爆発と黒煙、雨のように海へと降り注ぐガラスの破片。
残存していたザイが一斉に進路を変えて撤退して行きます。
このザイの撤退行動を頼りにした作戦でしたが、既に多くの戦力を失ってしまったのでここで上陸して橋頭堡を立てても防衛しきれません。こちらも撤退するしかありません。私も空母に戻って補給をします。彼らが戻って来る前に。
……無事でいてくださいよ、ライノ。
さて選択の時だ。ライノは人気だから、いくつもの二次創作で救済されているし、これからもその数は増えるだろう。正直言って私は迷っている。私が1番好きなキャラはライノではなくファントムだからだ。(突然の裏切り)
道は2つ。
ライノを生かしてグロウラー、ライノ、ファントムをメインにするか。
ライノを殺してグロウラー、ファントムをメインにするか。
次回『その選択が全てを変える』