東方軌跡録   作:1103

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ついでにこっちも、少し修正しました。


地底に行こう 後編

ここは星熊勇儀が経営している星熊旅館である。

そこの一室で、ジンは目を覚まし、霊夢からこれまでの経緯を聞かされた。

因みに、ジンはまだ鬼の状態である。

 

「そうか、それでここで眠っていたりしていたのか・・・・・」

 

「そうよ。本当に大変だったんだから」

 

「それはすまない霊夢。俺が誘ったばかりに・・・・・」

 

「あんたのせいじゃないでしょ。それに、私だって落ち度はあったし・・・・・」

 

「お互い様って訳か、それよりも勇儀っていう鬼に礼を言わないとな。

何処にいるか知らないか?」

 

「私なら此処だよ」

 

そう言って、勇儀は部屋に入って来た。

 

「あんたが勇儀? 俺は―――」

 

「ジンだろ? 萃香から色々聞いているよ。

何でも、鬼の人妖だってね」

 

「萃香の知り合いなのか?」

 

「まあ・・・・昔馴染みだね」

 

「そうか、取り合えず礼を言う。

助けてくれて、ありがとう」

 

「礼はいらないよ。それよりも、あんたらは御客だ。星熊旅館のオーナーとして、歓迎するよ」

 

「鬼の歓迎か・・・・・一体どんなものだろうな」

 

「それは後のお楽しみさ。

それと、あんたらとは別に客が来ているだ。

そいつらと一緒で良いかい?」

 

「私達以外の客? 一体誰よ?」

 

「それは会ってからのお楽しみさ。

ともかく、歓迎会にはまだ時間が掛かるから、先に温泉でも入っておいで」

 

「そうね、せっかく来たんだし、温泉に入らないと損よ。

行きましょうジン」

 

「ああ、わかった」

 

こうしてジンと霊夢は、勇儀に勧められて、温泉に入る事にするのであった。

しかしこの後に、二人の予想外の出来事に出会うのであった。

 

―――――――――――

 

「まさか・・・・・混浴だったとは・・・・・」

 

「普通は男女に別れているものよね・・・・・」

 

二人は温泉の真ん中にある岩を挟んで、お互いを見ないようして入っていた。

 

「・・・・・・・・・・ねえ、何か喋ってよ」

 

「何かって・・・・・何を?」

 

「何でも良いから、気を紛らせたいのよ」

 

「そんな事を急に言われてもな・・・・・」

 

「まったく、こういう時こそ気をつかうものじゃないの?」

 

「無茶ぶりに対応出来る程、器用じゃないんでね」

 

「そういう所が、未だにわからないのよね。

殺人料理を作る一方、お粥だけは超一品だったりとかね」

 

「あれは霊夢が悪いだろ。

俺はハッキリと言った」

 

「だって、あんな美味しいお粥が作れるんだったら、普通に料理が出来ると思わない?」

 

「あのお粥はお袋直伝だからな」

 

「だったら、他の料理も教えてくれば良かったのに」

 

「因みに、うちのお袋はお粥しか作れない」

 

「・・・・・ああ、何となく想像がついたわ」

 

思いの他会話が弾む二人。

そして、霊夢はおもむろに言葉を言った。

 

「そう言えばさ・・・・・まだ言ってなかったわよね」

 

「ん?」

 

「もう、勝手にいなくなったりしないでね。正直、心臓に悪かったのよ」

 

「・・・・・それは悪い事をした。本当にすまない」

 

「よろしい」

 

そう言って、霊夢は笑った。

再び沈黙する二人であったが、先程の気まずさはもうなかった。

そろそろ上がろうとした時、女姓の脱衣所から一人の少女が入って来た。

 

「一番乗りだぜ!」

 

「魔理沙!?」

 

「お、霊夢に・・・・・ジン!?

何でここにいるんだ!」

 

「へ?」

 

「ここは女湯だぜ!

まさか・・・・・覗きか!?」

 

「いや待て! 誤解だ!」

 

「問答無用! 食らえ!

星符“メテオニックシャワー”!」

 

「話を―――ギャアアア!!!」

 

ジンは哀れにも、魔理沙のスペルカードによって場外に吹き飛ばされたのであった。

 

「悪は滅びた・・・・・」

 

「魔理沙・・・・・あんたって奴は――――」

 

「どうしたんだ霊夢? 何を怒っているんだ?」

 

「逢い引き中に横やりを入れられたんだ。

そりゃ怒るだろうね」

 

「なに!? ジンと霊夢はそんな仲だったのか!?」

 

「ち、ちちち違うわよ!!

いい加減な事を言わないでよ萃香!」

 

「はっはっはっ、冗談だよ」

 

「まったくもう、勇儀が言っていた客ってあんた達の事だったのね」

 

「ああ、何でも旅館を開いたって聞いて、遊びに来たんだぜ」

 

「右に同じ」

 

「はあ・・・・・それよりも魔理沙」

 

「なんだ霊夢?」

 

「あんた、ここが混浴だって事知らなかったの?」

 

「え? そうなのか?」

 

「私は知ってたけど」

 

「知ってたら、教えてやりなさいよ!」

 

「だって、その方が面白そうじゃん」

 

「そのせいで、ジンが吹き飛ばされたじゃない」

 

「大丈夫だって、後で回収しとくからさ」

 

「後でじゃなくて、今すぐ回収しなさい。

それと魔理沙は、ちゃんとジンに謝ること」

 

「お、おう、わかったぜ」

 

「はあ・・・・・騒がしい夜になりそうだわ」

 

そんな予感を感じながら、霊夢は地底の空を眺めるのであった。

 

―――――――――――

 

温泉を出た一同は、旅館の一室に集まっていた。

 

「まったく、冤罪にも程がある。

鬼化してなかったら、大怪我していたぞ」

 

「め、面目ない・・・・・」

 

「萃香も、面白半分に情報を隠蔽するな。下手すればトラブルの原因になるのだからな」

 

「次から気をつけるさ」

 

「本当に分かっているのか・・・・・?」

 

「はいはい、説教はそこまでにしときな」

 

「勇儀か、ところで俺達をここに集めて何をするんだ?」

 

「それは勿論―――宴さ!」

 

そう言って指を鳴らすと、旅館の従業員が次々と料理や酒を持って運んで来た。

 

「おお! 美味そうだぜ!」

 

「旅館といったらこれだよね」

 

「まあ、何となく予想出来たわ」

 

「鬼は宴会好きなのか?」

 

「細かいことは気にしない!

今夜は思いっきり騒ぐよ!」

 

こうして、鬼の宴が始まったのである。

 

 

翌朝、外では既に朝日が昇っている頃。

ジンは頭痛に悩ませられながら目を覚ました。

頭を擦ると、鬼の角は引っ込んでいた。

 

「いててて・・・・・昨日も飲み過ぎ――――」

 

そこでジンは固まる。何故なら、裸同然の霊夢達がすぐ側で寝ていたからである。

 

(一体・・・・・何が!?

落ち着け俺! こういう時こそ能力で何があったかを見るんだ!)

 

ジンは能力を使い、深夜零時頃からの動きを視始める。

その時には既に全員が酔っていた。

 

(改めて視ると悲惨だな・・・・・せめてもの救いは、自分の軌跡が視れないって事か)

 

ジンの能力制限の一つで、自分の動きの軌跡は視ることは出来ないのである。

取り合えず、他の人物の動きを観察する事にした。

動きから予想するには、王様ゲームをしていたらしい。

その光景はとてもじゃないが、口に出す事を憚る物であった。

 

(・・・・・・・・霊夢と魔理沙が覚えていたら、俺死ぬな・・・・・)

 

次にやったのは、何と野球拳であった。

動きの内容を視るには、最初は勇儀とジンの勝負であったらしい。

 

(酔っていたとはいえ、何をやってんだよ俺!)

 

自己嫌悪に陥るながらも、ジンは真相解明の為に続きを視る。

勝負の結果はジンのストレート勝ちであった。

次に萃香が挑むものの、結果は同じ。

魔理沙、霊夢に続くが、負けたようで、次々と衣服を脱ぎ始めた。

 

(これは・・・・・そうとうエロイな)

 

そんな訳で、真相解明という大儀名分の元。霊夢達のストリップショーを視続けるジン。

そんなおいしい目にあっているこの男の末路は、呆気なく訪れた。

 

「んっ・・・・・ふぁ~よく寝・・・・・た・・・・・」

 

ジンがストリップショーに夢中になっていると、霊夢が起き。自分と回りの姿に気がつく。

 

「な、ななななな何よこれ!?」

 

「っ!? 霊夢!?」

 

「ジン! これはどういう事よ!?」

 

「待て! 落ち着け霊夢!」

 

「落ち着ついていられるかー!!!」

 

「んっ・・・・・何なんだぜ・・・・・って、何なんだぜ!?」

 

「ふぁ~・・・・・うるさいね・・・・・人が気持ちよく寝ていたのに」

 

「一体何の騒ぎ?」

 

霊夢の声で次々と起き始めるメンバー達であった。

 

 

その後、ジンに制裁を加えた霊夢と魔理沙は、彼に事の発端を追求し始めた。

 

「どうして私達が裸だったのよ!?」

 

「えっとだな・・・・・酔った勢いで野球拳をやっていてだな・・・・・」

 

「嘘だな。

霊夢はともかく、そんな破廉恥な事は私はしないぜ!」

 

「私だってしないわよ!

そんな事よりジン! 本当の事を教えなさい!」

 

「本当の事って言われてもな・・・・・」

 

「ジンの言っている事は本当だよ」

 

「え・・・・・嘘・・・・・」

 

「嘘だと言ってくれよ勇儀!」

 

「いや、嘘じゃないよ。私も覚えているからさ」

 

勇儀と萃香の証言により、真実だと知った二人は羞恥心で悶え始めた。

これで一件落着かに見えたが、この後勇儀がとんでも無い事を口走る。

 

「いや~それにしても、見かけによらず大胆だねジンは」

 

「へ?」

 

「そうだね。野球拳の時に言っていたことを有言実行するなんてね」

 

「俺・・・・・何か言ったのか?」

 

「ああ言ったさ。

“お前達の身ぐるみ剥いで、裸にしてやるぜヒャッホーイ!”ってね」

 

「何言ってんの俺!?」

 

「「ジ~ン~」」

 

「ま、待て二人とも! 話せばわか―――あーーーー!!!!」

 

勇儀達の更なる証言によって、事の原因はジンであると判断した霊夢と魔理沙は、彼を完膚なきに叩きのめした。

その後、しばらくジンは二人の奴隷としてこき使われるのであったとさ。




これにて地底編は終わりです。
因みに、主人公の過去についてですが、書かない事にしました。
一応設定はあるんですが、妙にシリアス&グダグダになるので、断念しました。
取りあえず、ほのめかす程度には書いていくつもりです。
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