東方軌跡録   作:1103

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無双系の話しにするつもりだったのですが、上手く書けなかったのでこういう形で落ち着きました。


紺珠伝クリア記念 、月の都を救え! 後編

月の都に到着した五人が見た光景は、凍結した街並みであった。

 

「これは一体・・・・・・」

 

「都が凍結している・・・一体何が・・・・・・?」

 

「人っこ一人いないぜ。他の奴等は何処に行ったんだ?」

 

「月の民は夢の世界に避難させているわ」

 

一人の女性が五人の前に現れた。その女性を見て、鈴仙は彼女の名前を言う。

 

「サグメ様」

 

「それじゃあこいつが例の月の賢者か」

 

「ええ、私が月の賢者の稀神サグメよ。今ここで何が起きているか話すわ」

 

そう言って、サグメという賢者は自己紹介と、今の月の都の現状を話し始めた。

彼女の話によると、相手は配下の妖精を純化させ、生命の塊―――言わば穢れの塊にして、都を襲ったのである。いくら月の民であっても、純粋な穢れには太刀打ち出来なかった。

そこで月の民の上層部は、民を夢の世界に避難させ、その間に幻想郷を浄化し、そこに遷都しようと画策したのである。

 

「端から聞いても、何とも身勝手な話しですね」

 

「上層部が身勝手なのは今に始まった事じゃない」

 

どうやら彼女は、上層部の事があまり好きでは無いようで、明らかに嫌そうな表情をした。

そんな彼女の仕草を見て、ジンは不意にある事を思った。

 

(何だろう・・・何となく仕草が正邪に似ているような・・・・・・)

 

そう思った瞬間、サグメの表情が変わった。

 

「貴方、正邪を知っているの?」

 

「え? まあ・・・・・・」

 

それを聞くと、女性は喜ぶようで、悲しむような、何とも言えない複雑な表情をした。

 

「あの、サグメ様?」

 

「・・・・・・いえ、何でも無いわ。それよりも、こちらの事情は大体理解して貰ったわよね。早速だけどお願いするわ」

 

「いきなり上から目線ですね・・・・・・」

 

「我々はある意味利害が一致している。私は月の都を救いたい、貴方がたは幻想郷の遷都計画を阻止したい。そうでしょう?」

 

「あんた達が遷都を止めれば良いだけの事じゃない。そっちの争いに、こっちを巻き込まないでよ!」

 

「遷都計画は、上層部が決めた事。私の本意では無い。遷都計画を撤回するには、侵略者をどうにするしか無い」

 

「まったく、月の民って自分勝手な奴等ばかりなのね」

 

「上層部に関しては否定しない。でも、全部が全部そうではない」

 

「どういう事?」

 

「遷都計画に一番反対した依姫と豊姫が、今も侵略者と戦っているのよ」

 

「!? サグメ! 直ぐに二人がいる場所案内してくれ!」

 

「・・・・・・なるほど、だから八意様は貴方を寄越したのね」

 

「サグメ様?」

 

「何でも無いわ、案内してあげる。ついて来て頂戴」

 

そう言って、サグメは依姫と豊姫が戦っている海岸へと案内してくれた。

 

――――――――――――――――

 

月の海岸では、依姫と豊姫が戦っていた。

 

「来い! 伊豆能売!」

 

依姫は伊豆能売を降ろし、穢れに満ちた妖精の穢れを払う。

 

「消えなさい! 不浄な者共よ!」

 

豊姫の扇子で、妖精達を一瞬で浄化した。しかしそれでも、妖精達の勢いは止まらなかった。

 

「はあ、はあ・・・・・お姉さま大丈夫ですか?」

 

「え、ええ、何とか・・・・・・でも、流石に二人だけでこの数は堪えるわ」

 

「ですが、ここで引く訳には起きません。でなければ遷都計画を止められない。あんな事をしても、根本的解決にはならないのに」

 

「上層部はそんな先の事を考えていないでしょう。下手をすれば、幻想郷と純狐の二面戦になるかも知れない。

純狐とかのスキマ妖怪が手を組んでしまったら、もう逃げる場所は無いのに」

 

「こんな時に、八意様がいてくれたら・・・・・・」

 

「弱音を吐いたら駄目よ依姫。八意様いない今、私達がどうにかしないと駄目よ。じゃないと、八意様に笑われてしまうわ」

 

「・・・そうですね。私達はあの方の教え子、それに恥じないようにしないと埋けませんね」

 

「ええ、その通りよ」

 

ハッキリと言って、状況は芳しくは無い。それでも依姫と豊姫は笑みを浮かべた。

そんな二人を嘲る笑い声が聞こえて来た。

 

「きゃははは! 無駄よ無駄! 友人様に頂いた純化の力の前では、月の民は無力! 大人しく穢れてしまいなさい!」

 

そう言ってピエロ風の妖精が、他の妖精に指示を出し、依姫と豊姫に襲わせそうとしたその時――――。

 

「夢符!“夢想封印”!」

 

「恋符!“マスタースパーク”!」

 

「蛙符!“手管の蛙蟇”!」

 

「赤眼!“望見円月(ルナティックブラスト)”!」

 

「五行!“森羅万象”!」

 

突如放たれた五つの閃光で、妖精達は瞬く間に撃墜されて行った。

呆気に取られた依姫と豊姫の前に、ジン達が降りて来た。

 

「大丈夫か二人とも!?」

 

「ジンに鈴仙!? それに貴女達まで!?」

 

「一体どうして・・・・・・?」

 

「話は後よ、先ずはこの雑魚を片付けてからよ!」

 

霊夢はすかさず残りの妖精達に攻撃をし、ジン達も続くように攻撃を開始した。

そんな様子を、ピエロ風の妖精は面白く無いと感じていた。

 

「月の民の癖に生意気よ! これでも喰らいなさい!」

 

ピエロ風の妖精は、ジン目掛けて弾幕を放った。しかし――――。

 

「土獸! “土壌壁”!」

 

土の楯によって塞がれた。

 

「あーもう! 生意気よ貴方!」

 

「お前がこの妖精達の親玉のか?」

 

「そう、あたいはクラウンピース。地獄の妖精よ」

 

「地獄の妖精? 何でそんなのが月の都を攻めたりしているんだ?」

 

「さあ? あたいは友人様のの命令でやっている事だから」

 

「友人様? ご主人様?じゃなくて?」

 

「あたいはご主人様の命令で、友人様に力を貸しているだけだから」

 

(つまり、純狐以外にこの騒動の共犯者がいるって事か・・・一体誰だ?)

 

「ともかく、月の民は友人様とご主人様の敵で、あたいの敵だよ。だからやっつけてやる!

さあ、鬼神を超えるこの力を喰らい、地獄に落ちるがいい!」

 

クラウンピースはジンに向かって再度攻撃を仕掛けた。その時ジンは、ニヤリと笑みを浮かべた。

 

 

ジン達の加勢もあって、海岸の戦いはこちらの勝利で終わった。

妖精達の親玉であるクラウンピースは、紐でぐるぐる巻きにされ、拘束されていた。

 

「ちょっと話が違うじゃない! 純化したら、月の民に負けないって聞いていたのにー!」

 

「生憎、俺達は地上人なんで」

 

「ええ!? 何で地上人が月の民に味方しているのよ! だって、互いに嫌っている筈なのに!」

 

「そうなのか?」

 

「地上人はともかく、月の民の一部は嫌っているわ」

 

「まあともかく、大人しくしていれば、ちゃんと解放するから」

 

「むぅ・・・・・・」

 

クラウンピースは頬を膨らませて、大人しくなった。

ジン達は改めて、依姫と豊姫にこれまでの経緯を話した。

 

「そう、八意様が貴方がたを寄越してくれたのね」

 

「正確には、ジンと鈴仙なんだけどね」

 

「私達はそれに巻き込まれただけだぜ」

 

「それでも助けてくれてありがとう。月の代表として礼を言うわ」

 

「それなら、遷都計画を中止させて頂けませんか?」

 

「出来たらそうしたいけど、この騒動をどうにかしないと、中止にはならないのよ」

 

「やっぱり黒幕をどうにかしないといけないのね。なら、さっさとやっつけに行くわよ」

 

「待ちなさい」

 

意気揚々と意気込む霊夢を、サグメが呼び止めた。

 

「ここから先は彼だけで行かなくてはならないのよ」

 

「それ、どういう事?」

 

「彼女の“純化の能力”は、傷を負った者を殺す事が出来るからよ」

 

「嫌って・・・かすり傷ていどだぜ?」

 

「かすり傷であっても

純化されてしまうと死傷になってしまうのよ。だから、唯一無傷である彼しか対抗出来ない」

 

「それって、傷を負ったら即死って事ですよね? かなり荷が重いのでは・・・・・・」

 

「その為の紺珠の力なのよ。未来を見通す力――――いえ、不都合な未来を覆す能力を得た貴方だからこそ、純狐に太刀打ち出来る」

 

「でも、だからって――――」

 

「俺は大丈夫だ霊夢。ささっと行って終わらせて来る。霊夢はここで待ってくれないか?」

 

「ジン・・・・・・」

 

「本当に大丈夫なの?」

  

 依姫が心配そうにしているのを見て、ジンは笑みを浮かべて返した。

 

「大丈夫だって、教え子を信頼してくれ」

 

「・・・わかったわ、貴方に全て任せるわ」

 

そう言って、依姫は自分の刀をジンに手渡した。

 

「これを持って行きなさい。きっと役に立つ筈だから」

 

「ああ、ありがとう依姫」

 

ジンは受け取った刀を腰に付け、改めてクラウンピースに話し掛けた。

 

「クラウン」

 

「スー・・・スー・・・」

 

「こら起きろ」

 

ジンは寝ているクラウンピースにチョップを食らわせて起こした。

 

「あいた! もう、何をするのさ!」

 

「お前の言う友人様のところに案内してくれないか?」

 

「うん? 別に良いよ」

 

クラウンピースはあっさりとジンの要請を承諾した。

ジンはクラウンピースの縄をほどいて、彼女と共に純狐の元へ向かって行った。

 

――――――――――――――――

 

月の海、そこに一人の女性がたたずんでいた。

 

「・・・口惜しい、あともう少しで嫦娥に届くというのに」

 

彼女は残念そうに呟いた。彼女こそが、今回の異変の黒幕である純狐である。

 

「それにしても、かの人間は何故、月の民に味方をするのであろう? あれだけの力があれば、月の民を葬る事も支配する事も出来るというのに。

月の民を救ったところで、利は無いというのに・・・・・・」

 

純狐は残念そうに思う一方で、今回の作戦を駄目にした人間――――ジンに興味を抱いていた。

そうしていると、クラウンピースがジンを連れてやって来た。

 

「友人様ー、人間つれてきたよー」

 

「ご苦労クラウンピース。あとは私に任せて、お前は帰って良いぞ」

 

「はーい。じゃあねジン、今度遊びに行くから」

 

「ああ、いつでも歓迎するぞ」

 

クラウンピースは手を振りながら帰って行った。

クラウンピースが帰った後、ジンは改めて純狐に向き合う。

 

「お前が純狐か」

 

「いかにも、私が純狐よ。貴方は?」

 

「俺はジン。幻想郷から来た」

 

「ジンというのね。ねぇジン、私達が戦う理由は無いんじゃないかしら?」

 

「どういう意味だ?」

 

「貴方が戦う理由とは、月の民が行っている遷都計画を止める為でしょ? それならもっと簡単な方法があるわ」

 

「それは、一緒に月の都を攻めいるって事か」

 

「ええ、月の民が居なくなれば、もうこのような事は起きないわ。逆に、月の民を救っても、貴方は英雄にはならない。月の民から恐れられ、狙われるでしょう。どっちが得か、分かるでしょ?」

 

「・・・そうだな、確かにそうなると思う。月人の大半は、俺達地上に住んでいる者を蔑んでいるのは知っている。でも、だからって攻めいる事には賛成出来ない」

 

「何故? どうしてそこまで月人を守ろうとするの?」

 

純狐のその問いに、ジンはハッキリと答えた。

 

「月の都には、俺の友人達と恩師がいる。彼女達の為に俺は戦う、それだけだ」

 

「なんと・・・・・・月人と地上人がそんな関係を結ぶとは・・・どうやら、私は最初から負けていたのね」

 

「なら、引いてくれるか?」

 

「それは出来ないわ。私の中にある嫦娥への怒りが既に純化してしまっている。この憎しみがある限り、私は止まれないし、止まれない」

 

「なら、その怒り、憎しみを俺にぶつけて来い。嫦娥って奴の代わりに受け止めてやる」

 

「・・・・・・ふふっ、あははははは! おもしろい! おもしろいわ地上人間よ! まさか、私の怒りを収める為に、あえてそれを受け止めようとするとは、とても変わった人間よ貴方!」

 

純狐はとても上機嫌に笑い、そして都に向かって高らかに叫んだ。

 

「不倶戴天の敵嫦娥よ! 見ているか!? お前にぶつけられないこの怒り。お前の代わりに、この素晴らしい人間にぶつけてやろう!」

 

すると純狐の背中に禍々しい尾が現れ、ジンに憎むようで愛おしいげな笑みを浮かべた。

 

「見せてやろう人間! 私の純化した怒りを! その果ての怨念の力を! その身でしかと受けて見るが良い!」

 

純狐はそう言い放ち、ジンに向かっていた。

ジンは、八百万の刀と小刀を抜き、純狐を向かえ撃つ。

こうして、月の都と幻想郷を巻き込んだ異変の最後の戦いの火蓋が切って落とされた。

 

――――――――――――――――

 

ここは永遠亭、その一室でジンは入院していた。

 

「まさかここまで酷い副作用が出るとは思わなかったわ・・・ごめんなさい」

 

「まったくよ、もう少しでジンが死ぬところだったのよ」

 

ベッドの近くにいた霊夢は、そう叫んだ。

純狐の戦いの後、ジンは薬の副作用で生死の境をさまよってしまった。依姫と豊姫の迅速の処置のおかげで、一命をとりとめたが、意識が戻らず、直ぐ様永遠亭まで戻り、永琳に紺珠の薬の解毒薬を作らせ、それをジンに飲ませたのであった。

現在は容態は安定しているも、未だに目を覚ましていない。

 

「とんでも無い薬を飲ませたものね。それでも医者なの?」

 

「今回は私のミスよ。本当にごめんなさい」

 

「へぇ~、月の賢者が頭を下げるなんて、貴方って実は凄い人?」

 

そう言ったのは、いつの間にかそこにいた純狐であった。

霊夢と永琳は思わず身構えるが、純狐に敵意は無かった。

 

「そんなに身構え無いで頂戴。私は友人の見舞いに来ただけよ」

 

「友人? それってジンの事?」

 

「ええ。昨日の敵は今日の友って言うでしょ?」

 

「そんな事言って、邪魔者のジンを消そうと企んでいるんじゃないでしょうねぇ?」

 

「そんな事はしないわ。そもそも、私の純化した怒りは、彼との戦いで静められたわ。次に沸き起こるとしたら、千年後かしら」

 

「何とも、気の長い話ね・・・・・・」

 

「つまり最低でも、向こう千年は襲撃はないって考えてよろしいかしら?」

 

「さあ? それはどうかしら?」

 

「さっき怒りが沸き起こるのは千年後って、言ったじゃない?」

 

「感情というのは、少しの切っ掛けで沸き起こるもの。

そうねぇ、例えば月の民がジンを殺そうとしたのなら、私はその怒りを純化させてしまうかも知れないわ」

 

「・・・・・・確かにそれは私でも怒るわ。でも、何でジンが狙われるのよ?」

 

「薬の力とはいえ、あれだけの力を持っていれば、自ずと警戒されるわ。そうなった場合、飼い慣らすか、それが出来ない場合は――――」

 

「殺すって事? 本当に月人って自分の事しか考えないのね」

 

「私もそう思うわ。だから滅ぼそうって、ジンに持ち掛けたけど、振られちゃった」

 

「あー、そういうのはジンが嫌いな事だから、絶対に首を縦は振らないでしょうね。

楽しい事は皆でってのが、こいつのモットーだから」

 

「そうみたいね。私やクラウンピースにも、神社に遊びに来ても良いって言うくらいだから」

 

「あいつまた・・・もしかして、未だに神社に人外が来るのは、あいつのせい?」

 

 そう呟く霊夢に対して、永琳はそれとなく言った。

 

「半分は貴女せいかも知れないわね」

 

「どうして私のせいなのよ?」

 

「貴女にもジンにも、不思議な魅力があるからよ。だからあの神社はいつも賑わっているでしょ」

 

「私としては、人間の参拝客だけ来てくれれば良いんだけど」

 

「そんな事を言ったら、彼が悲しむんじゃない?」

 

「むぅ・・・・・・」

 

「まあともかく、彼に危害が及ばない限り、私も月には手は出さないわ。それだけは約束するわ」

 

「なら、今すぐ月の民を解放して貰えないか?」

 

そう言って現れたのはサグメ、依姫、豊姫の三人であった。

流石の純狐も、このメンツには驚きを隠せなかった。

 

「あらあら、刺客を送り込むとは思っていたけど、まさか貴女達とはねぇ・・・・・・」

 

「誰が刺客だ!」

 

「そんな恥知らずな事は致しませんわ」

 

「・・・・・・」

 

「なら、何の用かしら? 月人は地上に遊びに行く程暇なの?」

 

「言わせておけば・・・・・・」

 

「やめなさい依姫、ここは病室よ。 ここでの狼藉は、私が許さないわ」

 

「も、申し訳ありません八意様・・・・・・」

 

永琳に叱責され、おずおずと引き下がる依姫。その様子を愉快そうに眺める純狐であった。

 

「ところで、あんた達は一体何しに来たのよ?」

 

 霊夢がそう尋ねると、豊姫が話してくれた。

 

「私達は、そこにいる純狐に交渉しに来たのよ」

 

「交渉?」

 

「ええ、夢の世界に閉じ込められた月の民を解放して欲しいの」

 

豊姫の言葉に、最初は何の事かわからなかった純狐であったが、直ぐに心当たりを思い出した。

 

「ああ、アレの事ね。悪いんだけど、あれは私の仕業ではなく、ヘカーティアの仕業なのよ」

 

「ヘカーティア?」

 

「私の友人。私と同じ嫦娥に怨みを抱く者よ。今回は彼女との共同作戦だったんだけど、失敗した事を伝え忘れていたわ」

 

「なら、早々に伝えなさい!」

 

「うーん、どうしょっかな? 私が失敗したと言っても、彼女が諦めてくれるかしら? そもそも、月の民がどうなろうと知った事じゃないわ」

 

「貴様ァ・・・・・・」

 

「依姫落ち着いて!」

 

「しかしお姉さま・・・・・・」

 

「でも、貴女達が私の要求を飲んでくれるのなら、すぐにでも解放してあげるわよ」

 

「・・・・・・貴女の望みは?」

 

 サグメが慎重言葉を発した。すると純狐は三人の思いもよらない要求をしてきたのである。

 

「今後、幻想郷とジンに手を出さない事。そうすれば、私がヘカーティアを説得してあげるわ」

 

 予想外の要求に、三人は驚きを隠せなかった。しかし、悪い条件でも無いので、それを飲むことにした。

 

「・・・・・・わかったわ。その条件を飲みます」

 

「交渉成立ね。それじゃあ、早速行って来るわ」

 

そう言って、純狐は夢の世界に消えて行った

その後、夢の世界に閉じ込められた月の民は無事解放された。

 それから暫くして純狐は、友人を連れて博麗神社に遊びに訪れ、一悶着を起こしてしまうのだが、それはまた別の話しである。




大きい力は、必ずリスクが生じるのが持論なので、ジンには最後入院という形にしました。

それと正邪とサグメの関係は、また別の話しの時にやらせてもらいます。
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