それと、タイトルを見ての通り、逆転裁判のパロをしています。
自分はこのゲームが好きで、今回やらせていただきました。
ダムの事件から数週間が経過したある日。
霊夢とジンは、魔理沙からこんな話を聞かされた。
「山でサバイバルゲーム?」
「ああ、先のダムの一件で、一部の河童達の住みかが壊されたらしくてな。
それで、山に籠る山童になったらしい」
「それが何でサバイバルゲームなの?」
「何でも、水を取り合った結果。サバイバルゲームで決着をつけようって、話らしいぜ」
「呆れた、川に戻ればいくらでも水が手に入るのに」
「それは、川を離れたら山童のプライドがあるから、簡単には戻れないじゃないか?」
「まあ、私達には関係無いわね。
誰が困っている訳じゃないし」
「それがそうでも無いのよ」
声の方を見ると、そこには華仙が立っていた。
しかし、その表情は何処か困っていた。
「あら、華仙じゃない」
「どうした? 何か困っているみたいだが?」
「さっき話していた山童のサバイバルゲームだけど、そのせいで動物達が怖がってしまっているみたいなのよ」
「ふーん」
「ふーんって貴女・・・・・どうにかしようと思わないの?」
「別に、人間に被害が出たならまだしも、動物じゃ、動く訳にはいかないもの」
「そうだな、私達が出る幕じゃないな」
「・・・・・ジン、貴方も同じ意見?」
「お、俺?」
いきなり話を降られたジンは戸惑ったものの、しっかりと自分の考えを華仙に伝えた。
「そうだな・・・・・正直言って、動物達には気の毒だけど、特に被害が出ていないのであれば、問題は無いと思う」
「・・・・・そう」
「ただ――――」
「え?」
「華仙が困っているなら、可能な限り力を貸す」
「ジン・・・・・ありがとう」
華仙は、ジンの言葉が嬉しく、笑顔で礼を言った。
「あーあ、ジンの悪い癖が出たよ奥さん」
「誰が奥さんだ!」
「良いのか? 放っておいて?」
「良いわよ! あんな女ったらし! 山でも地獄でも行けば良いのよ!」
「やれやれ、素直じゃないな・・・・・」
こうして、ジンと華仙は山童の説得に向かうのであった。
―――――――――――
その夜、ジンは霊夢に今回の事について分かった事を話していた。
「勘違い?」
「ああ、動物達は別に山童に怯えていた訳じゃなかったんだ。
むしろ、一緒にサバイバルゲームを楽しんでいたみたいだ」
「なんだ。結局華仙の勘違いって事なのね」
「それが、そうでも無いらしい。
動物達が怯えていたのは、“鉄砲音”らしい」
「そりゃ、サバイバルゲームをやっていれば、嫌だって鉄砲音を聞く事になるわよ」
「それが河童―――じゃない、山童の話によると、鉄砲は使用していないらしい」
「なら猟師ね。
猟師の鉄砲音に驚いて逃げただけよ」
「それなら良いんだが・・・・・」
「あんたも、余計な首は突っ込まない。
ただでさえ、巻き込まれる体質なんだから」
「わかった・・・・・肝に命じとく」
この時二人は、これが事件の発端だと気づかなかった。
―――――――――――
それから数日後、二人は山童の住みかに向かっていた。
「なあ霊夢。
本当に山童が犯人なのか?」
「当たり前じゃない。
鉄砲を使う妖怪なんて、奴等しかいないわ」
「だが、鉄砲は使用して無いって――――」
「あのねジン。
山童達が本当の事を言ったとは限らないでしょ?
それに、鉄砲で撃たれた人がいるんだから」
それは山に登る少し前。
里の人が慌てて神社に駆け込んで、妖山で山菜を採っていたご老人が撃たれた言ったのだ。
それを受けて霊夢は、山童が犯人だと決め付け、こうして退治に向かっているのだ。
一方ジンは、山童が犯人なのかどうかを知るためと、霊夢が暴走しないようについて行く事にした。
そして、山童の住みかに到着すると―――――。
「成敗!」
「うわぁぁ!!」
そこには守矢の現人神、東風谷早苗が山童相手に暴れていた。
「いや~妖怪退治は楽しいですね♪
おや? 霊夢さんにジンさんじゃないですか?」
「・・・・・・・・ねえ、ジン」
「・・・・・どうした霊夢?」
「やっぱり、話を聞かずに退治するのはいけない気がする・・・・・」
「そうか、ようやく気づいてくれたか。
やはり、反面教師は効果があるな」
「???」
「取り合えず早苗、山童退治は止めなさい」
「え~、せっかく楽しくなって来たのに・・・・・」
「早苗、山童達が犯人だという根拠は?」
「根拠? そんなの決まっているじゃないですか!
鉄砲使う妖怪なんて、山童ぐらいしかいません!」
それを聞いた霊夢は、発想が早苗と同じだという事にショックを受け、崩れ落ちた。
「あれ? 霊夢さんどうしました?」
「自分の浅はかな所に、ショックを受けているんだ」
「霊夢さんが浅はかな事は、今に始まった事じゃありませんよ」
「あんたに言われたく無いわよ!」
「取り合えず、山童退治は中止しろ。
先ずは、山童達の話を聞こう」
こうして、山童達の聴き込みが始まった。
聴き込みの結果、山童達はやはり鉄砲を使用してはおらず、今回の事件とは無関係と主張した。
これ以上の聴き込みは出来ないと判断した三人は、一度情報の整理をし始める事にした。
「まず、被害者についてだが、本当に銃で撃たれたのか?」
「本人がそう言っていたらしいわ。
それと、銃声も聞こえたって」
「山童以外で、銃を扱える妖怪はいないのか?」
「居たらとっくに目星つけているわよ」
「道具を扱う妖怪なんて、河童ぐらいしか思い浮かびませんよね・・・・・」
「うーん・・・・・情報が少なすぎるな・・・・・」
「取り合えず、ここいらで解散しましょ。
何かわかったら知らせるように」
「わかりました。それでは――――」
この日の捜査は終了したが、結局犯人に繋がる手かがりは得られなかった。
―――――――――――
それから数日、再び被害を受けた人間が現れ、これで四件目である。
「うーん・・・・・山童以外で鉄砲使う妖怪なんているのかしら・・・・・」
「そうだな・・・・・だが、山童達がやった証拠も無い。
魔理沙、何か知らないか?」
「妖怪専門の霊夢が知らないんだがら、私が知る訳無いんだぜ」
「華仙の方は?」
「ごめんなさい、心当たりは無いの」
「手掛かりは無しか・・・・・」
そんな時、早苗が慌ててやって来た。
「大変です! 大変です!」
「早苗? 一体どうしたんだ?」
「また被害が出たんです!」
「またか・・・・・これで五件目ね」
「それが、被害者は山童何です!」
「「「何だって!?」」」
―――――――――――
ジン、霊夢、魔理沙、早苗の四人は、山童の住みかにやって来た。
華仙は何か思ったのか、別行動を取っていた。
「それで、被害者は誰なんだ?」
「私です・・・・・」
「被害を受けた状況を教えて頂戴」
「はい・・・・・」
山童の話によると、サバイバルゲーム中に銃声が聞こえ、気がついたら撃たれていたらしい。
「犯人は見ていないのか?」
「はい・・・・・」
「手掛かり無しか・・・・・」
「どうします?」
「そうだな・・・・・一応、現場も見てみるか」
「捜査の基本は、現場の捜査ですからね」
四人は現場に向かう事にした。
現場は特に変わった所は無く、大した手掛かりは無いように思えた。
「ん? 動物の足跡?」
「そりゃ山だから、動物の足跡なんかたくさんいるわよ」
「確か動物達は発砲音で逃げていた筈だろ?
それに、この足跡は比較的に新しい」
「あのねジン。
犯人は鉄砲を使うのよ? なら、動物は無関係よ」
「まあ、そうだが・・・・・」
「ところで、ジンの能力で犯人がわからないか?」
「被害を受けたのが今日なら視れたが、昨日じゃもう軌跡は残っていないだろう」
「そうか・・・・・良い考えだと思ったんだが」
「ここも大した手掛かりあらありませんね・・・・・」
「これ以上、被害が出なければ良いんだけど・・・・・」
しかし事件は、予想外の展開をみせる。
―――――――――――
それから数日後、何と被害者に詫びの品が届けられた。
話を聞くと、何と山童からの詫びの品だったらしい。
しかし、当の山童達はこれを否定。
自分達は品を送っても無いし、鉄砲も使っていないから犯人では無いと主張した。
「私達はやっていないし、むしろ被害者だよ!」
「それじゃ、この詫びの品物は一体何なんだ!」
「そんなの知らないよ!」
こうして里の人と山童達が揉めていた。
そこに霊夢とジンがやって来た。
「話は聞かせて貰ったわ!
やっぱり貴方達が犯人だったのね!」
「わ、私達は違うよ!」
「知らばっくれても無駄よ!
退治してやるわ!」
「ひ、ひぃ~」
「待てよ霊夢、山童達だって被害を受けているんだ。
本当に犯人なのか?」
「あんた、山童を庇うつもり?」
「そう言う訳じゃない、疑問の余地があると言っているんだ」
「じゃあどうするの?」
「それなら、裁判をやれば良いんでは無いですか?」
そこに、地獄にいる筈の四季映姫・ヤマザナドゥがいた。
「映姫? どうしてここに?」
「今はプライベートで来ているのです。
それよりも、話は聞かせて貰いました。
ここは白黒つける為に、裁判で決着つけませんか?」
「それでハッキリするのなら、受けて立つわよ」
「そうだな。
それで全てわかるなら、やるべきだ」
「それでは、妖怪裁判をこれより開廷します!」
こうして真実を知るために、妖怪裁判が開廷したのであった