最初はそんな増やすつもりはなかったんですが、書いているといつの間にか増えてしまいました。
あまり増やし過ぎると、チート化しそうなので、なるべく気をつけたいと思います。
後、バトル描写は難しい・・・・。
魔理沙、魅魔、アリス、パチュリー、小鈴の五人は交流試合の会場に辿り着いた。
会場は既に観客で溢れかえっていたが、何とか最前列を取ることが出来た。
「ここならよく見えるな」
「そうですね。あれ? あそこにいるのは霊夢さん達じゃないですか?」
「本当だ・・・って、あの子何をしているのよ・・・・・・」
向かい側の観客席には、霊夢率いる博麗神社一行が陣取っていた。
その手には、“必勝”と書かれた旗が掲げられていた。
「ジンの応援に来たんだろうけど・・・あれじゃ逆に恥ずかしいじゃないか」
「あまり見ない方が良いわ、気づかれたら厄介なだけだし」
「それもそうね・・・あ、そろそろ始まるわよ」
アリスがそう言うと、ジンと神子の弟子の青年が会場に現れた。
そして、開会式のスピーチが流れ出す。
「ところで、五行獸ってどんな術なんですか?」
スピーチの最中、小鈴はパチュリーに質問をして来た。そんな小鈴の質問に、パチュリーは丁寧に答える。
「五行獸というのは、五行思想から作り出された術で、基本的に修行者の練習用に作られた術なのよ」
「練習ですか?」
「ええ、だから普通の術に比べて弱いし、あまり使われない術だから、知っている人は少ないかも知れないわね」
「へぇ~、随分と詳しいじゃないか」
「私の魔法も、五行説を取り入れているから、それなりに詳しいわよ。
例えば、五行獸にはそれぞれの属性を持ち、術者によって段位が変わるのよ」
「段位?」
「レベルと言って差し支えないわ。
段位は一から五まで存在し、一が一番弱く、五が最高レベルなの。と言っても、適性属性じゃない限り、大体は三から四が普通なんだけどね」
「適性属性ってなんですか?」
「適性属性と言うのは、その人が最も相性が良い属性の事。例えば―――魔理沙は水の属性が一番相性が良いから、氷や水系統の魔法が適しているのよ」
「そうなんですか・・・あれ? そのわりには、あまり使っているところ見た事が無いですけど・・・・・・」
「使っているのは熱と光――――つまり火の系統の魔法ばっか使っているのよ彼女・・・普通は適性属性の魔法を修得するのが一番効率が良いのに・・・一体どういう教え方しているの貴女は?」
パチュリーは魅魔の方をジト目で見ながら言った。
すると魅魔は、苦笑いをしながら答えた。
「いや~、私も水系統が良いと言ったんだよ? でも魔理沙が“魅魔様と同じ魔法が良い!”って言って聞かなかったからつい―――」
「魅魔様! そういうことは言っちゃっ駄目!」
「なるほどね・・・要は本人の我が儘って訳ね」
「魔法使いとして、どうかと思うけど・・・・・・」
「う、うるさいなあ! お前らみたいに属性を幾つも持っている奴と一緒にするな!」
「え? お二人は属性を幾つか持っているんですか?」
「私は火、水、木、金、土と独自の日、月の七属性よ」
「私は万能、多分だけど全部の属性を使えるわ」
「ふへぇ・・・・・・凄いですね御二人とも」
「言っておくけどな、普通は多くとも二つが限度なんだ。
私は至って普通の魔法使いだから、属性が一つなのは当たり前。こいつらが異常なだけだぜ」
「まあ、私は魔女だから当然」
「私は魔族だから、普通の人とは違うのは仕方無いからね」
「くそ~、勝ったと思うなよ!」
「無駄話はそこまで、いよいよ試合が始まるよ」
魅魔の言葉に、一同の視線は会場に集まる。
「火獸招来!」
「水獸招来!」
その言葉と共に、二体の獣が出現した。
相手は火獸を召喚し、対するジンは水獸を繰り出した。
「これは不味いねぇ・・・」
「ええ、良い選択だけど、相手が悪過ぎるわ」
「どういう事ですか?」
不思議そうにしている小鈴に、パチュリーは分かりやすいよう解説を始める。
「五行思想には、相剋という物があって、その属性同士の弱点を示す物なの。
土は水に勝ち、水は火に勝ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、そして木は土に勝つ。これが相剋の関係よ」
「それじゃ、水獸を出したジンさんの勝ちですね」
「普通ならね、でも今回は少し違うわ。ジンの水獸を見てみなさい」
パチュリーに言われ、小鈴はジンの水獸を見る。すると体の一部に一という数字が書かれていた。
「数字が見えるでしょ? それが五行獸のレベルを示しているの。それじゃ今度は相手の火獸を見て頂戴」
「えっと・・・あ、四って書かれています!」
「相手が四に対して、ジンの水獸は一。そうなると、相侮が発生するの」
「相・・・侮?」
「見ていればわかるわ」
パチュリーはそう言って、会場の方に視線を移した。
訳もわからない小鈴だが、彼女と同じように会場の方を見た。
「焼き尽くせ火獸!」
「水獸!」
火獸の放つ火炎に、水獸は水柱で防ごうとするが、相手の火の勢いが強く、水柱を蒸発させ、そのまま水獸を焼き尽くした。
「ああ! ジンさんの水獸が負けました!」
「今のが相侮。いかに相剋であっても、力の差が有りすぎたら、水であっても火が勝つ事があるのよ」
「簡単に言うと、水鉄砲じゃ火災は消せないって訳だな」
「ちょっと魔理沙、解説の邪魔しないで」
「別に良いじゃないか、これぐらい」
「ともかく、今のは水獸と火獸のレベル差が大きかったからなった現象よ」
「なるほど、つまり出すとしたら相手となるべく同じレベルの五行獸じゃないといけないという訳ですね」
「そういう事。さて、ジンはどうするかしら?」
パチュリーは再び視線を会場に移す。
水獸をやられたジンが次に出したのは――――。
「土獸招来!」
彼の属性である土獸を繰り出した。しかし、そのレベルは二であった。
「ええ!? あんなレベルじゃまた負けてしまいますよ!」
「もしかして彼・・・まだ術を修得したばかり?」
「あれじゃ負けるな・・・こりゃ、勝負はあったかな?」
「それは早計だよ魔理沙。世の中には、弱い魔法を工夫して強い魔法に打ち勝つ例なんて腐る程あるんだよ」
「でも魅魔様、いくらなんでもこれは――――」
「まあ見ていなさい、もしかしたらおもしろい物が見れるかも知れないよ」
そう言った魅魔は楽しそうに会場に見ていた。
土獸を召喚したジンに対して、相手は再度火獸で攻撃して来た。
「行け土獸!」
それに対して土獸は、火獸の火炎を受け止め、それを吸収し始める。
「あ! 火を吸い取って行っています!」
「相生ね、火は土を生み出す関係だから、火の力を吸収する事が出来るの。だけど―――」
すると土獸の体に徐々に亀裂が走り始める。
「ああ! 体にヒビが!?」
「レベルの差が有りすぎるのよ。このままじゃ容量を越えて崩壊するわ」
パチュリーのいう通り、土獸のキャパシティは既に限界を越えていた。このままでは彼女のいう通り崩壊するだろう。そこでジンは―――。
「金獸招来!」
二体目の五行獸を召喚するのであった。
「二体同時使役!? なかなかやるじゃない」
「なるほど、考えた訳か」
「なかなかの頭脳的ね、案外魔理沙より魔法使いに向いているんじゃない?」
「私は行動派なんだよ、あんなチマチマしたやり方は性に合わない」
小鈴を除く四人は、ジンが何をしようとしているのか理解していた。
一方、小鈴は四人に解説を求めた。
「どういう事なんですか?」
「つまり、土獸が吸収仕切れない分を金獸に与えるつもりなのよ」
「ええ!? そんな事が出きるんですか!」
「ええ、火は土を生み出すように、土は金を生み出す。
土生金と言って、土獸が金獸に力を与える事が可能よ。
見てみなさい」
そう言ってパチュリーは、指を差す。相手の火獸がみるみると小さくなっていく事がわかる。
「火生土、火は塵を生み出し大地に帰らせる。大地に帰った土は、その内に金を生み出すのよ」
パチュリーがそう言うと、火獸の力を吸収した土獸と、その過剰分を吸い取っている金獸はみるみる大きくになり、数字も大きくなった。
「行け土獸!」
頃合いを見てジンは、弱った火獸にトドメを刺す。
弱った火獸は抵抗も何も出来ず、土獸の土塊に押し潰された。
「やったー! ジンさんが勝ちましたよ!」
「落ち着ついて小鈴、まだ勝負はついていないわ」
「確か、五行獸を全てを失ったら負けなんだろ? ならまだ一体を倒しただけだ」
「お互い一体ずつ失っている。勝負はこれからだね」
「あ! 相手の人が出して来ますよ!」
小鈴がそう言うと、四人は対戦相手の方を見る。すると相手は二枚の札を取り出し――――。
「木獸! 水獸! 招来!」
二体の五行獸を呼び出した。
「ああ!? 相手も二体出して来ましたよ!」
「どうやら、相手も属性を利用するつもりのようね。
面白くなって来たわ、やっぱり魔法戦はこうでなくちゃ」
パチュリーはとても楽しそうに、交流試合を観戦するのであった。
その後試合は終わり、結果はジンの敗北で終わったが、なかなかの接戦で会場を沸かしたのであった。
特別席で観戦していた華仙と神子は、試合が終わった後、今回の交流試合について話し合っていた。
「流石は華仙殿です。あれほど巧みな五行獸の扱い方を教えるなんて、感服します」
「そ、そんな、大した事は教えていませんよ。あれは程んどが彼が独学で学んだもので、私は基礎ぐらいしか――――」
「その基礎が重要なのです。貴女が基礎をしっかりと教えたからこそ、彼はあそこまで立ち回れたのです。
紛れもなく、貴女の指導の賜物でしょう」
「そ、そうかしら・・・?」
「ええ、今回の交流試合で、私の弟子も多くを学んだでしょう。今後も、こういう機会を設けたいのですが、よろしいでしょうか?」
「え、ええ! もちろんです! お互い切磋琢磨しましょう!」
「それではまた、ジンによろしくと伝えといて下さい」
そう言って、神子はおじぎをして、その場立ち去った。
それを見送った華仙は、なんともいたたまれない気持ちになるのであった。
―――――――――――
深夜の神霊廟では後夜祭が行われており、人々は騒ぎ呑み、大いに盛り上がっていた。
そんな中、珍しく華仙と魅魔の二人が一緒に酒を呑んでいた。
「盛り上がるのは良いんだけど、何で私の相手が貴女なのよ?」
「別に良いじゃないか、たまには殺し合い抜きで呑もうじゃないか」
「まあ・・・確かに、こういう時は無粋な事はしないでおくわ」
「そういう事だよ、ほら呑みな」
「ありがとう」
そう言って魅魔は、華仙の枡に酒を注ぐ。
「それにしても、あんたも中々やるねぇ」
「ん? 何が?」
「弟子の指導だよ。今日の試合を見ていれば、あんたの指導は中々の物だって分かるさ」
魅魔は感心したように、華仙を称賛したが、その華仙は何処か浮かない表情であった。
「ん? どうしたんだい?」
「正直に言うとね、私が教えたのはほんの基礎だけで、後は彼の独学なのよ」
「そうなのかい?」
「だから今回、あまり師匠らしい事をしている気がしないのよねぇ」
華仙は何処か淋しそうに呟いた。
そんな華仙に、魅魔は笑いながら言うのである。
「何とも贅沢な悩みだねぇ」
「何処がよ?」
「私はねぇ、いつも悩んでいたよ。どうやったら魔理沙を一人前の魔法使いに出来るかってね」
「え?」
「魔理沙の才能は平凡な上に、物事を細かく考えるのが不得意。ハッキリと言うと、魔法使いに向いていなかったんだよ」
「まあ、確かに力任せが多い気がするけど・・・・・・」
「だけど、情熱だけは人一倍で、どんなに上手くいかなくっても諦めずやり続ける根性があったんだ。
そんな魔理沙を見ていると、どうしても力になりたくてねぇ・・・・・・だけど、私は教え方が下手でねぇ、中々魔理沙の力を延ばせなかったんだよ」
そう言う魅魔の姿は、何処か哀愁が漂っていた。
そんな魅魔に、華仙は酒を注ぎながら言った。
「でも、彼女は立派な魔法使いになったんでしょ? それは紛れもなく貴女の指導の賜物よ」
「おや? お前さんに言おうとした事を逆に言われちまったよ」
魅魔は笑いながらそう言うと、釣られて華仙も微笑んだ。
「それじゃ、今夜は互いの弟子について語り合おうじゃないか!」
「あら、受けて立つわよ」
二人は酒を交えながら、ジンと魔理沙の自慢話をし始めるのであった。
それが原因で、再び口論となってしまうのだが、それは全く別のである。