とりあえず、週一で上げれるようにしたいと思います。
幻想郷には幾つかの行事がそんざいする。この日は、年に一度の収穫祭が人里で行われていた。
そんな祭り真っ只中の里に、ジン、霊夢、針妙丸の三人が訪れていた。
「うわぁ、凄い人だかりだね!」
「針妙丸は、収穫祭に参加するのは始めてだったな。」
「収穫祭って言っても、夏祭りと大差無いわよ。強いて言うなら、出店は全て食べ物関連しかないことだけど」
「収穫祭だからな、収穫した食材を料理して振る舞うのが、この祭りの醍醐味だからな」
「妖狐も来れば良かったのに・・・・・・」
「所用があると言っていたからな、仕方が無いさ」
「いない妖狐の分まで、私達で楽しみましょう」
「うん!」
「人が多いから、はぐれないようにしろよ」
こうして三人は手を繋ぎならがら、祭りの中へと入って行った。
―――――――――――
三人はパンフレットを見ながら、サニー達が出している出店を探していた。
「確かこの辺の筈なんだが・・・・・・」
「あそこじゃない?」
霊夢が指を差した先に、“fairy food”と書かれた屋台があった。
三人はそこに向かうと、サニー、ルナ、スター、チルノ、大妖精の五人がいた。
「いらっしゃいませー♪ あ、ジンに霊夢さん、針妙丸も来てくれたんだ」
「まあね、景気はどう?」
「結構良い感じよ、これなら売上トップも目じゃないわ」
サニーは自信満々にそう言った。
fairy foodは主にサンドイッチとアイスクリームを売っており、どちらもそれなりに売れている様子であった。
「ここのお勧めは?」
ジンがそう訪ねると、サニーは自慢気に話始めた。
「当屋台のお勧めは、“サンドイッチセット”よ。
値段もお手頃だから、結構売れているわよ」
「それじゃ、それを貰おうか」
「毎度ありー」
ジンはサニー代金を手渡すと、彼女からサンドイッチセットを受けとる。
セットの内容は、玉子にベーコンなどの、一般的なサンドイッチに、アイスクリームがついている物であった。
「サンドイッチにアイスか・・・微妙な組み合わせね」
「そうか? 俺は好きだけどなアイス」
「私もー♪」
三人はサンドイッチとアイスクリームを食べ終えると、他の場所にも回る事にした。
―――――――――――
fairy foodを後にした三人。
しばらく歩いてると、何やら芳ばしい香りが漂っていた。
「あれ? 何かしらこの匂い?」
「とても美味しそうな匂いだね」
「向こうの方からだな」
三人は匂いに釣られて、香りがする方へと向かった。するとその先には、人だかり出来ており、何かを見ているようであった。
「何かしら?」
「あれは・・・咲夜か?」
人だかりの先には、咲夜の姿があった。
彼女はギャラリーの目の前で、鮮やかに生地を伸ばし、洗礼された包丁捌きで具材を切り、それを生地に乗せ、竈に入れる。そして指を鳴らし、竈にいれた生地を取り出すと、そこにはこんがりと焼かれたピザが完成されていた。
一連の動き見ていた観客も、拍手と歓声を送った。
「すっごーい!」
「へぇ、中々おもしろい事をしているわね」
「ライブクッキングか、確かにピザなら売ってつけだな」
「ライブクッキング?」
「簡単に言うと、料理過程をショー風に見せて、客寄せをする料理方法だ。これなら料理と客寄せが同時に出来るだろ?」
「なるほど・・・」
「それにしてもピザか・・・久々に食ってみるか。二人はそこで待ってくれ」
そう言ってジンは、ピザを買いに列を並び始めた。
列に並んで数十分後、ジンは漸く列の先頭に付いた。
そんなジンを迎えたのは、エプロン姿のフランであった。
「いらっしゃ~い。あ、ジン!」
「お、フランが店番しているのか」
「うん! お姉様に誘われてね。“貴女の笑顔なら、大抵の奴はイチコロよ”なんて変な事を言っていたけど」
「そのレミリアは?」
「お姉様は後ろでずんぐり反っているよ。何でも、“上に立つものは、後ろで堂々としているものよ”って」
「レミリアは相変わらずだな」
「それよりも、ピザを買いに来たんだよね?」
「ああ、三切れ頼む」
「はい、どうぞ」
フランは笑顔でジンにピザを手渡した。
その笑顔は、まるで天使のようであった。
ピザ無事に買えたジンは、急いで霊夢達の所に向かった。
「あ、帰って来た!」
「遅いわよジン」
「待たせて悪い。ほら、買って来たぞ」
ジンは買って来たピザを、霊夢と針妙丸に手渡した。
「これがピザね。話には聞いていたけど、実際に食べるのは初めてだわ」
「美味いのは保証する」
霊夢と針妙丸は、恐る恐るとピザを口にした。すると―――。
「う~ん♪ 美味しいわ♪」
「うん♪ 不思議な触感だね♪」
二人は気に入ったのか、とても美味しそうにピザを食べ始めた。
それを見てジンは満足し、自分もピザを食べ始める。
ピザを食べ終えた三人は、次の場所に向かおうとした時、人ごみから見知った人物を見つける。
「ん? あれって妖夢じゃない?」
「本当だ。何をしているんだあいつ?」
妖夢は、何処か戸惑っている様で、辺りをキョロキョロしていた。
不振に思ったジンと霊夢は、声を掛ける事にした。
「妖夢」
「あ、ジンさんに霊夢さん」
「辺りをキョロキョロしてたけど、どうしたの?」
「幽々子を探しているのか?」
「いえ、そうではなくて、実は―――――」
妖夢は話始めた。事の経緯は、幽々子と共に収穫祭を楽しんでいたのだが――――。
『妖夢、私は用事があるから。貴女は祭りを楽しんでね』
そう言って、何処かへと行ってしまったのである。
「それで途方に暮れていたのか」
「はい・・・いつも幽々子様の御付きをしていたので、あまり勝手が分からないのです」
「それなら、一緒に回るか?」
「え? 良いんですか?」
「多い方が楽しいだろ? それで良いかな二人とも?」
「まあ、別に反対する理由は無いけどね」
「私は良いよ」
「それじゃ、御言葉に甘えさせて頂きます」
こうして、妖夢が加わる事になった。
―――――――――――
妖夢が加わり、少し賑やかになったジン達は、次の屋台を何処にしようか考えながら歩いていると、阿求と小鈴に出会った。
「あ、皆さんこんにちわ」
「こんにちわ」
「こんにちわ小鈴ちゃんに阿求。何を食べているの?」
「たこ焼きって言う食べ物です」
「たこ焼きだって!?」
たこ焼きという言葉に、ジンは驚きを隠せず、声を上げてしまった。
「ど、どうしたのよジン?」
「たこ焼きがどうかしましたか?」
「どうかしたも何も、たこ焼きっていう料理は、幻想郷では作れない料理なんだよ」
「そうなの?」
「ああ、肝心な材料が無いからな」
「材料って?」
「タコの事ですね。確かに、あれは海の生き物ですから、山奥の幻想郷では先ず手に入らない代物なんですよ。
私も、本でしか知らないんですけどね」
「それなら、どうやって作っているのかしら?」
「マミさんの話によると、あるツテで、タコを入手したらしいですよ」
「マミゾウが運営していたのか・・・それにしてもツテって―――――」
「あのスキマ妖怪の事ですよ」
ジンの疑問に、阿求は何処か呆れた様子で答えた。
「あの妖怪が能力を使ってタコを仕入れて、マミゾウ組の人達が、それを捌いてたこ焼きを売っているみたいなんですよ」
阿求の話によると、マミゾウと紫は手を組み。たこ焼きで、収穫祭の売り上げ一位を狙っているらしい事が分かった。
「なるほどね・・・いかにも紫らしいやり方だわ」
「まあ、効果的な方法ではあるな」
「興味があるんでしたら、向こうの方にマミさんの出店があるので、行ってみたらいかがですか?」
「そうだな・・・たこ焼きなんて、幻想郷じゃ先ず食べれないからな。行ってみるか?」
「私は構わないわ」
「私も同じく」
「ちょっと興味がある」
「よし、それじゃマミゾウの所に行くか」
その後ジン達は、小鈴と阿求に礼を言って別れ、マミゾウの出店へと向かうのであった。
―――――――――――
マミゾウの出店は大行列を成しており、並ぶと何時間も掛かるのが容易に想像出来る程であった。
「うーん・・・流石にこれは予想外だな」
「どうするの? 並ぶ?」
「いや、それは流石にキツいな・・・・・・」
ジンは列を見て、難色を示す。これだけの列を並んで待つのは、正直大人でも辛い物である。
どうにか別の方法が無いかと、考えていると、誰かに声を掛けられた。
「おや? 皆御揃いでどうしたんじゃ?」
「ん? マミゾウか?」
声を掛けて来たのは、人間の姿をしたマミゾウであった。
「たこ焼きを売ってあると聞いてやって来たんだが・・・・・・」
「なるほど、確かにこの列では、かなり待つからのう」
「やっぱりか・・・仕方ない。諦めるか」
「えー!?」
「ここで並んで待つと、他の所を回れなくなるからな。我慢してくれ針妙丸」
「はーい・・・・・・」
とても楽しみにしていたのか、針妙丸は落胆を隠せなかった。
その様子を見ていたマミゾウ、暫く考え―――。
「のうジン。少し待てるかのう?」
「え? まあ、少しぐらいなら」
「それで十分じゃ。暫し待たれよ」
そう言って、マミゾウはその場を後にした。
それから数分後。マミゾウはたこ焼きを持って、戻って来た。
「待たせたのう」
「マミゾウそれは?」
「部下に融通して貰ったんじゃよ」
「良いのか?」
「商売としてはダメじゃが、お主と儂の仲じゃ、今回だけは特別じゃ」
「ありがとうマミゾウ」
「ありがとー♪」
ジンはマミゾウからたこ焼きを受け取ると、それを分けあって食べた。
「これは中々・・・・・・」
「外はカリっとしてますが、中はトロっとしてますね」
「熱っ! 熱っ!」
「大丈夫か針妙丸?」
「う、うん、ちょっと熱かっただけだから」
初めてのたこ焼きを食べた三人は、未知の味に夢中になるのであった。