東方軌跡録   作:1103

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忙しくなって来たので、今月あまり投稿できないかもしれません。
とりあえず、週一で上げれるようにしたいと思います。



収穫祭食べ歩きツアー 前編

幻想郷には幾つかの行事がそんざいする。この日は、年に一度の収穫祭が人里で行われていた。

そんな祭り真っ只中の里に、ジン、霊夢、針妙丸の三人が訪れていた。

 

「うわぁ、凄い人だかりだね!」

 

「針妙丸は、収穫祭に参加するのは始めてだったな。」

 

「収穫祭って言っても、夏祭りと大差無いわよ。強いて言うなら、出店は全て食べ物関連しかないことだけど」

 

「収穫祭だからな、収穫した食材を料理して振る舞うのが、この祭りの醍醐味だからな」

 

「妖狐も来れば良かったのに・・・・・・」

 

「所用があると言っていたからな、仕方が無いさ」

 

「いない妖狐の分まで、私達で楽しみましょう」

 

「うん!」

 

「人が多いから、はぐれないようにしろよ」

 

こうして三人は手を繋ぎならがら、祭りの中へと入って行った。

 

―――――――――――

 

三人はパンフレットを見ながら、サニー達が出している出店を探していた。

 

「確かこの辺の筈なんだが・・・・・・」

 

「あそこじゃない?」

 

霊夢が指を差した先に、“fairy food”と書かれた屋台があった。

三人はそこに向かうと、サニー、ルナ、スター、チルノ、大妖精の五人がいた。

 

「いらっしゃいませー♪ あ、ジンに霊夢さん、針妙丸も来てくれたんだ」

 

「まあね、景気はどう?」

 

「結構良い感じよ、これなら売上トップも目じゃないわ」

 

サニーは自信満々にそう言った。

fairy foodは主にサンドイッチとアイスクリームを売っており、どちらもそれなりに売れている様子であった。

 

「ここのお勧めは?」

 

ジンがそう訪ねると、サニーは自慢気に話始めた。

 

「当屋台のお勧めは、“サンドイッチセット”よ。

値段もお手頃だから、結構売れているわよ」

 

「それじゃ、それを貰おうか」

 

「毎度ありー」

 

ジンはサニー代金を手渡すと、彼女からサンドイッチセットを受けとる。

セットの内容は、玉子にベーコンなどの、一般的なサンドイッチに、アイスクリームがついている物であった。

 

「サンドイッチにアイスか・・・微妙な組み合わせね」

 

「そうか? 俺は好きだけどなアイス」

 

「私もー♪」

 

三人はサンドイッチとアイスクリームを食べ終えると、他の場所にも回る事にした。

 

―――――――――――

 

fairy foodを後にした三人。

しばらく歩いてると、何やら芳ばしい香りが漂っていた。

 

「あれ? 何かしらこの匂い?」

 

「とても美味しそうな匂いだね」

 

「向こうの方からだな」

 

三人は匂いに釣られて、香りがする方へと向かった。するとその先には、人だかり出来ており、何かを見ているようであった。

 

「何かしら?」

 

「あれは・・・咲夜か?」

 

人だかりの先には、咲夜の姿があった。

彼女はギャラリーの目の前で、鮮やかに生地を伸ばし、洗礼された包丁捌きで具材を切り、それを生地に乗せ、竈に入れる。そして指を鳴らし、竈にいれた生地を取り出すと、そこにはこんがりと焼かれたピザが完成されていた。

一連の動き見ていた観客も、拍手と歓声を送った。

 

「すっごーい!」

 

「へぇ、中々おもしろい事をしているわね」

 

「ライブクッキングか、確かにピザなら売ってつけだな」

 

「ライブクッキング?」

 

「簡単に言うと、料理過程をショー風に見せて、客寄せをする料理方法だ。これなら料理と客寄せが同時に出来るだろ?」

 

「なるほど・・・」

 

「それにしてもピザか・・・久々に食ってみるか。二人はそこで待ってくれ」

 

そう言ってジンは、ピザを買いに列を並び始めた。

 

 

列に並んで数十分後、ジンは漸く列の先頭に付いた。

そんなジンを迎えたのは、エプロン姿のフランであった。

 

「いらっしゃ~い。あ、ジン!」

 

「お、フランが店番しているのか」

 

「うん! お姉様に誘われてね。“貴女の笑顔なら、大抵の奴はイチコロよ”なんて変な事を言っていたけど」

 

「そのレミリアは?」

 

「お姉様は後ろでずんぐり反っているよ。何でも、“上に立つものは、後ろで堂々としているものよ”って」

 

「レミリアは相変わらずだな」

 

「それよりも、ピザを買いに来たんだよね?」

 

「ああ、三切れ頼む」

 

「はい、どうぞ」

 

フランは笑顔でジンにピザを手渡した。

その笑顔は、まるで天使のようであった。

 

 

ピザ無事に買えたジンは、急いで霊夢達の所に向かった。

 

「あ、帰って来た!」

 

「遅いわよジン」

 

「待たせて悪い。ほら、買って来たぞ」

 

ジンは買って来たピザを、霊夢と針妙丸に手渡した。

 

「これがピザね。話には聞いていたけど、実際に食べるのは初めてだわ」

 

「美味いのは保証する」

 

霊夢と針妙丸は、恐る恐るとピザを口にした。すると―――。

 

「う~ん♪ 美味しいわ♪」

 

「うん♪ 不思議な触感だね♪」

 

二人は気に入ったのか、とても美味しそうにピザを食べ始めた。

それを見てジンは満足し、自分もピザを食べ始める。

 

ピザを食べ終えた三人は、次の場所に向かおうとした時、人ごみから見知った人物を見つける。

 

「ん? あれって妖夢じゃない?」

 

「本当だ。何をしているんだあいつ?」

 

妖夢は、何処か戸惑っている様で、辺りをキョロキョロしていた。

不振に思ったジンと霊夢は、声を掛ける事にした。

 

「妖夢」

 

「あ、ジンさんに霊夢さん」

 

「辺りをキョロキョロしてたけど、どうしたの?」

 

「幽々子を探しているのか?」

 

「いえ、そうではなくて、実は―――――」

 

妖夢は話始めた。事の経緯は、幽々子と共に収穫祭を楽しんでいたのだが――――。

 

『妖夢、私は用事があるから。貴女は祭りを楽しんでね』

 

そう言って、何処かへと行ってしまったのである。

 

「それで途方に暮れていたのか」

 

「はい・・・いつも幽々子様の御付きをしていたので、あまり勝手が分からないのです」

 

「それなら、一緒に回るか?」

 

「え? 良いんですか?」

 

「多い方が楽しいだろ? それで良いかな二人とも?」

 

「まあ、別に反対する理由は無いけどね」

 

「私は良いよ」

 

「それじゃ、御言葉に甘えさせて頂きます」

 

こうして、妖夢が加わる事になった。

 

―――――――――――

 

妖夢が加わり、少し賑やかになったジン達は、次の屋台を何処にしようか考えながら歩いていると、阿求と小鈴に出会った。

 

「あ、皆さんこんにちわ」

「こんにちわ」

 

「こんにちわ小鈴ちゃんに阿求。何を食べているの?」

 

「たこ焼きって言う食べ物です」

 

「たこ焼きだって!?」

 

たこ焼きという言葉に、ジンは驚きを隠せず、声を上げてしまった。

 

「ど、どうしたのよジン?」

 

「たこ焼きがどうかしましたか?」

 

「どうかしたも何も、たこ焼きっていう料理は、幻想郷では作れない料理なんだよ」

 

「そうなの?」

 

「ああ、肝心な材料が無いからな」

 

「材料って?」

 

「タコの事ですね。確かに、あれは海の生き物ですから、山奥の幻想郷では先ず手に入らない代物なんですよ。

私も、本でしか知らないんですけどね」

 

「それなら、どうやって作っているのかしら?」

 

「マミさんの話によると、あるツテで、タコを入手したらしいですよ」

 

「マミゾウが運営していたのか・・・それにしてもツテって―――――」

 

「あのスキマ妖怪の事ですよ」

 

ジンの疑問に、阿求は何処か呆れた様子で答えた。

 

「あの妖怪が能力を使ってタコを仕入れて、マミゾウ組の人達が、それを捌いてたこ焼きを売っているみたいなんですよ」

 

阿求の話によると、マミゾウと紫は手を組み。たこ焼きで、収穫祭の売り上げ一位を狙っているらしい事が分かった。

 

「なるほどね・・・いかにも紫らしいやり方だわ」

 

「まあ、効果的な方法ではあるな」

 

「興味があるんでしたら、向こうの方にマミさんの出店があるので、行ってみたらいかがですか?」

 

「そうだな・・・たこ焼きなんて、幻想郷じゃ先ず食べれないからな。行ってみるか?」

 

「私は構わないわ」

 

「私も同じく」

 

「ちょっと興味がある」

 

「よし、それじゃマミゾウの所に行くか」

 

その後ジン達は、小鈴と阿求に礼を言って別れ、マミゾウの出店へと向かうのであった。

 

―――――――――――

 

マミゾウの出店は大行列を成しており、並ぶと何時間も掛かるのが容易に想像出来る程であった。

 

「うーん・・・流石にこれは予想外だな」

 

「どうするの? 並ぶ?」

 

「いや、それは流石にキツいな・・・・・・」

 

ジンは列を見て、難色を示す。これだけの列を並んで待つのは、正直大人でも辛い物である。

どうにか別の方法が無いかと、考えていると、誰かに声を掛けられた。

 

「おや? 皆御揃いでどうしたんじゃ?」

 

「ん? マミゾウか?」

 

声を掛けて来たのは、人間の姿をしたマミゾウであった。

 

「たこ焼きを売ってあると聞いてやって来たんだが・・・・・・」

 

「なるほど、確かにこの列では、かなり待つからのう」

 

「やっぱりか・・・仕方ない。諦めるか」

 

「えー!?」

 

「ここで並んで待つと、他の所を回れなくなるからな。我慢してくれ針妙丸」

 

「はーい・・・・・・」

 

とても楽しみにしていたのか、針妙丸は落胆を隠せなかった。

その様子を見ていたマミゾウ、暫く考え―――。

 

「のうジン。少し待てるかのう?」

 

「え? まあ、少しぐらいなら」

 

「それで十分じゃ。暫し待たれよ」

 

そう言って、マミゾウはその場を後にした。

 

 

それから数分後。マミゾウはたこ焼きを持って、戻って来た。

 

「待たせたのう」

 

「マミゾウそれは?」

 

「部下に融通して貰ったんじゃよ」

 

「良いのか?」

 

「商売としてはダメじゃが、お主と儂の仲じゃ、今回だけは特別じゃ」

 

「ありがとうマミゾウ」

 

「ありがとー♪」

 

ジンはマミゾウからたこ焼きを受け取ると、それを分けあって食べた。

 

「これは中々・・・・・・」

 

「外はカリっとしてますが、中はトロっとしてますね」

 

「熱っ! 熱っ!」

 

「大丈夫か針妙丸?」

 

「う、うん、ちょっと熱かっただけだから」

 

初めてのたこ焼きを食べた三人は、未知の味に夢中になるのであった。

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