まさかここまで登録されるとは思いませんでした。
これからも、皆さんの御期待に添えるように頑張りたいと思います。
博麗神社の近くにはミズナラの木があり、そこに三人の妖精が住んでいた。
その妖精達は、神社の手伝いをしたり、たまに悪戯をしたりして、自由気ままに暮らしていた。
そんな三人に、ある異変が起きた。今回はそんな話である。
―――――――――――
あるの日の朝、ルナは太陽の光で目を覚ます。
「う、うーん・・・もう朝か・・・・・・」
眠け眼を擦りながら、ルナはベットに起き上がる。すると、ある違和感が襲う。
「あれ? ベットってこんな小さかったけ?」
自分の体がベットからはみ出ている事に気がつく。
ルナは違和感を感じながらも、ベットから立ち上がろうとするが―――。
「いた!? いたたた・・・もう何なのよー」
今度は天井に頭をぶつけてしまう。
頭を擦りながら、部屋の鏡を見たルナは驚愕した。
「え・・・? ええー!?」
鏡に写っていたのはいつもの姿では無く、少し大人びた自分の姿であった。
「ちょ、ちょっと! どうなっているのよー!?」
事態が把握出来ず、ルナはオロオロし始める。
「と、取り合えず、二人に相談しよう」
ルナは直ぐ様居間の方へと向かう。するとそこには、驚くべく二人の姿があった。
「あらルナ、おはよう」
「いつも早起きの貴女が最後なんて、珍しいわね」
「・・・・・・」
ルナは開いた口が塞がらなかった。サニーとスターの姿は、自分と同じ様に大人びた姿をしており、優雅そうにコーヒーを飲んでいた。
「何でそんな呑気なのー!?」
ルナの叫びが、ミズナラの木に響き渡った。
それからしばらくして、ようやく落ち着きを取り戻したルナは、現状について二人に聞いていた。
「それで二人も、起きたらその姿になっていたのね」
「起きたらビックリしたわ」
「そうね、育ち盛りだったのかしら?」
「何でそんなに悠長にしているのよ!? これは明らかに異常よ!」
「そりゃおかしいとは思うけど、特に困るわけでも無いし」
「強いていうなら、家が小さいだけだけどね」
「いや、そういう問題じゃ――――」
「もう、ルナは疑り深いわね。これは天恵なのよ」
「天恵?」
「そう! この力で霊夢さんを倒せという、天恵と私は受け取ったわ!」
「そんな都合の良い訳が――――」
「そうと決まれば、早速霊夢さんに挑むわよ! 者共、私に続けー!」
「おー♪」
「え? あ、ちょ、ちょっと待ってよー!」
こうして三人は、勢い良く霊夢の元に向かうのであった。
―――――――――――
「――――そんな訳で、勝負よ霊夢さん!」
神社の境内で、これまでの経緯を聞いた霊夢とジンだが、あまりにも突拍子の無さに困惑していた。
「・・・色々と突っ込みどころが有りすぎて、何処を突っ込んで良いやら」
「所詮は妖精って事ね」
「つべこべ言わずに、掛かって来なさい!」
やけに自信満々なサニー、とても面白そうにしているスター、不安そうにしているルナは達は構えだした。
「やる気満々みたいだが・・・どうする?」
「決まっているでしょ、やってやるわよ」
「しかし大丈夫か? いつもと姿が違うぞ?」
「どんな姿をしていようが、所詮は妖精。私の敵じゃないわ。それに―――」
「それに?」
「何で三人して、胸が大きいのよ! 妖精の癖に生意気よ!」
「・・・・・・取り合えず、程々にな」
ジンはそう言うと、その場から少し離れ、霊夢とサニー達の勝負を観戦する事にした。
「行くわよ霊夢さん!」
「我ら新三妖精の力を――!」
「と、特と見よー!」
サニー、スター、ルナの三人がそれぞれ言うと、霊夢に勝負を挑むのであった。
それから数分後、境内には仁王立ちしている霊夢と、コテンパンにされた三妖精が倒れていた。
「少し姿が変わっても、やっぱり中身は変わっていないわね」
「ううっ・・・こんな筈は・・・・・・」
「あいやこれまで・・・・・・」
「やっぱり無理があったのよ・・・・・・」
「大丈夫か三人とも?」
そう言って、ジンは倒れていた三人を助け起こす。
「ありがとうジン・・・・・・」
「別に構わないが、どうしてそんな姿に?」
「それが良く分からなくて・・・・・・」
「朝起きたら、こんな姿になっていたのよ」
「ふむ・・・妖精って、成長とかするのか?」
「そんな話は聞いた事無いわね」
「うーん・・・原因が分からないと、得体が知れずに不気味だな。誰か妖精に詳しい奴がいれば良いんだが・・・・・・」
ジンがそう呟くと、霊夢は何か思い当たったのか、苦虫を潰したような表情をして呟いた。
「・・・・・・一人だけ、何でも知っていそうな奴はいるわよ」
「誰だ?」
「紫よ。一応賢者と呼ばれているから、妖精とか詳しいかも」
「それもそうだな。霊夢、悪いけど紫を呼んでくれないか?」
「あまり気が乗らないけど・・・・・・」
そう言って霊夢は、紫を呼ぶために結界を緩めようとした時、目の前にスキマが現れる。
「噂をすればとやらね。紫、少し聞きたいことがあるんだけど―――――」
「もう霊夢、呼び出す度に結界を緩めようとしないで欲しいわ。結界が壊れたらどうするのよ?」
「「「「「・・・・・・」」」」」
「あら? どうしたの? そんなあり得ない物を見たような顔をして」
「あ、あんた! 何よその姿!?」
霊夢は驚きながら、紫を指を差す。彼女の今の容姿は、サニー達と異なり、非常に幼い少女の姿をしていた。
「ちょっとしたイメチェンよ♪」
「イメチェンって・・・自分の年の事を考えなさいよ・・・・・・」
「レディに対して、年の事は禁句なのよ霊夢。貴女も年を取れば、私の気持ちがわかるわよ」
「分かりたくないわ」
「そんな事を言っていられるのも、今の内よ。ジンだって、熟女より美少女の方が良いでしょ?」
紫は面白半分でジンに訪ねると、ジンは至って真面目に答えた。
「確かに今の紫は美少女だが、俺は大人の方が好きだな」
「「え?」」
予想外の返答に、紫おろか霊夢も目が点になっていた。そんな二人をよそに、ジンは語り出す。
「別に今の姿の紫を否定する訳じゃないが、大人の方が好みだな」
「え、えっと・・・そんな事を言われると照れるわ」
「・・・あんたって、もしかして年増好き?」
「年増ってのは失礼だろ。せめて年上って言えよ」
「・・・・・・!」
霊夢は無言でジンを殴り、そのまま母屋の方へと行ってしまった。
「いてぇ・・・何なんだよ一体?」
「まあ、さっきの言葉は霊夢にとっては酷な話なのよね」
「? どういう事だ?」
「こっちの話。それよりも、私に何か用?」
「ああ、サニー達の姿がこうなっていて」
ジンは紫に改めて事情を説明すると、彼女はにんまりと笑う。
「あらジン、選り取り緑じゃない♪ どんな娘が好みなのかしら?」
「話を脱線させるな」
「私も気になるわ♪ サニーもルナも気になるでしょ?」
「確かに、少し気になるわね」
「べ、別に無理に聞き出す事は無いんじゃ・・・・・・」
「なら、ルナは聞かなくて良いわ。私達だけで聞くから♪」
「そ、そんなのずるい! 私だけ仲間外れしないでよ!」
どういう訳か、三人の中で一番好みなのか?という流れになってしまった。
サニー、ルナ、スターの三人は、興味津々にジンを見つめる。
「ねえジン?」
「この中で―――」
「い、一番好みなのは誰?」
最早逃げ道は無く、観念したかのようにジンは口を開く。
「容姿的には、スターが好みだ」
「え・・・? わ、私!?」
「ああ、ついでに言うなら、俺はロングストレートが好みだ」
「え、えーと・・・あ、ありがとう」
「むぅー、髪型で決めるなんてずるい!」
「じゃあ、何を基準で決めろと?」
「そりゃ容姿に決まっているでしょ」
「髪型も容姿の一つだと思うが?」
ジンの選択に不満を持ったサニーは、しばらくジンに食って掛かった。
一方ルナは、自分の髪を弄りながら――――。
「・・・髪伸ばそうかな」
誰にも聞こえないように、そう小さく呟いていた。
色々と脱線していたが、ようやく落ち着きを取り戻し、紫に今回の事態について聞く事が出来た。
「結論から言うと、この子達が住んでいる場所が原因よ」
「ミズナラの木がか?」
「ええ。前にも言ったように、どんな物でも信仰が集まれば神が宿り、力を増す。
この子達がこの姿になったのは、単にミズナラの御神木の加護を受けたからなの」
「つまり、ミズナラの木に宿る神様が、サニー達に力を与えたって言うのか」
「そうよ。だけど、まだまだ力は弱いから、大した加護じゃないし、その姿も一日程度が限界ね」
「えー、一日だけなんだ・・・・・・」
それを聞いたサニー達は、がっくりと肩を落とす。しかし、紫は微笑みながら次の言葉を言った。
「あら、残念がる事は無いわ。もっと信仰が集まれば、その分力も増す。そうなれば、必然的に貴女達の力も増すのよ」
「そっか! もっと神社に人が来て、ミズナラの木に参拝してくれれば―――」
「加護も強くなって、私達も強くなるのね」
「そういう事♪」
「よーし、そうと分かれば、もっと神社を繁盛させるわよー!」
「「おー!」」
サニー達は、紫の言葉を聞いて、すっかりやる気を出していた。そんな三人を尻目に、ジンはこっそりと紫に真意を問いただした。
「それで? 本当のところはどうなんだ?」
「今話したのは嘘じゃないわ。だけど、あの木が神秘性を得るには、まだまだ年月は足りないわ。少なくとも、数百年単位で信仰され続けなければ、実体化も出来ないでしょうし」
「気の長い話だな・・・・・・」
「ええ。でも、それが神様なのよ」
そう言った紫は、サニー達の様子を何処か楽しそうに眺めるのであった。
東方香霖堂の紫を見たんですが、明らかに他作品と容姿が違います。
容姿については特に追求されていなかったので、個人的には外見年齢も変えられると考えています。