東方軌跡録   作:1103

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まさかここまで登録されるとは思いませんでした。
これからも、皆さんの御期待に添えるように頑張りたいと思います。



三妖精とミズナラの加護

博麗神社の近くにはミズナラの木があり、そこに三人の妖精が住んでいた。

その妖精達は、神社の手伝いをしたり、たまに悪戯をしたりして、自由気ままに暮らしていた。

そんな三人に、ある異変が起きた。今回はそんな話である。

 

―――――――――――

 

あるの日の朝、ルナは太陽の光で目を覚ます。

 

「う、うーん・・・もう朝か・・・・・・」

 

眠け眼を擦りながら、ルナはベットに起き上がる。すると、ある違和感が襲う。

 

「あれ? ベットってこんな小さかったけ?」

 

自分の体がベットからはみ出ている事に気がつく。

ルナは違和感を感じながらも、ベットから立ち上がろうとするが―――。

 

「いた!? いたたた・・・もう何なのよー」

 

今度は天井に頭をぶつけてしまう。

頭を擦りながら、部屋の鏡を見たルナは驚愕した。

 

「え・・・? ええー!?」

 

鏡に写っていたのはいつもの姿では無く、少し大人びた自分の姿であった。

 

「ちょ、ちょっと! どうなっているのよー!?」

 

事態が把握出来ず、ルナはオロオロし始める。

 

「と、取り合えず、二人に相談しよう」

 

ルナは直ぐ様居間の方へと向かう。するとそこには、驚くべく二人の姿があった。

 

「あらルナ、おはよう」

 

「いつも早起きの貴女が最後なんて、珍しいわね」

 

「・・・・・・」

 

ルナは開いた口が塞がらなかった。サニーとスターの姿は、自分と同じ様に大人びた姿をしており、優雅そうにコーヒーを飲んでいた。

 

「何でそんな呑気なのー!?」

 

ルナの叫びが、ミズナラの木に響き渡った。

 

 

それからしばらくして、ようやく落ち着きを取り戻したルナは、現状について二人に聞いていた。

 

「それで二人も、起きたらその姿になっていたのね」

 

「起きたらビックリしたわ」

 

「そうね、育ち盛りだったのかしら?」

 

「何でそんなに悠長にしているのよ!? これは明らかに異常よ!」

 

「そりゃおかしいとは思うけど、特に困るわけでも無いし」

 

「強いていうなら、家が小さいだけだけどね」

 

「いや、そういう問題じゃ――――」

 

「もう、ルナは疑り深いわね。これは天恵なのよ」

 

「天恵?」

 

「そう! この力で霊夢さんを倒せという、天恵と私は受け取ったわ!」

 

「そんな都合の良い訳が――――」

 

「そうと決まれば、早速霊夢さんに挑むわよ! 者共、私に続けー!」

 

「おー♪」

 

「え? あ、ちょ、ちょっと待ってよー!」

 

こうして三人は、勢い良く霊夢の元に向かうのであった。

 

―――――――――――

 

「――――そんな訳で、勝負よ霊夢さん!」

 

神社の境内で、これまでの経緯を聞いた霊夢とジンだが、あまりにも突拍子の無さに困惑していた。

 

「・・・色々と突っ込みどころが有りすぎて、何処を突っ込んで良いやら」

 

「所詮は妖精って事ね」

 

「つべこべ言わずに、掛かって来なさい!」

 

やけに自信満々なサニー、とても面白そうにしているスター、不安そうにしているルナは達は構えだした。

 

「やる気満々みたいだが・・・どうする?」

 

「決まっているでしょ、やってやるわよ」

 

「しかし大丈夫か? いつもと姿が違うぞ?」

 

「どんな姿をしていようが、所詮は妖精。私の敵じゃないわ。それに―――」

 

「それに?」

 

「何で三人して、胸が大きいのよ! 妖精の癖に生意気よ!」

 

「・・・・・・取り合えず、程々にな」

 

ジンはそう言うと、その場から少し離れ、霊夢とサニー達の勝負を観戦する事にした。

 

「行くわよ霊夢さん!」

 

「我ら新三妖精の力を――!」

 

「と、特と見よー!」

 

サニー、スター、ルナの三人がそれぞれ言うと、霊夢に勝負を挑むのであった。

 

 

それから数分後、境内には仁王立ちしている霊夢と、コテンパンにされた三妖精が倒れていた。

 

「少し姿が変わっても、やっぱり中身は変わっていないわね」

 

「ううっ・・・こんな筈は・・・・・・」

 

「あいやこれまで・・・・・・」

 

「やっぱり無理があったのよ・・・・・・」

 

「大丈夫か三人とも?」

 

そう言って、ジンは倒れていた三人を助け起こす。

 

「ありがとうジン・・・・・・」

 

「別に構わないが、どうしてそんな姿に?」

 

「それが良く分からなくて・・・・・・」

 

「朝起きたら、こんな姿になっていたのよ」

 

「ふむ・・・妖精って、成長とかするのか?」

 

「そんな話は聞いた事無いわね」

 

「うーん・・・原因が分からないと、得体が知れずに不気味だな。誰か妖精に詳しい奴がいれば良いんだが・・・・・・」

 

ジンがそう呟くと、霊夢は何か思い当たったのか、苦虫を潰したような表情をして呟いた。

 

「・・・・・・一人だけ、何でも知っていそうな奴はいるわよ」

 

「誰だ?」

 

「紫よ。一応賢者と呼ばれているから、妖精とか詳しいかも」

 

「それもそうだな。霊夢、悪いけど紫を呼んでくれないか?」

 

「あまり気が乗らないけど・・・・・・」

 

そう言って霊夢は、紫を呼ぶために結界を緩めようとした時、目の前にスキマが現れる。

 

「噂をすればとやらね。紫、少し聞きたいことがあるんだけど―――――」

 

「もう霊夢、呼び出す度に結界を緩めようとしないで欲しいわ。結界が壊れたらどうするのよ?」

 

「「「「「・・・・・・」」」」」

 

「あら? どうしたの? そんなあり得ない物を見たような顔をして」

 

「あ、あんた! 何よその姿!?」

 

霊夢は驚きながら、紫を指を差す。彼女の今の容姿は、サニー達と異なり、非常に幼い少女の姿をしていた。

 

「ちょっとしたイメチェンよ♪」

 

「イメチェンって・・・自分の年の事を考えなさいよ・・・・・・」

 

「レディに対して、年の事は禁句なのよ霊夢。貴女も年を取れば、私の気持ちがわかるわよ」

 

「分かりたくないわ」

 

「そんな事を言っていられるのも、今の内よ。ジンだって、熟女より美少女の方が良いでしょ?」

 

紫は面白半分でジンに訪ねると、ジンは至って真面目に答えた。

 

「確かに今の紫は美少女だが、俺は大人の方が好きだな」

 

「「え?」」

 

予想外の返答に、紫おろか霊夢も目が点になっていた。そんな二人をよそに、ジンは語り出す。

 

「別に今の姿の紫を否定する訳じゃないが、大人の方が好みだな」

 

「え、えっと・・・そんな事を言われると照れるわ」

 

「・・・あんたって、もしかして年増好き?」

 

「年増ってのは失礼だろ。せめて年上って言えよ」

 

「・・・・・・!」

 

霊夢は無言でジンを殴り、そのまま母屋の方へと行ってしまった。

 

「いてぇ・・・何なんだよ一体?」

 

「まあ、さっきの言葉は霊夢にとっては酷な話なのよね」

 

「? どういう事だ?」

 

「こっちの話。それよりも、私に何か用?」

 

「ああ、サニー達の姿がこうなっていて」

 

ジンは紫に改めて事情を説明すると、彼女はにんまりと笑う。

 

「あらジン、選り取り緑じゃない♪ どんな娘が好みなのかしら?」

 

「話を脱線させるな」

 

「私も気になるわ♪ サニーもルナも気になるでしょ?」

 

「確かに、少し気になるわね」

 

「べ、別に無理に聞き出す事は無いんじゃ・・・・・・」

 

「なら、ルナは聞かなくて良いわ。私達だけで聞くから♪」

 

「そ、そんなのずるい! 私だけ仲間外れしないでよ!」

 

どういう訳か、三人の中で一番好みなのか?という流れになってしまった。

サニー、ルナ、スターの三人は、興味津々にジンを見つめる。

 

「ねえジン?」

 

「この中で―――」

 

「い、一番好みなのは誰?」

 

最早逃げ道は無く、観念したかのようにジンは口を開く。

 

「容姿的には、スターが好みだ」

 

「え・・・? わ、私!?」

 

「ああ、ついでに言うなら、俺はロングストレートが好みだ」

 

「え、えーと・・・あ、ありがとう」

 

「むぅー、髪型で決めるなんてずるい!」

 

「じゃあ、何を基準で決めろと?」

 

「そりゃ容姿に決まっているでしょ」

 

「髪型も容姿の一つだと思うが?」

 

ジンの選択に不満を持ったサニーは、しばらくジンに食って掛かった。

一方ルナは、自分の髪を弄りながら――――。

 

「・・・髪伸ばそうかな」

 

誰にも聞こえないように、そう小さく呟いていた。

 

 

色々と脱線していたが、ようやく落ち着きを取り戻し、紫に今回の事態について聞く事が出来た。

 

「結論から言うと、この子達が住んでいる場所が原因よ」

 

「ミズナラの木がか?」

 

「ええ。前にも言ったように、どんな物でも信仰が集まれば神が宿り、力を増す。

この子達がこの姿になったのは、単にミズナラの御神木の加護を受けたからなの」

 

「つまり、ミズナラの木に宿る神様が、サニー達に力を与えたって言うのか」

 

「そうよ。だけど、まだまだ力は弱いから、大した加護じゃないし、その姿も一日程度が限界ね」

 

「えー、一日だけなんだ・・・・・・」

 

それを聞いたサニー達は、がっくりと肩を落とす。しかし、紫は微笑みながら次の言葉を言った。

 

「あら、残念がる事は無いわ。もっと信仰が集まれば、その分力も増す。そうなれば、必然的に貴女達の力も増すのよ」

 

「そっか! もっと神社に人が来て、ミズナラの木に参拝してくれれば―――」

 

「加護も強くなって、私達も強くなるのね」

 

「そういう事♪」

 

「よーし、そうと分かれば、もっと神社を繁盛させるわよー!」

 

「「おー!」」

 

サニー達は、紫の言葉を聞いて、すっかりやる気を出していた。そんな三人を尻目に、ジンはこっそりと紫に真意を問いただした。

 

「それで? 本当のところはどうなんだ?」

 

「今話したのは嘘じゃないわ。だけど、あの木が神秘性を得るには、まだまだ年月は足りないわ。少なくとも、数百年単位で信仰され続けなければ、実体化も出来ないでしょうし」

 

「気の長い話だな・・・・・・」

 

「ええ。でも、それが神様なのよ」

 

そう言った紫は、サニー達の様子を何処か楽しそうに眺めるのであった。




東方香霖堂の紫を見たんですが、明らかに他作品と容姿が違います。
容姿については特に追求されていなかったので、個人的には外見年齢も変えられると考えています。
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