お待たせしました。
12話投稿です。
「おお、何だこりゃ。ナイフ・・・?」
「どちらかというと、クナイみたいね。昔、忍者が使っていた道具で、状況に合わせていろんな使い方をされていたというわ。もちろん小刀のような武器としても。あとはそうね・・・投げたりとか。」
両手に現れた新しい武器をまじまじと観察していた紘汰に、いつの間にかこちらに来ていた東郷が解説する。
犬吠埼一家があれこれと頭を悩ませているうちに東郷はしっかり自分の使命を果たしたようで、東郷についてきていた友奈もすっかり元の様子を取り戻しているようだった。
「投げる武器か・・・よし!」
東郷の説明を聞いた紘汰が、隠れている物陰からひょっこりと頭を出して敵の様子を伺う。
三体のバーテックスはどうやら紘汰達の正確な位置までわかっていないらしく、あぶりだそうとでもしているのだろうか、いろんな方向に向かって杭をばらまき続けていた。
敵の攻撃の中で、自分たちがいる場所から最も近い位置に向かって浴びせられ続けている杭の雨に向かって、右手に持った”イチゴクナイ”を振りかぶる。
そしてそのまま、それを投げつけた。
紘汰の手を離れたイチゴクナイは、自律的に姿勢を変えると、そのまま目標に向かって加速を始めた。
投げられた初速以上のスピードで、空中を突き進むイチゴクナイ。
やがてそれは同じく空中を飛んできた敵の杭に接触し、小さな爆発を起こした。
それと同時に紘汰の手には、爆発したはずのイチゴクナイが現れる。
「うぉ!?おぉ!そんな感じか!」
現れた新しいイチゴクナイに驚いた紘汰だったが、それを握りなおすと後ろで静かに見守っていた皆の元へ戻ってきた。
足取りは非常に軽く、いかにも嬉しそうにウキウキとしている。
仮面越しでもわかるぐらいに上機嫌な紘汰を見れば結果はわかり切ったことではあるが、代表して友奈が声をかけた。
「紘汰くん、どうだったの?どんな武器か分かった?」
「おう!だいたい分かったぜ!これで何とかなりそうだ!」
頼もしい紘汰の言葉に、皆の顔にも笑みが戻る。
早く試したくて仕方ないといった様子で肩を回している紘汰を落ち着かせると、改めて風が集合をかけた。
ともかくこれで手札は揃った。
部長の風を中心として、劣勢の状況を覆すための作戦会議が始まった。
「ほ、本当に大丈夫なの・・・?」
「ああ、心配すんなって樹。なせば大抵何とかなる!いっただろ?お前も皆も、俺がちゃんと守ってやるって。」
作戦は、紘汰の提案をもとに決定された。
一番キツいポジションを買って出た兄に、樹は心配そうな表情を向けている。
そんな妹を安心させるように、紘汰は教室の時と同じように彼女の頭に優しく手を置いた。
乗せられた兄の手には、迷いや恐怖は感じられない。
手から伝わる力強さに、ようやく樹も表情を緩めた。
張り切っている紘汰の肩に、背後から別の手が乗せられた。
振り向いた紘汰の目に映ったのは、少しむくれたような顔の友奈だった。
「紘汰くん。『俺が』じゃなくって『俺たちが』だよ?前にも言ったけど、私たちは皆で助け合って戦う仲間なんだから。」
「わかってるって友奈。・・・姉ちゃんのこと、頼んだぜ。お前も、気を付けるんだぞ。」
「うん!任せて!」
そういうと二人は同時に片手をあげた。
そしてそのままハイタッチ。快音を響かせて、二人が笑う。
すると今度は、その様子を見ていた樹が少し不満そうな顔をしていた。
そんな妹に仮面の下で苦笑すると、今度は少々乱暴に彼女の頭に置いた手を大きく動かした。
「もちろんお前も頼りにしてるぞ樹。しっかり頼むぜ勇者様!」
「だから痛いってば!・・・うん、私も頑張るから。」
決意を新たにした樹の顔は、珍しいことに興奮で少し紅潮している。
自分にとってのヒーローが、自分を頼りにしていると言ってくれているのだ。
樹が張り切るには、十分すぎる理由だった。
「皆、準備はいいわね?今まで散々いいようにしてくれたあいつらに、一泡吹かせてやりましょうか!」
風の言葉に皆が頷き、その後静かに移動を開始する。
反攻作戦の第一歩、まずはこっそりできるだけ、敵に近づくことからスタートだ。
「どうやら、気づいていないようですね・・・。」
敵の位置からほど近い樹木の陰で息をひそめながら、様子を伺っていた東郷がつぶやいた。
作戦の最終確認を行っていた他のメンバーが、その声を聞いて頷き合う。
「それじゃあ後は、手筈通りにってことで。紘汰、頼んだわよ。絶対、無茶だけはしちゃだめだからね。」
「ああ、わかってるよ姉ちゃん。まぁ、任せとけって。」
そういって胸を叩いた紘汰が皆の前に進み出た。
ここまで慎重に移動してきたが、ここからは大暴れする必要がある。
準備運動を軽く行い、体の調子を確かめた。
それなりの時間変身したままだが、どこにも不調はなさそうだ。
両手のクナイをしっかりと握りなおし、頷いた紘汰が改めて皆に向き直る。
「よっしゃ!バッチリ!見てろよ皆、ここからは俺のステージだ!」
「頑張ってねお兄ちゃん。」
「ハァ・・・そういうとこが心配なのよ・・・。まぁいいわ。じゃあ今度こそ本当に行くわよ―――勇者部!突撃ぃ!!」
「「「「おぉーーー!!!」」」」
号令一番、勇者たちが一斉に駆けだした。
先陣を切るのは真新しい、イチゴの鎧を纏った紘汰。
その後ろを風、友奈、樹、東郷が続く。
正面に捉えるのは、甲殻類型のバーテックスだ。
突如予想外の方向から現れた紘汰達に気づいた甲殻類型が、反射板を全てそちらに向ける。
射線の向きが変わり、とてつもない量の光の杭が向かってくる。
しかし、紘汰に恐れはない。
手には力が、そして何より背後には、守るべき大切な人たちがいる。
これで燃えなきゃ男じゃない!
速度を緩めず走りながら、紘汰は両手を振りかぶる。
標的は前方の光の雨だ。
ここより後ろには、絶対に通さない。
「いっくぞぉぉぉぉおおおおおお!!!!」
投げる、投げる、投げる、投げる。
投げたそばから新たに現れるイチゴクナイを前方に向かってひたすら投げる。
高速で投げられるクナイは敵の杭とぶつかり合い、周りの杭をも巻き込みながら爆発を起こして消滅する。
単純な物量では、相手の方に軍配が上がるだろう。
だが、着弾時に爆発するイチゴクナイの特性が、その物量差をしっかりと補っていた。
膨大な量のクナイが爆ぜ、爆炎と煙がみるみるうちに前方を覆っていく。
しかし、そこから先に敵の攻撃が通り抜けてくることはない。
先ほどの宣言通り背後の皆を守るため、紘汰は全身全霊でイチゴクナイを投げ続けていた。
甲殻類型との距離が、徐々に近づいてくる。
目標地点までは、あと少し。
だが、敵はこの二体だけではない。
ここにきて遂に、甲殻類型の陰にいた黄色いサソリ型が紘汰達を自身の射程距離圏内に収めたのだ。
回り込み、側面から現れたサソリ型が狙うのは、ひたすら攻撃を防ぎ続けている先頭の紘汰だ。
鋭い針を備えた尾が、紘汰に向かって凄まじい勢いで突き出される。
今の紘汰に、そちらを気にする余裕はない。
薄くなった今の装甲で、アレをまともに受けたらおそらく無事では済まないだろう。
―――当然、素直にやらせる勇者達ではない。
「させないってぇの!」
紘汰とサソリ型の間に割り込んだのは、幅広の大剣を盾のように構えた風だ。
硬い物同士がぶつかり合う甲高い音が、樹海に大きく響きわたる。
衝撃で足場を少し削りながらも何とか堪え切った風が、自身が構えた大剣の後ろで不敵に笑う。
サソリ型は、先ほどの友奈の時と同じように、防御ごと貫こうと尚も込めてきていた。
大剣を盾にしたまま、風がわずかに姿勢を低くする。
地面を支点に垂直に構えられていた剣が、それに伴いわずかに傾いた。
拮抗していたバランスが崩れ、サソリ型の針が大剣の表面に沿って滑り始める。
更に姿勢を低く、大剣の腹を背中に乗せる。
そして、針が完全に風の真上に来たその時、全身のバネを総動員して大剣を思い切り跳ね上げた。
「でぇぇえええい!!!」
伸びきった尾が、上空に向かって跳ね上がる。
その勢いは凄まじく、跳ね上がったサソリ型の尾は千切れんばかりに軋みを上げていた。
サソリ型の唯一にして最大の攻撃手段は、風によって封じられた。
杭と甲殻類型は紘汰が抑えている。
今、サソリ型へ向かう一本道を邪魔するものは何もない!
「友奈!いけぇえええ!」
「うおぉぉぉ!さっきのぉ!お、か、え、し、だぁぁぁあああ!!!」
風が作ったその道を、友奈がまっすぐ駆け抜ける。
右の拳を弓のように引き絞り、力と気合とちょっとの怒りを存分に込める。
サソリ型本体の少し手前で跳躍すると、サソリ型の顔面に、勢いそのまま思い切りその拳を叩きつけた。
破砕音が、周囲に轟く。
友奈の拳で数メートルほど吹き飛ばされたサソリ型は、落下地点で完全に沈黙していた。
直撃した部分が、完全にひしゃげている。しばらくは起き上がってこられないだろう。
「ぃよし!!」
「い、いやぁ~。ホント、頼もしい限りねぇ・・・。さて、そっちは任せたわよ。紘汰、樹、東郷。」
クナイを投げ続けながら、聞こえてきた轟音にあちらがうまくいったことを確信した紘汰が仮面の下で笑みを浮かべた。
こちらの準備もそろそろ完了した頃合いだろう。
背後から東郷も援護してくれてはいるものの、紘汰自身も流石にそろそろキツくなってきた。
紘汰が内心そう思った時、同族の異変に気付いた甲殻類型が、一瞬意識をそちらに傾けた。
「今っ!!」
甲殻類型の足元から、緑光のワイヤーが反射板に絡みつく。
ワイヤーが伸びてきた先にいるのは、当然樹だ。
紘汰が起こす爆炎と煙に紛れ、こっそりとその位置まで接近していたのだ。
ようやくそれに気づいた甲殻類型が、慌てたように自身の鋏を振り上げるが、樹は萎えそうになる心を叱咤して尚もその場に踏みとどまる。
皆から託された、自分の大事な役割なのだ。
怖くたって、途中で放り出すなんて絶対に嫌だった。
そんな樹に向かって甲殻類型の両手の鋏が迫る。
しかし、勇者部の頼れる狙撃手が、そんな狼藉を許すわけがない。
銃声が続けて二回、樹に向けられていたハサミがはじかれ、甲殻類型が大きく態勢を崩した。
「今よ、樹ちゃん!」
「はいっ!―――ええぇぇぇぇい!!」
東郷の援護を受けた樹が、ワイヤーを力の限り引っ張った。
それに伴い、絡みついた先の反射板も急速に地面へと引き寄せられる。
射撃型のバーテックスは、反射を頼りにひたすらに甲殻類型に打ち込み続けていた。
今まではそれを反射板で受けることで紘汰の方へとその射線を向けていたのだ。
それが急になくなったのならば、どうなるのかは自明の理だ。
「―――!!!」
光の雨が、甲殻類型を襲う。
今まで散々紘汰達を苦しめてきた攻撃に今度は自分が本体を傷つけられ、甲殻類型のバーテックスは声にならない悲鳴を上げた。
しかも、それだけではない。
それが甲殻類型に当たっているということは、当然その分紘汰への負担が減るということだ。
今まではひたすら相殺に徹してきた紘汰のイチゴクナイが、薄くなった弾幕を越えて甲殻類型に殺到する。
前後両方からの攻撃によって、甲殻類型の巨体が揺らぐ。
背後を無数の杭に、前方を爆発の連鎖にさらされた末、とうとう甲殻類型は力尽きたようにゆっくり地面へと倒れていった。
「皆!遠方の敵は私が牽制するわ!今のうちに御霊を!」
「オッケー東郷さん!!」
サソリ型に友奈と風が、甲殻類型に樹が、それぞれ封印の儀を執り行う。
ほどなくしてそれぞれの体から、同時に御霊が排出された。
サソリ型の御霊に向かって、友奈が早速攻撃を始める。
友奈が繰り出す拳は、しかし御霊に当たらない。
以外にも身軽なその御霊は、繰り出される拳を柳のようにひょいひょいと躱していた。
「こ、コレ!なんだか絶妙に避けてくるよ!?」
予想外の状況に、焦った友奈が声を上げる。
そんな友奈の肩を叩き、頼れる部長が進み出た。
「友奈。あんた、そういえば今度ソフト部の応援頼まれてたわよね?」
「え?はい、そうですけど・・・。」
風からの突然の質問に、困惑しながら答える友奈。
今の状況とソフト部に、なんの関係があるのだろう?
「それじゃあ当然、練習はちゃんとしとかなきゃダメよね?」
大剣を両手に握りなおし、肩に担いだ風が友奈に向かっていたずらっぽくウインクする。
意図がわからず、目を白黒させていた友奈だったが、風のその仕草をみて彼女が何をしようとしているのかを理解した。
「―――はいっ!お願いします!」
「よぉし!よく言った!友奈、構えておきなさい!伝説の女子力打法を見せてやるわ!」
友奈の横から跳躍した風が、御霊の背後に着地する。
振り向きざま、標的を捉えた風の目がギラリと光った。
「点がだめなら、面の攻撃でぇぇぇええええ!!」
そしてそのまま、肩に担いだ大剣を渾身の力でフルスイング。
慌てたような御霊が、必死に回避を試みる。
しかし、もう間に合わない。
スイングの途中でさらに肥大化された大剣の腹が、逃げようとする御霊を遂に真芯でとらえた。
快音を響かせ、御霊がはじき飛ばされる。
十分に乗った慣性は、御霊に飛ばされる以外の行動を許さない。
飛ばされた先にあるのは、どっしりと腰を落として拳を構えた友奈の姿。
「勇者!パァーーーンチ!!」
繰り出された右拳が、友奈に向かって真っすぐ飛んできた御霊へと突き刺さる。
回避型の御霊にその一撃が耐えきれるはずもない。
御霊は間もなく砕け散り、光となって天へと帰った。
「バッターアウト。ゲームセットです、風先輩。」
「フッ・・・流石友奈ね。もはや教えることは何もないわ・・・。」
真面目な顔でそんなやり取りをする二人。
しかし、すぐにどちらともなく表情が崩れる。
笑顔でサムズアップを向ける風に、友奈も笑顔で同じ動作を返した。
甲殻類型から現れた御霊の撃破を担当するのは紘汰と樹だ。
排出されてすぐに動きはじめたあちらと違い、こちらの御霊はその場でずっと佇んでいた。
とりあえず攻撃してみようと紘汰がイチゴクナイを構えた時、突如目の前の御霊が激しく震え始めた。
突然のことに驚いた紘汰の手が止まる。
向かい側では樹が警戒の色を濃くしていた。
そんな二人の目の前で、御霊の震えが徐々に収まっていく。
虚仮脅しかよ・・・と紘汰が肩を落としたその瞬間、震えが止まった御霊が、突然二つに分裂した。
「増えたぁ!?」
動揺する紘汰の目の前で、どんどん御霊は増殖していく。
このままの調子で増え続ければ、殲滅に時間がかかり、時間切れになってしまうだろう。
そうなる前に、対処しなければならない。
そんな中、先に動いたのは意外にも樹だった。
動揺からいち早く立ち直った彼女は、意を決すると腕の装飾からワイヤーを射出した。
「増えるなら!一つに、まとめる!!」
ワイヤーは、今も増殖を続けている御霊に向かって伸び、それらをまとめて縛りあげる。
その状態になって尚、分裂しようとする御霊だったが、樹のワイヤーにガチガチに縛られ、それ以上増えることがかなわない。
「ナイスだ樹!もうちょっとだけ、こらえてくれ!」
兄からの激励の言葉を受け、ワイヤーの内側からかかる圧力を必死で押さえていた樹が、顔を上げて微かに微笑んだ。
そんな妹の奮闘に気合を入れなおした紘汰が、両手のクナイを投げ捨てて、無双セイバーに持ち替える。
ドライバーからロックシードを取り外すと、そのまま無双セイバーに叩き込んだ。
「決めるぜ樹!!」
「うん!お願い!!」
『ロックオン!』
イチゴロックシードから溢れ出す、赤いエネルギーがスパークする。
腰だめに構えた無双セイバーに供給されたエネルギーは、樹の声援を受け、より一層輝きを増していくようだった。
『一、十、百!イチゴチャージ!!』
「セイ!ハァ!!!」
そして、ロックシードから供給されるエネルギーが限界に達したとき、紘汰は上空に向かって勢いよく無双セイバーを振り上げた。
無双セイバーの先端から、巨大なイチゴ状のエネルギーが飛び出していく。
それは空中を進み御霊の上空へと到達すると、樹が捕らえた御霊の頭上にクナイ状のエネルギー弾を放出した。
射撃型バーテックスの攻撃を凌ぐほどの量のエネルギー弾が御霊に向かって降り注ぐ。
そのエネルギー弾に貫かれ、拘束された御霊が一つ、また一つと数を減らしていく。
空いた隙間を利用して御霊が増殖を試みるが、殲滅スピードに増殖が追い付かない。
そしてとうとう最後の一つが樹のワイヤーによって切り裂かれ、甲殻類型バーテックスは完全にこの場から消滅した。
七色の光が天に昇っていく光景を、その場にへたりこんだ樹がどこか人ごとのように見つめていた。
初めて自分の手でバーテックスを倒したが、どうにも現実感がない。
でも確かにその手には、最後の御霊を切り裂いた感触が残っていた。
そんな感触を確かめるように、自分の手を握った樹の頭に、優しく大きな手が乗せられる。
「やったな、樹。」
「お兄・・・ちゃん・・・?」
樹が見上げた先には、無双セイバーを肩に抱えた兄の姿があった。
仮面越しでわからないはずだが、樹にはなんとなく、こちらを見つめる兄の優しい目が見えた気がした。
「やっぱお前はすげぇな。いざという時の行動力は俺も姉ちゃんもかなわねぇ。」
「そんなこと・・・。―――ねぇお兄ちゃん、私、ちゃんと力になれたのかな・・・?」
いつも通りに自信なさげに呟く妹に、紘汰は少し苦笑した。
さっき樹に言った言葉は、本当にいつも紘汰が思っていることだ。
昨日、皆が戸惑う中で真っ先に風と一緒に戦う決断をしたのも樹だった。
しかし、活発でいつも皆の中心になっているような姉と兄を見続けた影響か、引込み思案な妹は、自分を低く見る癖がついてしまっているようだった。
「あったりまえだろ!実際、今回はお前がいなきゃヤバかったぜ。ホラ、しゃんとしろって!」
「わ、わ、わ!」
そんな妹の両脇に手を入れ、そのまま持ち上げて立ちあがらせる。
自分の意志と関係なく体が浮上する感覚に、戸惑いの声を上げる樹だったが、最後にはしっかりと自分の足で立ちあがった。
まだ少し目を伏せている妹の前に、手を差し出す。
差し出された手の意味が分からず、きょとんとする妹に再び苦笑する。
「ホラ、ハイタッチだよハイタッチ。さっきは助かったよ樹。まだあとちょっと、よろしく頼むぜ。」
兄の言葉で、ようやく意味を理解した樹の顔が、興奮で輝いた。
さっきの友奈とのやり取りを見て、羨ましそうにしている所をしっかりと覚えてくれていたのだ。
催促したようで少し恥ずかしいが、そんな兄の優しさが樹にはとても嬉しかった。
「うん!任せてお兄ちゃん!」
交わされた兄妹のハイタッチは、樹が気を急きすぎたこともあって上手く鳴らなかった。
でも今は、まだこれで十分。
こんな自分でも、少しは自信を持ってもいいのだろうか。
嬉しさと共に何かが湧きあがってくる慣れない感覚に戸惑いながらも、嫌ではない、と樹は自分の手をギュッと握りしめた。
本当は決着まで行きたかったのですが、際限なく文書量が増えていくのでここいらで分割。
一話の文字数ってどんなもんがちょうどいいんでしょうね。
イチゴの活躍は、やはり物量勝負になりました。
とんでもねぇスピードでクナイ投げまくってる紘汰くんですが、実写映像の縛りが無ければできるんじゃないかと無理やりこじつけた感じです。
なんかイチゴ超強化しちゃってる感じがしなくもないですが・・・。
ジオウは先輩の破壊者さん出てきて一層盛り上がってきた感じですね。
ディケイドアーマーがまさかのガンバライダー・・・
顔はまぁ、慣れるまでかかりそうですがボディの感じはとてもカッコいいと思います。