スランプに突然の長期出張が重なり気づけば早一ヵ月…。
アイデアを文章にするのってやっぱり難しいですね。
では、合宿編後半です。
気が付くと友奈は一人、真っ暗な空間の中に立っていた。
周囲には何もなく、360度見渡す限り闇が広がるばかり。
前後左右すらあやふやなこの空間で唯一確かなのは、しっかりした平らな面の上に自分の両足で立っているという事だけだ。
そんな場所にも関わらず、不思議なことに不安や恐怖などといった感情は全くと言っていいほど湧いてこない。
ただ、何かに促されているような不思議な感覚に従って、友奈は何もない空間へと一歩踏み出した。
どこに向かっているのかもわからないまま、ひたすらに足を動かし続ける。
幸い、歩き出したら落とし穴なんて言うありきたりな展開はなく、足の裏からは絶えず固い面を踏みしめる感覚が返ってきていた。
周囲の風景は相変わらずの黒一色だったが、飽きずに歩き続けられているその理由は簡単だ。
歩き始めてしばらくして空間の中にほんの少しだけ変化があったのだ。
全くの無音だったこの空間のどこかから、ほんのわずかだが音が聞こえてくる。
しかも、耳をよく澄まさなければ聞こえないようなその音は、友奈が一歩進む度に少しずつ大きくなっていた。
歩き続ける。
雑音のような音が大きくなる。
間断なく聞こえてくるこの音は―――雨の音?
まだ歩き続ける。
雨音の中に、わずかに別の音が混じり始める。
何かがぶつかり合うような、甲高い音。
まだまだ歩き続ける。
甲高い音に混じり、更に別の音が混じる。
これはきっと―――人の声だ。
友奈がそう認識したまさにその時、黒一色の景色に突然変化が訪れた。
さっきまで何もなかったはずの空間に、砂粒のような金色の光が現れたのだ。
ようやく見つけた目印に、自然と友奈の歩調が速くなる。
残念ながら音はもう聞こえなくなってしまっていたが、友奈の関心はもう既に光の方へと移っていた。
足を進めるに従い光がどんどん大きくなる。どうやらちゃんと近づくことはできているようだ。
長かったようなあっという間だったような時間、そうして歩き続けた末に友奈はとうとう光の元へとたどり着いた。
両手の中にすっぽりと納まるぐらいの大きさの光が、目の前に浮かんでいる。
ここまで近づいてもそれが何であるかは全くわからない。暖かさを感じる優しい光にも見えるし、見る者の目を焼く鮮烈な光にも見える。
ただ言えることは、光はただ光としてそこにあるという事だけだった。
先ほど友奈の背中を押した感覚が、今度はこれに触れろと訴えかけてきている。
友奈は不思議と何の疑問を感じることも無く、その感覚に従った。
光に向かって、友奈の両手がゆっくりと伸ばされる。
指先が少しずつ光に近づいていき、そして―――
――――――――――。
そこで、目が覚めた。
「………ゆめ?」
天井に向かって伸ばされた自分の両手を視界に入れながら、友奈はパチパチと数度瞬きをした。伸ばした腕はそのままに手をにぎにぎとしてみるが、当然ながらそこには何かを掴んだ感触はない。
そこまで確かめてから、未だぼんやりした頭を抱えつつものっそりと布団から身を起こす。
えーっと、と緩慢な動作で周囲を見回して、見慣れない部屋の光景とまだ夢の中にいる見慣れた仲間たちの姿を視界に収め、そこでようやくそういえば合宿に来てるんだっけと自分の今の状況を把握した。
どうやら相当早い時間の様で、まだまだ部屋の中は薄暗く、周囲からは他の部員達の静かな寝息が聞こえてくる。
周囲の寝息に誘われ、そのまま二度寝してしまおうとした友奈だったが、わずかに感じた喉の渇きがその考えを中断させた。
無視して寝れないことも無いと思うが、やっぱりどうにも気になる。こういう時に限って、ちょうど飲み物の類は切らしてしまっていた。
仕方ないかと思い立ち、皆を起こさないようにそっと布団から立ち上がる。
寝ている間に乱れた身だしなみを軽く整えると、財布を掴んで部屋を出た。
誰もいない廊下を歩く友奈は、この時になると眠気もどこかへ消え去り、むしろ少しわくわくとした気分になっていた。
そもそも朝が弱い友奈はこんな時間に目が覚めるということはめったにない。その上、いつもと違う旅館という環境である。その新鮮な雰囲気は、否応なしに友奈の気分を高揚させていた。
飲み物を買ったら部屋に戻って二度寝をしようと思っていたが、折角だしこのまま散歩に出てみるのもいいかもしれない。
そんなことを考えていた友奈の耳が、自分とは別の足音を捉えた。
進行方向上にある廊下の突き当り、その奥から誰かが歩いてくる。
何となく仲間を見つけた気になって、どんな人が来るのかとじっと観察していた友奈の視線を横切ったのは―――
「…紘汰くん?」
「…はぁ~あ。」
ようやく空が白み始めた早朝。
紘汰は一人、海岸沿いの柵に体を預けながらぼーっと海を眺めていた。
昨日の昼間、あれだけ騒がしかった浜辺には人の姿はほとんどない。
いるのはこの時間を狙って釣りに来ている釣り人と、そのおこぼれをもらおうと集まってきている鳥たち―――それと今まさに柵に置いた肘に顎を乗せながら大きなため息をついている紘汰ぐらいだ。
いつもの習慣で目を覚ましてしまったものの、流石にこんな時までトレーニング等する気にはなれず、かといって完全に目が覚めてしまった以上二度寝もできない。
他に誰もいない部屋ですることもなく時間を持て余した結果、紘汰はこうして早朝の浜辺まで足を運んだのだった。
「はぁ…。」
風や夏凜に見られたら小言を貰いそうなほど腑抜けた表情で、紘汰はもう一度小さなため息を吐き出した。
穏やかな波打ち際をぼんやり眺めながら思うのは、これまでの激動の数か月の事だった。
戦いが終わった。
世界の命運をかけた戦いは、およそひと月前、最後の七体を同時に撃破したことによって幕を下ろした。
問題なく…なんて言える内容では全く無いようなギリギリの戦いだったが、それでも何とか無事に皆で日常に帰ってこれたのは本当に心からよかったと思う。
最後の戦いの直後はただひたすら、やり遂げた充足感と安心感でいっぱいだった。
だが、入院やら何やらで慌ただしかった状況が落ち着いた後、こんな風に一人でいる時にふと紘汰の胸にはそれ以外の言葉に表せないモヤモヤとした感情が去来するようになっていた。
皆も無事で、世界も守られた。
それでいいじゃないかと思いながらもそれだけで素直に呑み込みきれない。
そのもどかしさもさることながら、皆が純粋に喜んでいる中自分だけがこんな風に考えてしまっているということ自体が紘汰の中にいるモヤモヤを拡大させていた。
そんな折り合いのつけられない複雑な心を抱えたまま、今もまた紘汰は何度目かわからないため息をつくのだった。
そんな感じで哀愁を漂わせる紘汰の背中に迫る影がある。
影は紘汰に気づかれないようにと抜き足差し足で背後からゆっくりと近づきそして…
「えい。」
ピトリ、と奇襲攻撃を実行した。
「うぉ!冷てぇ!何だ一体!?」
「あははは!びっくりした?油断大敵だよ紘汰くん。」
突然首筋に押し付けられた冷たさに飛び上がった紘汰が慌てて振り向くと、そこには珍しく風のようないたずらっぽい笑みを浮かべる友奈の姿があった。
こちらに伸ばした右手に、スポーツドリンクのペットボトルが握られている。さっきの感触の正体はどうやらこれの様だ。
紘汰は今にも飛び出しそうな心臓を片手で抑えつけながら大きく息を吸って呼吸を整えると、自分をそんな状態にした犯人に向かって胡乱気な目を向ける。
「な、何だ友奈か…あーびっくりした。やめろよなぁ…心臓止まるかと思っただろ…。」
「ごめんごめん。お詫びにこれ、飲んでくれていいから。紘汰くん、朝早いねぇ。どうしたのこんなところで。」
申し訳なさそうに差し出されたドリンクを受け取った紘汰は、まぁいいかとあっさり矛を収めた。
そんなことより気になるのは、友奈がいつからそこにいたのかということだ。さっきの姿を見られていたとしたら流石にちょっと格好悪い。
紘汰はそんな内心をごまかすように頬を掻きながら、質問を投げ返すことで話題の変更を試みる。
「あー…なんていうか…習慣だよ習慣。お前こそどうしたんだ?朝、弱いって言ってなかったっけ?」
「あははは…ホントはそうなんだけど…。なんだか変な夢見ちゃって、それで目が覚めちゃったんだ。」
紘汰からの疑問に、今度は友奈が頬を掻く番だった。
朝が弱いという情報が、いつの間にかしっかり浸透してしまっている。
事実だから仕方ないといえばそうなのだが、だらしないと思われているようでどうにも微妙な気分だった。
「何だよそれ。怖い夢でも見たのか?」
「う~ん…そういうわけじゃないんだけど…。うん、とにかく不思議な夢。内容は忘れちゃったんだけどね…。」
「そっか…。」
その言葉を最後に会話が途絶えた。
何をするでもなく、二人並んで海を眺め続ける。
早朝のややひんやりとした風が心地よく、穏やかな潮騒は優しく耳をくすぐる。
会話はなくなっても、二人の間に気まずさは感じられない。
今更そんなことを気にする間柄でもないし、紘汰にとって友奈というのはただそこにいるだけでなんとなくほっとするような…そんな女の子だった。
どのくらいの時間そうしていただろうか。
水平線の先からわずかに太陽が顔を出し、薄暗かった海岸を明るく照らし始めた。
その眩しさに目を細めながら、紘汰はようやく静かに口を開いた。
「終わった…んだよな。」
「そうだね…。長かったような一瞬だったような…なんかヘンな感じだよね。」
紘汰の独り言のような言葉にも、友奈は律儀に言葉を返してくれる。
そんな友奈がいてくれる今なら、今自分の中にあるこのモヤモヤを言葉にできるかもしれない。
そう思った時にはもう紘汰の口は勝手に動き、言葉を紡ぎ始めていた。
「俺さ、あの戦いが始まった時、不謹慎かもしれないけど正直言ってチャンスだとも思ったんだ。ほら、いつか話したことあっただろ?皆を守れるような強い自分に変身したいって。」
「…うん。」
「あの戦いを通じて、自分がなりたい自分になれるんじゃないかって。そのきっかけになるんじゃないかって。そのためにお前にも訓練頼んだり、自分でも色々やってきたんだけど、いざ終わってみたら…どうだったんだろう、俺は変われたのかなって。」
あの日戦極からドライバーを受け取って、そこからずっとみんなと一緒に戦い続けてきた。
戦っている間はあまりにも必死で、そんなことを考えている余裕はなかった。
だが、こうして戦いが終わり平和な日々を過ごす中でふと己を振り返ると思うのだ。
果たして自分は何か変わることができたのだろうか、と。
その疑問が、今現在紘汰が抱えているモヤモヤの主成分だった。
思っていたよりもずっと早く戦い自体が終わってしまい、そのことに心がついていけていないというのもあるかもしれない。
そんな紘汰の独白に友奈は少し顎に手を当てて、少し考えてから
「う~~~ん………うん!わかんないや!!」
バッサリと言い切った。
「わかんないって…お前なぁ…。」
はっきりと言われたことに、ほんの少し期待していた紘汰はがっくりと項垂れる。
そんな紘汰に苦笑しながら、でもね、と友奈は言葉を続ける。
「皆を守りたいって思って、そのためにい~っぱい頑張って…それで今、全部終わった後にこうやって皆で笑えてる。紘汰くんが紘汰くんのなりたい自分に変われたのかは私にはわからないけど、少なくともそれだけは紘汰くんが頑張ってきたことの結果だと思うんだ。だから、紘汰くんはそんな自分をほめてあげてもいいんだよ。」
「友奈…。」
「それにね。さっきは終わりって言ったけど、そうじゃないよ。確かに、“世界を守りましょう”っていう活動は終わったかもしれないけど、それはあくまで活動の一つが終わっただけで、勇者部はまだまだ続いていくんだ。もし紘汰くんがまだ納得できていないなら、その中で変わっていけばいいんだよ。」
優しく微笑みながら告げられた友奈の言葉が、驚くほどすんなりと紘汰の心の中へとしみこんでいく。しみこんだ言葉は、紘汰の中で蟠っていたモヤモヤをいとも簡単にはらしていった。
どうやら自分は随分と焦ってしまっていたらしい。
あの怪物たちと大立ち回りを演じられるといっても、自分はまだまだ中学生なんだ。
理想の自分になれたかどうかなんて、そんなことが言えるほど長く生きてるわけでもない。
それに、たぶんこれはきっとこれから先も簡単に答えなんて出ない問題なんだろう。
それならば、いつかそう言える日が来るまで我武者羅にやっていくしかない。
どのみち自分にはそれしかできないのだから。
「…そうだな。サンキュー友奈。お前に話してよかったよ。なんかすっげぇすっきりした。
…よぉ~っし!じゃあアーマードライダー鎧武改めただの犬吠埼紘汰!助けを待ってる皆のために、張り切っていくとするか!」
「その意気だよ紘汰くん!あ、でも張り切るのはいいけど一人であんまり無茶しちゃダメだよ?この前の怪我だって、皆心配したんだから。」
「わかってるって。流石にもうそうそうあんなことはしねぇよ。それに、もしもの時は友奈が助けてくれるだろ?」
「もう、調子いいなぁ…。でもいいよ。紘汰くんがピンチの時はいつでも駆けつけるからね!」
二人で顔を見合わせながら、ひとしきり笑い合う。
いつの間にか昇りきっていた太陽は、何故だかいつもよりとても綺麗に見えた。
朝日を眺めながら、長く話して乾いた喉を、友奈が持ってきてくれたスポーツドリンクで潤す。
ふと隣を見ると、友奈も同じように持参した飲み物に口を付けていた。
友奈が持っていたのは、ただの水だ。
基本的にジュース類を好む友奈が自分からミネラルウォーターを選択するのは、正直言ってかなり珍しい。それが示すのはやはり…
紘汰の視線に気づいた友奈は水のボトルをさりげなく体で隠しながら、ちょっと困ったような顔で微笑んだ。
…正直、友奈のそういう笑顔はあまり好きではない。
「あの…さ。やっぱまだ、味、わかんないのか?」
「…うん。まだちょっと…ね。でも大丈夫だよ。ちゃんと治るってお医者さんも言ってたんだし!」
友奈はこんな時ですら、他の人のことを気遣うことのできるとても優しい人間だ。現に今も、紘汰を暗い気持ちにさせまいとこうして明るく振舞っている。
昨日の夕食の時だってそうだった。味がわからないなりに全力でごちそうを楽しむ友奈の姿は、遠慮や気遣いで神妙になりかけたその場の空気を一変させてくれた。
友奈は何かを楽しむことにかけては天才で、あの時も実際に楽しんでいたのは確かだった。
それでもやっぱり、辛くないなんてことはきっとないはずだ。
その明るさでいつも皆に元気と勇気をくれるこの少女に、何かをしてあげたい。
普段より少しぎこちない笑顔を浮かべる友奈を目の前にして、紘汰は強くそう思った。
「それじゃあさ!治ったら一緒にお前の好きなモン食べに行こうぜ!俺がおごってやるからさ!」
突然の紘汰の提案に、友奈が目を丸くした。
そんな友奈の反応を見た紘汰は、流石に唐突すぎたかと内心焦り始める。
だがしかし、どうにもそういうわけでもないらしい。
驚いて一時停止していた友奈だったが、ほんの少し視線を彷徨わせた後、やや上目遣いで―――
「それは―――二人で…ってこと?」
そんな言葉を口にした。
自分の口から出てきたその言葉に、友奈は自分で驚いていた。
そんなことを聞いて一体どうしようと思ったのか自分自身でもよくわからないが、しかし今更何をどうしようとも、一度発した言葉は元には戻らない。
自身の顔の熱さに気づかないまま、ほんの少しの緊張と共に紘汰の言葉を待つ。
そんな友奈を目の前にして、紘汰はごまかすように目を明後日の方向に向けながら、
「えーっと…そう、なんだけど…。あ、皆には内緒にしてくれよ?皆も一緒にって言えればいいんだけど、流石に俺の小遣いじゃちょっと厳しいっていうかさ…。」
紘汰から返ってきた言葉に、友奈の目が今度は点になった。
そのまま一瞬フリーズして、しばらくしてからこらえきれなくなって噴き出した。
突然笑い出した友奈に何を勘違いしたのか、紘汰は慌てて見当違いな言い訳を口にする。
「わ、笑うなって!仕方ないだろ姉ちゃん中々小遣い上げてくれないんだからさ!中学生じゃバイトとかもできないし…」
「ふふふ。んーん。そういうんじゃなくて…やっぱり、紘汰くんは紘汰くんだなって。」
尚も笑い続ける友奈に、何故笑われているかわからない紘汰はひたすら首を傾げるばかりだ。そんな紘汰の姿を見て、友奈が更に笑う。
そこにはさっきまでの神妙な空気はもはや欠片も残ってはいなかった。
「なんだよソレ。ふん、どうせ俺はな~んも変われてねぇよ。」
「あぁ、ごめんごめん。そういう意味じゃないよ。…うん。紘汰くんが変われるように応援はしてるけど、そういう紘汰くんらしいところはあんまり変わってほしくないなぁ。」
とうとう拗ねてしまった紘汰に謝りながら、自分の思っていることを素直に告げる。
告げられた当の本人はやはりピンと来ていないようで、またもや首を傾げてしまった。
「よく、わかんねぇ…。」
「紘汰くんは今のままでもいっぱいいいとこあるよってこと!だから、紘汰くんは紘汰くんのままで変わっていけばいいんじゃないかな。」
そう言って嬉しそうに微笑む友奈に、紘汰の困惑は増す一方だ。
どういうことかもっと聞いてみようと思っても、友奈は言いたいことは言い切ったとばかりにニコニコしているだけだ。
そんな友奈の様子にこれ以上は考えても仕方ないと割り切った紘汰は、とりあえず話題を元に戻す。
「…まぁとにかく、どこがいいか考えといてくれよ。…でも流石に今回みたいなところはちょっと…それは俺が自分で稼げるようになってからってことで……。」
「そ、そんなこと言わないよ。んー。あ!じゃああそこがいい!あの面白い店長さんがやってるケーキ屋さん!」
「げっ。あそこか…俺、正直ちょっとあのオッサン苦手なんだよなぁ…。」
「なんで?とってもいい人だよ?」
「いやそりゃそうかもしれないけどさ…。えぇい!まぁいいや、じゃあ約束な!」
「うん!約束!あー楽しみだなぁ!!」
じゃあそろそろ戻ろっか!
そういって背中を向けた友奈の後ろに従い、二人で旅館へと歩いていく。
前を行く友奈の背中は後ろから見ていてもとても楽しそうで、それを見ているだけでさっきまでの悩みなんてどうでもよくなっていくようだった。
誰かの為に頑張った人への報酬は、いつだって幸せなその後だ。
困難を乗り越えた自分たちのこれからには、たくさんの楽しいことが待っている。
そう信じて、その未来をもっといいものにするために交わされた約束は、小さくてもとても綺麗に輝いていて―――
―――そしてとても、残酷だった。
割と設定の根幹に関わる部分が出始めている31話。
ルートもかなり進行しました。
ホントは夜のガールズトークとかもっとイベント入れたかったんですが長くなったのでバッサリカット。
原作での早朝会話の相手は変更になってしまいました。すまない東郷さん…。
例のケーキ屋さんはまぁ…どんな方かはご想像にお任せします(バレバレ
ケーキ屋さんだけではなく原作意識した裏設定を設けているサブの人が実はいます。
尺の問題等で描写はなかったですが例えば彼らがよく利用するうどん屋の店主はもともと別の場所でフルーツパーラーを営んでいたもののうどん屋を営んでいた親が体調を崩したのを機に店をたたんで後を継いだという設定が。
名残でメニューに追加したフルーツパフェが若い女性を中心に人気があるとかなんとか。
今後セリフ付きで絡んでくるかどうかはちょっと悩み中です。
あるとしたら3章だとは思いますが。