全体の半分はいったかなーって思ったので、ちょうどいいやってことで挟みました。
少しだけ話すつもりだったけど、香澄ちゃんにどんどん促されて私もついつい細かく喋っちゃってる。……ううん。違うね。私は聞いてほしかったんだ。誰でもいい。彼と全然面識がない第三者に。それがたまたま香澄ちゃんだっただけ。ただそれだけのことなんだ。
「えぇ!? ゆり先輩なんで萩近さんと付き合わなかったんですか!?」
「あはは、みんなによく言われるよ。あれだけ仲良いのにーって。……でも、私も彼もそういう考えがなくて」
「その感覚は全然分かんないです。私は誰か男の子を好きになった事もないからあんまり言えないと思いますけど。でも、やっぱり分からないです!」
香澄ちゃんは真っ直ぐだよね。目を輝かせて、自分の目標に、自分の決めた道に真っ直ぐ進んでる。迷うことも止まることもあるけど、それでもりみ達と一緒に真っ直ぐ進めてる。
それに比べて私はどうなんだろうね。彼は真っ直ぐだって言ってくれてた。『俺とは違って芯が綺麗に真っ直ぐと伸びてる』なんてね。でも、本当にそうなのかな。彼に言われた時はそう思えてた。彼が側にいてくれてた時は、『私はそうでいられるんだ』って。でも今はその自信がない。
だから私は香澄ちゃんのその言葉に何も返せなかった。言葉を返さず、違う話に変えることしかできなかった。
「そろそろお昼ご飯の時間になるけど、香澄ちゃんの予定は?」
「今日は特にないです。何かキラキラドキドキすることがあるかなーって歩いてただけなので」
「そっか。それじゃあファミレスに行かない? ファミレスならゆっくり話してても問題ないし。香澄ちゃんが良ければだけどね」
「行きます! お話の続きを聞きたいです!」
「あはは、そんな大した話でもないんだけどね。というか、香澄ちゃんの言うキラキラドキドキな話は、だいぶ少なくなるかな」
「え……。……でも聞きたいです! 最後まで聞かないとモヤモヤします!」
「そ、そうなんだ」
香澄ちゃんが目をぱちくりさせた後に、急に詰め寄ってきたから言葉が詰まる。りみも言ってたっけ。香澄ちゃんは距離間がすごい近いって。りみとかポピパの子は慣れたみたいだけど、私はまだ慣れないかな。
距離が近くなった香澄ちゃんに少し離れてもらって、ベンチから立ち上がる。今からファミレスに向かっても順番待ちになるかな。順番待ちの間は過去話をしないでいいかな。私も休憩したいし。待ってる間はポピパの話を聞くことにしよう。彼女たちの話は聞いていていつも面白いから。話してる時がすごい笑顔だからかな。
数時間程度じゃあ葉の色も変わらない。まだ緑の方が多いね。私はまたあの辺り一面の紅葉を見たい。今年も彼と一緒に見に行きたい。見に行けたらいいんだけど、はたしてこの願いは叶うのかな。
──誰に聞けばその答えが分かるんだろう
──彼に聞くことができない今この状況で、誰が答えてくれるんだろう
香澄ちゃんからポピパの話を聞く傍らでそんなことを思った。この疑問にさえ答えてくれる人はいない。駄目だ。気持ちが沈んでしまう。香澄ちゃんがせっかく明るい話をしてくれているのに。
あぁ、情けない
本当に私は
我儘で
身勝手で
酷い女で
情けない女だ
この小説は追走録です。
ゆりさんがキラキラドキドキを探して歩き回っていた香澄と出会って、過去の話をしているだけです。
玲音視点があるのは、まぁご都合主義ということで。深くツッコまないでください。
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