ダンボール戦機 C(シンデレラ) 01
智絵里「おつかれさまですー……」
―――楽屋―――
智絵里「ふぅー、今日もいっぱいしゃべりましたぁ……」
智絵里「ラジオの収録だから、それも当然だよね………」
智絵里「あれ?なんだろう、この紙箱。さっきは無かったはず」
智絵里「包装紙が巻かれてますけど…これは?」
智絵里「…あっ、メッセージカードが……」
~緒方智絵里様~
いつもアイドルの活動、拝見させてもらっております。
先週の土曜9時に放送されていたドラマにも、ご出演なさってらっしゃいましたね。
その際の貴女を見て、私は決めました。
こちらを、貴女にお送りいたします。
貴女なら、きっとこちらの真の力を引き出すことが出来ると、信じております。
~K~
智絵里「K…って? この人の名前かな……?」
智絵里「いや、偽名かも知れないし…それより、この箱?」
智絵里「こちらっていうのは、この箱の中身の事なのかな…」
智絵里「どう考えても私宛に送られてきたみたいだし……」
智絵里「開けてみよう、えいっ」
智絵里「こ…これって………」
<< 第1章 小さなマシンとの出会い >>
未央「ちえりん、おっはよー!今日は一段と早いですな!」
智絵里「あ、未央ちゃん。 おはようございますっ」
ウィーン ピピピピッ ガシガシガシン
未央「あーっ、ちえりん! それ、もしかしなくてもLBX!?」
智絵里「…え? あ、そうみたい。 未央ちゃんも知ってるの?」
未央「知ってるよー! もう、大っ好き!!」
未央「でも知らない!私知らないよそれー!!」
智絵里「はぁ……どっちなんですか………」
未央「えぇ?うぅん? むぅー……ん~~~」
>>>未央は、智絵里の操作しているLBXをじっくり見つめている。
未央「なにこれ? ちえりん、これどこで買ったの?」
智絵里「え…? いや、これなんですけど、私が買ったんじゃなくて…」
未央「あ、そうなの? 借り物?」
未央「それにしても……ん~、見た事無いですなー」
智絵里「え?え? でも、LBX知ってるって…」
未央「いやぁ、このアーマーフレームの事だよ!」
未央「こんな形もカラーリングも、全く見おぼえないっていうかー」
未央「もしかしてレア物? 誰から借りたの? 美嘉ねぇ?」
智絵里「いえ、じつはこれ……貰ったんです」
>>>LBXを手に入れたいきさつを説明した
未央「えーっ!楽屋に帰ったら、正体不明のLBXが届いてたって!?」
未央「しかもご丁寧にメッセージカード付きとは……ケイ?誰かなー」
未央「それにしてもまぁ…なんかお高そうなデザインといいますかー」
未央「そうだ、ちえりん。 今日の予定は? 忙しい?」
未央「休日だしオフだし、未央ちゃんは今日一日中ヒマなんだけどー」
智絵里「んー…と」
>>>スケジュール帳と事務所のホワイトボードで予定確認
智絵里「やっぱり、今日はオフみたいです、私」
智絵里「寮に居てもなんだかつまんなくって…今日も事務所に来ちゃいました」
未央「ねぇねぇちえりん! 今から私の部屋来れないかな?」
智絵里「未央ちゃんの…寮の、部屋ですか? いいですけど…」
未央「ちょっとそのLBX…じっくり調べさせて!お願ーい!」
智絵里「は、はい。 貰い物ですし、べつに構いませんけど……」
―――未央の部屋―――
未央「はーい、あがってあがってー」
智絵里「おじゃましますぅ……」
智絵里「わぁ、すごい… これ、LBX関係の器具?」
未央「そーそー、グリスさしたりアーマーフレーム変えたりする時のー」
未央「で! こっちが<Lマガ>。 LBXマガジンっていうんだけど…」
>未央、Lマガで確認中…
未央「今週のどのページにも、載ってないんだよねー」
未央「その白っぽい、ちえりんのLBX………」
未央「貰い物ー…外枠の箱とか、無かった?」
智絵里「んーと………あっ、ありましたよ」
智絵里「えとえと…えっと、まず包装紙に覆われてて」
智絵里「それを剥がすと、プラスチックのクリアケースに入ってました」
未央「そこに、この子…このLBXの名前とかさ、書いてなかった?」
智絵里「んと…書いてあった、ような………」
智絵里「今から部屋に行って、取って来ますっ!」
ドタドタッ ガチャッ バタン!
未央「そんなに焦らなくても、ていうか私がちえりんの部屋に行けば……」
未央「ってもういないじゃん。 ま、いっか」
ガチャッ ドタドタドタ
智絵里「ありました、箱! これですっ」
智絵里「ただ、何語なのかな…ちょっと読めなくって」
未央「うーむ、なになに…e、p、s……<epsilon>?」
未央「ちょっと待ってねーちえりん、今スマホで検索かけるから…」
智絵里「それだったらもう…これを貰った日に調べましたよ、ほら」
未央「えっ? <イプシロン>?ギリシア文字? へえー……」
智絵里「だから胸の真ん中に<E>のマークがあるんですね」
未央「…………むー」
智絵里「未央、ちゃん? …もしもーし、未央ちゃん」
未央「おかしいよ、ちえりん。 これ、絶対おかしいって」
智絵里「えっ? 何が…いったい何の事ですか?」
未央「このLBXの事だよ…<イプシロン>っていう、このLBX…」
未央「今検索かけてみたけど、こんなLBXは、存在しない!」
智絵里「えぇっ? でもEちゃんは、ちゃんとここにいますよ?」
未央「いますよ―――って、<イーちゃん>? イーちゃんって?」
智絵里「ギリシャ語とか私、分かんなくて……」
智絵里「というかそもそも、LBX自体、今まで触った事無かったので……」
智絵里「柔らかくはないけど、ぬいぐるみさんとかと同じかなって、思って」
智絵里「それで、胸にEってあるのを見つけた時に、名前…付けたんですけど……」
未央「ほー、イプシロンのEちゃんかー。 なんかちえりんっぽいね!」
未央「うんうん! 名前だけ聞くとかなり可愛いかも!」
未央「……ただ、見た目は全然<Eちゃん>してないけどね…」
智絵里「そうなんですよね…この子、<ちゃん>って感じじゃないかな、って」
智絵里「私、この子がそんな珍しいだなんて、全然知らなくて…」
智絵里「だから、この子だけの名前を…付けてあげたいな、って」
未央「いいんじゃないかな? ただバトルの時は、ちゃんと本名で呼んであげたら?」
未央「いけーEちゃん、って行ってもあんまり締まらないかもだし…」
智絵里「バッ、バトルですか!? い、いきなり戦うのは、ちょっと……」
未央「あー、もしかしてちえりん。 バトルするの怖いとか?」
未央「レギュレーションさえ守れば、LBXが破壊される事はないよ~」
未央「試運転がてら、この未央ちゃんとバトル…してみない?」
未央「レギュレーションはストリート、フィニッシュは破壊ナシ! どう?」
智絵里「わ、わかりました…やってみますっ」
智絵里「ただのお人形さんじゃないって事は、私も分かってますから」
未央「ちなみにちえりん、バトルの知識はどのくらいあるのカナ?」
智絵里「動画サイトとかで試合風景を見た事、ならありますけど…」
未央「このLマガのこっちのページに、簡単な基礎知識載ってるから、あげるね」
智絵里「あ……ありがとう、です」
未央「さっき事務所で走らせてたけど、操作の方は?」
智絵里「もうだいたい大丈夫ですっ! それでは―――」
未央「待って待って! ちえりん、この子の武器はどこ?」
智絵里「…え、武器? この箱に入ってるので全部ですけど……」
未央「あ、これだよこれ。 ちっちゃいけど、これが武器だからね」
智絵里「へぇ、本当にミニチュアですね……何もかも」
未央「ほえー…この子の初期武器これなんだ。 ナックルなんだねー、意外」
未央「ほら、ちえりん。 Eちゃんの手にはめてあげて」
智絵里「…んしょっ。 これで、大丈夫…かな?」
>>>LBXイプシロン に メタルナックル を装備させた
未央「よぉーし! じゃあさっそくやってみよーっ!」
未央「レッツゴー♪ ウォーリアーM.ver<ミオバージョン>!!」
智絵里「あっ、それが未央ちゃんのLBXなんだね。 ウォーリアー……」
>>>Lマガをぱらぱらとめくり、ウォーリアーを見つけた
智絵里「この子? でも、うーん…なんかちょっと違うような?」
未央「良ければまた教えるけど、ペイント…カラーリングは人それぞれだし」
未央「でもちえりん! それだけではないのでーす!」
未央「じつはこのウォーリアー!普通のウォーリアーと、もっと違うのだー!」
未央「美嘉ねぇから教わった裏テクみたいなの? それを駆使してあるのです!」
未央「まあ、ちえりんは初陣だし、様子見ながら戦おっかー」
智絵里「は、はいっ。 イプシロン、突撃ですっ!」
未央(出撃でも出陣でもなくて、突撃しちゃうのか………)
未央「Dキューブ、展開! さあ、バトル開始だよー!」
<フィールド:地中海遺跡>
バ ト ル ス タ ー ト
未央「さぁちえりん! どっからでも、かかってこーいっ!」
智絵里「CCMの操作は一通り覚えました……攻撃、しますっ!」
智絵里「て、てぇーいっ!!」
>>>ナックルを握り締め、未央のウォーリアー目掛けて拳を振り下ろした、智絵里のイプシロン。
>>>しかしその拳の攻撃を、未央のウォーリアーは自身の武器で受け流した!
>>>それでも、一発の衝撃は小さくなかったのか、ウォーリアーは大きく後ずさった。
智絵里「だ、だめですっ…! 攻撃が、防がれちゃう……!」
未央「言ったでしょちえりん! この子は、ただのウォーリアーとは違うよ♪」
未央(とは言ったものの…どうなってんの? 嘘でしょこれ…!)
…じつは、未央の言葉通り、彼女のウォーリアーには秘密があった。
事務所の仲間でもあり、未央と同じくLBXが好きな元モデル・城ヶ崎美嘉。
彼女―――美嘉は普段、クノイチやクイーン等、所謂女性型のストライダーフレームを使っている。
しかし、未央が彼女と何度も対戦するうちに、ある違和感に気づいた。
…美嘉は、様々な武器を使う。 使用する武器の種類を頻繁に変えるのだ。
流行に乗っているのだろうか?時には斧やランチャーなども使っていた。
しかし、クノイチはその身軽さ・素早さを活かして敵の懐に潜り込むのが基本的。
斧を軽々振り回せるようなパワーは無いし、無理に持たせると機動性も下がる。
それなのに美嘉は、斧や鎌をいともたやすく扱い、何度も未央に勝利している。
そこで未央は彼女に尋ねた。 そのパワーはどこから来るのか、と。
未央は、コアパーツに高価なものを使ってると推測していた。
しかし答えは違った。 その秘密は、彼女の使うアーマーフレームにあった。
美嘉の使っていたその機体は、カラーリングこそ違えどクノイチそのもの。
つまり、ストライダーフレームという事になる……が。
その認識は間違っていた。 彼女の機体は完全なストライダーではなかったのだ。
未央があまりにもその秘密を知りたがるので、美嘉は渋々タネを明かしてくれた。
美嘉がAMに装着していたのは、じつはジョーカーAMをスクラッチして、
クノイチの腕そっくりに成形し直したものだった。
LGに至っては、それなりに重みのあるウォーリアー(ナイトフレーム)のLGを、
装甲の厚さと引き換えに、ナイトフレームでありながら極限まで機動性を追求した。
こうして美嘉は、打たれ強さと機動力を併せ持ったLBXを作り上げたのだ。
彼女は手先が器用だと知っていたが、まさかそこまでの情熱をLBXに注いでいるとは……
未央は相当驚き、感動した。 私だって負けてられない! そう思った。
それから未央は、パーツを削ったり磨いたり…「ニクぬき」や「パテもり」の練習を始めた。
そして、最終的に彼女が行きついたのが、今使っている<ウォーリアーM.ver>だ。
彼女は元々純正のウォーリアーを愛用していた。
だからこそ、ウォーリアーの姿をしたLBXで戦いたかったのだ。
…しかしこの機体、蓋を開ければ、純正ウォーリアーのフレームではない……
未央が追い求めたのは、高い機動性・俊敏力……ではなかった。
それなりのフットワークがあり、尚且つ強い攻撃にも耐え得る装甲。
耐久性重視の超攻撃型LBX―――彼女が目指していたのは、そんなLBXだった。
両腕にはハカイガーAMを使用…ただし元々の装飾を削り取った後に、ウォーリアーの肩装甲を装着。
LGはマッドドックのパテもりで、極限までウォーリアーにそっくりな足に整形。
そして今回これを活かす気は無いようだが、BDも実はウォーリアーではない。
この魔改造により、未央のウォーリアーもどきは、大剣「破岩刃」(はがんじん)を、
軽々と振るうことが出来るのだ。 しかも防御も高い。
しかしその装甲を物ともせず、押し進んで来たのが、智絵里のイプシロン……
未央(どうなってんの、あのLBXのスペック…!)
未央(こっちの腕はブロウラーフレームなんだよ、拳一発に押し負けるなんて…!)
智絵里(どうやったら、LBX本体にダメージを……)
智絵里(でも今の私はナックルしか装備してないし…)
智絵里(…ううん、諦めちゃ駄目。 1発で駄目なんだったら―――)
智絵里「何度だって、打ち込む!!」
>>>未央のウォーリアーに拳を構え、再度突進して拳を打ち込むイプシロン。
>>>未央は慣れた手つきで、その手に持つ大剣「破岩刃」で攻撃を凌ぐ。
>>>しかしすべてを完全に防ぐことは難しかったのか、一度大きく体勢を崩した。
智絵里「…!! 今ですっ!」
>>>拳に弾かれた腕が剣ともども後ろに下がり、がら空きのボディ。
>>>ウォーリアーの胸に、イプシロンの拳が炸裂する。
未央「くっ……! やるじゃん、ちえりん! 初めてとは思えないよ!」
未央「クリーンヒットしたかな…LPが3分の1以上減っちゃった~」
智絵里「LP? この、CCMのここに出てる丸いバーですか?」
未央「うんうん。 ちえりんはノーダメージだから、まだ全部青でしょ?」
未央「私のはほら、コレ。 今のダメージで赤い部分が出来たんだ」
>>>一旦バトルを中断し、LPとテンションゲージについて、未央が説明した。
未央「さーて、仕切り直し! さぁおいで、ちえりん!」
智絵里「は、はいっ。 イプシロン、行きますっ」
バ ト ル ス タ ー ト
智絵里(さっきみたいに、絶え間なくパンチを打ち込めば……!)
>>>智絵里のイプシロンの猛攻を、剣で耐えるウォーリアー
>>>そんなウォーリアーが少し後ずさった時、イプシロンが、跳んだ。
>>>イプシロンは、ウォーリアーが胸の前で構えた大剣の上に飛び乗ったのだ。
>>>そこから回転をつけてウォーリアーの後方にジャンプ。
>>>背後を取られたウォーリアー。 振り向こうとするが、間に合わない。
智絵里「もらいました……ていっ!」
>>>ウォーリアーに、イプシロンの放つ無数の拳が降り注ぐ。
未央「は、早い…! 信じられない…!」
未央(ちえりんは、まだ初心者…LBXの操作自体も、覚束ないはずなのに…!)
未央(このイプシロンっていうLBXの、機体反応速度が、尋常じゃない…!)
未央(ほんとにマズイ…! このままじゃ、奥の手を使わなくちゃ……)
智絵里「はじめてのバトルなんです、私…負けても構いません」
智絵里「…だから未央ちゃん、無理に私を勝たせなくていいんですよ?」
未央(うぅっ! 純真なこの眼差しが刺さる! 痛い!)
未央「違うよちえりん!私だってなにげにかなり必死なんだからねー!」
未央「ちえりんの操作覚える速さとセンスもあるだろうけど……」
未央「このイプシロンってLBX、物凄く強いよ! この強さ、半端じゃない!!」
未央「だから私も、全力で―――――ぶつかる!!」
未央「うおおおりゃあ―――――っ!!」
>>>大剣・「破岩刃」を振り上げて、真っ直ぐ突進してくるウォーリアーM。
>>>片方の拳で剣を抑え、もう片方の拳でパンチ。
>>>次の未央の攻撃に備えて、智絵里のイプシロンが身構える。
>>>しかし、至近距離まで近づいたウォーリアーMは、思いもよらない行動に出た。
智絵里「………えっ!?」
未央「ふっふっふ…さすがじゃよ、智絵里。 ワシが奥義を使う事になるとはのう~」
>>>ウォーリアーMは、その腕にあった大剣を、地面に叩きつけた。
>>>そして、ボディを無防備な状態でイプシロンの目の前に晒したのだ。
智絵里(このタイミングで、近距離の殴り合い…ですか?)
智絵里(でも相手は素手―――こっちには、メタルナックルがありますっ)
智絵里(つまり、どう考えても私が有利な筈なんだけど……)
>>>そんな智絵里の一瞬の迷いが、イプシロンの操作を鈍くした。
>>>未央はそれを見逃さなかった。
未央「食らってもらうよちえりん!必殺ファンクション!」
<INFO>アタックファンクション:我王砲
智絵里「え……!?」
>>>突如、ウォーリアーMのBDから煙が上がった。
>>>温度が上がっているのか、胸の部分が赤く発熱し始めた。 そして……
未央「―――――ファイア!!」
>>>次の瞬間、ウォーリアーMの胸部装甲が、吹き飛んだ。
>>>大砲のようなものが、その胸部から放たれ、イプシロンはジオラマの端に叩きつけられる。
>>>弾け飛んだウォーリアーBD。その中から姿を現したのは、ハカイガーのBDだった!
智絵里「す、すごい威力…! LPが半分くらいに……!」
未央「ふっふっふ、コアパーツでアタックは上げてるからね~!」
智絵里「な、なんですかぁコアパーツって」
未央「その辺りは追々……今は、ごめんちえりん! フィニッシュいくよー!」
智絵里(ウォーリアー? 未央ちゃんのLBXのBDパーツが、別の形に……)
智絵里(カモフラージュしてたのは、胸からキャノン砲が出せるのを悟られない為…?)
智絵里「でも…わたしだって……!」
智絵里「こんな所で、負けられないんです……」
智絵里「<K>って人が、私を信じて、LBXを託してくれたから!!」
智絵里「イプシロン、負けないで……お願い、立って…!!」
>>>ウォーリアーMが再び大剣を拾い、イプシロンに斬りかかる
ピッピッピピピピッ ウィン
>>>しかし、智絵里の操作が、イプシロンを救った。
>>>寸での所で大剣の斬撃を回避し、すかさずバックステップで距離を取った。
未央「むうー。 操作上手いじゃんちえりん、とても初心者とは思えない…」
智絵里「この子と、この子をくれた人の為にも私、負けたくないんです……!」
未央「でもさーちえりん、逃げ回ってるだけじゃ…確かに負けないとは思うけど」
未央「勝 て な い よ ?」
智絵里「どうしたら……! んうー、どうすれば……」
智絵里(そうだ、さっきのキャノン砲………)
智絵里(至近距離まで近づいたのに、中々撃たなかった…?)
智絵里(って事はもしかして、エネルギーのチャージが、必要だったり…?)
智絵里(しかもあの時、ウォーリアーは直立不動だったような……)
智絵里(あの隙を突けば―――もう一度、キャノン砲を未央ちゃんが使えば…)
智絵里(―――――勝てるかも、しれませんっ!)
未央「ほらほら、どしたのー? かかっておいでよ~、ちーえりん!」
智絵里「うぅっ!」
>>>ウォーリアーMの大剣を避けようとするも、全ては回避しきれなかったイプシロン。
>>>剣に掠る度、じわじわと、LPが削られてゆく……
智絵里「くぅぅぅ……、じゃあ、これならっ!」
>>>それでも、イプシロンの俊敏さとジオラマの構造を活かして移動させる智絵里。
>>>フィールドの地中海遺跡にある柱に、飛び移っていく。
>>>そして腕を大きく振りかぶり、イプシロンは何かを射出した!
カンッ! ガシャッ………
未央「これ、は………」
>>>なんと智絵里が投げたのは、2つあるナックルのうちの1つだった。
未央「ちえりん。こんなの効かないよ?また後で教えるけどさー」
未央「ナックルは、実際に腕にはめて殴るからこそダメージが出る訳で」
未央「べつに投擲武器じゃないんだよー? よいしょっ、と」
>>>会話をしながらも、接近を試みるウォーリアーM。
>>>しかしそれに気づき、すかさず別の柱に飛び移るイプシロン。
未央「あーもう、何かめんどくさいなー! もう1発食らってもらうよ!」
ピピピピピピッ アタックファンクション:我王砲
未央「必殺ファンクション!」
智絵里「きた、キャノン砲……今しかない!」
>>>イプシロンがまた、ナックルの片方を空中に投げた。
>>>しかし今度は未央目掛けてではなく、自分から見て真上に。
>>>そしてイプシロンが柱から飛ぶ。 キャノン砲を回避しなくてはならない。
>>>イプシロンが飛び移ったのは―――さっき自分が投げたナックルの一部だった!
>>>そこからウォーリアーMの背後に、見事に降り立った。
未央「ま、まずい……!」
未央(我王砲は攻撃の反動で、ちょっとの間動けなくなるのに……!)
>>>イプシロンは、智絵里の想定通りの位置に着地した。 しかし武器が無い。
>>>いや、武器ならある。 目の前に居る、未央の持つウォーリアーMの右手に!
智絵里「ちょっと借りますっ!!」
>>>ウォーリアーMから大剣「破岩刃」を奪い取ったイプシロン。
>>>そのまま、大剣から鋭い一閃を放った―――――
\ ピコーン! /
智絵里「あ、あれ……?」
<ウォーリアーM BREAK OVER>
未央「あちゃー。ブレイクオーバー、未央ちゃん戦闘不能だよー」
未央「…凄いじゃん、ちえりん! そこそこLBXやってる私に勝つなんて!」
智絵里「私が、勝てた……未央ちゃんに勝った……!」
~貴女なら、きっとこちらの真の力を引き出すことが出来る~
智絵里「Kさんのメッセージにもあったように、私が……」
智絵里「私が、イプシロンの真の力を引き出さなきゃ…」
――――――――――
未央「さーて!バトルも終わったし、グリスグリス~♪」
智絵里「メンテナンス、っていうんですね」
智絵里「未央ちゃん。 私にもメンテナンスのしかた、教えてくださいっ」
>>>続