ダンボール戦機 C(シンデレラ) 11
<< 第11章 動き出す陰謀 >>
―――――ブルーキャッツ前―――――
未央「いやー、さすがちえりんですなー!」
飛鳥「まさかアジア大会経験者の心さんを打ち破るなんて……」
みく「そういえば佐藤さん、どこにゃ?」
智絵里「あの後すぐ、探したんですけど……帰っちゃったみたいでっ」
タッタッタッタッタッ
??「すみませーん!ちょっと待って下さーい」
未央「む?誰々? アングラビシダスに参加してた人?」
研介「僕の名前は結城研介。はじめまして、緒方智絵里さん」
智絵里「ふぇっ、わ、わたし……ですか?」
研介「うん。 …<K>って言ったら、伝わるかな?」
みく「も、もしかして、あなたが……!」
研介「あぁ。君にLBXを送ったのは、僕なんだ」
未央「あなたが、ちえりんに………」
智絵里「どうして、わたしだったんですか?」
研介「その説明も兼ねて、君に来てもらいたい所があるんだ」
研介「そこの友達も、よかったらどうぞ」
飛鳥「その前に、まずは素性を明かしてもらおうか。信用できる要素が欲しい」
研介「はい、名刺。 僕はタイニーオービットの開発部副主任なんだ」
全員「「「タイニーオービット!?」」」」
飛鳥「へぇ…あの天下のタイニーオービットがねぇ」
飛鳥「疑って悪かったね……信用するよ」
研介「車に乗ってくれ。話は……社長から直接、あるだろうから」
――――――――――――――――――――
仙道「……と、いうわけだ。Vモードの発動を、みすみす許しちまった訳だなァ?」
CCM越しに楽しそうに語る仙道ダイキ。
拓也「その時の……何か、映像とかは無いのか?」
仙道「映像か、あるぜ? 全試合記録してあるぞ……」
仙道「中でもコレとコレは……最高傑作ともいえるだろう!」
仙道から次々に動画ファイルが送られてくる。
仙道「それじゃあオレは大会も終わったし客どもを締め出さなきゃならねぇから、切るぞ」
拓也「あっ、おい!」
―――――Pi!!
拓也「仕方ない、ヤツが送り付けてきた動画データを確認するか……」
拓也「―――こっ、これは!?」
>>>拓也が映像に見入る。
画面に映っているのは……イプシロン、だった。
拓也「何てテクニックだ……こんな才能がまだ眠っていたとは……」
拓也「この少女には悪いが、結城には少し感謝しないとな…」
拓也「しかし素材やマシンの無断使用、これは許せん」
>>>秘書の、霧野紗枝がくすっと笑う。
霧野「社長も大変ですねぇ」
拓也「結城がこんな暴挙に出た理由と詳細について、聞かないと……」
拓也「っと、そのうち到着するか。出迎えに行こう、霧野君」
霧野「はい」
霧野「それにしても社長、まさかその子達もをスカウトするなんて……」
拓也「仙道から大会のデータを見て、びっくりしたよ」
拓也「あの少女…白いイプシロンを使うあの少女は、間違いない……」
拓也「天才だ………」
―――――車内―――――
研介「あ、社長からメールだ………なるほど」
研介「君達に、事情を話してもいいそうだ。さて、発進しよう」
飛鳥「わざわざTO本社に連れていくんだ…大した用事なんだろうね?」
研介「……クリスターイングラム社を、知っているかい?」
智絵里「え、えっと、LBXメーカーの1つ…ですよねっ?」
みく「一応、ライバル社の一つでしょ? TO社の」
未央「色々きな臭いウワサは耳にするけど…?」
研介「それはあながち、間違いじゃないんだ……」
研介「クリスターイングラム社は、いくつかの派閥があるらしいんだけど……」
研介「昔、ウチの会社の役員を、全員解雇した事があってね」
未央「全員解雇! なんて思いきった事をー……」
研介「当時TO社の役員はスパイだらけだったんだ」
研介「テロ組織・イノベーターの、協力者だったんだよ…」
飛鳥「…テロ組織、か。 一気に危険な雰囲気になって来たね」
研介「その残党みたいなのが、TO社に対抗しようと水面下で動いてるらしくって……」
研介「クリスターイングラムで極秘に動いている組織の名前は、通称<メディエイター>」
みく「メディエイター……」
智絵里「あの、そのっ……どうしてわたしにLBXを?」
研介「ああ、それは君がこの間まで出てたドラマがあっただろう?」
研介「咄嗟の判断力で事件を解決に導き、時にはアクションもこなす……」
研介「あの学生探偵役、すっごくかっこよかったよ!」
智絵里「えっと、あの……ありがとう、ございます?」
未央「でもー…あれは役だし台本だから、ちえりんの素じゃないですよー?」
研介「ああっ、そっか!しまった、すっかり忘れてたよ!」
みく(この人、大丈夫かにゃぁ………)
研介「でも実際に、君には天才的なLBXの才能があったじゃないか!」
研介「け、結果良ければすべてよし―――だよ。 ハハハハハ…!」
研介「社長には、勝手な真似をして凄く怒られたけどね……」
智絵里「あのっ、Vモードっていうのは……?」
研介「AX-00っていうコアスケルトンに搭載されていた、試作型の特殊モードだよ」
研介「せっかくだからという事で、君のマシンにも搭載させてもらったんだ」
智絵里「途中まで、制御できなかったんですけど………」
研介「あぁ、それは…ゴメン。制御権を、認定ユーザーに設定し忘れてたんだ……」
みく(マジで大丈夫かにゃ、この人………)
飛鳥「まだ分からないなぁ……どうして僕たちにテロ組織の残党の話を?」
研介「それはね、君達に…<協力>してもらいたいからなんだ」
―――――TO(タイニーオービット) 本社―――――
未央「わぁ、ここがタイニーオービット……!」
みく「本社に来られるなんて、ちょっと夢みたいにゃ♪」
飛鳥「よく舞い上がっていられるね、ふたりとも……」
飛鳥「ボクはメディエイターについて気になる。社長に直接、詳細を聞かないと」
智絵里「イプシロンの事……まだまだ分からない事だらけですっ」
カツ カツ カツ カツ……
拓也「ようこそ、TOへ。オレが社長の、宇崎拓也だ」
未央「わあぁ、本物だー!」
拓也「こちらは秘書の霧野君、君達を連れてきたのが開発部の結城だ」
霧野「皆様、はじめまして」
拓也「霧野君。オレがこの子達を案内しておくから、彼女達を集めてほしい」
霧野「はっ、かしこまりました」
拓也「ひとまずみんな、社長室へ来てくれ」
みく「TO社の社長室に、潜入だにゃぁ♪」
―――――社長室―――――
拓也「メディエイターは、その勢力を着実に拡大し続けている…」
拓也「ヤツらは自らを調停者と名乗り、LBXでの戦いに決着をつけると謳(うた)っているが……」
拓也「その目的は、他社の優良なLBXの技術を盗み、自分たちのものにする事にある」
拓也「盗んだ技術をどうするのかは……今はまだ調査中なんだけどな」
拓也「彼らの特徴は、使用して来る機体だ……」
未央「やっぱり部隊って事は、それなりの性能って事ですか?」
拓也「あぁ。ヤツらは、イノベーター時代のデータを全て、持っている……」
拓也「それに加え、アルテミスでのデータも取られている……」
拓也「過去のワンオフ機だったものの廉価品は、幾らでも出てくるだろう……」
拓也「そこで、だ。 君達に頼みがある」
拓也「オレは思っている……君達を、スカウトしたいと」
未央「アイドルのスカウト、ってわけじゃないよねー」
拓也「ああ、違う…優秀なLBXプレイヤーとして、君達をスカウトしたい」
拓也「どうだ…危険は伴うが、メディエイターと戦ってくれないか?」
飛鳥「天下のTO社社長に、そこまで言われちゃあね。ボクはオーケーだ」
みく「み、みくも協力するにゃぁ」
智絵里「LBXは、みんなの友達なんです……っ」
智絵里「それを悪い事に使うなんて、許せませんっ!」
未央「私もちえりんに賛成!協力するよ、ウザタクさーん♪」
拓也「ウザタク…!? ま、まぁオレの事は好きに呼んでくれていいが……」
ピピピッ
>>>拓也のCCMが鳴った。通信の相手は、先程の秘書・霧野だった。
霧野「失礼します、社長。今連絡のつく方々をお呼びいたしました」
霧野「シーカー本部でお待ちしておりますので」
拓也「わかった、ありがとう霧野君。 すぐに向かおう」
Pi………
拓也「よしみんな、オレについて来てくれ。シーカー本部に向かう」
智絵里「し。シーカー…ですかっ?」
拓也「あぁ。オレ達の、そして君達の仲間になる人達を、紹介するよ」
―――――シーカー本部―――――
ウィィ―――ン
拓也「着いたぞ、ここが本部だ」
>>>そこには、沢山のモニターや、よく分からない機材が置いてあった。
未央「うわーぉ、秘密基地みたーい……」
??「まさか、あのままコイツらをスカウトするとはねェ……」
みく「にゃにゃ!? その声、まさか―――」
飛鳥「……仙道ダイキか。 キミも、<シーカー>の一員だったのか」
仙道「オレは言うなれば、テロ組織<イノベーター>と戦った最初期から居る……」
仙道「まぁ、古株……というやつだ」
仙道「それで、こいつは…お前達もよく知っているだろう?」
未央「あっ、うめちゃん!?」
小梅「……あ、未央ちゃんだ。こんにちはぁ」
仙道「コイツ、オレに付きまとってどうしようもなかったんだ」
仙道「だからオレが推薦して、シーカーの戦力として加えてやったんだ」
みく「なるほどにゃー……あっ!」
>>>みくは、他にも見知った顔を見つけた。
>>>そこに居たのは、荒木比奈と大槻唯だった。
比奈「いやぁ~、謎のテロ組織なんて何のアニメだよって感じっスけどね~」
比奈「アタシとルシフェレックスが役に立てるっていうなら、協力は惜しまないっス」
唯「いやー、ゆいもアングラに出るちょっと前にスカウトされちゃってさー」
唯「面白そうだから、オッケーしちゃった!」
>>>そしてもう一人……奥の方に1人の青年が立っていた。
???「なんだい?オレに何か用かい?」
飛鳥「キミは……オメガダインの元テストプレイヤー・風摩キリト!?」
キリト「へぇ……この僕を知ってる子がいるとはねぇ?」
キリト「オメガダインは不祥事を起こしたからな、解体されたさ」
キリト「行き場の無くなったオレが今居るのは、このタイニーオービット」
キリト「そこの宇崎拓也に、コキ使われる毎日さ」
>>>彼―――キリトは、自嘲気味にそう言った。
拓也「シーカーはもっとメンバーが居るんだが、今集められるのがこれだけでな」
拓也「集めたのには、理由がある。霧野君、資料を……」
霧野「はい、こちらです」
>>>モニターに映し出されたのは、何かの祭典に関するもののようだった。
拓也「来週開催される、サイバーランス社のセレモニーだ」
拓也「次世代型の自立稼働システムを搭載したアンドロイドのお披露目だが……」
拓也「そのデータを盗もうと、メディエイターに動きがあるらしい」
未央「でも、サイバーランスって他社でしょ?ライバル会社なんじゃ……」
拓也「オレはシーカーを、タイニーオービットの組織として、動かしたくはない」
拓也「メディエイターを止める為、君達にはヤツらの悪事を阻止してもらう」
みく「阻止、って……どうやってやるのにゃ?」
拓也「ライバル社の社長であるオレから、メディエイターの話をしても、信じてもらえない」
拓也「そこで、潜入作戦を決行する事にした!」
拓也「連中は、データの持ち出しにLBXを使用する気だ」
拓也「そこでこちらもLBXを駆使し、対抗する」
>>>次にモニターに映ったのは、セレモニー会場の裏口の地図だった。
拓也「当然、警備は決して薄くない。しかし、LBXなら侵入できる………」
比奈「でもアタシ達から数百メートル離れたら、CCMの操作圏外に出ちゃわないっスか?」
拓也「それについてだが……手段がある」
拓也「コントロールポッドという、CCM拡張装置を、君達には使ってもらう」
拓也「しかし、数が足りなくてな……現状、3つしか用意できていない」
拓也「そこで、我が社が開発した演習プログラムを使って―――」
拓也「―――そのプログラムの上位スコア3名に、コントロールポッドへ乗り込んでもらう!」
>>>秘書の霧野の案内で、皆は専用ゴーグルを付け、演習プログラムに挑んだ。
>>>システムはいたってシンプルで、出てくる敵LBXを時間内にどれだけ倒せるか、というもの。
>>>敵1体の強さはそこまでではないが、とにかく大量の敵が現れる。
>>>いかに今の状況を把握し、多くの敵を倒せるか…という技術が試される。
>>>そして……演習プログラムの、結果が出た。
拓也「倒したエネミーの数、だな。 これは………」
仙道ダイキ:411
荒木 比奈:237
白坂 小梅:216
大槻 唯:182
本田 未央:175
前川 みく:128
二宮 飛鳥:412
緒方智絵里:529
風摩キリト:598
唯「あちゃー。ゆい、ちょっと遊び過ぎたかもー……★」
未央「それでも私より上なんだけど。どういう事……」
みく「ふにゃぁぁ……ダントツの最下位にゃぁ!」
仙道「それより風摩キリト……お前、ズルでもしたのかなァ?」
キリト「悪いけどこのプログラムじゃ、オレが1位を取れなきゃおかしいのさ」
キリト「何せコイツは、オレも開発の手伝いをしたんだからねぇ……」
キリト「それにしても驚いたよ……緒方、智絵里っていうのかなぁ?」
智絵里「はっ、はいっ。よろしくお願いしますっ」
キリト「プログラムの癖も知らないで、スコアを500以上叩き出せるなんて……」
キリト「……キミ、もしかして天才?」
智絵里「えっ、ちが、ちがいますっ…わたし、一生懸命やっただけなのでっ」
キリト「そうなのかい?ま、今はいいや………」
キリト「来週の作戦で、キミの強さはしっかりと観察させてもらうよ……」
拓也「決まりだな。ポッドに乗り込むのは飛鳥、智絵里、そしてキリトだ」
拓也「詳しい潜入ルートはこちらで検討中だ。決定次第、君達のCCMに送る」
拓也「以上で今日は解散だ。各自、来週の作戦決行に備えてくれ!」
>>>こうして、智絵里達はあれよあれよという間に―――
>>>テロ組織と戦う運命を、背負う事となったのだった………。
>>>続
<< オタクロスのオタ知識 >>
オタクロス「オタクロスのオタ知識、デヨ!」
オタクロス「今回は、こちらデヨ~!」
< シーカー >
オタクロス「元々はテロ組織・イノベーターに対抗すべく、宇崎氏が立ち上げた組織デヨ」
オタクロス「タイニーオービットの中にあり、強固なセキュリティに守られているデヨ!」
オタクロス「今回、新たな組織メディエイターと戦う為、復活したのデヨ!」
オタクロス「シーカーでの智絵里たんたちの活躍、これから目が離せないデヨ~!」
オタクロス「では、次回もお楽しみにデヨー!」