ダンボール戦機 C(シンデレラ)   作:ぱりぱりィ!

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ダンボール戦機 C(シンデレラ) 04

ダンボール戦機 C(シンデレラ) 04

 

 

 

<< 第4章 箱の中の魔女 現る! >>

 

 

 

 

―――ミソラタウン駅―――

 

 

みく「それじゃ、また明日にゃ!」

 

未央「うん! …あー、ゴメン私ちょっと戻るね」

 

智絵里「えっ? 未央ちゃん、まだ帰らないんですか?」 

 

未央「ごめーん、キタジマに忘れ物しちゃったみたいでさー」

 

みく「それくらいだったら、みく達待ってるけど?」

 

未央「あー…ちょっと沙希さん達と立ち話もするつもりしてるし、気にしないで!」

 

未央「それじゃっ!」

 

タッタッタッタッタッタッ………

 

みく「行っちゃったにゃ…」

 

智絵里「また寮で会えますし。帰ります…?」

 

みく「それがいいかもにゃ。 電車乗るにゃー」

 

――――――――――

 

ウィ―――ン

 

小次郎「お? なんだ未央、忘れでもしたか?」

 

未央「そうじゃないんだけど…ちょっと、聞きたい事があって」

 

小次郎「じつは、オレもだ。 おおかた、あの智絵里って子のLBXの事だろう?」

 

未央「まぁ、そうなんだけど………」

 

小次郎「ちょうど沙希は今、買い出しに行ってるし……」

 

小次郎「相談があるんだったら、今のうちに聞くぞ?」

 

未央「じゃあお願いします…、じつはね………」

 

――――――――――

 

ウィ―――――ン

 

未央「ふぃー、やっぱり店長も知らないかぁ…イプシロンのこと」

 

未央「でも、気になる事言ってたなぁ………」

 

<小次郎「前にも、知らない人からLBXを貰ったって子が居たんだが……」>

 

<小次郎「その子のLBXはコアスケルトンのまま。カバーパッドしか付いてなかったんだ」>

 

<小次郎「もしかしたらあのイプシロンってLBX、コアスケルトンの方も…」>

 

<小次郎「珍しいものかもしれない」>

 

<小次郎「コアスケルトンの情報が分かればもしかしたら、あのLBXの出どころも分かるかもな」>

 

未央(コアスケルトン、かぁ……考えた事無かったな……)

 

未央(よしっ、帰ったらちえりんと確認しなくっちゃ!)

 

??「こんにちは……ううん、もうそろそろ…こんばんは、かな……?」

 

未央「―――――え?」

 

??「あらためまして、こんばんは…本田未央ちゃん」

 

未央「こんばんは……って、うめちゃん!?」

 

小梅「久し振り…かな? 最近会ってなかったような……」

 

未央「そういえば、そうかも! ひさしぶりー!」

 

小梅「未央ちゃん、今…キタジマから出て来た、よね?」

 

小梅「LBX……好き、なの?」

 

未央「え? ああ、うん! 好きだよー!」

 

小梅「へぇ……そうなんだ。 私も、LBXするんだよ……」

 

未央「そうなんだー! また今度、バトルしようよー!」

 

小梅「明日……」

 

未央「へ?」

 

小梅「明日、この商店街のゲームセンターで……とか、どうかな?」

 

未央「うーん明日かぁ。 学校終わりの後でもいいなら、OKだよ!」

 

小梅「ふふふ、そっかぁ。よかった……じゃあ」

 

小梅「楽しみにしてる、ね………」

 

スタスタスタスタスタ………

 

未央「な、なんだったの今のは…バトルのお誘いされちゃったけど……」

 

未央「……そういえば、うめちゃんってどんなLBX使うんだろ?」

 

 

―――――女子寮・智絵里の部屋―――――

 

智絵里「…え? カバーパッド?コアスケルトン?」

 

未央「そうそう!今のイプシロンは、アーマーフレームっていってねー」

 

未央「装甲を身にまとってる状態なんだよー」

 

智絵里「ということは…コアスケルトンっていうのは、骨組み部分…ですか?」

 

みく「そんな感じにゃー。で、未央チャン」

 

未央「なに?みくにゃん」

 

みく「このイプシロンチャンのコアスケルトンを調べたいってことなのにゃ?」

 

未央「うん、今のままじゃ何の手がかりもなしでしょ?」

 

未央「キタジマ店長が、コアスケルトンから分かる事もあるんじゃないかなーって」

 

みく「でもハンドメイドなんでしょー? そもそもこのアーマー、剥がせるのにゃ?」

 

未央「んー、それは…物は試しっていうでしょ! ほらみくにゃん、コテ貸して!」

 

カチャカチャカチャ……

 

智絵里「だ、だいじょうぶかなぁ……」

 

未央「心配ご無用!ちえりんの大切なLBXだもん、壊そうなんて思ってないからね!」

 

……カチッ!

 

未央「お、取れた。 うわぁ、信じられないくらい綺麗にスクラッチしてる……?」

 

みく「いや、この断面…明らかに手作業でスクラッチしたのとは違うにゃ」

 

未央「やっぱりどっかのメーカーさんが、ちえりんのファンなんじゃない?」

 

みく「このデザインは…むむー、サイバーランス?タイニーオービット?」

 

未央「確かにそういう大手をリスペクトしてるかもしれないけども―――」

 

未央「小さな町工場とかで、ちえりんの為だけにこのLBXは作られた!…とか♪」

 

みく「もしそれが本当なら、あまりに一大プロジェクト過ぎるにゃ……」

 

未央「確かに…。 ちえりんに任せる理由が、わかんないよねー……」

 

未央「それはさておき!アーマーフレームも外したし、コアスケルトンを確認だー!」

 

>>>コアスケルトンには、<YX-00>という記載以外、何も記されていなかった……

 

みく「ワイエックス・ゼロゼロ……?」

 

未央「うーん? こんなコアスケルトン見た事無いなー」

 

みく「ふにゃー…検索しても、何もヒットしないにゃぁ……」

 

未央「結局、謎のLBXってことかー……」

 

智絵里「二人ともすみません、わたしのLBXの為にわざわざ…」

 

未央「いいのいいの!私達が勝手に興味持ってるだけなんだからー」

 

智絵里「ありがとう、ですっ。 でも、あの…そろそろアーマー付けてもいいです、か?」

 

みく「んにゃあ?どうしてにゃ? もうちょっとコアスケルトン調べてみないにゃ?」

 

智絵里「いえ…ロボットっていっても、ずっと裸なのは、何だかかわいそうで……」

 

未央「うぅー!ちえりんはかわいいなー!」

 

みく「みくのクノイチも、ペイントし直そっかにゃ~。更なるドレスアップにゃっ!」

 

智絵里「それじゃ、明日の放課後…一緒にカスタマイズ、しませんか?」

 

未央「あー…ごめん。 私、明日は用事入っちゃって……」

 

智絵里「用事…です、か?」

 

未央「あの後、キタジマから出て帰ろうとしたら、うめちゃんに会ってさー…」

 

みく「小梅チャンかにゃ?」

 

未央「うん…。 明日、あの商店街のゲームセンターで、LBXバトルしよう、って……」

 

みく「こ、小梅チャンと…バトル、するのにゃ……!?」

 

未央「ねぇ、みくにゃん、うめちゃんのLBXについて何か知らない?」

 

みく「噂だけなら、聞いた事はあるにゃ………」

 

みく「小梅チャンのLBXは、変幻自在でトリッキーな動きをするらしいにゃ…」

 

みく「しかも噂が本当なら、めっちゃ強いらしいし……」

 

未央「えぇっ! うめちゃん、そんなに強いの!?」

 

みく「しかもあの子、アンリミテッドレギュレーションでしかバトルしにゃいらしいよ…?」

 

未央「アンリミテッド……!?」

 

智絵里「そ、それって…まさか―――っ!」

 

みく「何でもアリ、モチロン破壊もアリのルール…だにゃ」

 

みく「小梅チャンとのLBXバトルは、まるでイリュージョンみたいって噂にゃ」

 

みく「それで裏では、<箱の中の魔女>とか呼ばれてるらしいけど……」

 

未央「そ、そんな…! だって、バトルの約束は明日なんだよ!?」

 

未央「ホントに勝てるのかな……私の、ウォーリアー………」

 

智絵里「未央ちゃん……」

 

みく「それなら、今から特訓にゃ! 徹夜で猛特訓するにゃぁ!」

 

智絵里「わ、わたしもっ、付き合いますっ!!」

 

未央「うぅ、二人とも……ありがとー!」

 

>>>こうして3人は、疲れ果てて眠ってしまうまで、バトルを続けた……

 

―――――次の日の放課後―――――

 

未央「くぅ…、いよいよだ……!」

 

智絵里「自信持ちましょうよ、未央ちゃんっ」

 

みく「あれだけ特訓したんだにゃっ!未央チャンは絶対、強くなったにゃ!」

 

未央「う、うん…。 だといいんだけど……」

 

未央「とりあえず、ミソラ商店街に行かなきゃ」

 

―――――ミソラ商店街・ゲームセンター―――――

 

小梅「ふふ、ふふふ……待ってた、よ… 未央ちゃん…」

 

未央「うめちゃん、噂によれば相当強いらしいじゃん!」

 

未央「知ってたら、バトル断ってたかもしれないのに―――」

 

小梅「いいよ…?」

 

未央「えっ?」

 

小梅「このバトル、断って…帰っても、いいよ……?」

 

小梅「噂、聞いてるんだったら…たぶん、知ってる、よね…?」

 

小梅「私が、アンリミテッドバトルしか、しない……って」

 

小梅「未央ちゃん、の…大事なLBXさん、壊されたくないっていうんだったら……」

 

小梅「このまま、逃げ帰っても……いい、よ?」

 

みく「!?」

 

智絵里(小梅ちゃん…口調は穏やかだけど、もしかして挑発してる…!?)

 

未央「逃げ帰る~? はっはっはー、笑わせないでよー、うめちゃん」

 

未央「私は逃げも隠れもしないよ! その代わり、うめちゃん―――」

 

未央「うめちゃんも、自分のLBXをズタズタのボロボロにされる覚悟は出来てるんだよね!」

 

小梅「私…? 私は、そんな覚悟…する必要、ないかな…って」

 

小梅「未央ちゃんが、私のLBXに勝つ事なんて…あり得ないから、ね……」

 

未央(ずいぶん強気じゃないの、うめちゃん! でも、負けないよーっ!)

 

小梅「ステージは…ゲームセンターで貸し出してる、この草原のジオラマ、だよ……」

 

小梅「もちろん、勝負はアンリミテッド……ふふ、ふふふ………」

 

小梅「じゃあ、バトル……開始、する…よ?」

 

 

<フィールド:草原>

 

 

未央「いっけぇーっ!私のウォーリアーM!」

 

>>>まず草原のバトルフィールドに降り立ったのは、未央のウォーリアーM。

 

>>>その未央のLBXを見るなり、白坂小梅はクスクスと笑い出した。

 

小梅「ふふ、面白いね……ほとんど、ウォーリアーじゃない、のに…ね」

 

未央「―――えっ!?」

 

小梅「アーマーフレームの持ってる、それぞれの形の癖…で、元のパーツがだいたい分かる、よ…」

 

小梅「うん……HDパーツは、正真正銘のウォーリアー、だね……」

 

小梅「でもBDは…うん、それは、ウォーリアーにしたら、大きすぎる、よね……」

 

小梅「たぶん、ハカイガーのBDを削って…そこにパテを盛って、ウォーリアーの形に整形し直してる…」

 

小梅「ってことはAMもかな?ハカイガーの装飾を取り外した所に、ウォーリアーの肩のアーマーを…」

 

小梅「LGに関しては…パテ盛りとニクぬきを繰り返した跡、あるね………」

 

小梅「これは、ハカイガー…じゃ、ない……」

 

小梅「手軽に手に入るパーツ……んー、マッドドック、とか、かな…?」

 

未央「―――――っ!?」

 

小梅「ふふっ、わかるよ…このくらいは、ね… パーツの事、いつもじっくり見てる、から……」

 

みく(す、スゴイにゃ! 初見で、未央チャンカスタムの、全パーツの正体を言い当てたにゃぁ!)

 

未央「でもパーツが分かったところで、勝敗が決まった訳じゃないよ!」

 

小梅「うん…未央ちゃんの、言う通り、だね……」

 

小梅「じゃあ、私もLBX…出す、ね………おいで、ジョーカー…」

 

>>>小梅の長い袖の中から、鎌を持った細身のLBXが飛び出し、フィールドに着地した。

 

>>>そのLBXには、不気味な笑みを浮かべたHDパーツが付いていた……

 

みく「あれは、ジョーカーにゃ……かなり癖のある機体だから、使いこなすのは至難の業…!」

 

小梅「楽しい、ショータイムの…始まり、だよ……?」

 

 

  バ ト ル ス タ ー ト

 

 

 

未央(相手の武器はハンマー…でもあの形は、サイス系……!)

 

未央(攻撃の軌道が読みにくいうえに、当たったら大ダメージ…!!)

 

小梅「それじゃ、行く、よ……?」

 

スタタタタタタタッ シュンッ!!

 

>>>小梅のジョーカーが、ウォーリアーMに急接近し、鎌で切り裂いた。

 

>>>わずかに狙いが外れたのか、ウォーリアーMのすぐ横の地面から、砂煙が上がった……

 

未央(―――あ、危ない! とっさに左に避けてなかったら、直撃してた…!?)

 

未央「今度はこっちから―――っ! そりゃああっ!!」

 

>>>未央が愛用の大剣・破岩刃を豪快に振るう。

 

>>>しかし破岩刃は小梅に掠りもしない。

 

>>>大きな剣である為、この武器は軌道が読まれやすいのだ。

 

>>>小梅は、自分に当たる直前でその攻撃の向きを見極め、華麗にかわしていた。

 

>>>それに加え、小梅自身は―――――

 

未央(どうしよう…!右に左に、攻撃で揺さぶってるのに……!)

 

未央(―――スキがない…!?)

 

小梅「未央ちゃん……ずっと攻撃してる、けど…スキだらけ、だよ……」

 

>>>そういった小梅はジョーカーを屈ませ、下から鎌を思い切り振りあげた―――!

 

未央「うわあ――っ!!」

 

>>>耐え切れずに、ウォーリアーMが吹っ飛び、フィールドを転がる。

 

小梅「そろそろ、いい…かな? 恐怖のパーティー……始める、ね…?」

 

>>>小梅がそう言った途端、CCMの操作が激しくなった。

 

>>>そしてなんと…小梅のジョーカーが、3体に分身したのだ!

 

未央「え…ウソ、でしょ……?」

 

みく「未央チャン落ち着くのにゃ!きっと残像、本物は1体だけにゃぁ!」

 

未央「そう、だよね……」

 

未央(落ち着け…落ち着けー、本田未央…!)

 

小梅「―――落ち着く暇なんて、与えない…よ?」

 

>>>瞬間、3体のジョーカーが一気にウォーリアーMに向かって行った。

 

>>>四方八方から攻撃を食らい、成す術の無い未央……

 

>>>1体の攻撃を防ごうとするが、その間(かん)に他のジョーカーに攻撃される。

 

>>>未央は今、小梅の仕掛けた悪魔のイリュージョンの術中に、完全に嵌ってしまっていた…

 

未央「ええーい!ちょこまかとっ、うっとうしいなあーっ!!」

 

小梅「攻撃を、避けきれない…その愚痴なら、幾らでも……聞く、よ?」

 

未央「愚痴をぶつけるんじゃなくって―――――」

 

<INFO>アタックファンクション:我王砲

 

未央「―――こいつをぶつけるんだよ! 必殺ファンクション!!」

 

>>>しかし、ウォーリアーMがファンクションの構えを取った瞬間―――――

 

>>>3体のジョーカーは即座に散開し、未央のファンクションが命中する事は…なかった。

 

小梅「そろそろ…フィナーレ、行く…よ?」

 

>>>今度は3体のジョーカーがウォーリアーMを取り囲み、その周りをグルグルと旋回し始めた。

 

未央(ホントにマズイ…、ていうかヤバイ……!)

 

ガンッ! ジャキンッ! ガシュッ! ガァンッ!

 

>>>小梅のジョーカーの総攻撃が、未央のウォーリアーMに降り注ぐ。

 

小梅「とっても、とっても……楽しかった、よ……?」

 

小梅「……必殺ファンクション」

 

<INFO>アタックファンクション:デスサイズハリケーン

 

未央「わああっ!?必殺ファンクション、3体分…!?」

 

未央「こうなったらもうヤケだよ、必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション:我王砲

 

未央「一体でもいいから当たれーっ!!」

 

ドゴォォォォン………!

 

>>>一瞬の静寂。 舞い上がる土煙、そして……

 

小梅「ふふ、ふ……今日も…勝てた、ね……」

 

>>>勝ったのは、不気味な笑みを浮かべる白坂小梅。

 

>>>ウォーリアーMは、無残な姿でブレイクオーバーされたのだった…

 

小梅「あーあ、終わっちゃった……楽しいショーは、もうおしまい、だね……」

 

小梅「って言いたいところだけど……まだ、終わらせない、よ…?」

 

ガンッガンッガンッ! ガァンッ!!!

 

>>>何と小梅は、ボロボロになりブレイクオーバーしたウォーリアーMを、更に痛めつけた。

 

>>>そのジョーカーの足で踏みつけ、鎌をウォーリアーに何度も叩きつける……

 

みく「そ、そんにゃぁ…」

 

智絵里「ひどいっ…こんなの、ひどすぎますっ!」

 

みく「小梅チャン、もう決着はついたにゃっ!攻撃をやめるにゃあ!」

 

未央「ウォーリアー…………」

 

小梅「聞いてよ、みんな…、この音…。金属がひしゃげる時の音、それから、飛び散る火花……」

 

小梅「最高、だよね……とっても、気持ち、いいよ…ね……」

 

智絵里「小梅ちゃんが…こんな事、するなんて………」

 

未央「わ、私の…ウォーリアーが……やめて…お願い……」

 

小梅「何か、こういう展開って…ちょっと、スプラッタを連想…するよね?……しない?」

 

小梅「イリュージョンの後は、破壊の…ショー、だよ………」

 

智絵里「そこまでにしてくださいっ、小梅ちゃんっ」

 

小梅「……なに?どうしたの? 智絵里ちゃん…怖い、顔……」

 

智絵里「未央ちゃんのLBXをいじめるのは、そこまでにして、って言ってるんですっ」

 

未央「ちえりん……?」

 

小梅「え…ここからが、楽しい…のに……」

 

小梅「LBXバトルは、やっぱり…こうで、なくっちゃ…ね?」

 

智絵里「そんなに遊びたいんだったら、私が相手になるって、言ってるんですっ」

 

小梅「なに?智絵里ちゃんも、バトル…したくなった、の……?」

 

智絵里「これ以上、未央ちゃんが一方的にやられるのを、見たくないだけですっ」

 

みく「智絵里チャン、気持ちはわかるけどちょっと落ち着くにゃあ!」

 

みく「あの未央ちゃんが手も足も出なかったんだよ? いくら智絵里チャンでも…」

 

智絵里「それでも、嫌なんですっ」

 

智絵里「私、LBXは友達であり、もう一人の自分だって思ってました」

 

智絵里「そしてそれは、今でも変わりません……」

 

智絵里「小梅ちゃん、あなたとは仲良くしてたつもりですけど……」

 

智絵里「この行為……私には、絶対に許せませんっ」

 

小梅「どうして?どうして、そういう考えに、なっちゃう、の…?」

 

小梅「LBXは、オモチャ…なんだよ? どれだけ面白おかしくできるか…それが、大事……」

 

智絵里「違いますっ、LBXは…かけがえのないパートナーなんですっ」

 

智絵里「そんな大切な子を、ここまでいたぶるなんて……!」

 

小梅「智絵里ちゃん、怒ってる…? 怒ってるね…ふふ、だったらバトル…するよね?」

 

小梅「勝負はもちろん、アンリミテッド……それしか、私はやらない、よ…」

 

智絵里「…う、受けて立ちますっ」

 

小梅「えへへ…ショータイムの、再開……だね」

 

<フィールド:草原>

 

 

  バ ト ル ス タ ー ト

 

 

未央「気を付けて、ちえりん!」

 

未央「今さっき私も戦ったけど…どうやって分身したのか、全然分かんなかった…」

 

みく「とにかく慎重に…相手の動きを観察するのにゃぁ!」

 

智絵里「は、はいっ!」

 

小梅「いきなり分身は…しない、よ…? すぐ終わっちゃったら、つまんない、もんね…」

 

未央(完全にちえりんの事を舐めてる…!!)

 

みく(まさか小梅チャンがLBXバトルの時に、こんな豹変するなんて……)

 

智絵里「やっ! はっ! ていっ!」

 

>>>正拳突きを繰り出すイプシロン。

 

>>>しかし、ジョーカーはこれを華麗に、回転しながら回避。

 

>>>今の小梅には、智絵里に勝てるという絶対の自信があるようだった。

 

小梅「こういうのって、タロットで表すと…<愚者(フール)>っていうんだろう、ね……」

 

小梅「単調な、力押し……愚かしさの、極み…だね………」

 

小梅「さっき智絵里ちゃん、LBXはもう一人の自分、って言ってたけど……」

 

小梅「それ、間違いじゃ、ない…かも、ね」

 

小梅「私は…このジョーカーを、自分の手足のように…動かせる、から……ね」

 

智絵里「なら、これで……っ!」

 

>>>智絵里は武器をオートマチックガンに変え、ジョーカー目掛けて発砲する。

 

>>>しかし小梅は、CCMの巧みな手さばきで、全弾を難なくかわしてゆく。

 

>>>そしてイプシロンとの距離を、一気に詰めてきた―――――!

 

智絵里(ま、まずいですっ…! 一旦、距離を―――)

 

>>>慌てて回避を試みた智絵里だったが………

 

小梅「足元……お留守、だよ…?」

 

>>>言葉通り、ジョーカーの鎌に足元をすくわれ、イプシロンは宙に投げ出された。

 

未央「まずいっ!!」

 

みく(必殺ファンクション打たれちゃうにゃぁっ!!)

 

智絵里(そんな! ウソ……やられちゃいますっ……!)

 

>>>智絵里を含む3人が必殺ファンクションを危惧したのだったが―――

 

>>>イプシロンは、そのままドサリと転げ落ちた。

 

>>>その様子を、ジョーカーはまるで嘲笑うかのように眺めているだけだった……

 

小梅「どうして、みんな…不思議そうな顔、してる……の?」

 

小梅「もしかして……アタックファンクション、期待……してたの、かな?」

 

小梅「こんな、所で…打ったりしないよ? だって、つまんない……でしょ?」

 

小梅「ホントの、ショータイム……イリュージョンは、ここから……だよ!」

 

>>>小梅が片手を振るうと、ジョーカーがあっという間に3体に分身した!

 

智絵里(まずい、です…っ! 何も、対抗策が思い浮かばないですっ……)

 

みく「仕組みはよく分かんないけど、2人や3人を相手にしてると思って戦うにゃ!」

 

みく(たぶん高性能な投影機か、高速移動による残像だと思うけど……)

 

みく(今の智絵里チャンなら、この考えで突破できるはずにゃっ!)

 

未央「……っ、ちえりん! これ使って!!」

 

>>>そう言って未央が放り投げたのは、ウォーリアーMの…大剣・破岩刃。

 

未央「大きな武器だから、それで何とか攻撃を防いで!ちえりん!」

 

小梅「バトルの、最中に……武器、投げ入れる…なんて……」

 

未央「なによ! 何でもありのバトルなんでしょ!」

 

小梅「べつに、構わない…けど、ね? そんなことしても、無駄かな……って」

 

>>>3体のジョーカーが、イプシロンの周りを旋回しながら攻撃を仕掛ける。

 

智絵里「武器っ、持ち替えて……っと!」

 

>>>智絵里がオートマチックガンの装備を解除し、破岩刃を拾ってそれに持ち替えた。

 

智絵里「………今、ですっ!」

 

>>>剣を持ったイプシロンにエネルギーを溜め、智絵里が<回転斬り>を発動―――!

 

小梅「…な、に……? 今、の…は………」

 

>>>智絵里の<回転斬り>が3体のジョーカーを連続で斬りつけた。

 

>>>その攻撃によって、バランスを崩したジョーカーだったが……

 

>>>…ここで、みくが気付いた。

 

みく「あーっ!このジョーカーチャン達、挙動が違うにゃ!」

 

未央「どういうこと?みくにゃん……あっ!」

 

智絵里「こ、これ…分身、なんかじゃなくて……っ!」

 

小梅「あぁ……バレちゃった、ね…………」

 

小梅「うん、そうなんだ……このイリュージョンに、タネは……あるの」

 

小梅「ジョーカーは、分身じゃなくって……3体、いるの………」

 

智絵里「どうやって、一度に操作してるんですか……!?」

 

小梅「慣れれば、簡単だよ…? 慣れれば、ね……」

 

小梅「バレちゃったし、どうしよう……」

 

小梅「みくさんも、バトル……参加、する………?」

 

みく「―――にゃ!?」

 

智絵里「いいえ、わたし一人で……戦いますっ」

 

みく「智絵里チャン!?」

 

智絵里「向こうは3体ですけど、操作してるのは、1人ですっ」

 

智絵里「小梅ちゃん一人、私も一人、一対一です」

 

智絵里「だから、わたしが…ひとりで戦って、勝ちますっ」

 

小梅「ふふ、ふ……凄い、自信だ、ね………?」

 

小梅「でも、ね…自信、だけじゃ、どうにも…ならないん、だよ……?」

 

ガンッガンッガンッ キィィィンッ!!

 

>>>3体のジョーカーが、縦横無尽にフィールドを駆け回る。

 

>>>その動きに翻弄され、智絵里のイプシロンにダメージが蓄積していく……

 

智絵里(どうしよう、どうしようどうしよう………!)

 

>>>智絵里があたふたしていたそんな時、異変は起こった。

 

智絵里「このままじゃ―――きゃっ!」

 

>>>突如、イプシロンがまばゆい光を放った。

 

>>>それだけではなかった…智絵里のCCMが拡張され、レーダーのようなものが現れた。

 

<INFO> {V-MODE} Start Up...

 

みく「何にゃ何にゃー!?」

 

未央「これって、CCMが…変化したの?」

 

小梅「なん、なの……? これ………」

 

ビュンッ シュタタタタタタッ

 

>>>イプシロンが駆ける。 智絵里の指示もなしに。

 

みく「ぼ、暴走してるのにゃ!?なんかヤバイにゃぁ!」

 

智絵里「だ、だめ…っ、操作できませんっ!」

 

ギィンッ! ズシャッ! ドォォォン!!

 

>>>イプシロンは破岩刃でジョーカーの1体を切り伏せ……

 

>>>そこから更に、転倒したそのジョーカーを追撃して、破壊した。

 

智絵里「やめてーっ! お願いっ、イプシロンっ!やめてくださいっ」

 

小梅「ジョーカー1体……やられ、ちゃった………」

 

小梅「やられてる姿も…好き、だよ………ふふ、ふふふ」

 

智絵里「小梅ちゃんっ!今私の操作を、イプシロンが受け付けないんですっ」

 

智絵里「暴走しちゃってて、このままじゃジョーカーを全部破壊しちゃいますっ」

 

智絵里「お願いしますっ、降参してくださいっ!」

 

小梅「降参…? しない、よ……?」

 

小梅「壊されちゃったら、それは…しょうがない、事……でしょ?」

 

小梅「別に壊れても…また、直すだけ、だよ……」

 

小梅「だから、降参は……しないよ………」

 

ドォォォンッ!!

 

>>>イプシロンがまた1機、ジョーカーをブレイクオーバーに追い込んだ。

 

>>>残る小梅のジョーカーは……あと、1機。

 

智絵里「イプシロン……止まって、くださいっ」

 

ピッピッピッピッ…ビビッ! ビービービー

 

智絵里「だ、駄目です…こっちのコントロールを、全く受け付けません…っ!」

 

小梅「こっちも……ただでやられる、つもりは……ないけど、ね………」

 

>>>小梅の巧みな手さばきによる、CCMの高速入力。

 

>>>操作する対象が1体になった今、小梅はある意味、全力を注げる状態になった。

 

>>>すかさず、イプシロンに接近して大鎌を振るう。

 

>>>しかしイプシロンは、とんでもない早さでその攻撃を回避し、ファンクションを放つが―――

 

小梅「当てさせないよ………」

 

<INFO>アタックファンクション:パワースラッシュ

 

小梅「……回避、成功だね…よし、と………」

 

>>>智絵里もみくも、先程やられた未央までもが、小梅とイプシロンの攻防に見入っていた。

 

小梅「今度はこっちから、仕掛ける……よ?」

 

<INFO>アタックファンクション:デスサイスハリケーン

 

>>>ジョーカーの挙動を見たイプシロンは、躊躇なくジョーカーを斬りつけ続けた。

 

>>>どうやら、小梅の発動させたファンクションを、力技で止める気らしい。

 

小梅「よし、あともう少し……いける…! いけ、いけ………」

 

ガァンッ!!

 

小梅「う、嘘…………」

 

>>>あともう一息のところだったが、ファンクション発動を阻止されてしまったジョーカー。

 

>>>バランスを立て直せないまま、イプシロンの追撃が襲い掛かる―――

 

ドォォォォン!!

 

みく「す、凄いにゃ……全部、一人で破壊した、にゃぁ………」

 

智絵里「…っ! と、止まった…… コントロール、ようやくできますっ」

 

未央「Vモードとかいうのも、終わったみたいだね……」

 

>>>智絵里のCCMは元の形に戻っていた。

 

小梅「ま、負けちゃった……でも、楽しかった……かも。ふふふ」

 

小梅「また、遊ぼう…ね? それじゃ……」

 

>>>小梅がブレイクオーバーしたジョーカー達を回収し、ゲームセンターを去って行った。

 

智絵里「イプシロン…いったい、どうなっちゃったの?」

 

>>>イプシロンは、ただそこに、何事もなかったかのように、佇んでいるだけだった……

 

 

 

 

>>>続

 

<< オタクロスのオタ知識 >>

 

オタクロス「オタクロスのオタ知識、デヨ!」

 

オタクロス「今回は、こちらデヨ~!」

 

< イプシロン(智絵里専用カラー) >

 

オタクロス「智絵里たんの使ってるLBX…その名も、イプシロン(智絵里たんカラー)、デヨ!」

 

オタクロス「謎の人物・Kから送られてきた、ホントーに謎に包まれすぎてる正体不明のLBX!」

 

オタクロス「メタルナックルという貧相な武器しか同封されていなかった為―――」

 

オタクロス「―――智絵里たんは暫くの間、近接攻撃のみで戦っていたんデヨ…」

 

オタクロス「そして今回、なぜかVモードが発動したんデヨ!これはいったい……!?」

 

オタクロス「そんなイプシロンの秘密を、これからも要チェック・デヨ~!!」

 

オタクロス「では、次回もお楽しみにデヨー!」

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