<< 第6章 皇帝を追い求める者 >>
―――――女子寮前―――――
未央「おー、凄いね! 今週のLマガ!!」
みく「TO社から、また新製品が出てるにゃ…ごくり」
スタスタスタ………
智絵里「あっ。 ふたりとも、おつかれさまですっ」
未央「おっ、ちえりん!おっかえりー!」
みく「みく、今日現場で聞いたにゃぁ。アスカチャンに勝ったって本当にゃ?」
未央「私達、あすあすとは勝ったり負けたりなんだよー」
みく「そんなアスカチャンに初見で勝っちゃうなんて、さすが智絵里チャンにゃあ!」
スタスタスタ………
比奈「あれ?皆さんお疲れーっス」
比奈「そんな廊下でずっと突っ立ってたら体冷えちゃうっスよ~」
未央「あっ、比奈先生だ!!」
比奈「えっ?? どうかしたんスか?」
みく「比奈さん!今日この後、お時間はありますかにゃ!?」
比奈「アニメ見たり漫画片付けたりするだけなので、ありまスけど……?」
―――――比奈の部屋―――――
比奈「へぇ…智絵里ちゃんもLBXやり始めたんスかぁ~」
未央「もうびっくりするくらい強くて!」
みく「初心者とは思えないにゃぁ!」
智絵里「ふぇっ、ふたりとも言い過ぎですっ」
比奈「思い出深いっスねぇ、LBX……結構頑張ってたんですよ、ちょっと前」
未央「お噂はかねがね……で!先生のLBXエピソードが聞きたいですっ!」
比奈「いいっスけど……結構地味っスよ?内容は」
>>>そう言って比奈は、ケースに飾られた1体のLBXをそっと手に取った。
>>>そのLBXにもケースにも、チリ一つ付いておらず、大事にしているのが一目で分かる。
比奈「これがアタシの努力の結晶……みたいなモンっス」
未央「おぉー……なんか凄い…見た目だけで強そう……!」
みく「こんなカスタマイズ見た事ないにゃ………」
比奈「カスタムネームは<ルシフェレックス>っス」
比奈「……神谷重工の御曹司、知ってます? 凄腕のLBX使いなんでスよ」
みく「確か……神谷、コウスケ?とかいう人だった気がするにゃ」
未央「何かの雑誌のインタビューで私も見たかもー」
未央「確かLBX工学を学びに海外留学してたんだよね、その人」
未央「才能は神から与えられる、とか何とか言ってた気がー……」
比奈「たぶんアタシも見た雑誌っスね、それ」
比奈「それで思ったんスよ。凡才だってやれば出来るんだって見せつけたいって」
比奈「あのキザ男の専用LBXはルシファー。雑誌で何度も紹介されてるっス」
比奈「どうにか近いものを作りたくって……パーツ掻き集めたんスよ」
比奈「カラーリングとかも塗料で変えて…雰囲気、出てまスか?」
未央「そう言われてみれば!」
みく「すっごい出てるにゃあ!」
比奈「特にHDは迷いましたね~……全然違うのを持って来たかったので」
未央「―――!! こ、これ…! もしかして!!」
みく「未央チャン?どうしたのにゃ?」
未央「破壊王G-LEX!郷田さん専用限定カラーのGレックスのHDパーツ!?」
未央「私ちょうど仕事で買いに行けなかったんですー……」
みく「比奈さん、未央チャンは大の郷田さんファンなんですよ」
比奈「あー…そうなんスかぁ。でもこれは、申し訳ありませんけどあげられないっスよ」
未央「わかってますって!先生の大事なLBXなんですから!……ですよね?」
比奈「えぇ。この子…ルシフェレックスを使って、随分バトルした時期もあったっス…」
比奈「さて…! この子で久々に遊びますか、ねぇー」
未央「え…!? バトルしてくれるんですか先生!!」
比奈「アタシの話を聞いてくれたお礼でスよ。このアタシが相手で良ければ……」
みく「どうするにゃ? 誰が比奈さんと組むにゃ?」
比奈「ふっふっふ…! 3人まとめてかかっておいで、というヤツっスよ!」
智絵里「え、えと…それ、ズルじゃないですか?」
比奈「酷いっスねぇ智絵里ちゃん、このアタシを舐めるなんてー」
智絵里「……えっ! いえっ、そういうつもりではなくてっ」
比奈「じゃあ決まりっス!3対1で行くっスよ!!」
未央「という事は、スタンダード?いや、ストリートですか?」
比奈「やられたらそこでおしまい……ストリートで行くっスよ!」
みく「あのあの、作戦タイムいいですかにゃ~?」
比奈「もちろん、好きなだけどうぞっス……ふっふっふ」
――――――――――――――――――――
みく「どうするにゃ?かなりの強キャラ臭がするのにゃ!」
未央「私達二人でタッグ組む時は、みくにゃんが牽制だし―――」
智絵里「難しい作戦とかっ、あんまりわかんないんだけどっ」
未央「よし!じゃあ私とみくにゃんで引きつけよう!」
みく「智絵里チャンは隙を見て、比奈さんに攻撃を仕掛けるにゃ!」
智絵里「わ、わかりましたっ!」
未央「よし、じゃあそろそろ始め―――――」
智絵里「あっ、あの――――っ」
みく「んにゃ? 智絵里チャンどうかしたのかにゃ?」
智絵里「何でもいいんですけど、片手銃…貸してもらえますか?」
智絵里「できれば、機関銃<マシンガン>タイプがいいんですけど……」
未央「オッケー★ んじゃ、これでいい?」
>>>未央が智絵里に、<キングスハート>を手渡した。
>>>キングスハートは、威力180で軽く扱いやすい片手銃(機関銃タイプ)だ。
智絵里「未央ちゃん、ありがとうっ」
未央「一応色々武器持ち歩いてるけど、それ使わないからあげちゃうよっ!」
智絵里「いいのっ? だ、大事にするねっ」
――――――――――――――――――――
比奈「フフフ……作戦の方針は決まったようでスね!それでは始めるっス!!」
比奈「ルシフェレックス、美しきバトルを見せてやるっスよ…!」
未央「暴れるぞーっ、ウォーリアーM!!」
みく「よしっ、クノイチ出陣だにゃ!」
智絵里「お願いっ、イプシロンっ!」
<フィールド:地中海遺跡>
バ ト ル ス タ ー ト
比奈(智絵里ちゃんのLBXは、見た事無いっスねぇ……)
比奈(サイバーランスかどっかの、ナイトフレームっスかねぇ?)
比奈(そういえば未央ちゃんのウォーリアーも、何か違和感が……)
<荒木比奈・LBX-ルシフェレックス―――パーツ構成>
HD:破壊王G-LEX
BD:オリオン(黄)
AM:オーディーンJ
LG:ミネルバ改(黄)
比奈(これは……ひさびさにエキサイティングなバトルになりそうっスねぇ…!)
<比奈操作・ルシフェレックス装備一覧>
装備枠1:ヘブンズエッジ(剣)、天帝ネメシスシールド(盾)
装備枠2:素手
>>>さっそく未央が、両手銃でルシフェレックスを狙う。
>>>その隙に、みくのクノイチと智絵里のイプシロンが近づくのを試みる。
比奈「そんな事する必要ないっスよー?」
比奈「真正面からぶつかり合って、熱いバトルにしましょう…!」
>>>…と、ここで比奈のCCM操作が激しくなった。
>>>武装は剣と盾のみ。
>>>しかし比奈は、イプシロン達めがけて、ルシフェレックスをためらいなく突っ込ませた!
―――キィィィィンッ!!
比奈「おや?」
>>>そこに割って入ったのは、遠距離から攻撃していたはずのウォーリアーMだった。
未央「遠くからチマチマやってるだけなのは、私の性に合わなくってね!」
未央「先生!私もマジで行くからね!!」
>>>未央のウォーリアーMは、その大剣「破岩刃」(はがんじん)で、
>>>比奈のルシフェレックスの剣をしっかりと受け止めていた!
比奈「臨むところっスよー!」
比奈(さすがは仲良し3人組……なかなかの連携プレーっスねぇ……)
比奈(でもそれだけじゃ、このルシフェレックスの美しさを止める事は出来ないっスよ!)
未央「みくにゃん!」
みく「任せるにゃぁ!」
>>>みくのクノイチがクナイで追撃する。
>>>未央の防御から一転、2人の戦い方は攻撃に特化したものに変わった。
>>>未央の重い一撃を放つまで、みくが牽制をかけ時間を稼ぐ。
>>>2人の息はピッタリで、まさに絶妙なコンビネーションといえた。
比奈(フフフ…そろそろっスねぇ~……Cゲージが溜まるまで)
<ルシフェレックス・C(チャンス)ゲージ:5到達>
比奈「その美しさに跪け、なんて言っちゃったりして!」
比奈「必殺ファンクション……デビルソード!!!」
<ルシフェレックス・C(チャンス)ゲージ:3消費>
みく「ふにゃあ!避けられないにゃ!!」
\ ピコーン! /
>>>至近距離からの必殺ファンクションを受け、みくのクノイチが戦闘不能に……
比奈「まだまだっスよ! チャンスリチャージを3個一気に使用!」
<ルシフェレックス・C(チャンス)ゲージ:5到達>
未央「っ! まずいっ、ちえりん危ない!!」
>>>未央がウォーリアーMで、イプシロンを突き飛ばした。
>>>とっさに、イプシロンを庇ったのだ。
比奈「必殺ファンクション!!」
<INFO:アタックファンクション・セラフィックウィング>
未央「ちえりんー、あとはお願いー!!」
\ ピコーン! /
比奈「ありゃー。随分あっさり勝負がつきそうでスねぇー」
未央「そんなことありませんよ先生!」
みく「そうだにゃ! みく達は、智絵里チャンを信じるにゃぁ!」
智絵里「いきますよ……比奈さん」
比奈(さっきから見ていれば智絵里ちゃんは、CCM操作も覚束ない……)
比奈(明らかに素人。 他の二人の方が経験は積んでるはず……)
比奈(なのにどうして―――――)
智絵里「―――――むんっ」
>>>突如、智絵里のCCM操作が激しくなった。
比奈「必殺ファンクションでも使うつもりでスかぁ?」
比奈「そう簡単に、当たってはあげませんよ!」
>>>次の瞬間、イプシロンはダガーの片方を放り投げた!
比奈「それは投擲武器じゃないっスよー? 悪いっスけど、もっと勉強してから―――」
>>>ダガーの1本は、ジオラマの柱に刺さった。
>>>続けて智絵里が、イプシロンにもう片方のダガーを投げさせる。
>>>こちらもやはり、柱に刺さった。
>>>先程刺さった柱よりも上……ジャンプして何とか届くくらいの位置に。
>>>そして、その先には―――――
>>>ウィングで浮遊する、比奈のルシフェレックスが!
ピッ ピッ ピピピピピピピッ!!
>>>智絵里のイプシロンが地中海遺跡のジオラマを駆ける。
>>>階段を駆け上がり、跳び上がってダガーの1本に足を掛ける。
>>>そして勢いよく踏み抜き、その反動で上昇。
>>>もう片方のダガーにも足を掛け、思い切り蹴り上げてルシフェレックスに急接近した。
>>>そして、機関銃・キングスハートでルシフェレックスの左翼を撃った。
比奈「なんでスかぁ、拍子抜けっスよ~」
比奈「てっきりもう一方の装備も近接かと思って、身構えたんスよ?」
比奈「でもそんな銃撃じゃ、アタシのルシフェレックスは―――」
>>>さっき智絵里が思い切り踏んで柱から外れた、ダガーが舞い上がって来ている。
ピピピピピピピピピピピピッ!!
>>>智絵里のCCM操作が、更に激しさを増す。
>>>イプシロンは空中で回転しながらダガーを回収。
>>>そのまま、倒れ込むようにして比奈のLBXを全力で斬りつけた!
比奈「うわっ、ととと……でも、この程度じゃ」
ピピピッ
智絵里「―――必殺、ファンクションっ」
>>>イプシロンはまたダガーを、今度はルシフェレックス目掛けて投擲した。
「自分から近接武器捨てちゃって、どうするって言うんスか―――」
>>>軽く打ち払う比奈。 しかし………
<INFO:アタックファンクション・ブラッディーレイン>
比奈「―――――なっ!?」
>>>今度の投擲は、ただの時間稼ぎだったのだ。
>>>本命は片手銃の必殺ファンクション……ブラッディーレイン!!
ダダダダダダダダダッ!!
比奈「ま、まずいっス! LPが―――――」
>>>比奈がそう呟いた時だった。
\ ピコーン! /
比奈「え…………?」
>>>智絵里はもう既に、次の行動に移っていた。
>>>銃を捨て、素手になったイプシロン。
>>>高速で、ダメージを受けた比奈に接近し、即座にダガーを拾い上げ……
>>>比奈がLPを確認して慌てた隙に、切り裂いたのだった。
智絵里「はぁっ……はぁっ、はぁっ……か、勝てましたっ」
比奈(急に…覚醒したみたいに、動きが良くなって……!?)
比奈「唖然ってやつ、っスね……智絵里ちゃん、とんでもなくセンスあるっスよ…」
未央「ダガー投げた時は、びっくりしたよ~!」
みく「でもみくのクノイチ達のかたきを、ちゃんと取ってくれたにゃ!」
未央「やっぱりちえりんは強い!未央ちゃんも感動だー!」
智絵里「比奈さんっ、ありがとうございましたっ」
比奈「お礼を言うのはアタシの方っスよ~」
比奈「またバトルしてくださいっス。次は負けませんよ?」
智絵里「わ、わたしもっ、負けませんっ」
――――――――――――――――――――
比奈「それじゃ、またー。皆さんおやすみなさいっス」
3人「「「おやすみなさい」」」
バタン…………
比奈「何なんスか……、何なんスか、アレ………」
比奈「智絵里ちゃん……何かとんでもないものを秘めてるような気がしたっス……」
比奈「恐ろしい…っス」
>>>続
<< オタクロスのオタ知識 >>
オタクロス「オタクロスのオタ知識、デヨ!」
オタクロス「今回は、こちらデヨ~!」
< ルシフェレックス >
オタクロス「比奈たんの使ってるLBX…カスタムネームはルシフェレックス、デヨ!」
オタクロス「ルシフェル…つまりルシファーを自力で作ろうと比奈たんが頑張ったのデヨ」
オタクロス「まさに努力の結晶デヨ!!」
オタクロス「ちなみに未央たんが食いついてたHDパーツは、破壊王G-LEXのヘッド!」
オタクロス「なにげに激レアパーツなんデヨ?」
オタクロス「そんなこんなで、比奈たんのルシフェレックスから、これからも目が離せないデヨ!」
オタクロス「では、次回もお楽しみにデヨー!」