ダンボール戦機 C(シンデレラ) 09
<< 第9章 新アングラビシダス、開幕! >>
―――――ミソラ商店街―――――
未央「ついに来たね……この日が!」
飛鳥「新生アングラビシダス……さて、どんなものかな」
みく「負けにゃいにゃあ……!」
智絵里「でも、不謹慎かもしれないけど、ちょっとワクワクしますっ」
未央「よーし、それじゃあ会場へ行ってみよー!」
みく「場所はココ、喫茶店ブルーキャッツの……地下にゃ!」
飛鳥「さあ、行こうか―――――」
――――――――――――――――――――
未央「うわ~、人でいっぱいだねー」
智絵里「会場に誰か上がっていきます……」
みく「あっ、アレって…仙道ダイキだにゃ!」
………
仙道「お集りの諸君、ようこそ。新生アングラビシダスへ!」
仙道「オレは仙道ダイキ……この大会の主催者だ」
仙道「当然理解しているとは思うが、この大会の趣旨を説明しよう!」
仙道「それは……優雅で、華麗に、狂おしいほどに舞え、だ!!」
仙道「いくら勝ったとしても、優雅さが足りないと判断した場合―――」
仙道「このオレが、主催者権限で―――失格にさせる!!」
>>>凄いブーイングが起こったが、仙道は顔色一つ変えない。
仙道「文句がある者が多いようだが…そういう輩は……」
仙道「…即刻、この会場から失せやがれ!」
仙道「ブーイングなんて品の無い事をする時点で、本来は全員失格にしたいところだが…」
仙道「…まあいい。文句があるなら出て行け、それだけだ」
>>>いつしか会場は、静まりかえっていた。
仙道「さぁ、優雅に!華麗に!狂おしいほどに舞え!」
仙道「レギュレーションはアンリミテッドのみ!」
仙道「お前達…優雅に華麗に、壊しまくれッ!!!」
ウオオ―――――ッ!!
未央「結局、破壊の祭典なワケね………」
飛鳥「違う違う、優雅な破壊の祭典だ」
みく「何かよくわかんなくなってきたにゃぁ……」
智絵里「それじゃあ…トーナメント表を見に行きましょっか」
みく「ふにゃあーっ!みく、いきなりアスカチャンと当たるにゃー!」
飛鳥「この勝負、もらったよ……みく!」
>>>こうして、生まれ変わったアングラビシダスが幕を開けた。
>>>みくは初戦敗退。 未央は2回戦敗退。
>>>智絵里は順調に勝ち進み……遂に、準決勝まで上りつめた。
仙道(あの智絵里ってガキ…危なげなく勝ち抜いてやがるな……)
仙道(それでいて、中々に美しい舞い方だ……気に入ったぞ)
仙道(しかし、次の相手は………ククククク)
仙道「…隠者(ハーミット)、か。さて、隠し事をしてるのは、どちらかねェ…?」
―――――タイニーオービット開発室―――――
>>>そこにはTO社社長の宇崎拓也と、開発部副主任・結城研介の姿があった。
宇崎拓也「この大馬鹿者!!」
結城研介「すっ、すみません社長!」
拓也「スタンフィールインゴット及び、高速成型機の無断使用………!!」
拓也「本来なら、即刻クビにしてもいいくらいの不祥事だが……」
拓也「このまま<ソレ>を、野放しにしておくのはマズイな…」
拓也「常にモニターしてるんだろう?今、ソレはどこに……?」
研介「えっと……えぇっ!?これは―――ブルーキャッツの地下です!」
拓也「そうか…!今日は仙道がアングラビシダスを………!」
拓也「Vモードの危険性もある!直ちに制御プログラムを持って会場へ向かえ!」
研介「はっ、はい社長っ!!」
タッタッタッタッタッ……ウィ――ン
拓也「まったく……結城のやつめ」
拓也「彼の事は信頼していたんだが、な………はぁ」
拓也「一応、オレの方からも仙道に連絡を入れてみるか」
Prrrrr………
――――――――――――――――――――
仙道「なんだ、宇崎拓也。このCCMのアドレスが誰のものか分かっているのか?」
仙道「新アングラビシダス主催の、仙道ダイキ様のCCMだぞ?」
拓也「そんな事は分かっている。仙道、確認してもらいたい事があるんだ」
仙道「確認…? またテロ組織がどうのとかいう話か?」
拓也「そうじゃないが、とにかく確認してくれ」
拓也「イプシロンというLBXを探してほしいんだ」
仙道「なんだ?聞き覚えが……いや、無いと思ったがある気もしてきたな」
拓也「間違いなく所有者は1人だけだ。今そちらにイプシロンのデータを送る」
仙道「……うん? ほう、このマシンは……間違いないな」
拓也「なに、もう見つかったのか!?」
仙道「今から準決勝だ。そこで対戦するガキが、持っている」
仙道「このデータの画像と、色は違うが……間違いないだろう」
拓也「なら、試合を始めるのを少し待ってくれ!」
仙道「何をする気だ?オレ主催の大会に水を差そうってか?」
拓也「そうじゃない、とにかく危険なんだ!」
仙道「…断る。 今のところ、ヤツは見事な優雅さで勝ち上がって来ている」
仙道「オレは止めない。止めたくないんだ。ヤツのLBXをもっと見ていたい!」
拓也(ちっ……これ以上、仙道に何を言っても無駄か……!)
拓也「分かった……だが万が一という事もある。俺の部下がそちらに向かっている」
仙道「試合の邪魔さえしなければ、問題は無いさ」
仙道「じゃ、オレは試合観戦に集中したいからな、あばよ」
……Pi!!!
拓也「急げよ結城……何かあった後じゃ、許さないからな……!」
――――――――――――――――――――
仙道「フム。 始まるな、ショータイムが……!」
智絵里「準決勝の相手って……!」
唯「やっほー♪ 唯だよー!」
智絵里「唯ちゃんも、アングラビシダスに…出てたんですかっ!?」
唯「そうだよーっ!大会っていうのに、前から出たくってさー♪」
唯「容赦はしないよっ!いっけー、ゆいちゃんSP<スペシャル>!」
>>>唯が、自分のLBXを投下した。
智絵里「わたしもっ……! お願いっ、イプシロンっ!」
<フィールド:岩山>
バ ト ル ス タ ー ト
<<ゆいちゃんSP(クノイチC)パーツ構成>>
HDパーツ:クノイチ(赤)
BDパーツ:シャルナック(赤)
AMパーツ:ZX3参号機(赤)
LGパーツ:ZX3参号機(黄)
>>>唯がランス・紫天棍(してんこん)を構えて突進する。
>>>しかし、智絵里がとっさにダガーを打ち付け、これを防ぐ。
唯「いいね、いいね、楽しいよね!ヒートアップしてきたー♪」
>>>唯のLBXが側転しながら距離を取る。
>>>心からバトルを楽しんでいる……そんな風に見えた。
>>>実際、彼女は全力でバトルを楽しんでいる。
智絵里(あのスピード、しかもあの身軽さ……パーツ構成は、ストライダーかな?)
智絵里(だったら撃たれ弱いはず…一発大きいのを、こっちが入れられればっ)
唯「そりゃあ―――っ!!」
>>>唯は武器を切り替え、二丁拳銃で智絵里を付け狙う。
<<ゆいちゃんSP・装備詳細>>
装備枠1:紫天棍(してんこん)・コマンドシールド
装備枠2:ビビンバードガン<2丁>
智絵里(あわわっ、避けないと……!)
唯「隠れたって無駄だぞー♪」
>>>唯は素早く武器を切り替え、再び棍棒を振るってきた。
>>>これも何とか防ぎ切り、距離を取った智絵里だったが―――
>>>距離が離れた途端、唯はまたビビンバードガンで容赦なく智絵里を狙う。
未央「あのちえりんが……後手に回ってる!?」
みく「唯チャン、強いにゃ!」
飛鳥「中々白熱するバトルじゃないか…主催者も、いい顔をしているね」
>>>会場を一望できる席で、仙道はニヤリと笑う。
仙道「優雅さを求めるのもいいけど、やっぱりアングラビシダスはこうでなくっちゃな…!」
仙道「あの<大槻唯>ってヤツ…データが全くないから、大会初出場か…」
仙道「ジオラマを縦横無尽に駆け回り、相手を翻弄して、倒す……」
仙道「……忙(せわ)しないが、程よい狂気を感じられる。 いいぞ、もっと壊しまくれ!」
>>>しかし、ここで戦局が動いた。
>>>唯が接近して振るった棍棒を真正面から受け止めた智絵里。
>>>そのままイプシロンが右足を繰り出し、棍棒を唯の手から引き剥がした!
唯「やっば、やるじゃん!……なーんて、ね!!」
>>>唯は尚も余裕の表情で、冷静に武器を切り替える。
>>>残る武器は、ビビンバードガン2丁。
>>>しかし智絵里には、これに対する……対抗策があった!
>>>それは―――――
智絵里「ていっ―――――」
>>>「投擲」だ。 ブリザードエッジを2本、唯の両手目掛けて放り投げた。
>>>狙いは完璧に成功し、唯の両手から銃が零れ落ちた。しかし―――――
唯「はいはーい♪お借りしまーす!」
>>>なんと唯は宙に舞った智絵里のダガーを回収して自分に装備し、それを振りかざして突進してきた!
智絵里(う…ウソっ!?)
>>>慌てて銃<キングスハート>に持ち替え、銃撃とともに後退する智絵里だったが―――
唯「隙あり―――――!!」
>>>唯が放った無数の斬撃に襲われた、イプシロン。
>>>キングスハートは手から離れ、LPも減少。
>>>イプシロンは、大きく後ろに飛ばされ、ジオラマの岩に激突した。
>>>―――――その時だった。
>>>CCMの両脇が開いて拡張され、変形し、レーダーのようなものが現れた!
<INFO> {V-MODE} Start Up...
智絵里「ま、まずいですっ、またVモードが……!」
唯「へっ?何なの何なの!? いきなりどうなっちゃったの?そのCCM!」
智絵里「唯ちゃん、逃げて下さいっ! わたしのLBXが、暴走してますっ」
唯「暴走?ま、いいじゃん!このまま戦うぞーっ!」
智絵里「ええっ!? 唯ちゃんっ」
唯「試合中に暴走とかマジでイレギュラーでテンション上がるぅー♪」
>>>イプシロンが高速で唯の目の前まで移動し、素手で殴り飛ばした。
>>>が、これに臆することなく、唯も智絵里から拝借したダガーを構えて応戦する。
>>>しかし、一体どれだけ高性能なのか、唯の攻撃は掠りもしない……
唯「強いねー、早いねー!でも、負けないよーっ!!」
>>>唯はそれでも諦めず、アッパーや横薙ぎ、様々な攻撃を繰り出し、イプシロンに命中させていく。
智絵里「ごめん、わたし何も出来なくてっ」
智絵里「イプシロンを、止めてあげて……っ!!」
唯「手強いなー…! それなら、これだぁっ!」
>>>素早い動きで岩山に登った唯は、棍棒でイプシロンの隙を突こうとする。
唯「うりゃーっ! ……あ、あれっ!?」
>>>なんとイプシロンが、迫りくる棍棒を両腕でガッシリと受け止めた!
>>>そしてそのまま棍棒を奪い取り、唯のLBXの頭上から思い切り叩きつけた。
唯「うっぎゃー!こっちも武器取られたしー!最悪~!!」
唯「……でも、面白くなってきたじゃん!」
唯(とは言ったものの…銃弾かれて棍棒取られて……ちょっとマズイかも~)
唯(この武器じゃ、必殺ファンクションは打てないんだよねー……)
仙道「ほう?あのイプシロンとやらが、暴走状態に入ったか……」
仙道「宇崎拓也が危惧していたのは、これか……?」
仙道「まあ良い、面白ければ、そして強ければ、何でもありだ…!」
仙道「<新生アングラビシダス>何て言ってみたものの……」
仙道「蓋を開ければ結局破壊の祭典さ!ククク……ハハハハハハ!」
仙道「最高だ!狂おしく舞え! もっとその戦いを…オレに見せつけろ!!」
智絵里(駄目…っ、イプシロンが頑張ってくれてるし実際に強い、けど……っ)
智絵里(何とか暴走を、止めたい……っ!!)
…ピロリロン
智絵里「なっ、なに?」
智絵里「なにこれ、受信…?プログラム? な、なんだろう……」
唯「ゆいの棍棒返せーっ!!」
ビュンッビュンッ
>>>唯のダガー攻撃を、イプシロンは紙一重で躱しながら槍で応戦する。
智絵里「何なのっ…? えぇい、わかんないけど……プログラム実行っ」
<INFO:デストロイファンクション解除 コントロール可能>
ピ、ピ、ピ………ピコーン!!
智絵里「や、やった…! コントロールできるっ、できるよっ」
唯「ゆいの棍棒返せってばー!!」
智絵里「コントロールできれば……わたし負けないっ!」
>>>智絵里はバックステップで距離を取り、唯の棍棒を構え直す。
智絵里(私の銃は弾き飛ばされ、ダガーは唯ちゃんに取られた……)
智絵里(そして唯ちゃんの銃も私が弾いて、棍棒は私が………)
智絵里(今の状況だと、わたし達はどっちも必殺ファンクションを打てないはず…)
智絵里(それなら―――――!)
唯「ゆいの棍棒を、早く返せーっ!!」
智絵里(今のイプシロンなら、出来る……!)
>>>智絵里は棍棒を回転させながら、唯のLBXの胸部に、めり込ませた!
唯「う、うっそぉ………!?」
>>>動きが止まり、ブレイクオーバー寸前の唯からダガーを回収。
>>>ダメ押しにと、智絵里は必殺ファンクションを放つ!!
智絵里「必殺ファンクションっ」
<INFO:アタックファンクション・炎(ホムラ)崩し>
ドォン! ドォン! ドゴォォォォン!!!
仙道「ほう…大槻唯はブレイクオーバーか………」
仙道「―――よって、勝者は緒方智絵里!決勝戦進出だ!」
唯「智絵里ちゃん強かったー!でも、楽しかったー♪」
唯「はいコレ、あげる!」
<コアパーツ:ライフガーダーⅡ を 受け取った!>
唯「ゆいは負けちゃったからねー♪有効活用してちょー★」
>>>大槻唯はLBXを回収すると、軽やかな足取りで会場を去っていった。
未央「ちえりーん!見てたよ!!」
みく「凄かったにゃあ、唯ちゃんとのバトル!!」
智絵里「あ…ふたりとも、ありがとうございますっ」
智絵里「あれ……?飛鳥ちゃんは?」
未央「あすあすも今準決勝!勝てたらちえりんと対決だねっ!」
ワーワーワーワーワー
みく「何にゃ?なんか騒がしいにゃあ」
未央「きっと決着がついたんだよ!」
智絵里「あ……!飛鳥ちゃんっ」
スタスタスタ………
飛鳥「智絵里か……その表情だと、勝てたみたい……だね」
智絵里「え……飛鳥ちゃん、は…どうだった、の?」
飛鳥「負けた。ボクの敗北だ……」
飛鳥「まさかあんな大物が、この大会に出場していたなんて……」
未央「あすあす……いったい、誰とバトルしたの?」
飛鳥「………佐藤心さん、彼女だよ」
3人「え……?」
>>>続
<< オタクロスのオタ知識 >>
オタクロス「オタクロスのオタ知識、デヨ!」
オタクロス「今回は、こちらデヨ~!」
< ゆいちゃんSP >
オタクロス「唯たんが使うカスタム機、その名もゆいちゃんSPデヨ!」
オタクロス「ZX3のパーツをたくさん使ってくれて、ワシも嬉しいデヨ~」
オタクロス「智絵里たんとはまた違った方向で型破りな戦い方をするデヨ」
オタクロス「ストライダーにもかかわらず強気な攻めで、準決勝まで勝ち上がってきたデヨ!」
オタクロス「そんなゆいちゃんSP!今後の活躍が気になるデヨー」
オタクロス「では、次回もお楽しみにデヨー!」