ある人は言った、人間死ぬ気で頑張れば出来ないことなんて無いと。
しかし、自分はそうは思わない。
いくら死ぬ気で頑張ろうが死んだ人間が生き返る訳でもないし、時間が巻き戻ったりする訳でもない。
これらを理解するのにそう時間は掛からなかった。
あれはまだ自分が小学生の頃、両親が交通事故にあったのだ。
当時の事は19歳になった今でもよく覚えている、あの光景も、匂いも、絶望感も。
それからしばらくして自分は親戚の家に引き取られることになったが、そこからは今はあまり語りたくはない…。
『次は沼津駅でございます』
うとうとしながら電車に揺られていると駅員のアナウンスが聞こえる。
そろそろ、目を覚ます時間だろう。
エピソードⅠ:ただいま
―――時刻は午後2時を過ぎ自分は今、目的地へ向かう為、静岡県沼津市の海岸沿いを歩いている。
「ここも随分久しぶりだな」
10数年ぶりの沼津は相変わらず子供の頃のままで、自分を待っていてくれていたかの様に感じてふと、言葉がこぼれてしまった。
「待ってよー早すぎて追いつけないよー!」
「遅いのが悪いんだよ~」
「待ってあげようよー」
遠くでは地元の子供たちが楽し気に遊んでいる。
そういえば、あの娘達は何をしているのだろうか。
自分が親戚の家に引き取られる前まで一緒に遊んでくれた大事な親友達と、遠くで遊んでいた地元の子供たちを重ね合わせてしまって、今口元が少し緩んでるかも知れない。
それからしばらく歩いていると、目的地が見えた。
「神崎呉服店…。」
そう言い放ち店の前に立つと(閉店)その2文字だけ無造作に書かれている紙のみが目の前の現実を再確認させてくれる。
「閉店…か…。」
年季が入ったドアノブに手をかけ扉を開くと、待っていたのは暗い店内、埃まみれのショーケース…。
少し心が痛くなったが、考えることを辞めるように、無心で片づけを始める事にした。
「こんなもんかな」
掃除を終えるころには外は日が沈みはじめており、一歩外に出ると少し肌寒い。
あたりまえだよな、海、近いし。
「夜ごはんどうしよ…なにも買って無かった。」
・・・。
「おにぎり、何食べようか…」
気づいたらコンビニに居た。
腹が減っては戦はできぬ、この言葉は信じても良い。だって本当だもの。
呉服店から中々の距離があるこのコンビニ、昔は父さんと良く来てたっけ、今になっては懐かしい思い出だな。
コンビニを出て、買ったアイスを食べながら色々考える。
そういえば、こうして考え事をしながら歩くことも増えた気がする、昔は隣に親友達がいて、何気ない会話で盛り上がって、楽しかったな。
その時だった。
「またねー曜ちゃん!千歌ちゃん!」
浜辺の方から聞いたことのある名前が聞こえる。
「曜ちゃん、千歌ちゃん…。」
どこかで聞いたような…。
考えている間にも石段を1歩ずつ駆け上がってくる足音が段々と近づいてくる。
「「えっ…。」」
そんな自分の前に現れた2人の女の子は、どこか懐かしくて…。
でも、昔から知っている…。
「「おかえりハル君!!」」
どんな時でも笑顔が似合う、自分の大事な幼馴染だった。
「……ただいま、二人共」
千「私の出番これだけ!!?」
曜「私もであります!!」
作「いやホント、すいません、次話には沢山出します」
千・曜「「ホントに!!?」」
作「う、うん、本当、、。」
春「大変だな、、、。」
1話目中々急ぎ足な文章になってしまった事お許しくださいorz
誤字脱字報告・感想等頂けると嬉しいです(^o^)
次回作もお楽しみに!!