雪ノ下雪乃の妹   作:Ginkaaaaaa

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 最近、急激に寒くなってきましたね。皆さんも体調にはお気をつけてください。

 一日遅れ、申し訳ないです。
 でも仕方ないんです、眠かったんです、寒かったんです。

 評価バーが赤くなってました、驚いた(小並感)

 ルーキー日間に載ってました、驚きました(小並感)

 両方とも皆様のおかげです。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。




EP.4 彼らはそうして考える。

 

「とは言っても、具体的にはどうすればいいんですかね」

 

 高らかに宣言する平塚先生を見ながら俺はそう言う。

 

 現状を見る限り、雪ノ下夏乃をこの奉仕部へ入部させることは不可能に近い。

 あいつが雪ノ下をどう思っているのかはよく分からないが、先ほどの態度を見るにいいようには思っていないことは明らかだろう。

 

 仲直りすればその限りでもないはずだが、そもそもそんな簡単に仲直りできているならこんな状況にはなっていなかったはずだ。

 

「正直、今回の依頼は今までやってきた中でも特に難しいと思いますよ。そもそもマイナスから始まっている。それにそのマイナスをプラスにする方法は限りなく難しい」

 

 今回の一件で、平塚先生とこの奉仕部に対していい印象を持っているはずがない。

 それにあの敵意を込めた目、間違いなくこちらを敵として認識している。

 

「この条件であいつを入部させるのは至難の業、としか言えませんよ」

 

 というかほとんど無理。難易度的に言うなら、RPGのラストまで一度もエンカウントがないまま行くレベルで無理。

 俺のこの一言に、場は完全に静まる。

 平塚先生も難しい顔をしながら目をつぶり、雪ノ下も完全に意気消沈している。由比ヶ浜は、おろおろとしている。

 

「そろそろ夏休みだし、それを利用するってどうかなっ!」

 

 この空気に我慢できなくなったのか、由比ヶ浜がそう提案する。

 

「そういえばそろそろ夏休みだな。……で、それでなにをやるんだ?」

 

 確かにそろそろ夏休みだ。それを利用しようとする由比ヶ浜の提案自体は悪いものではない。だが、その夏休みをどう利用し、雪ノ下夏乃をこの奉仕部へ入部させるか、というのがこの依頼では一番大事だ。

 

 

「それは……」

「そもそもだ。どうやってあいつを夏休みに誘うんだ?」

「ううっ……」

 

 そもそも前提条件からして怪しいのだ。

 どうやってあいつを夏休み中に誘うのか、敵視されているのは間違いないのだから断られるのは間違いないのだろう。

 

「ふむ……。それに関しては私に任せたまえ」

 

 嫌な予感がするんですけど……、今回は平塚先生に頼るのも悪くないだろう。

 

「では任せます」

 

 意気消沈状態だった雪ノ下が復旧したのか、平塚先生にそう返す。

 

「では私は一度職員室に戻る」

 

 どういうと平塚先生は部室から出ていく。

 

「では私たちも今日は解散にしましょうか」

「そうだな」

 

 雪ノ下の提案にのる。

 時計を見るとすでにいつも終わる時間を過ぎていた。

 

 いそいそと支度をし、カバンを持って部室から出る。

 

「比企谷くん」

「あ?」

 

 声を掛けられて足を止め、振り返る。

 

「また……明日」

 

 雪ノ下からかけられた声になんて答えればいいのか、すぐに思い浮かばなくて、

 

「お、おう」

 

 そんな感じの返事しかできなかった。

 

 

 

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 

 

 最悪。

 最悪、最悪、最悪、最悪。

 

 

 よりにもよって会いたくないやつ筆頭に会うとは思っていなかった。

 雪ノ下雪乃。書類上では私の姉に当たるそいつは、久しぶりに会ってもあまり変わっていなかった。

 

 数年前、私が渡英する少し前に喧嘩して以来の会合で、顔を見るたびに昔のことを思い出す。

 その度に、胸が熱くなって感情が高まる。我ながら子どもみたい。

 

 数年前、言われたあの言葉はいまだに私の中で渦巻く。毒のようにじわじわと、呪いのようにいつまでも、私を苦しめ、悩ませ、そうして冷静な判断をできなくさせる。

 

 放課後の図書室で一人ため息を吐く。

 

 外を見ればもうすでに日が傾いてきているのか、だんだんと薄暗くなってきている。とは言ってもまだ十分明るいが。

 

「夏乃、少しいいか?」

 

 放課後の図書室でふと聞き覚えのある声を耳にする。

 声の方向を見れば、先ほど私に最悪の思いをさせた教師がいた。

 

「平塚先生ですか。一体なんのようですか?」

「もう七時になるぞ。いつまで学校にいるんだ、まったく」

「はぁ……? そんなことを伝えに来たんですか?」

「いや、本題はこっちでね。それは一応形式みたいなものだ」

 

 

 笑いながら言う先生の姿を見ると、悪い人には見えなかった。

 

「そろそろ夏休みだが、予定はあるか?」

 

 思い出したかのように本題を告げる平塚先生。

 そういえば、と思い今日の日付を思い出すとを思い出すと、すでに七月の上旬だった。

 

「いえ、まだ特に決まっていませんが」

「そうか、それはちょうどいいな。君に頼みたいことがある」

「はぁ……」

 

 平塚先生が手に持っていた一枚の紙を私に渡してくる。

 

「これは?」

「夏休みに行うボランティア活動だ。君に手伝ってもらいたい」

 

 紙を見ると確かにボランティアと書かれている。

 内容を要約すると小学生の林間学校のスタッフみたいな感じだ。

 

「私にメリットは何かありますか?」

「そうだな。一応内申点をあげてもいいことになっている」

 

 内心で釣るのはいかがなものだとは思うが、まあそれはどうでもいい。

 

「……そうですね。何を企んでるか分かりませんが、今回はその口車に乗ってあげましょう」

 

 

 きっと未来の自分はここで断っておくのがいいと言うだろう。なにせ嫌な予感がする。途轍もなく、途方もなく嫌な予感がする。

 

 

 

 ――それは最悪の形で当たってしまう。

 

 

 




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