とは言え、なるべく毎日投稿したいのも確かなので頑張ります。
夏休みもだんだん近づいてきた。周りのパリピも陽キャも目に見えるぐらいテンションが上がっている。そのためいつも以上に騒がしい。
だが、忘れてはいけない。
夏休みが近づいているということは、期末テストも近づいているということであることに。
学生たちの苦行の門であるテストという概念。俺は常日頃勉強しているから問題ないが(数学以外)、他の生徒はあまりうれしいとは思わないだろう。せいぜい苦しむがいい(数学赤点)
◇ ◇ ◇
放課後のチャイムが鳴り、今日の全ての課程が終わったことを告げる。
わいわいと騒ぎながらも各々がカバンを持ち、下校の準備をする。
それをしり目に俺も帰宅準備をする、というかした。
カバンを肩にかけてから教室を出ると、ちょうどあいつがいた。
「ん?」
「……あ」
お互いに顔を合わせて数瞬固まる。
相変わらず綺麗な顔をしている彼女は嫌でも雪ノ下の家の血を引いていることを分からせる。
「……比企谷八幡だよね? 奉仕部とやらの部室にいた唯一の男子生徒の」
「お、おう」
認識されていたのか……(歓喜)
話す限り特にこちらに対して悪い印象を抱いているイメージはなさそうだ。
綺麗な顔でじっと見つめてくる。美人に見つめられると照れる。
「…………腐った魚の目……?」
純粋無垢な瞳でそう言われた。
悪気は全くなさそうななのが余計に質が悪い。
「うるせぇ、これは生まれつきだ」
「それはともかく、どうして私の後ろについてくるの?」
本当にこいつ興味がないことはさらっと流すよな。こんなような出来事、つい先日もした気がする。
「昇降口こっちだろうが」
頭の上に?を浮かべた顔で数瞬、ああ、と納得した顔でうなずく目の前の彼女。
こいつ実は天然とかじゃねえのか?
「そういえば、今日は帰るのが遅いよな」
「まだ帰らないよ」
呆れたようにそう言う彼女は、ふと思いついたように手を叩いた。
「そうだ。えっと、八幡。図書室の場所を教えてくれないかな?」
「え? ……ああ、別にいいけど。どうして俺?」
風で靡いた髪をはためかせて、自嘲気味に笑う彼女はこう言った。
「私、知り合いいないのよ」
何とも悲しい理由である。
◇ ◇ ◇
「ここが図書室な。じゃあな」
図書室の場所をさっさと教え、帰ろうとすると襟を捕まれる。
「ちょっと待って。国語学年三位さん」
「ぐえっ」
まだ何か必要なんですかねぇ?
ていうかなんでそれを知ってるんでしょうか! 私、気になります!
「ちょっと前にやったテストの結果から推測しただけだよ」
「いや、心の中を読むなよ」
「読んでないよ。顔に書いてあっただけ」
図書室にある机に、カバンを置きながらそう言う彼女。
「で、お前は何が目的で俺を呼び止めたんだ?」
「お前じゃない。別に夏乃って呼んでもらって構わないよ」
「じゃあ、夏乃。何の用だ?」
ということで、名前を呼ぶようになったわけだが、雪ノ下じゃダメ……ですね。雪ノ下じゃ、姉のほうと被るな。
「少し勉強を教えてもらおうと思って」
「は?」
夏乃が? 俺に? 勉強を教えてもらうのか? 教える、じゃなくて?
「勘違いしてるようだけど、私は姉と同じように優秀というわけじゃないよ」
愁いを帯びた顔でそう言う夏乃。
「私は、姉たちと比べて平凡だからね。追いつくには人一倍努力しなきゃいけないんだよ」
椅子に座って、カバンの中から勉強道具を出しながらそう語る。
「だから、普段からちゃんと勉強しないとね。一日でも怠るとそれだけ差ができちゃう」
優秀な姉たちと、凡才の自分。
そんな生活をしていたら一体どうなるのか、なんていうのは予想ができる。
苦しんで苦しんで苦しんで。
そしていつか壊れてしまうのだろう。
「さ、さっさと始めましょう。時間は有限だからね、有効的に使わないと」
◇ ◇ ◇
期末テストも終わり、次の日。
今回は数学比較的に良かった気がする。教えてくれた夏乃に感謝をしないと。
テストもすでにほとんどが返ってきており、残すところ国語のみとなっていた。
「なんか気分がよさそうだね。どうしたの?」
「ああ、数学が赤点じゃなかったんだ。教えてくれてありがとな」
「別にいいよ。私も国語少し教えてもらったし。等価交換だよ」
とか言いながらも少し耳が赤くなっているところを見るとまったく素直じゃないな、と思う。
「それよりお前はどんな感じだ?」
「まったくもって最悪。満点が一切ない。これじゃ総合で負けるかな」
憎々しげに言う夏乃の姿を見ると、本当にこいつは雪ノ下に対して敵意を持っているんだな、と思う。
そういえば、そういえばだけど。
「どうしてお前は俺に構うんだ? お前は奉仕部を敵と思っていないのか?」
平塚先生に連れられて、雪ノ下夏乃は奉仕部へ来た。そこで因縁とも言える雪ノ下雪乃と出会い、そして間違いなく奉仕部へ敵意を持ったはずだ。
「ん? ああ、勘違いしてるわけね。私は奉仕部単体へは別になんとも思ってないよ。何か直接害を受けたわけではないし」
つまるところ、この言葉から推測できるのは。
「あの部室には雪ノ下雪乃がいた、それだけ」
つまり、今までのは俺の勘違いだったわけで。
あくまでも、雪ノ下夏乃が奉仕部に入らない理由は、雪ノ下雪乃がいるため。奉仕部に対しては特に何も抱いていない、ということなのか。
「まぁ平塚先生にも少し怒っているけどね」
あんなことされたのに少しだけなのか。
しかし、顔を見る限り嘘をついている気配は全くなさそうだ。
「さ、席に着いたら? そろそろ授業だよ。平塚先生に怒られたくないならさっさと準備しないとね」
最初にあった時と比べて、幾分も柔らかくなった笑顔と雰囲気。それはきっと見る者を惚れさせてしまうであろうもので。
――俺はこの時、初めて彼女の笑顔を見た。
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手紙編者
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非公開の方もありがとうございます。
ところで、名前に『さん』がついてる人って書くときも『さん』つけたほうがいいんでしょうか?
あと、感想はしっかり見ています。感想送ってくれた方、ありがとうございます。