主人公の喋り方を変更しました。
文章を一部変えました。
以上、報告終わり!
最近寒いな、と思ったら松岡修造がロシアにいるらしいです。
終了式が終わり、夏休みが来た。
とはいえ、夏休みでも規則正しい生活を心掛ける。そうしないと始業式の時に起きれずに遅刻してしまいそうだから。
時計を見れば六時ちょっと過ぎ。覚醒してない頭を目ざますために、洗面所に向かう。
洗面所の水道の蛇口を捻り、冷たい水を手ですくう。
「つめたっ」
思った以上に冷たく、脳は冴えた。だけど目がまだ重たくて、気を抜けばすぐこの場でも寝てしまいそうだ。
冷たいのを我慢し顔を洗い、歯磨きをして、鏡を見ればいつも通りの私。
「よし」
頬を叩き、今日一日の予定を頭の中に浮かべる。
毎日勉強をしているとかえって効率が悪くなるため、定期的に休暇を挟むのが大事だ。だからとりあえず今日は一日、やりたいことをやる。
「ん?」
歩こうと思い、足を動かそうとすると、なにやら気持ちのいい感触。そういえば、まだあの子に餌をあげてないな、そう思いながら下を見ると、案の定白いモフモフしたやつがいた。
「あ、ぴょん吉。どうしたの?」
ふんすっ、と言わんばかりにこちらを見つめるぴょん吉(♀)。
撫でてほしいのだろうか? そう思い屈んで撫でる。
「相変わらずモフモフしてるね」
撫でてあげると、ご機嫌がよくなってきたぴょん吉。音符を出している姿を幻視する。
そのまま抱きかかえてから台所に向かう。
「りんごがある。少し切ってからあげようかな」
あまり多くは与えちゃいないんだけどね。
抱えていたぴょん吉を下ろし、手を洗ってからりんごをまな板に置き、包丁を取り出す。
「切り方は……スティック状でいいかな」
皮を剥いてからトン、トンとりんごを切る。小指程度の太さのりんごを複数個切り終えて、残りのりんごは四分の一にして、別のお皿に盛る。
そのまま、冷蔵庫からたまねぎと、乾燥わかめ、豆腐、味噌と長ネギと鮭を取り出してから閉じる。
「ついでに朝食も作ろう」
◇ ◇ ◇
朝食を食べ終えて、後片付けを終わらして、テレビを見ていると携帯が震える。
「誰から?」
地味に座ったままじゃ届かないから、面倒だけど立ってから携帯を取り、メールを確認する。
『平塚静』
そう書かれていた。多分、というか絶対前聞いたボランティアのことだろう。
『おはようございます。朝早く失礼します。前にお伝えしたボランティアの日程を伝え忘れていたのでメールでお伝えします。
場所 千葉駅前のバスロータリー
日程………』
……誰?
平塚先生からきたメールだけどメールでの口調が、いつもの口調と違ってて別人から来たメールのように感じる。
日程のほうは理解したので携帯を閉じた。
横を見るとぴょん吉がこちらを見つめていた。
「どうしたの? 可愛いなぁ」
自然と頬が緩むのを自覚する。仕方ないね、うさぎ可愛いから。
撫でていたらぴょん吉がどこかへ行ってしまった。
仕方ないので今日はおとなしく本でも読んでようと思い、本棚に向かうところでふと気づいた。
そういえば、今日発売の小説があった。ということで、今日の予定が決まった。
◇ ◇ ◇
十分ほどバスで揺られてから目的の場所へ着いた。
アウトレットモールの中にある本屋に、目的の本がある。
本屋に入ろうとしたとき、ふと見知った影が見えた。
「八幡……?」
無意識につぶやいた言葉にその影がビクッと反応をしてから、周りをキョロキョロする。
「聞こえたんだ……、驚いた」
キョロキョロしている彼を見るのは少し面白いが、はたから見ればただの不審者、というか変質者に近い。知った顔が新聞に載ったら困るので、彼に近づく。
「こっちだよ、八幡。久しぶり」
私が声をかければ、驚いた顔をした八幡がこちらを見る。
「お前だったのか……」
「失礼だね」
結構、というか相当失礼な言い方ではないだろうか。休日、というか長期休みに女の子と会うなんてあまりない出来事だと思うんだけど。
「ところで、私の声聞こえたんだ」
「ボッチはな、自分を呼ぶ声には敏感なんだよ」
「へー、初めて知った」
「お前、本当に興味ないのにはとことん無関心を貫くな」
まぁ、そんなことはどうでもいいんだけど、と私はふと思ったことを聞くことにした。
「八幡はどうしてここにいるの? 視姦?」
「雪ノ下家はどうして俺を変態扱いするんだよ」
「違うの。良かった、知り合いが新聞に載ってたらどう反応すればいいのかわからなかったからね。で、何しに来たの?」
「あれだ、妹の参考書を買いに来た」
なるほど。筋が通ってる。
確かにここの本屋なら参考書程度だったら売っているはずだから、普段彼が家に籠っているとしても、このアウトレットモールに来るのも納得できる。
「ちょうどいいね。私も本屋に用事があるんだ。一緒に行こう」
「は?」
私がそう言うと、彼は拍子抜けた声を出した。正直ってそんな声を出されてもどう反応すればいいのかわからないんだけど。
「……もしかして嫌だった?」
「や、別に嫌というわけではないけど……」
「じゃあ、決まりだね。一緒に行こうか」
◇ ◇ ◇
当初の目的の本屋に着いた。久しぶりに来たけど、配置はあまり変わっていなそうだ。
「ところでさ、八幡は参考書の位置分かるの?」
「いや、まったくだ」
即答で返された。
そんなに早いとこちらも困る。
「…………私も一緒に探すよ」
「助かる」
とりあえず、二手に分かれることになったから、彼とは逆の方向へ向かう。主目的は目的の本だ。
八幡はノベルスのほうに行ったから、とりあえずその裏の文庫のほうに行っておく。あくまでも私の目的の本がメインである。
「んー、あった」
目的の本をあっさり探し終えた。とりあえず目的は達成できたから、次は八幡の目的の本を探すことにする。
「探すのはいいけど、どんな本を探してるんだろ」
忘れていた。八幡がどんな本を探しているのか、私は全く知らなかった。
とりえあずうしろにいる八幡に聞かないと私は何を探せばいいのかわからなくて、時間を無駄に使ってしまう。
「ねぇはち……ま、ん?」
後ろのノベルスに行き、八幡に話しかけようとすると、あいつを見かけてしまった。
「…………」
「…………」
お互いに沈黙。完全にここの空気だけ死んでいる。
しかし、互いが互いに向ける視線は明らかに違う。
私があいつに向ける視線は、敵意。あいつが私に向けるのはすがるような視線。
ここにいるのは得策ではない、むしろ私のストレスに変換されるのは間違いない。そう判断した私は、踵を返し八幡を探しに行こうとする。
「……待って」
後ろから小さな、すがるような声が聞こえた。
周りの音で、かき消されそうなほど小さな声で。近くにいた私だからこそかろうじて聞こえたその声。
このまま無視するのが一番いい。
私はこいつに対して、怒りこそ湧けば、優しさなど一切湧かない。
なのに。
だけど。
それなのに。
「……なに?」
――どうして私は止まってしまったのだろうか。
私が止まったのを確認したあいつは、心なしか安心した顔でこちらを見つめる。
「……謝りたかった」
ぽつりと、独り言のようにつぶやく。
「ずっと。あの日、あの時、あの場所で言ってしまった言葉を」
一人の少女の懺悔は幼少のころから今もなお続く。
「あなたが傷ついている原因を知っていたのに。それなのに、私は「ふざけないで」っ!?」
ああ、本当に腹が立つ。
「変に希望を持たせるのも酷だから先に言っておくけど、私はお前を許す気はない」
冷徹に。冷酷に。希望は持たせず、作らせず。
私が言った言葉に、あいつは絶望したような顔でこちらを見つめる。
「あの時言った言葉が、もし本心じゃないと言っても、言葉にしている時点で心の底ではどこかで思ってるんだよ」
それだけ言うと、今度こそ私は振り向かずにその場を立ち去る。
さようなら、と心の中で思いつつ私は先ほど中止した八幡探しを再開する。
後ろからは小さな嗚咽音が聞こえた。
恒例の、という前に報告です。
お気に入り登録者のほうが、誰が新規なのかわからなくなってしまいました。申し訳ないです。これからは一人一人書くことができなくなってしまいました。
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wwさん
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けー。。。さん
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おひろ0720さん
評価ありがとうございます。
お気に入り登録、ありがとうございます。名前のほうは書けませんが、モチベが上がります。
次回の話は未定です。