カリスマの無いガルマ【完結】   作:ノイラーテム

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第二部・第二話

●真田丸の設置

 都合の良い戦略目標など存在しない。

そんなモノが存在すれば苦労して居ないが、このまま待つだけではジリ貧だ。

かといって全面攻勢に出ても、制圧だけはできても維持できないのだから嫌がらせ以上の事は出来ない。

 

 ではどうするか?

着眼点を変えて大西洋やインド亜大陸が持つ広さその物を、防衛用の空間要塞にするのだ。

同時に進行で重要拠点の防御を向上させる。

天下の名城である大阪城にも利便性ゆえの穴があり、そこを真田丸が守った様に。

有力な前線基地と根拠地をセットにして構築し、逆に連邦側の基地からは連携が取り難い様にしておくのだ。

 

「第一目標はジブラルタル、ジブチ、バンダレ=アッバースの要塞化。これにより海上ルートを完全にシャットアウトします」

「イベリア半島・スカンディナヴィア半島の制圧は終了しておりますので、残りはアラビア半島の完全確保が目標です」

「やはりベルファストの援護が無いと脆いな」

 原作では北海・地中海は連邦の領域だったが、今ではジオンの物だ。

こちらの主力がロシア戦線を構築した影響もあり、オスロなどのスカンディナヴィア半島が孤立。

ザンジバルを呼び寄せながら少しずつ圧迫すると、条件の良い間に降伏して撤兵して居る。

「これで裏口から航空攻撃を受ける事はないでしょう。ヒマラヤ級空母は厄介ですが、サイズもありますから」

「一応はペガサス級も警戒しておけよ? そうすることでようやくアラビア半島に専念できる」

 反対に困難なのが南東方向だ。

キリマンジャロを攻略する間も無く、フェルファストにエースを送ってしまったし……。

そもそも連邦のヨーロッパ方面軍は、停戦後にインド・オセアニアへと脱出して居る。

当然ながら敵戦力はそのラインに結集して居るし、こちらを行かせまいと時間稼ぎの為に陣取って居るのだ。

 

 ……もっとも、今回はソレを逆用させてもらうんだがな。

 

「民族紛争には原則不介入だ。連邦の圧政に対しては力を貸すが……、仲間相手に抗争を行う輩にはモビルスーツも食料も渡さんと言っておけ」

 北アフリカで起きている民族問題には手を出さないでおく。

彼らが故郷を護ると言うなら喜んで手を貸すし、余計な場所に立ち入る気も無い。

血で血を洗う相手に協力しても後でしっぺ返しを食らうだけだ。

それならば安価にゲリラ兵を募集するよりは、誠心誠意付き合える範囲で情報交換だけしておけば良いだろう。

「工事目的などであれば如何いたしますか? 他所者ではなく自分達ならば良い場合など」

「彼らの文化に問題無いなら構わんだろうが……。いや、他の民族にとっては問題かもしれん。御互いに良く知りあってからで良い。急ぐな」

 この手の紛争には限りが無い。

同じ宗派の中でも抗争が起きるくらいなので、他所者なんか邪魔でしかないだろう。

ガンダム・ファイトか何かで紳士的に話し合いが出来るまでは、ノータッチでいこう。

連邦よりもマシというだけで、それなりに協力してもらえる筈だ。

 

「それではジブチ攻略作戦を開始する。最終目標がバンダレ=アッバースであることを忘れるな!」

「「了解!」」

 ギレンの野望と言うよりは、まるで大航海時代かジンギスカンでもプレイしているようだ。

そんな馬鹿馬鹿しい思いを抱きながら作戦の初動を開始した。

 

 視点はモビルスーツ隊へ。

前線指揮官である、シロー周辺へと移る。

 

「いよう。アマダちゃんよお。そっちの新型は調子どうだい?」

「そっちと同じでこれから試す所さ。扱い易いと言うか素直なのがいいな」

 比較試験用に同じ設計で導入された、試作型ドムが疾走する。

共に装甲厚を高めに設定したマリーネ仕様で、装備も片手にシールドという点までは同じだった。

差があるとすれば、シローの機体は仕様書通りに普通の組み立てをされ、彼の腕前も上の方という程度。

もう一人はフレーム採用型であることと、乗って居るのがエースという事だろうか。

「素直っていうとアイナちゃんみたいな? おんなじ船で降りて来たんだろ? 付き合ってんのか?」

「彼女とはそういう仲じゃない。素敵な女性だとは思うが……」

 シローは言いながら気が付いた。

煽るような口調だが、不思議と下卑た様な気がしない。

以前に似た様なネタで聞かれた時は、抱いたのかとか付き合ってないなら譲れとか、下世話な話になったものだ。

 

「言っておくが当て馬にならないからな。賭けは別口で頼む」

「ちっ。つまらねーの。だったらどっちが沢山倒すかで賭けようぜ。モビルスーツ以外なら二機ほどハンデにやるよ!」

 アイナとガルマの間に放り込んで、三角関係でも演出しようと言うのだろう。

本気で賭けでもするつもりなのか、いつまでたっても煮え切らないガルマを焦らせる為なのか。

いずれにせよ、常識人のシローには良い迷惑だった。だが撃破数の賭けごと自体は、戦意を煽ると言う意味では悪くない。

「乗った。……これで俺は三機ってことでいいんだよな?」

「ずっけー! 勝手に始めるなよ」

 シローは笑ってマシンガンを連射。

新型の130mmザクマシンガンが咆哮を上げ、110mmでは撃ち抜けなかった61式の装甲を貫く。

 

 これに対してもう一機の試作ドムは、ホバーモドキを点火。

ジグザグのステップを掛けて、ザニーと戦車の間に飛び込んで行く。

 

「一つ、二つ、三つ! こんなのオヤジでもやったことねえぜ!」

「試作品にあまり無理をさせるな。それと俺も二機追加で、仮に五機目だ」

 回転しながら試作ビームサーベルを振り回し、エースに相応しい動きを見せた。

とはいえ固まって陣形を作って居た所に飛び込み、近過ぎて撃てない所を狙っただけだ。

しかもシローが抜け目なく、少し離れた位置に居る別の戦車小隊を潰したことも大きいだろう。

「それにしても……ザニーってやつがもう旧型か。ドムの装甲は凄いな」

「ザクマシンガンを基準にしてやがるからな。それよりも、隊長機のお出ましだぜ」

 量産性を重視したこともあり、ザニーはマシンガンより上程度の火力しか無い。

それでも連射したり当たり所次第では危険なのだが、二機のドムは前述の通り装甲の厚いマリーネ仕様だ。

盾を用意して居る事もあって、直撃さえせねば言うほどの脅威ではない。

 

「金星、いただくぜ!」

「任せる! ……全機、突入!」

 装甲の厚い二機が先行し、一番強い隊長機の陸戦ジムを相手する。

その間に今では旧型になったザクCを含む集団が、一気に制圧を開始した。

ここで雄姿を見せつけ旧型の出番は終了。

この後はJ型に出番を託し、民族解放戦線に供給される予定だ。

「本当なら確実に行くべきなんだけどな」

「いーじゃねえかよ、勇者が王様って地域なんだろ? 強い奴が一番ってのは判り易くてサイコーだぜ」

 味方には圧倒的な強さを、敵には旧型混じりで機動力が遅いと見せておく。

後方で支援して居たファットアンクルも呼び寄せ、全体としてはそれほどでもないと見せておく作戦だ。

 

 本命は紅海を渡ってから。

敵味方の援軍を呼び寄せながら、アラビア半島を縦断する予定である。

 

「いまごろは大将もヨロシクやってんのかねえ」

「その筈だよ。まあバンダレ=アッバースが見える頃には、合流できる筈さ」

 ヨロシクという意味がどういう意味かは別にして、ここまでは順調であろうとシロ-は頷いておく。




 と言う訳でアラビア半島の要塞化が目的。
維持は極力せず、地元民に丸投げ。要所だけ抑えて対空陣地・大型砲台だけ置く感じになりますが。
そのままイラン周辺を確保して、今更のように、インド方面へ出る準備です。
ただ、原作と違って長距離の航空爆撃とかがやり難い分だけ、オデッサも守り易いかもしれませんね。

 基本構想的には連邦軍が通れるルートは、カザフスタン方面だけ、ロシアとアラビアに挟まれる感じ。
あるいは馬鹿正直に、ジオンの守るルートを地道に制圧しながら進むのか?
というジレンマを強要するのが目的です。
もちろんガルマ達は相手の動きに合わせて、動きを止めたルートに襲い掛る予定ですが。
(地元民との協力関係は、無理に戦力にするのではなく、アンチ連邦で仲良くなって、情報をもらう感じ)

●試作型ドム
 ザクよりも強力な炉心と、厚いガワで組んだ試作型です。
余った出力で積層型の装甲を追加し、対マシンガン・副砲レベルの防御を強化。
大型砲だけ注意しながら、味方に先駆けて突っ込むのが戦い方です。
なお、ホバーはまだ完成して居ないので、やはりステップが出来る程度の代物になります。
(だからこそ、爆発しないとも言える)

●アマダ隊
・試作型ドムx2
・J型サクx4
・C型と旧ザクの混成x5
・ファットアンクルx2
・ファットアンクル(前面扉の旧型)x2

C型・旧型を現地に置いて、順次J型にチェンジ予定。
ファットアンクルは何時も居る訳では無く、後方に置いて居ます。
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