カリスマの無いガルマ【完結】   作:ノイラーテム

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第二部・第八話:前編

●思考の再修正

 一晩寝てスッキリしたところで、頭の中で色々な物を再修正して行く。

起きるまでに行う頭の体操みたいなものだが、トイレや風呂での妄想と同じで割りと捗る。

 

(まずは専用機とアプサラスが本当に使えるかと、まともな使い道だな)

 ギニアスから色々聞いたものの、直接見て無い上に理論先行なので困る。

止める人間がノリスしかおらず、彼も気の良い爺やなので難しい所があるだろう。

精々がザンジバルから母艦機能を外そうと言ったら止めるくらいだろうしな。

(とりあえずI・フィールドは止めさせよう。どう考えてもオーバースペックだし、普通に使えないんじゃ意味が無い)

 なんというかゲルググのビームライフルと同じ臭いがする。

理論では出来る筈だ! と言うものの、モビルスーツに搭載ってのは直ぐには無理だろ。

原作でもビグザムからだし、モビルスーツに搭載って天…アレ、やっぱり無理な気がする。

合体で補るという発想は悪くないけど、良くてデンドロビウムだしな。

 

 これを取っ払うか、オプションに変更させてAWACギャンで十分じゃない?

でも、その場合に何か代用案を出さないと、意地でも目指しそうだ。

原作を順に思い出して適当にアイデアまとめて送ることで、何とか採用してもらおう。

強行偵察ドムとかある作れるなら、今直ぐにでも欲しい。

というか有能なの知ってるのに、なんで提案して無かったんだろうな。

 

(ひとまず後でメモするとして、次はアプサラスだよな。08小隊レベルではまず無理として……)

 モビルアーマーではなく、ザンジバルをベースとしたことで実現性は上がった。

おそらくハイ・メガ粒子砲の先駆けくらいには成って居る筈だ。

成功すれば今度こそモビルアーマー版を作るだろうが、現時点では完成までは難しい筈。

これを実用するには、アイデアが重要というか、根本的な発想の変更が必要だろう。

(速射は当然できないとして、連発も無理だろう。なら優先させるのは威力か、それとも範囲か)

 ガンダムを範囲攻撃で焼けるなら、狭い範囲でもOKだ。

逆に広範囲限定と考えてジムともども耐久力を下げておくとか……。

射程型でアッザムリーダーの長い版くらいに思っておくか?

 

 いずれにせよギニアスがOkするか、そもそも運用可能かどうか、使い道にも寄って来る。

 

(威力重視すると要塞の装甲でも抜けるけど、アムロなら回避してしまういそうだ。

 あのエスパーめっ)

 というか近寄る前に撃沈されそうだ。

ということはジャブロー潰しを狙わない以上、威力重視はリスクが大きい。

かといって射程だけ長くても、母艦を潰すのも難しそうだ。

なぜならば砲門の火力・射程はサイズに寄るって、宇宙で実感したからな。

 

(なら重要視するべきは範囲型で汎用性高く使用する。迎撃や攻勢時のフォロー……でもジムさえ焼けなかったらどうしよう)

 実戦で戦って見て、ルナチタニウム合金採用型の恐ろしさは身にしみた。

キャノン砲とかハルバードくらいだと、一発・二発で沈まないんだよな。

超鋼スチールのジムなら可能かもしれないが、陸戦ガンダム以上は難しいと思うべきだ。

しかしその程度の武装を、何に使えと言うのか。

(スパロボの威力弱めなMAP兵器だなコリャ……。

 通常兵器にしか効かないレベルでも、あるだけマシか)

 ゲームに登場する無改造の範囲兵器を思い出し、私は苦笑いを浮かべた。

損傷した二隻のザンジバルを、速攻で復活させるアイデアだから二個一そのものは悪くなかったと思う。確か連邦も似た様な事をしたはずだ。

それはそれで、ケルゲレンを後回しにするだけで良かったんじゃなかろうかと、今更ながらに思えてきた。

 

 思い付かないので仕方無く、ガンダムを最初から思い出し、専用機の装備を修正する為に、アイデアをまとめて居た。

ガルマの取った戦法、オデッサでの敗北、そしてソロモンやア・バオア・クーでの戦い。

 

「っ!?」

 そんな時だ。雷光の様に幾つかの戦場を組み合わせて発想が閃いた。

「ガルマ様?」

「起こしてしまったね。ちょっとギニアスに送るアイデアを閃いただけさ」

 驚いて目覚めたアイナを宥めつつ、考えついたアイデアが可能かどうかを検証し始める。

今回の連邦軍は三百を越える編成だ。

百のジムを中心に、母艦や航空機、そして戦車。

(考えろ。今のは使えるアイデアだと思う。だが、本当に戦局を左右できる方法なのか?)

 答は、そのままでは無理。

自分自身の頭脳がギレンほど回転が良くないのは理解して居る。

だが、発想が宇宙世紀のモノではないこと。

そしてガンダムのモノに収まらないことで、色々な修正案を思い付ける筈だ。

それを元に、参謀たちに検証してもらうとしよう。

 

●初動の綱渡り

 晴れやかな笑顔から問題児どもに色々と突っ込まれた。

何を言われたかは割愛するとして、ともあれ作戦を始めるとしようじゃないか。

連邦の大軍を何とか出来る方法が見つかったので、久しぶりに気分が良い。

 

「まずは諸君らに朗報がある。

 連邦軍は我軍を各地で揺さぶる為、それぞれの方面軍をそれなりに動かした」

「あん? やられ始めたって事だろ。何が嬉しいんだよ」

「司令に対して口の効き方がなっておらんな。だが……喜んでいいと言うのは本当の話だ」

 私がもったいをつけた説明しても駄目だが、グリンウッドが笑うだけで静まった。

まったく差を付けてくれると思うが、出来る部下に嫉妬する訳にもいかない。

問題児がまるで心服しないのは問題だが、命令に間違いが無いなら聞くだけマシだ。

それにグリンウッドや歴戦の猛者だしな。

 

「ユカタン半島やアフリカ南部は損耗を覚悟で、こちらの方面軍を止めに来ている。当然ながら、こちらが向かう旧パキスタンでも連動する気だろうな」

「そうか! 今から向かう相手がワザワザ自分から出て来来るってことか」

「その通り!」

 まあ実際にはこちらの後方を脅かす為の行動なんだけどな。

しかしこちらは前線を捨て、先に連中を叩くつもりだった。

となれば戦いが楽になったと言い換えても良いだろう。

 

「我軍は既に出撃準備が整っております!

 穴倉から出てきたモグラを叩けと、お命じください!」

「よろしい! 速やかに作戦を実行せよ! 功績争いでの損傷は返って名声を損なうと知れ!」

「大将! そういうのは言わなくて良いんだぜ!」

 最後まで締まらないブリーフィングだが、一同の総意が一つになったことは良いことだ。

パーフェクト狙いで叩き潰……おおっと。フラグが立ちそうなので止めておこう。

「全部隊、出撃!」

「「おお!」」

 こうして一路、旧パキスタンとの国境を目指す。

 

 連邦軍の部隊が移動した場合は、飛び立たない場合は下がれと命じている。

ガウとマダガスカルが先行し、残りはファットアンクルで移動。

現地で包囲網を築く足止め部隊のザクを含め、三十を僅かに増強した形で戦闘に火蓋を切った。

 

「司令、お先に失礼します!」

「気を付けろよ、シロー! グレーデン隊は砲兵を潰せ!

 それに合わせてマゼラアタックを前に出す!」

「了解です!」

 以前に此処で行った戦法を、システマチックにまとめてみた。

先行量産ドムで突破口を開き、キャノンザックやマゼラトップ砲持ちが移動。

相手の砲兵役を先に叩いた後で、こちらの戦車隊がゆっくりと前進する。

微妙に違うのだが感覚的には、昔の三兵戦術を参考にしたと言えば良いだろうか。

「やはりドムは堅いな。オデッサ戦を前に量産開始出来たことは大きい」

「それだけにホバーの開発が遅れていることが悔やまれます。ですが……っ!」

 ドムの装甲が分厚い上に、原作では持たなかったシールドで固めている。

マシンガンくらいならば何とかなるし、ホバーモドキも接近や回避には使えるから実用範囲だろう。

それになんだ、原作だとまだグフも怪しいからな。

 

 だからこそ、連邦がガンダムを完成させている可能性を忘れてはいけない。

ビーム兵器はまだ見ていないが、陸戦ガンダムも使える筈だ。

お披露目を兼ねて使うとしたら、この戦いからである可能性が高い。

だからこそシールドを持たせることで、少しでも直撃の可能性を下げ、ビームスプレーガンだけでも防ごうとしているのだ。

……お陰で長距離移動させると、かなり移動力が落ちるんだけどな。

 

「グレーデンが取りついたな。マゼラアタック部隊も前進。

 相手が頭を上げられ無くなったところで、斉射三連!」

「了解です!」

 相手の砲塔がこちらを向く前に、グレーデン隊が砲撃を開始。

それに合わせて封鎖に使っていた戦車隊を前進させ、そのまま砲撃戦を敢行した。

「大将! そろそろ良いだろ。この戦いからあいつが返って来てるんだ」

「まったく仕方の無い奴だな。だが時間も惜しいし構わんか。……総員突撃!」

 うちの問題児は怪我して居た仲間が復帰したことでヤンチャ心を取り戻したようだ。

せっかく部下の死を教訓にして成長したと思っていたというのに……。

 

 まあ士気を削ぐタイミングでも無いのと、時間が惜しいのも本当だ。

崩れた敵軍に突撃し、一機に斬攪戦闘を行うことにした。やはりモビルスーツは乱戦での白兵攻撃が一番の火力を有する。

ビームライフルが出て来るまでは、この調子で良いのだが……。

そんな事は長く続かないと知りながら、その時が少しでも遠くなることを祈って居た。




 と言う訳で戦闘開始です。
序盤なので新戦法を軽く試しつつ、次回以降に引く感じですね。
八話の間でサクサクとインドの攻防は終わる予定ですが、流石に短い場合は前・中・後の三分割になるかもしれません。

●計画の修正
 まずは軽く、前回の終わりにもらった設計図に駄目出し。
実用範囲に絞ることで、オデッサ戦よりも早く完成する様にせっつきます。
次にアプサラス計画の使い道を思い付いた感じですね。
もっと良いアイデアが無い場合は
「モビルスーツを倒せないなら、通常兵器を削れば良いじゃない」
と言う感じで雑魚専の掃射兵器になります。
というかモビルスーツ戦闘したいののでこう成りました。
まあ、ジオンが圧倒的に負けましたという展開は避けたいけれど、ご都合主義で何とかなるのも避けたい感じです。

●ガルマ専用機
 真面目に考えて、I・フィールドを付けると間に合わない。
使ったとしても他の武器が使えない。なら使わなければ良いじゃない。と言う展開。
ドムをベースに実験して、ゲルググのガワが到着したら、ギャンのコンセプトで先行試作。
オプションはビームランスと、レドーム型の頭で完成予定。
これならドムでも可能そうなのと、間に合わないとガルマが活躍できないのでこうなりました。
 とはいえギニアスに舐められているフシがあるので、I・フィールドの代わりに別のオプションを提案。
ビーム撹乱膜の放射装置を代用提案する事にします。
アイデアとしては一年戦争で可能かつ、銀河英雄伝説のゼッフル粒子の逆パターンと
ガンダム知識だけでは思い付かない物にして居ます。

●新三兵戦術
1:装甲の厚い切り込み隊が前進防御
2:その後ろにキャノン型の集団が移動、砲撃
3:相手が砲撃中止した所でマゼラアタックが追随。
 これで行う砲撃戦闘で相手の動きを制限した後で、本隊が突っ込みます。
連携とか腕前も必要なので、今の連邦にはできず、その場で試しながら練習できるガルマ用の戦術になるでしょうか。
前線で地道に戦うには不用のコンビネーションですが、速攻で叩かないとマズイ時用に以前思い付いたことを研ぎ澄ませた感じです。

●初期の動向
 ユカタン半島を北上し、キャルフォルニアに迫った連邦軍。
そしてアフリカを北上し、キリマンジャロに迫った連邦軍が阻止戦闘中。
当然のように待ち構えているのですが、連邦軍はそれを前提に足止め中。
北米とアフリカの戦力が迎えない様にした感じですね。
(なお損耗は今月の生産で全部補充できるレベルな摸様)
 本来ならば旧パキスタンの部隊も行動するはずだったのですが……。
本文にあるように、インドの前線を捨ててまでガルマが来たので計算外で撃滅されて居ます。
連邦軍は当然反撃がある物と思って進軍してますが、相手が抵抗しなかったのでアッサリと前線を奪還しております。
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