カリスマの無いガルマ【完結】   作:ノイラーテム

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 なお、このストーリーはキシリアの中の人視点です。
実験的に作風も変えています。
更に彼女は省みる事も、後から調べる事もしませんので、成功不成功を気にして居ません。
よって、どちらかとえばギャグより、中の人に寄る逆ハーレム願望や、BL視点ポイが混ざるのでご注意ください。
(BLは出て来ません。BL視点だと笑えるなあ……くらいです)
 また、後から思い出したように日記に付けたりするので、時系列も正しいとは限りませんのでご注意ください。
また、言葉使いなどは中の人視点であり、キシリアの元人格が翻訳して居る可能性があるので、ご注意ください。

 かなりネタ臭に溢れていますが、それでも良ければご覧ください。


外伝:ジオンに転生したら、悪役令嬢だった件について

●転生したらキシリア様

 他愛ない事故で死んでしまった私は、運良く転生する事が出来た。

生前は十人並みの容姿でスタイルは褒められたものではなかったが、いまではキツメの美人でスラリとしたモデル体型。

ユニコーンのミネバをヅカ風に仕立て上げた感じ問えば判り易いだろうか?

最初の内はとても満足して居たのだ。

 

 だけど! 良く考えたら最悪な事態が一つだけあった。

苗字がザビ! 錆でも詐欺でもなくザビなのだ! そりゃミネバに似てるわ!

問題なのはガンダムってウイングのノインXゼクス推しでガッツり入信したが、基本はそれ以降。

宇宙世紀に関してはザビーネ様が素敵と言われて91を見たくらい、ユニコーン見るまでは殆ど見たことが無い。

だからこそ、ザビという名前に気が付か……無いフリで知らないフリをしていたのである。

 

 しかし時は無情。なミゼラブル。

連邦との仲は悪化するし、戦争する気はなくてもストレス掛けて来るし大変なのよ。

おまけに眉毛無しは受けて立つ気マンマンで、密かに軍備を整えたり、駐留軍を味方に付けたりしていた。挙げ句に果てには『使える奴が居ないから、お前も何とかしろ』と言う感じで地位を押しつけて来る。

このままでは掴まって銃殺されてしまうのも確定だろう。

 

(「マズイわ。非常にマズイ。何とかしてこの運命から脱出しないと」)

 詳しくないがジオンが負けて、ザビ家はミネバしか残らないのは知っている。

ということは何処かで掴まって処刑されるか、戦艦ごと吹っ飛ぶに違いない。

後で仲良くなった他の転生者さんに、『君はバズーカで首が千切れるね』なんて言われてしまった。バズーカで首が飛ぶって、どんな死に方なんだろ……見たくも無いし、見ることもできないけどさ。

 

●開発って何さ?

 転生当初は日記を付けていたのだが、書くことないのですっかり忘れてしまった。

最初はスムーズでお嬢様生活なのと、国内には攻略対象になる美少年も美青年も居ないからだ。

今思えばキャスバルくんが一番の美少年だったなあとか思いつつ、次が弟のガルマ、大きく下がって参謀のマ・クベや兄のギレンとかいうのだから笑うしかない。

あ、そう言えば何処かの市長の息子さんが割りと美形だったわね。出逢った日とか特徴をメモに付けとかないと。

 

 ……おっとっと。いけないいけない。

書くこと無いと忘れそうなので、とりあえずレポート気味にまとめてしまうとするわ。

実際には同じ日じゃない筈だけど、うろ覚えなので勘弁してほしい。というか日記は自分で見返す用だから関係ないもんねっ。

 

「キシリア閣下に充てられる予定の戦艦ですが、ひとまず名前をズワメルと……」

「戦艦なんてナンセンスね。地球に行ったり、火星と往復できるような船じゃないと」

「はっ?」

 この日は私宛ての案件で呼ばれて、早速、責任が負わせられるような事を言われた……はず。

戦艦なんてとんでもない!

乗って居たら安全かもしれないが、逆に言えば乗って居るだけで責任が負わせられるということ。

そのくらいだったら、ジオンを脱出して地球に亡命するとか、火星に逃げ出せるような船でないと!

「ですが、この計画は戦力増強の点からも……」

「いや。キシリアの提案は案外悪くないやもしれん。機動力重視で場所を選ばぬ……か」

「長期化した場合……月は勿論のこと、いずれ地上を攻略せねばなりませんしな」

 良く判らないが通ったらしい。

眉無しなんて言って悪かったわ。ちゃんとギレン兄様って呼ばないといけないかしら。

 

「しかし姉貴。戦艦というのは戦闘では重要なんだぞ? 砲も装甲も段違いだ。チベが旧式化しつつある今、何とかせんといかん」

「それならモビルスーツで良いじゃない」

 厳つい顔に育ってしまった弟、ドズル。

こっちの方が年上なのに、私よりも老けてる。

しかし私の方も人の事は言えなくなって来たので、アンチエイジングは欠かせない。

もし良い成果が出たら教えてあげるからね……と思いつつ、その場を誤魔化す事にした。

「流石に耳が早いですな。既にモビルスーツの話に目を付けられるとは」

「え、あー。そうそう。確か第二次大戦でも戦艦は時代遅れ、空母の時代って話だったわよ。宇宙世紀も同じなんじゃない?」

 ナイスミドルなアルベルト伯父さまが感心して居たので、私はとりあえず頷いておくことにした。そういえばまだモビルスーツって、重機みたいな不格好なんだっけ。

聞きかじった第二次大戦の話で流してしまうことにする。

 

「モビルスーツか。確かに連邦と同じことをして居ては勝てん。うむむ……」

「機動力のザク、推進力のズダ。となれば正式採用はザクに軍配が上がりますかな」

 良く判らないが、空母に搭載する様なモビルスーツはザクらしい。

そういえばザクって有名だものね。

私的にはボルジャーノンでも良いのだが。

そうね……ジオンを脱出して引退の暁には、ロランみたいな燕執事と護衛用のモビルスーツが必須かも。

「思うんだけど、ソレって両方入れたら駄目なの? すっごい機体を作って、全部試せば良いじゃない。紙ない、紙?」

「技術と言うのはそう言う訳には参りませんぞ。紙ならばこちらに」

 私は生前に活かしたオタク力を発揮する事にした。

戦闘指揮とかは難しいが、絵を描いたり、コスプレで変身するのは得意中の得意だ。

とりあえずスペースシャトルをババンと描いて、脇にロボットの絵を描いていく。

ガンダムっぽいフレームを最初に描いて、手足に矢印、ここに武装を付けます! ってね。

 

「確かに地上を視野に入れるならばリフティングボディの方が理に叶っておりますな。それに……これはハードポイントですか」

「フレーム? さすがに無理だろう。可能ならば素晴らしい動きになるだろうが、現状を知らぬ者の言葉だ」

 スペースシャトルは何か判らないけど、技術が一周回って好評らしい。

逆にガンダムフレームの方は現場を知らぬ女子供の発想だとか無茶苦茶言われた。

その割にハードなんちゃら? の発想は良いとか褒めるのだから、こいつら首尾一貫して居ないんじゃなかろうか。

「取り合えずなんだけど、どうせ一つしか採用しないし、政治で最初から決まってるならこっちの方が良いと思うのよ。その上でF1みたいに予算タップリ掛けて、どっちも試せる方が良いと思うの」

「まあ予算を分配するかまとめるかの差だからな。しかし発展性を止めはしないか?」

「いえ、ハードポイントで試すというのは悪くありません。しかしフォーミュラーレース用のマシンですか……懐かしい」

「中途半端な物を作るより、試験用で一点物を作るのは悪くは無いか」

 そんなこんなで何とか私の意見が採用されそうな雰囲気だ。

なんといっても夢はでっかくガンダムである。

特性の違う五機作って美少年を載せてジャーニーズガンダムだ。

 

 ……ちなみにこの件はまったく駄目駄目だったわね。

この頃のザクは重機みたいだし、良くなったヤツも日本で言うと鬼みたい。

おまけに乗ってるパイロットは厳ついオッサンばかりで、及第点を出しても良いのはリーダーのガイアくらいな物だ。

このっまじゃロランやヒイロ達は遠いわ……。

(中世の騎士団みたいにして、見習いの従騎士の中から自分で選んだ方が良いのかしら。それを思い通りに育てる……いいわね)

 騎士団ってのは良いアイデアかも。

脳内キシリア会議の総力を持って、逆光源氏計画を採用するわ。いつも文句を言ってる委員長キシリア(本来の?)も珍しくOK出してるしね。

夜の如き悪の……はまずいから燻し銀の黒の騎士団に、赤いテスタロッツアな騎士団、あとは白いガンダム円卓騎士団。

実用本位のガイア達は黒騎士団で、シャアって赤い彗星だっけ。良い感じじゃない。

白騎士団はガンダムないから当面無理だけど、外交で出逢った連邦に転生した人。

あの人にもらえば良いわよね。どうせ向こうでも開発してるんだし、お互いに技術提携すればwin-winってなもんよ。

 

●政治ってなんだ?

 ええと中断前に日記へ書いたのって、連邦の人だっけ。

これでもジオンのお姫様な訳で、外交出されることはあったのよね。

そこで知り合ったというか、当時は中々にイケメンの将校だったから注目してたわけ。

そこで何かの話題でアニメの例えを出して、向こうが気が付いたって感じだったと思う。

 

「段々とギレンの考え方が判って来た気がするわ。あいつって、大きな目的にさえ向かってれば、細かいこと気にしてないのよね」

「そこにつけ込む余地があると? ……私はむしろ逆だなぁ。過程の方が重要と言うか、せっかくガンダム世界に転生したんだし恰好良く戦いたい」

 もう一人の転生者であるグリーン・ワイアット卿。

最初は澄ましていたが、なんどか顔を合わせて居ると地が出てきた。

私は日常生活をエンジョイしたい派だが、彼は苦労するのも好きらしい。奇妙な人だと思わないでも無い。

まあ鼻息荒くメカとか語らないだけ良しとしておこう。

(と、この時は思ってたのよね。まさかシロッコくんが中二病入ってて、それに影響されて陶酔キャラになるとは思わなかったけど)

 初めのころは攻略対象の上位だったが、その辺が判って来ると一気にランク外。

許せ、私は第二の人生を楽しく生きたいのだ。

ハンターxハンターやファイブスター物語がどうなったか知るまでは、死ぬわけにはいかない。

 

 というかうちのマ・クベと足して二で割れば良いキャラなのにと思わなくもない。

なんというか参謀のマ・クベ君はイケメンの才能があるのに、なんとなく隠キャで損して居るのだ。

もっと自信に満ち溢れて頑張って居たら好感度が上がったのだが、いまいち薄暗いので残念だ。

せっかく良い声してるのに、もったいないよね。

 

「そういえばギレンの最終目標って何なの? それで戦争とか変わってくると思うんだけど」

「……地球の人口管理。いや、地球圏に限界が来たのと、宇宙に出た革新的な人類とは自分達だ、凄い。お前ら言うこと聞けってとこかな」

 なにそれ?『せっかく減った人口です』とか、意味が判らない。

人口が増えたから殺そうとか、マジ怖い。

というか他に方法が無いから、じゃあ殺しましょう。ってどんな頭の中味をしてるんだろう。

そんなだからこそ、私達ザビ家も一緒に見られて殺されるんじゃないかしら。

早く何とかしないと……。

「とりあえずジオン凄いってのはコーディネイターでも例に出せば、まだまだだと自覚してはくれるんじゃない? 問題は前半よねえ」

「遺伝子管理された超人に比べたらまだまだだよね。まあうちのキラとフリーダムなら、ガンダムに乗ったアムロに勝てますとか言う気は無いけど」

 ちなみにこの会話は、外の連中と交渉しに行く……。

という形で戦争までの時間稼ぎや、情報収集の一環で会うことにして居る。

秘密の会談だから二人にしろとか、仕方無い時は既に廃れたらしい日本語で会話してるわけ。

とはいえ全員を置いてくることもできないし、だからといって顔で選ぶと、頭はいいマ・クベが少しずつ日本語を覚えてやり難くなっている。

 

 ……でもなんか引いてるわね。

そりゃ、ギレンが人口を半分以下にしようとか狙っているって聞いたら、青ざめるわよね。

 

「ただ、人口問題の大半は、宇宙移民したくないって人が多いことが問題みたいだね。だからその辺を何とかすれば……思い直してくれるかも」

「へっ? なんだ。それで良いの? そんなんだったら簡単よ。宇宙の方が凄いって状態にすればいいんじゃない」

 真面目な話、自覚と程度の問題だと思うのだ。

生前は2LDKに棲むのにも苦労するし、自分の部屋を良くするだけでも大変だった。

広い部屋は妙にスースーするし、エアコンをガンガン点ければ電気代の馬鹿にならない。

それに対して今の生活は段違いだ。流石に点けっぱなしは問題だけど、部屋の広さとかテレビの大きさとか無駄なレベルだものね。

「戦争なんかしなくなればもっと良い場所にできるでしょ? 戦艦の開発費用とか知ってる? アホみたいな金額なんだから。それで何軒もお屋敷が買えるっての」

「いやー。技術開発にはお金かかるもんだよ。それに護るべきものを護るためには……」

 そのくらいは私だって判ってる。

サンクキングダムの恒久平和は理想だけど、それでも自衛戦力を隠していた。

戦力が無ければ攻めて良いも同義語……何て連中が近くに居れば戦力が必要なくらいは判る。

それでも程度というものがある気がするのだ。

だって世界征服なんてしなくても、手が届く距離の幸せを確実に維持できればソレで問題無い気がする。

 

「とりあえず、目の前の目標は食糧問題ね。人口維持の為には増産も必要だけど、美味しくないのは論外だもの」

 生前のコスプレ趣味を活かして、印象を変えてお忍びに出ることはある。

その時に気が付いたのだけれど、ザビ家は比較的に恵まれて美味しい物だけを食べることが出来る。

それでもサイズは微妙だったり、質を誤魔化す為に調理法がワンパターンなのだが……。

庶民の料理はアレなのだ。これを何とかしないと宇宙移民なんかしたいとは思わないだろう。

それに戦争が止められなくて、火星とかアクシズ……だっけ? に夜逃げする羽目に成った場合、寒いとか料理マズイのは勘弁である。

「いつでも火星や木星に物を遅れる方法と、あとは帰って来る方法も何とかしないと」

「そうだね。ソレの態勢が整えば、テラ・フォーミングもし易くなるし……というか、そっち方面では比較的簡単に手が組めそうだ。連邦でも予算が無くてね」

 やっぱり、戦争が一番の問題じゃないだろうか?

遠く離れて海賊倒せるだけの軍備整えて、残りの予算を生活スペースや美味しい物の開発に当てればそれで人は幸せだと思う。

 

 ここで一度案を持ち帰って、次の機会で出しあったのかな?

ジオンと連邦が火星や木星開拓で協力するというのは良い名目になるし、実際に宇宙移民対策になるのでギレンも文句は言わない。

思ったんだけれど、ギレンって広義のツンデレの気があるんじゃないかしら?

良い方法があるなら、意見を採用してあげても良いんだからね……なんちゃって。

 

「思い付く範囲では可能な限り大きなマス・ドライバー、ブースターと慣性制御装置の開発ってところかな」

「かんせい……感性? 完成? そっちは良く判らないけど、マス・ドライバーってあの隕石飛ばすやつでしょ? 良いアイデアがあるの。これで後は半分ね」

 事前に色々聞いて来たので、マス・ドライバーくらいは判る。

というか、軍事応用できるから覚えておけと言われちゃったもんね。

ここで用意して来た紙に向かってペンを握り、得意満々で披露する事にした。

「とにかく大きな発射台と、軽いブレーキ、そんでそれを振り切る速度があれば良いのよね?」

「まあそうなんだけど……地球? いや、これは月か」

 私が思い浮かべたのはリオ・オリンピックで、当時の首相が東京オリンピックのCMでやったやつだ。

土管に入って、穴を伝ってピュー!

最初は「一直線に月の内部を通ったら、移動が早くならない?」と言ったら、アルベルト伯父さまは笑って首を振ったのだ。

巨大なマス・ドライバーになるでしょうが、穴を掘るコストや重力をコントロールするコストに合わないとか。

 

 でも、逆に考えたら特大のマス・ドライバーとしての利点があると言うことだ。

ソレだけじゃなく、月の内部をショートカットしたり、火星や木星に物を届ける役目があればどうだろう?

コストだって十分に釣り合うように成るし、いつでも火星に物資を届けられるならば移民する人も多くなるだろう。

すくなくとも、三日月たちの生活よりは楽になるし、テラなんちゃらが上手く行けば、肉牛とかも育てられるはず!

 

(……でもなんでマ・クベが顔を青くしてるのかしらね。そんなに予算を使うのかしら)

 その為にも戦争なんてやってる暇は無いだろう。

もしドズルがソロモンもらったように、私がどこかの基地をもらう時が合ったら……。

月の基地にして、そこから始めるのも良いかもしれない。

そうすればコッソリ何かやっても怒られないだろうし、生活改善計画が上手く行って、宮殿みたいな都市になったら理想的だ。

目指せディアナ様ってなもんよ。

 

 この件はこれで終わりだったと思うけど、木星関連で重要な人材がいるとか聞いたので付け加えとくね。

さっきのプランの一環で、帰還を早くする為に色々実験することになった。

長距離を早く移動できる船のほか、ブースターなんちゃらとか……。その辺に合わせてこっちの便で有能な人材をコッソリ戻す事にしたのだ。

ギレンに見つからない態勢が整ったところで、ジオンだとシャリアブルだかファーブルだかの伯父さまを、連邦だとシロッコ君を呼び戻す事にした。

 

●戦争ってなんだ?

 そんなこんなで色々準備して、特に殺されない為に外交は頑張った。

コロニーを回って中立を呼び掛けたり、ギレン対策で宇宙移民推進とか色々。

ジオンで開発して居る食料の技術を上げたら喜んでくれたので、私としては自分の先見の目を褒めてあげたい。

今は無理でもいずれはファーストフードに肉料理が出せるように成るだろう。

 

「姉貴! そろそろ自分の部隊について考えちゃくれないか? 地球制圧作戦に向けて……」

「要らないわよ! だいたい、ガルマにソックリあげるつもりだもん。私は情報部とか特殊部隊だけでいいわ」

 考えてもみなかったという感じで、ドズルが目をパチクリしている。

ふふっふ。考えもつかなかったに違いない。

ダブルオーなエージェントや、秘密の潜入工作員……選ばれしエリート部隊。なんて恰好良い響きかしら。

それに比べて部隊の管理なんて面倒臭過ぎる。ただでさえ書類が多くて遊びに……ゲフンゲフン。御忍びで調査に行けないのに。

(そうそう。秘密部隊があるなら、そこに私の偽者を用意させたり、私がそいつの代わりに隠れて移動しても良いわよね)

 影武者計画……我ながらなんて完璧なんだろう!

ディアナ様だって、偶然キエルが現れるまで独自行動なんて無理だったじゃない。

ずっと女王生活が大変で、その後に引退した時が凄い疲かれていた。まあ冷凍睡眠で御歳だったのもあるけれど。

 

「そうか! ガルマに地球制圧部隊を任せるか。それは良いな! あいつも喜ぶだろう。戦艦も用意してやらんと……」

「ええと、ザンジバルだっけ? 私の提案で作ったやつ。アレをあげちゃいなさいよ。結構便利だもん」

 戦争責任を負うと処刑されかねないので、司令官は勘弁してほしい。

男の子はそういうの好きだって勉強したので、ガルマも満更じゃない筈だ。

それに、ザンジバルが沢山地上に飛んでたら、私のマイ・カーならぬマイ・ザンジバルも目立たないに違いない。

そしたら大手を振ってバカンスに行けるって寸法よ。

あ、そうだハワイは絶対に攻略してもらわないとね!

(亡命する事も難しくなったら困るし、秘密基地も作っておかないと。男子ほど作るのが愉しいとは思わないけど、別荘って事なら話は別よ)

 ということはやっぱり、情報部もらったり秘密組織作って正解だったんじゃない。

私、自分の才能が怖いわ……。まあ大抵の作業は脳内会議で委員長キシリアが担当するんだけど。

まあここまで自分で建てた脱出計画が図に当たるとは思いもしなかったわ。

 

 

 そんなこんなで戦争が始まってしまったのだが、功労者の中に何人か懐かしの顔を見付けた。

特殊部隊創設ということで、個人面談の時間を取ることにする。

もちろん美青年になった彼らとの再会だし、余計な奴らはあっちむいてほい。

武装解除はさせるとかいってたけど、あの子達がこんな目立つ場所で余計なことするわけ無いじゃない。

 

「十年と三カ月ぶりくらいかしら。ジョニー」

「覚えて居てくださったのですか!?」

 目を付けていたイケメン男子、どっかのコロニー市長の息子のジョニー君だ。

結構なエリートの筈なのだが、どうやらコネは使わなかったらしい。

松永さんちのシン君も似たような感じだが、男子のプライドって不思議である。

「貴方ほどの相手ならば、ね。これからに期待しても良いのかしら?」

「非才の身ゆえ、最大限の努力を惜しみません」

 片膝ついて儀礼を取るジョニー君……。

うん、やっぱり逆光源氏計画はやっておくべきだったわね

狙った訳でもないのにこうして忠誠を誓ってくれるんだから、騎士団構想は正解だろう。

彼も赤いカラーらしいので、テスタロッツアな騎士団に入ってもらうのも良いかもしれない。

 

 逆に緊張した顔を見せたのは、もう一人の子だ。

笑顔で語りかけると、物凄く緊張していた。仕方無いので最近思い付いたネタを披露する事にしよう。

彼がその手の話題に受けてくれるかは別にして、今から洗脳しておくのは悪くない。

 

「全ての災いは、ジオン伯父さまが政治家ではなく宗教家だったということね。具体的な手段を見付けられない状態が続いた時、父さまは失望し、兄さまは絶望したわ」

「公王陛下とギレン閣下がですか……?」

 幼馴染のはずなんだけど、なんか他人行儀くさい。

まあ他人のフリしてまで、心配になったジオン公国の為に戻って来たんだからキャスバル君として話せないんだろうけど。

「父さまはジオン伯父さまのことを、何のかんのと言って愛して居たわ。兄さまに至っては崇拝すらして居た」

「だから失望したと?」

 おや、今度は即答だ。

ジオンxデギンのネターに食いついて来るとは思わなかった。

いや、ね。ギレンは何を考えているか、何時から今のように成ったか、それを調べてたら、どうもこの辺みたいなのよね。

 

「頼まれたことを実行するのが愉しい。そのことに気が付いた父さまは急激にやる気を失って、その姿を見た兄さまは怒ったってわけね。……勝手に失望された方はたまったものじゃないでしょうけれど」

「結果的に……政権を奪われた訳ですからね。一説によると、暗殺も」

 結局のところ、デギンはダメンズの気があったということだ。

ジオンの無茶振りに答えて、なんとか案を見付けるのが愉しい。それで自分の方が優れていると確認出来るタイプだ。

だからこそ、ジオンが疲労で倒れ、事故で大変な目にあってダブルショックである。

ギレンはそのカップルを推しが崩れた、実はBLではなくノーマル宣言を受けた腐女史に近い反応を覚えたらしい。

要するにそこで発狂し、見なかったことにしたのだ。自分なりのやり方で二人のやりたかった道を、どこまでも推し進める気になったようだ。

だからこそ、ジオンが目標とした宇宙移民やら、人類の革新とか異常にこだわっているのである。

 

 ……あ、BLだったらこんな視点もアリってことで。

別に私が腐女史のケがあるとか、それを越えた貴腐人ってわけでもないから。

そりゃ、脳内会議で委員長キシリアが文句を言い始めたら、脳内フォルダのBL見せたら黙るけどね。

 

「しかし人間は権力を欲する生き物です。貴女も独裁者になってみたいのではありませんか?」

「はっ? 馬鹿なこと言わないでよ。そんなのが欲しいなら誰にでもあげるわ。兄さまでもガルマでも、もちろん貴方でも別に構わないわ」

 むしろ処刑される立場はノーサンキューである。

せっかく作ったコネを活かして、どこかのコロニーなり、今から攻略する地球に秘密基地を作って引退したい。

その生活は豊かな方が良いし、できればイケメンに囲まれた逆ハーレムであれば、言うことは無いけれど。

まあ、そこまでの贅沢は言うまい。

再会したジョーニー君や、そのうち帰って来るシロッコ君がいれば十分だ。

なんだったら、今から作る秘密組織のリーダーもキャスバル君にあげてしまっても良いくらいである。

 

「私がですか?」

「そうそう。なんだったら正統ジオンとか名乗って首相でもやってみる? 必要ならプロモーターくらいはやってあげるわよ」

 脱出手段に逃げ込む先は確保できそうだ。

あとはギレンが大虐殺なんかしないように誘導しつつ、今まで作って来た組織やら何やらを渡す相手が居た方が都合が良いかもしれない。

ここで会えたのも運命の御導きということで、スカウトするつもりのドズルには悪いが、ニューエイジのリーダー候補に挙げておこう。

(「あっ。ギレンが馬鹿なことしないようしても、連邦が悪だくみしてたら同じよね。どうせ開発するなら平和になる機械とか作ればいいのに」)

 なんかあったような気がするなーと、ガンダム知識を掘り起こす。

しかし、あんまりピンと来ないので、ウイングより前の知識なのだろう。

というか成功して居たらウイングの完全平和主義とかに取り入れれそうなので、失敗したのかもしれない。

どうせ月でいろいろ研究するならば、物凄い大きさの装置でも作れば良いんじゃなかろうか。

大きなマス・ドライバーと一緒に研究しながら、サイコミュとか合わせて頑張っても良いかもね。

 

 こうして私は月の女王様になる第一歩を踏み出したのである。

目指せディアナ様、目指せ夢の隠居生活だ!

 




 と言う訳でキシリア視点でのストーリーです。
作風をガラリと変えたと言うか、思い付いたネタをやって見たかったのでやりました。
基本的には、キシリア様何考えてやってんの? というのを解説するレベルです。

 なお、中の人視点で破ありますが……。
ガルマと違って完全憑依ではありません。
実際には元のキシリアが何割りか含まれて居ますし、本体に影響されて悪い事もやっているかも。
セリフも実際には、悪役令嬢に相応しい口調でしゃべって居て、ここまでノーテンキではないはず。
あくまでノーテンキなのは、日記の上という設定になります。
なので、ガルマとか身内に迷惑掛ることやってるでしょうし、本体の悪だくみもあったりするかもしれません。

 今後に関して。
今回はネタでしたが、どの技術を早めたか、むしろ無視したかなどの技術まとめただけの物を一本かくかもレベル?
あとは第三部出来そうな終わり方なので、その辺を投げ出した感じにしないため
何年か後の視点で一本書くかもしれません。その時はガルマ視点でしょう。

 取り合えず反省はしていますが、一切の整合性を無視して書いたのは面白かったです。
つい1万字くらい。放っておけば細かいところとか、白騎子……シロッコとかも出て来たでしょう。
永くなるので止めましたが。
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