インフィニット・ストラトス ~栄光のオリ主ロードを歩む~ 作:たかしくん
本編がキリのいいとこまで完成しました。今日から六日間かけて本編五話と番外編一話を投稿します。当面はこの形態で行こうと思います。
よろしくおねがいします。
篠ノ之さんを撒いて、入学式の会場に行き入学式を済ませる。クラスメイト全員揃って教室に行くらしいのだが、トイレに行きたかったのでクラスメイトの集団から抜け出しトイレに行った。
その後教室まで俺は一人でやってきた。ドアに手をかける。
「おいーっす!」
俺は教室のドアを開けて笑顔で元気よく言う。教室に居た人全てが俺に視線を向ける。その中には織斑一夏も居た。そして、誰も返事を返してくれない。
俺はそんなクラスの空気をものともせず自分の席に座る。右隣の席には織斑一夏が居た。ちなみに篠ノ之さんは左隣の席だった。篠ノ之さんが俺を睨みつけてくるが俺はそれを華麗に無視し、織斑一夏の方に向く。最初が肝心だ、元気良く挨拶してみよう。
「織斑くんオッスオッス!」
「君が…藤木君?記者会見の時とはずいぶん様子が違うね。」
「あー、あの時のことは忘れてくれないかな?正直あれは俺の黒歴史なんだ。」
いきなり古傷をえぐられるような感覚に陥るが、それでも強気に攻める。クラスメイトも俺達の話を固唾を飲んで聞いているようだ。この会話で今後の俺のこのクラスにおける立ち位置が決まる気がする。強い自分を演出していこう。
「あの会見の質問ほとんどヤラセだからね。ガチだったらあんな回答できないよ。『IS学園で君と会うのを楽しみに待ってます。(キリッ』なんて本当に恥ずかしくて…会見が終わった後死にたくなったよ。」
「そうなのか、俺は凄く嬉しかったけど。」
あれ?そうなの?じゃあ、その流れで会話してみるか。嘘つきまくってばれたら恥ずかしいし、普通な感じでいくか。
「あれ、そうなの?まぁ、俺達はこの学園で二人しか居ない男なわけだし仲良くしたいってのは嘘じゃない。ということで織斑君、俺と友達になってくれ。」
「ああ、こちらからもお願いするよ。よろしく藤木君、俺のことは一夏って呼んでくれ。」
「だったら俺のことは藤木様でいいぞ。」
「はっ?」
「冗談冗談。紀春でいい。」
俺と一夏はがっちりとした握手を交わす。
「ユウジョウ!」
「ゆうじょう?」
そんな感じに俺と一夏のファーストコンタクトは終わった。一部のクラスメイトから「なんでこんなとこにホモがいるんですかねぇ(歓喜)」とか「紀春×一夏、今年の夏はこれで行くわよ」とか聞こえる。握手しただけでこれかよ…
そんな時教室の扉が開かれる。
約一ヶ月前、入学試験の相手だった山田先生が教室に入ってきた。今日も山田先生のおっぱいはでかかった。
「全員揃ってますねー。それじゃあ
山田先生が言う。
最初にクラスメイトの自己紹介をしろとのことだ。次々とクラスメイトが自己紹介をしていく。
おっ、次は我らが主人公の番のようだ。しかし一夏は真っ青な顔をしている。緊張してるのだろうか?
一夏は真っ青な顔をこちらに向けてくる。何かあるのかと思い、左を向くがそこのは篠ノ之さんしか居なかった。篠ノ之さんも左を向く。
「織斑くん。織斑一夏くんっ」
「は、はいっ!?」
山田先生がおろおろとしながら一夏に自己紹介をしてほしいと伝える。
一夏は立ち上がり、自己紹介を始めた。
「えー……えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」
「…………」
「…………」
クラスの誰もが一夏を見ていた。
「以上です。」
女子の数名がずっこけた。
お前らここに何しに来たんだ?お笑いやりたいならNSCにでも行けよ。
俺はそんなことを思う。しかしこの自己紹介は何だ?一夏のトークスキルは俺のオリ主トークスキルよりもかなり低いらしい。
その時、パアンッ!と音がする。そこにはブリュンヒルデが居た。
「げえっ、関羽!?」
「ジャーンジャー――だわば。」
「煩い。」
とりあえず口で効果音を足しておいた。ブリュンヒルデから出席簿で頭を叩かれた。もちろん気絶した。
「はっ!?また寝ていただと!?」
「今回は何処まで忘れたんだ?」
起きると、篠ノ之さんが話しかけてきた。
「一夏がブリュンヒルデに叩かれたとこまで。」
「今回は記憶喪失無かったのか。珍しい。」
「あのー藤木君。もう藤木君以外の自己紹介終わっちゃったんですけど。自己紹介いいですか?」
山田先生が言う。ああ、自己紹介か。一夏が不甲斐なかった分俺が頑張らないとな。しかし、奇をてらうのはやめておこう。失笑されたら死にたくなってしまう。
俺は席を立ち、後ろを振り返る。クラスを見渡すと一人目立つ奴がいた。
金髪ドリル…居るところには居るんだな。
目が合うと、金髪ドリルが俺を睨む。俺は目を逸らし、自己紹介を始めた。
「俺の名前は藤木紀春、俗に言う二人目の男だ。特技は野球で、嫌いなものはレモン。彼女募集中なんでそこんことヨロシクゥ!」
笑顔でサムズアップすると、ははは、と小さな笑いが起こる。まずまずの結果だ。金髪ドリルは相変わらず俺を睨んでいた。
その後の一時間目のIS基礎理論授業ははつつがなく終わった。一夏はうんうんと唸っていたが俺は授業の内容についていけている。群馬での経験が早速生きているようだ。行ってて良かった、群馬。
休憩時間中、クラスメイトが遠巻きに俺達二人を見ている中、授業について一夏に話しかけようとした時篠ノ之さんがそれに割って入った。
「……ちょっといいか」
「え?……箒?」
「藤木、ちょっと借りるぞ。」
「どうぞどうぞ。行ってらっしゃいませ。」
篠ノ之さんと一夏はどこかに行ってしまった。ひとりぼっちになってしまった、どうしよう。
手持ち無沙汰だし、久しぶりにモ○ハンでもやるか。花沢さんに付き合わされて始めたこのゲーム、好きでも嫌いでもないんだが、今の状況では助かる。
「あれ、藤木君モ○ハンやるんだ?」
三人のクラスメイトが話しかけてきた。
「ああ、ちょっと手持ち無沙汰だしね。」
「だったら私達と一緒にやらない?」
「OK、それでいいよ。」
「よし、やろうやろう。」
俺達四人は向かい合って3DSを操作する。クエストが決まった。10分しかないので短いものを選んだ。
「じゃあ、一狩りいこうぜ!」
「「「おーっ!」」」
モ○ハンのお陰でクラスメイトとも打ち解けられそうだ。ありがとう花沢さん。
次の授業もつつがなく進んだ。入学前の参考書を一夏が読んでなかったということでブリュンヒルデ、いや織斑先生に出席簿で殴られていたが。それぐらいしかなかった。
そしてその次の休憩時間、金髪ドリルが俺達に話しかけてきた。
「ちょっと、よろしくて?」
「へ?」
一夏が返す。金髪ドリルはお嬢様口調だ。せっかくだし俺もお嬢様口調で返そう。
「ええ、よくってよ。」
「………」
金髪ドリルが睨む。俺は目を逸らす。
「で、何の用?」
一夏が金髪ドリルに聞いた。
「まあ!なんですの、そのお返事。わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるんではないかしら?」
相応の態度ってどんな態度だろう?
「悪いな。俺、君が誰だか知らないし。紀春、知ってる?」
「知らなくってよ。」
俺はお嬢様口調を続ける。また金髪ドリルが睨む。
「わたくしを知らない?このセシリア・オルコットを?イギリスの代表候補生にして、入学主席のこのわたくしを!?」
「代表候補生って、何?」
一夏がそれに返す。お前知らないのかよ…
「まぁ!一夏さん、代表候補生のことも知らないんですの!?お勉強が足りていないようですわね!」
俺が言う。金髪ドリル、いやセシリア・オルコットが睨む。
そろそろ口調を戻そう。ちょっと疲れてきた。
俺は一夏に代表候補生がなんであるかを大雑把に説明する。
「へぇ、エリートってわけね。そりゃすごい。」
「……馬鹿にしていますの?」
「俺がな。」
そう言うと、また睨まれた。
「ま、まぁ、わたくしは優秀で寛大ですから、あなた達のような人間にも優しくしてあげますわよ。」
うわあ、この人優しい(大嘘)
「ISのことでわからないことがあれば、まあ……泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよくってよ。何せわたくし、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから。」
「あれ?俺も倒したぞ、教官。紀春、お前は?」
「えっ?ああ、俺も倒したよ。女子の中では君だけだった。そんなオチじゃないの?」
「では…二人ともですって!?」
「そういうことになるな。」
その時チャイムが鳴った。セシリア・オルコットは俺達に捨て台詞を吐いて、自分の席に戻って行った。
「あの人めんどくさそう…」
俺の独り言に誰も答えてはくれなかった。
今回は一夏とセシリアさんの紹介で終わってしまいました。
次はもう少しなんとかなるはず。