インフィニット・ストラトス ~栄光のオリ主ロードを歩む~   作:たかしくん

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サブタイトルはエヴァのパクリです。



第7話 パーティー、逃げ出した後

おっぱい、おっぱい、おっぱい、おっぱい。

大きいおっぱい、小さいおっぱい、普通なおっぱい。その空間はおっぱいがいっぱいだった。

今はISの実技の時間だ。ISの制御を学ぶ場であるが、俺は息子の制御で精一杯だった。

ISスーツを着たクラスメイトの肢体が艶かしい、しかし織斑先生が非情にも授業の開始を告げる。

 

「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、藤木、オルコット。試しに飛んでみせろ」

 

ご指名がかかったようだ。しかし、俺はまだ打鉄・改の操縦を完璧に行える技術を体得してはいない。

断りたいところだが、織斑先生にそんなことを言っても出席簿によって気絶&記憶喪失させられるだけだ。この人に逆らってはいけない。

 

俺は打鉄・改を展開する。一夏やセシリアさんも展開を終わらせていて、織斑先生が言う。

 

「よし、飛べ」

 

まずセシリアさんが急上昇を始める。それに続き俺が飛び、続いて一夏が飛ぶ。俺は一気に一夏に追い越された。

 

「何をやっている織斑、スペック上の出力では白式の方が上だぞ。そして藤木、お前は真面目にやらんか」

 

通信越しに織斑先生に怒られる。俺はまだスラスターを吹かさず、PICの力のみで飛行をしている。

 

「本気でやったら制御できないんですよ、この機体」

 

織斑先生にそう返すが、織斑先生は冷たい。

 

「そのための授業だろう、全力でやれ」

「……解りましたよ、どうなっても知りませんからね」

 

俺はスラスターを展開し、全力で吹かす。俺は一夏やセシリアさんを一気に追い抜いて空を飛ぶ。景色が歪み、気づいた時にはIS学園のある島が豆粒ほどの大きさに見えるところまで飛んでしまった。

 

『何をやってる藤木! さっさと戻って来い!』

 

また怒られた。言われた通りにやったのに……

 

「だから言ったじゃないですか、どうなっても知らないって。」

 

その言葉に織斑先生は答えてくれない。俺は重力を利用し学園に帰っていった。

ハイパーセンサー越しに訓錬してるアリーナを見ると地面に大きなクレーターが出来ていた。その中心に一夏が見える、ああはなりたくない。

 

地上に帰還すると、クレーターの中心で篠ノ之さんとセシリアさんが小競り合いをしていた。

早速ですか……ラブトライアングルですね。

 

そんな感じで授業は続いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけでっ! 織斑君クラス代表決定おめでとう!」

「おめでと~!」

 

乱射されるクラッカー、その紙テープを頭に乗せる一夏はまだ不満そうな顔をしていた。

 

「では、まずはこのパーティーの主催である藤木君からの挨拶です!」

 

実はこのパーティーに掛かる費用は全て俺が持っている。こんな時のために三津村から貰った年俸だ、存分に使わせてもらおう。

 

「今日は、我が友である一夏のために集まってくれてありがとう!今日は俺の奢りだ!好きなだけ飲んで食って騒いで風流せい!」

「あざーーーす!」

 

俺の挨拶の終了と共にクラスのみんなが騒ぎ出す。どうやら一組以外の子も居るようだがまぁいいか。

一夏の方を見ると一夏はまだ不満そうな顔をしているし、その隣の篠ノ之さんもまだ不機嫌そうな顔をしている。

あれか、一夏が取られると思って心配なのか。最近ライバル増えたしな。

そんなことを考えながら、俺は篠ノ之さんと一夏を挟んで逆隣に座っているセシリアさんを見る。こちらは機嫌が良さそうだった。

そんな時俺達に向かってフラッシュが焚かれる。

 

「はいはーい、新聞部でーす。話題の新入生、織斑一夏君と藤木紀春君に特別インタビューをしに来ました~!」

 

クラスメイト達が盛り上がる。新聞部か……人気者は辛いね。

まずは一夏のインタビューから開始される。クラス代表になった感想を聞かれ、頑張りますとか気の抜けた答えを返す。新聞部の人、彼女は黛さんというらしいがその答えに不満だったようで、追加のコメントを要求する。それに返す一夏の台詞はこうだった。

 

「自分、不器用ですから。」

 

一夏はかの名優、健さんの顔真似をしながら言う。けっこう似てた。

次は俺のインタビューらしい。地獄の記者会見を乗り越えた俺には他愛のないことだ。トレンディな回答をしよう。

 

「藤木君は、クラスの自己紹介で彼女欲しいって言ってたらしいけどもう彼女はできた?」

 

普通の質問であったはずだ。しかし今の俺は虎子さんの件で失恋状態なのだ、最新の心の傷が疼く。

 

「えっと……それは……」

「あれ?最近聞いた話では、藤木君が自分の部屋に女の子を連れ込んでいったって聞いたけど。」

「な、なんだってー!」

 

クラスメイト達がそれを聞いて驚く。

それは虎子さんの話だった。俺のガラスのハートは黛さんの豪速球を受け粉々に砕け散った。

 

「すいません!」

 

俺はそう言うと、パーティー会場である食堂から逃げ出した。走る俺の頬に一筋の涙が伝い、どこかへ飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰も居ない夜の屋外、俺は一人そこで失恋を噛み締めていた。

 

「ううっ、初めて好きになった人なのに…」

「彼女がハニートラップだって知っている今でも?」

「あの感情が恋だったのか性欲だったのかそんなことは解らないけど、それでも彼女は俺を受け入れてくれたんだ。って誰!?」

 

振り返ると、水色の髪の女が立っていた。首元のリボンから推察するに多分二年生だ。

 

「初めまして、私の名前は更識楯無。この学園の生徒会長よ。気軽にたっちゃんって呼んでくれていいわ。」

「解ったよ、たっちゃん。俺のことは気軽にノリ君って呼んでね」

「うっ、私に流れを掴ませないなんて……やるわね」

 

たっちゃんが一歩後ずさる。

 

「たっちゃんが言い出したことじゃないか、俺はそれに従ってるだけだよ。で、何の用かな?たっちゃん」

「慰めに来てあげたって言ったら、どうする?」

「最終的にはルパンダイブするよ。一度やってみたかったんだ、あれ」

 

俺の心は失恋を再確認したお陰でかなりの虚脱感に侵されていて、多少の言葉では動揺しない。

たっちゃんはそのせいで、会話を自分のペースに持ってこられないようだ。

 

「そう……だったらやらせてあげましょうか?」

「本当にやらせる気なんてさらさら無いくせに……」

「やっぱり解る?」

「で、本当は何しに来たんだよ?何も無いならとっとと帰ってくれよ」

「彼女、羽庭虎子さんの話よ」

「今はその話はしたくないなぁ」

 

羽庭虎子……対織斑一夏のハニートラップで俺の初めての人になりそうだった人だ。

 

「私の苗字、更識って知ってる?その筋では有名なんだけど。」

「その筋ってどの筋だよ?もしかしてヤクザか?」

「まぁ、似たようなものね。対暗部用暗部って言われてるわ」

 

暗部、語感からすると裏組織とかヤクザ的なものと大差ないように感じる。そして対暗部用暗部、つまり更識とはヤクザスレイヤーなのか。

 

「つまり、たっちゃんは虎子さんを追っていたってこと?」

「そういうこと、でも逃げられてしまったわ」

「そうなのか……良かった……のかな?」

 

更識に捕まってしまったら虎子さんはどうなってしまうのだろうかと考える、多分いい扱いは受けられそうになさそうだ。

 

「つまり私が言いたいのは彼女はもう諦めなさいってことよ。男ならいつまでもくよくよしてないで次の恋に向かって頑張りなさい」

「出たよ、女尊男卑の世界の癖に男らしさを求める発言」

「何?どういうこと?」

「俺は前々から思ってた事があるんだ。ISが出来てからというもの強さの象徴はIS……つまり女性の物に成り代わったはずなのに、その割りに世界は男にも強さとか逞しさとかを求めているんだよ」

 

好きな男に強さや逞しさを求めている女……篠ノ之さんやセシリアさんがいい例だ。

篠ノ之さんは一夏と再会した後、剣道で試合をしたらしい。一夏は再会する前より弱くなっていたらしく篠ノ之さんは酷く怒ったそうだ。そんな話を以前一夏から聞いた。

セシリアさんだってそうだ。一夏に惚れた理由が強い目をしていたからという訳解らん理由だ。

結局そんなもんだ。男に求められる役割は全く変わらない。

 

「何だこの矛盾は、時代は変わって女の方が強くなったのに未だに大多数の女達は守られたいとかそんなことを言っている。せいぜいやる事といえばそこら辺の男をパシリに使うことぐらいだ。結局頭のおかしい女の態度がデカくなったくらいで世界は何も変わっていないのさ。男なら……とか、男の癖に……とかそんなんばっかりだ。何なんだよ、これは」

「藤木君……キミ結構考えてたんだね」

「俺を頭の中まで精子が詰まってる変態だとでも思ってたのか?」

「いや……流石にそこまで考えては……」

 

たっちゃんが引く。俺は失恋とたっちゃんの男らしさを求める発言で非常にイライラしていた。

 

「だったらどこまで考えてたんだよ! あれか? 万年フル勃起している変態か!? それともIS学園の全員とヤっちまおうって考えてるクズ野郎か!? 答えろよ!」

「……」

 

たっちゃんは答えない。しかし、たっちゃんが何を言っても俺は悪く取ってしまうだろう。そろそろ潮時だ、部屋に帰ろう。

俺はたっちゃんに何も告げず寮への道を歩く。

 

「ちょっと! 藤木君!」

「部屋に帰る。じゃあね、たっちゃん。さっきは怒鳴って悪かったよ」

 

たっちゃんは追ってこなかった。俺はやるせない気持ちで寮への道を歩く、たっちゃんには初対面なのに悪いことをしてしまった。

部屋に帰って早く寝てしまおう、シャワーを浴びてないが今日は面倒だ。明日の朝に借りよう、今は誰とも会いたく無い。

 

パーティーの夜は俺にとって後味の悪いものになってしまった。それでも俺はここで生きていかなければならない、きっとクラスメイト達は明日虎子さんを連れ込んだ話を俺に振ってくるに違いない。それを考えると今から憂鬱だ。

 

ああ、明日が来なければいいのに……




今回はオリ主が失恋にかこつけて、たっちゃんに八つ当たりする話でした。

序盤の話はおっぱいがいっぱいって書きたかっただけの話なので、アレに文字数稼ぎ以外の意味はありません。

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