インフィニット・ストラトス ~栄光のオリ主ロードを歩む~   作:たかしくん

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くぅ疲。
一週間は無理だったよ……風邪引いたり、パソコンの更新に5時間くらい掛かったりして大変でした。
今回は12話から22話まで一日ずつ投稿します。まだ22話完成してないけど。



第12話 リメンバー

「くらえ! 俺の必殺技を!」

「ふっ、間合いが甘い!」

「ちぃっ!」

「隙だらけだぞ! 紀春!」

「ぐはぁ! くそっ、やるな……」

「次は俺から攻めさせてもらうぞ!」

「フン! しかし一夏、俺の防御を破れるかな?」

「行ける! 俺のラファールなら!」

「うおおおお! 耐えろ!打鉄!」

「お前らさっきからうるせえよ! 黙ってやれ!!」

 

画面に2P WIN と表示される、俺は1Pなので一夏に負けてしまったということだ。

本日は一夏が実家に帰るついでに遊びに行くというので、暇な俺もついてきたというわけだ。

そして今は一夏の友人である五反田弾の家でゲームをしている。

 

「なぁ、弾。飯まだか?」

「お前も馴染んでんじゃねぇよ、初対面だぞ俺達」

「えー、いいじゃん。固いこと言うなよ、固いのはナニだけで充分だって」

「唐突に下ネタ入れてくるんじゃねぇよ」

「固いこと言うなって、固いの「言わせねえよ!」チッ」

「しかも同じネタじゃねーか、ボキャブラリー少ねぇなオイ」

「仕方ないだろ、IS学園じゃ気軽に下ネタも言えやしねぇ。結構辛いんだぞ、俺達」

 

ほんとそう、下の話題なんてクラスメイトには言えないし、もし一夏とそんな話をしているところを聞かれたりでもしたら奴らは確実にホモネタにしてくる。

IS学園は魔窟なのである。

 

「どうだか。そう言いながら陰ではヤリまくってんじゃねえの?」

「……」

「おいなんか言えよ」

「……ヤれそうな女は居たんだけどな。そいつハニートラップでさ、お陰で俺のピュアハートはハニトラの裏切りのせいでボロボロなわけよ」

「別にいいじゃねーか、ヤっちまえよ」

「俺もヤっちまいたかったんだが、コイツのせいで台無しだよ」

 

俺は隣でゲームをする一夏を顎で指す。

 

 

「それについてはもう謝っただろ」

「話の種にするぐらいいいじゃねーか」

「え?何があったんだ?」

 

弾が興味ありそうに聞いてくる。

こんなガッツリとしたシモの話はIS学園じゃ出来ないので、この話に興味を持ってもらえるのがちょっと嬉しい。

 

「いやさ、俺がそのハニトラとヤろうとしてさ、ついに下着に手を掛けた瞬間にコイツが部屋に乱入してきたんだよ」

「うわっ、一夏、お前鬼だな」

「だからアレは気づかなかったんだって、紀春の部屋鍵付いてないし」

 

一夏がうんざりしたような顔で反論する。

 

「鍵が付いてない?」

「ああ、俺の部屋って元々は物置部屋だったんだよ、そこを改装して使ってたってわけ。今は一夏と一緒に普通の部屋に入ってるがな」

「だったら最初から一緒の部屋に住めばよかったんじゃないのか?」

「いやそれがさ、なんの陰謀だか知らんが一夏ってそれまで女の子と一緒に住んでたんだよ。そのせいで部屋を空けてもらえなかったんだ」

「「な、なんだってー!」」

 

ん?声がもう一つ重ならなかったか?

そう思いながら誰かの気配を感じ、ドアの方向を見ると弾と同じく赤い髪をした女の子が立っていた。

 

「い、一夏さん! それってどういうことですか!?」

 

女の子が部屋に入り一夏に詰め寄る。

 

「俺が好きでやったわけじゃないよ、俺だって出来れば男同士の部屋が良かったんだ」

「男同士がいいって、もしかして一夏さんって……ホモなんですか!?」

「なんでそうなる」

 

いつもこんな感じだ、男同士のほうが気を使わないからいいって言うといつもホモ扱いされる。

脳が腐っているのはIS学園の女だけじゃなかったのか。

 

「で、この子誰よ?」

 

俺が疑問を口にすると、弾が答えてくれた。

 

「蘭って言うんだ、俺の妹」

「へぇ、そうなんだ」

 

その言葉を聞いた蘭は今度は俺に詰め寄る。

 

「あなたが一夏さんを狙ってるホモですか?」

 

もうホモネタはうんざりだ、初対面だが……いや初対面だからこそビシッと言ってやらないといけないだろう。

 

「お前調子に乗ってんじゃねぇぞ、こちとらホモネタにはうんざりしてんだよ」

「あっ、はい。調子に乗ってすいませんでした」

 

蘭は俺に気圧されたのか素直に謝ってきた。

 

「で、何の用?まさかホモネタやりに来たんじゃないだろ?」

「お前、初対面に人間に対してすげぇ態度でけえな」

「しかもここオレん家でこいつは俺の妹だぞ」

 

一夏と弾が突っ込みを入れてくる。

 

「何言ってんだ、この位図太くなけりゃIS学園でやってけないぞ」

「俺、そんなに図太いつもりはないんだけど」

「一夏はいいんだよ、お前はある意味特別だから」

「何が特別なんだよ」

「一夏が特別……ああ、そういうことね」

 

一夏は何が何だか分からないようだが、弾は納得してくれたようだ。

IS学園で男は俺のように図太いか、一夏のように超鈍感じゃないと生きるのは大変だろう。

 

「また蚊帳の外かよ。紀春、お前ってよく俺の前で俺の解らない話題を人に振るよな。俺はいつも置いてけぼりにされるんだが……この前の保健室の時だってそうだったろ」

「保健室? ああ、鈴のことか。すまないがアレを一夏に知られるのはマズいんだ、鈴に殺されてしまう」

「殺されるって、お前鈴にどんだけヤバいことしたんだよ」

「だから教えてやれないって言っただろ。あ、でも弾だけならいいや」

「何で弾ならいいんだよ」

「適度に部外者だからかな」

 

俺は弾を呼び寄せ、例の鈴が一夏にキスしようとしている画像を見せる。

 

「……マジかよ」

「すげえだろ、でも未遂なんだよな。俺が気づかれてしまった」

「いや、中々いいんじゃないか?」

「コピーしてやろうか?」

「え、マジ? いいのか?」

「友情の印と思ってくれればいい。但し、他人に見せるなよ。まだ死にたくない」

「わかった、俺は友達は裏切らないさ」

 

俺と弾はがっちりと握手を交わす。

一方、盛り上がってる所俺達を余所に、一夏は蘭と話をしている。

 

「おい、お前達。席が空いたから飯食いに来いだってさ」

「ああ、蘭はそのためにここに来たのか、結構話込んでしまったな」

「よし、飯行くぞ!」

「何で紀春が仕切るんだよ」

 

そんな事を話しながら俺たちは食堂へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食堂に着き、案内された椅子に座る。

 

「おススメって何かあるのか?」

 

弾に話を振る。

 

「ウチだったらやっぱり業火野菜炒め定食だな」

「へぇ、そうなんだ。じゃ焼肉定食大盛で」

「おい」

「野菜炒めって、育ち盛りの十五歳には物足りなくね?俺いま腹減ってんだけど」

 

その言葉を聞いたからか知らないが、厨房からジイさんが出てきた。

 

「おいガキ、俺の飯にケチつけようってのか?」

 

怖い、怖すぎるぞこのジジイ! 俺のオリ主シックスセンスが警戒警報をかき鳴らす、このジジイには逆らってはいけない!

 

「いえいえいえいえ、とんでもありません!僕野菜炒め大好きだなぁ!」

「素直にそう言えばいいんだよ。」

 

そう言うとジジイは去って行った。何だこの食堂は、好きにメニューも選べないのかよ。

 

「怖かった……」

「厳さんは確かに怖いな、千冬姉と同じくらい拳骨も痛いし」

「はあ!? そんなん食らったら俺確実に気絶するじゃん!」

「そうだな、気をつけろよ」

 

そんな事を聞き、しばらく待つと業火野菜炒め定食が来た。俺は震える手でそれを受け取る。

 

「どうした、何かあったのか?」

 

ジジイ、いや厳さんがにこやかに俺に話しかける。しかしその笑顔でさえ今の俺にとっては恐怖の対象だ。

 

「い、いいいいえ、なななにもありませんよ。うわぁ、美味しそうだなぁ」

「? まあいいか、とっとと食え」

 

厳さんが厨房へ戻る、姿が見えなくなって少しは恐怖心が薄らいできた。

 

「お前ら凄いな、俺こんな所で生活してたらすぐにハゲるわ」

「慣れだよ、慣れ。たまに怖い時もあるけどな」

「慣れか……そんなもんかね? そういえば一夏も元々は織斑先生と暮らしてたわけだよな、そう考えると一夏も凄いな。俺なら胃に穴が開くわ。いや胃が全部溶けるわ」

「慣れだよ、慣れ。たまに殴られることがあるけど」

 

一夏が弾の台詞をパクったような言い方をする。

それを聞いて俺は思う、俺って親に殴られたことあったっけ?

俺の父親、藤木健二はカチグミサラリマンでありそのお陰で俺は何かに不自由した生活を送ったことはなかった。

わがままは全て許されていた気がする。まぁ、精神年齢大人だから大したわがままを言った覚えはないんだけど。

基本的に親の言うことは聞いてきたし、親も俺の言うことを聞いてくれた。

それだけを見れば平和なご家庭なのだろうが、そのせいで親と衝突することもなかった。

初めて人に殴られたのって何時だろう、……思い出した、花沢さんだ。

実は俺と花沢さんは幼稚園から中学生までずっと同じ学校だった。まあ、エスカレーター式で幼稚園から中学まで一緒だった奴は他にも居るが一番仲良かったのは花沢さんだった気がする。

俺にとって花沢さんは一夏にとっての篠ノ之さんや鈴みたいなもんなのか。しかし、違うのはその関係に恋愛感情が絡んでないことか。

彼女は結構な恋愛体質で、色々な男をとっかえひっかえしていた。

現在も新しい彼氏がいるらしい、そんなメールを以前貰った。

平均して半年位で別れるので、新しい彼氏がどれだけ持つか少し楽しみだ。

 

そんなことを考えながら飯を食い終わる、結構うまかったな野菜炒め。

一夏が遊びに行こうと言うので、ゲーセンに向うことにする。俺たちゲームしてばっかだな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せいっ!」

「そいやっ!」

「まだまだっ!」

「見切った!」

「うわっ!?」

 

俺と一夏でエアホッケーをしているが、今度は俺が勝つことが出来た。

一夏は弾より強いので、この中では俺が最強だ。

 

「ふっ、弱いな一夏」

「お前がここまでやるとは思わなかったよ、自信あったんだけどな」

「俺は地元では、エアホッケーの絶対皇帝と言われた男だぞ。お前如きが勝てる相手では無いのだよ」

 

これは嘘だ、俺は地元でエアホッケーの絶対皇帝なんて呼ばれてない。そう呼ばれてるのは花沢さんだ。あの人が負けるところを本当に見たことがない。

俺は地元ではエアホッケーの絶対皇帝の下っ端とよばれている。それなりに強くはあるんだが花沢さんとは天と地ほどの差がある。

 

「全くつまらんな、俺を倒したければ二人掛かりでかかってこい」

 

そう言って挑発してみる。

 

「わかった。弾! こっちに来てくれ」

 

弾が一夏の隣に来ると、何やら耳打ちをしていた。何か策でも思いついたのだろうか?

 

「何か策でも思いついたのか? しかし俺の実力でそんなモノは全て打ち砕いてくれるわ」

「言ったな? 先に言っておくが結構エグイことをやらせてもらうぞ」

「フン! 何が来ようともそれを受け止めるのが王者の役目、精々この俺を滾らせてくれよ」

「これ本当に俺がやらなきゃダメなのか? 一夏がやってくれよ」

 

弾は策が気に入らないようだが、それに一夏が答えた。

 

「弾、悪いがお前じゃ紀春の猛攻を受け止めることが出来ない。勝つためにはお前にやってもらうしかないんだよ」

「仕方ない。紀春! 先に言っておくが俺が悪いんじゃないからな、恨むなら一夏を恨んでくれ」

「何が来ても恨みはしないさ、なぜなら俺は王者だから!」

 

そんな感じでこのハンディキャップマッチが始まった。

 

俺の猛攻を二人が受け止める、しかし二人掛かりでも俺は優勢に立っていた。

 

「何だ? そのザマは、俺はまだまだ余力を残しているぞ!」

「くっ、弾! アレをやってくれ!」

「仕方ないな。紀春、全て一夏が悪いんだからな。そこ忘れるなよ」

 

弾がエアホッケーのテーブルから離れ俺の後ろに回りこむ、くすぐりでもするつもりだろうか?

しかし、そんなモノで俺を止められると思うなよ?

 

「さあ、何でもいいから掛かってこい! 弾! ――グハァ!?」

「これが俺の策だ。紀春、悪いな」

 

刺さっていた、俺のア○ルに弾の指が。つまりカンチョーを食らっていた。

俺はエアホッケーのテーブルに突っ伏す。豪快に頭を叩きつけ、意識を失った。

 

意識を失った俺は夢を見ていた、セピア色の世界の中で俺と篠ノ之さんが居た。

篠ノ之さんは怒っていて俺に木刀の突きの雨を降らせる。俺は何故かベッドに寝転んでおりその突きをクネクネとした動きで避けていた。

 

俺が突きを避ける過程でうつ伏せになった時、事件が起こった。

俺のアナ○に篠ノ之さんが木刀を突き刺したのである。

俺は涙しながら悶絶し、そのまま動かなくなった。

 

なんて夢だ……いや、夢か?………………篠ノ之箒……許さん!

 

あれは夢ではなかった、いや今思い出した。

あれは現実に起こったことだ、俺が篠ノ之さんにセクハラした後、確かにあんなことが起こった。

確かにセクハラしたことは認めよう、悪かったと思っている。しかし彼女はあろうことか報復に俺の純ケツを奪った。

これを許しては置けない。彼女には償って頂かないとならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「許さんぞおおおおお!! 篠ノ之箒いいいいいい!!!」

「あっ、目を覚ました。ってなんで箒?」

 

俺は覚醒し絶叫する、今からIS学園に戻ろう。

そして彼女に地獄を見てもらわなければならない。俺の純ケツを奪った罪は安くない、それ相応の罰を受けてもらわねば。

 

俺は心配そうに見つめている一夏と弾を跳ね除けゲームセンターの出口を目指す。

二人が俺を追い、一夏が話しかけてきた。

 

「悪かった、紀春! あんなことになるなんて思わなかったんだ」

「お前のことなどどうでもいい! 今は復讐の方が先だ!」

「復讐って、何の?」

「俺の純ケツを奪った張本人、篠ノ之箒にだ!」

「お前……もしかして思い出したのか?」

「ああ、あの忌々しい記憶を思い出したさ。アイツだけは許してはならない……ヘイタクシー!」

 

俺はゲームセンター前に偶然停まっていたタクシーに乗り込む、一夏も入ろうとしていたがそれを追い出しタクシーを発進させた。

 

待ってろよ、篠ノ之箒。お前に地獄を見せてやる。


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