インフィニット・ストラトス ~栄光のオリ主ロードを歩む~ 作:たかしくん
月曜日の朝、教室に入ると暮らすの女子達がISスーツ談義で盛り上がっていた。
椅子に座ると、一夏も話に加わってるらしく俺にその話を振ってきた。
昨日、ISを使った大喧嘩を繰り広げた俺達だったが、その後のことはもう大丈夫だ。
絶対防御を発動させ気絶した状態からから復活した後、記憶喪失になったフリをして全て凌いだ。
普段の記憶喪失の実績があるため俺は簡単に信用されたし、あの大激戦は多対一の戦闘訓練ということで口裏が合わされたらしい。
しかし、また一つ問題が持ち上がってしまった。
アリーナでの戦闘をたまたま見ていた人が居たらしく、俺がIS学園一年生最強ということになってしまったのだ。
確かにあの時は俺の恐怖を感じるほどの調子の良さと、これ以上無いほどの剛運であの四人を圧倒してしまった。
しかし、現在の俺は普通のオリ主である。最強にはまだ遠いのである。
「紀春はどこのISスーツを使ってるんだ?お前のも見たことない型だよな」
「俺か? 俺のは三津村のオーダーメイドだよ。その名もORsNr-Mk-14だ」
略さずに言うと、ORiginal-suit-Noriharu-Mark-14だが、俺はこの略称はオリ主紀春と読むようにしか思えない。
「何だその名前は? 工業製品のロットナンバーみたいだな」
「実際そんなもんだよ、俺のためだけに作られてるやつだからな。しかも名前にある通り、これに行き着くまで十三回の試作を重ねている。最初のは最悪だったなぁ」
三津村が一晩で作った最初の試作品を思い出す、あれは酷かったな。
しばらく雑談を続けると、山田先生が入ってきた。
そして、その口から転校生が来ると告げられる。
転校生か、しかもこの一組にだ。
俺は確信する、この転校生は確実に厄介事をこのクラス……いや、一夏を中心とする俺達に厄介事を持ち込んでくるに違いないと……
二組の鈴がそうであったからだ、しかも一組に来るのだから尚更だ。
そんな事を考えていると、教室のドアが開かれた。
俺達、クラスの全員の視線がそこに注がれる。
どうやら転校生のようだ、しかし俺はそいつに違和感を覚える。何でズボン履いてるんだ?
ズボンが教壇の横に立ち自己紹介を始めた。
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。みなさんよろしくお願いします」
シャルル? その割りにはコイツ、アナゴさんボイスじゃないな。
いや、世界が違うから当然か。フランス人って自己紹介してたし。
「お、男……?」
誰かがそうつぶやいた。
「は。こちらに僕と同じ境遇の方が居ると聞いて本国より転入を――」
これはマズイ、男と言う事はこのシャルル君を交えたホモネタが今後展開されるぞ。
クラスメイトも三人目の男が来たということで大騒ぎだ。
「IS学園で平和に暮らしていた一夏と紀春に迫る第三の男シャルル・デュノア! 彼の登場は一夏と紀春に何をもたらすのか!? ……これは妄想が捗りますわ」
歓声の中、俺は確かにそんな声を聞いた。もう始まってたよ。
SHRも終わり、シャルル・デュノアが俺達に近づいてきた。
「織斑君と藤木君だね、はじめまして。僕は――」
「すまないが自己紹介はまた後にしてくれ、先に更衣室に移動しないと」
俺は席から立ちそう言う、一夏も立ち上がる。
「えっ?」
「ダッシュだデュノア君! 女子の生着替え鑑賞会をしたいなら話は別だが」
シャルル・デュノアが固まる。
「ではさらばだ!」
「ちょっ、ちょっと待ってよ!」
廊下を走る俺達をシャルル・デュノア追う、そして俺達の目の前には女子のバリケードが展開されている。
「きゃー、三人目の男よ!」
「かわいい……守ってあげたくなる感じね」
彼女達は口々にそう呟く、俺達は走りながら彼女達に突撃していた。
「あれ、どうすればいいの?」
シャルル・デュノアがそう呟く。
「幾らでもやりようがあるさ、一夏! 手本を見せてやってくれ!」
「了解! 任せろ!」
一夏は俺達より更に早く走り、壁走りを始める。そして女子の集団を飛び越えていった。
そして一夏はそのまま走り抜ける。
「えっ? アレやるの? もしかして織斑君ってニンジャ?」
「ニンジャじゃなくてもアレくらいは誰でも出来るさ。IS学園男子たるものあの程度出来なくては生きていけないぞ」
「僕、出来そうにないんだけど……」
「男は度胸、実際やってみると意外に簡単だぞ」
今度は俺の番だ、俺もオリ主脚力をフルに使い加速し、一夏と同じように壁走りからのジャンプで女子の集団を飛び越え走り抜けた。
「ぼっ、僕は男だ!……やってやるっ!」
後ろを振り返るとシャルル・デュノアがもつれそうになりながらも着地し、俺達を追ってきた。
「でっ、出来ちゃった……」
「ナイスだ! 初めてであそこまで出来るとは……デュノア君、キミは俺や一夏を超える逸材のようだな」
「もしかして、出来ないと思ってたとか?」
「……いやそんなことないよー」
「……」
怪訝な顔をするシャルル・デュノアと共に俺達は廊下を駆け抜けて行った。
「これ、着るときに裸っていうのがなんか着づらいんだよなぁ。引っかかって」
「引っかかって!?」
更衣室で着替えていると、ふと一夏がそんな事を言う。シャルル・デュノアはそれを聞いて赤面してるようだ。
「確かに着づらいよな、特に俺のはコルト・アナコンダだからな」
「アナコンダ!?」
シャルル・デュノアは俺達のさりげない下ネタにいちいち反応してくる。
「嘘言え、お前のはニューナンブだろ」
「デリンジャーの癖によく言うわ」
「デリンジャーはねえよ」
ふと見ると、シャルル・デュノアは赤面してもじもじしている。
「デュノア君、早く着替えないと遅刻するぞ、織斑先生は遅刻者に容赦ないからな」
「あっ、うん。そうだね。そうだ、僕のことはシャルルって呼んでよ。二人とも名前で呼び合ってるみたいだし」
「おう、そうだな。よろしくなシャルル、俺のことは一夏でいいぞ」
「だったら俺のことは紀春様と呼べ」
いつか言ったような台詞を言うと、シャルルが困惑する。
「またそのネタかよ、コイツのことは呼び捨てでいいから」
俺の小ネタが一夏によってさらりと流される。
「あっ、うん……」
「……」
「……」
「どうした?早く脱げよ」
シャルルを見ていたが制服を着たままなにもしようとしない。
「えっ?脱ぐって……」
「着替えるんだろ?」
「いや、そうなんだけどさ」
シャルルは赤面して動かない、対するは半裸の俺と一夏。
もしかしてコイツホモか!?
「はっ、恥ずかしいからこっち見ないでもらえるかな?」
「恥ずかしいって、俺達男同士だろ?」
一夏がそう言うが、俺は彼の言いたいことを理解した。
こいつは多分ホモじゃない。
「一夏、やめてやれ」
「紀春? どうしたんだ?」
そう、俺は彼の言いたいことを完全に理解した。
俺達のチ○コのサイズに関しての下ネタに戸惑う様、そして着替えを見ないで欲しいというシャルル。
なによりISスーツは全裸にならないと着替えられない。
そこから導き出した答えはこうだ。
「シャルルはな……チン○小さいんだよ」
「○ンコ!?」
シャルルが驚く。
「すまんなシャルル、知らぬこととはいえお前を傷つけてしまっていたようだ」
「待てよ紀春、シャルルはフランス人だぞ! チ○コ小さいわけがあるか」
以前ネットで調べたことがある、本当かどうかは解らないがそのネットの記事では各国の平均チン長が載っており、フランス人が堂々の一位だった。
一夏はその事を言っているのであろう。
「フランス人でも個体差はあるだろうが! シャルルのチン○は小さいんだよ! でも安心しろシャルル! 女性を満足させるには大きさが肝心じゃないんだ! テクニックだ!」
「……へぇ、そうなんだ」
これもネットの記事で見た、本当かどうかは解らないけど。
「そうか、シャルルのチン○コは小さいのか……」
「そうだ、シャルルのチ○ンコは小さいのだ……」
一夏がかわいそうな人を見るような目でシャルルを見る。
俺達はさっきまでチンコ○と連呼された部屋で静寂に包まれた。
「シャルル」
「えっ、なに?」
「確かにお前のチ○コは小さい、でもな、これだけは忘れないでくれ。」
俺はシャルルの両肩に手を乗せ、優しく語り掛ける。ちなみに俺は半裸だ、下半身はISスーツを纏ってはいるが。
「……なんでしょう」
「俺とお前は友達だ、たとえお前がどんなにチン○が小さかろうとその友情にヒビが入ることは無い。友情ってのに○ンコの大きさは関係ないだろ?」
「そうだな、紀春の言うとおりだ。俺達の友情に○ンコの大きさなんて関係ない」
そうだ、世の中の半分はチ○コ無い奴で、俺にはチン○付いてない友達も多く居る。
友情に○ンコは関係ないのだ。
俺達はシャルルに笑顔を向ける、シャルルはそれを苦笑いしながら見ていた。
まだ俺達のわだかまりは解けていないようだ。
だったら仕方が無い、強制的にでもやらせよう。
「友情にチン○は関係ない!」
「そうだ! 友情にチ○コは関係ない!」
俺の叫びに一夏も呼応する。
「さあ! シャルルも叫ぶんだ! 友情に○ンコは関係ない!」
「……ぅ……ぁ」
「さあ!」
「……友情に……ちっ、チンコは……関係ない」
意を決したように、シャルルが言う。
俺達はこの瞬間に真の友達になったのだ。
まだシャルルは戸惑いを隠せないのだろうが、それは時間が解決してくれるだろう。
俺も友達が増えて嬉しい。今後彼と仲良くやっていこう。
その後俺達は着替えを終え、シャルルの着替えが終わるまで更衣室の外で待った。
彼のチ○コの小ささに配慮したためだ。
更衣室から出てきたシャルルを見る、というか股間を見る。
まるでもっこりしてなかった、やはり俺の予想したシャルル粗チン疑惑は正しかったのだ。
俺達は意気揚々とアリーナへ向かう、大切なことを忘れているとも知らずに……
嘘吐きには罰を、そう思って書いた結果がこれだよ。