インフィニット・ストラトス ~栄光のオリ主ロードを歩む~   作:たかしくん

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二話が短いので三話も続けて投稿
でも、三話も短いです。


プロローグ 第3話 ルルとなのは(そしてその他大勢)にさようなら

「天ぷらかー、嫌いなんだけどねー」

「わがまま言わずにちゃんと食べなさい」

「そうだぞ、好き嫌いしてたら大きくなれないぞ」

「はーい」

 

夕食の天ぷらに不満を言ってみる。別に天ぷらは嫌いでは無いのだが、嫌いな振りをしていた。

ここがネオサイタマではないということは確認済みだが念には念を入れておく。これでクリスマスにわざわざ息子の嫌いな天ぷらを食べに行こうなんて思わないはずだ。

 

こんなにネオサイタマを警戒するのには理由がある。俺の苗字がちょっとヤバイ。

 

我が家のファミリーネームは藤木である。フジキドではないがフジキだ。いつでに言えば俺の名前は藤木紀春だ。さらに父さんは健二、母さんは冬子と書く。

 

「どうだ、幼稚園は楽しいか?」

「うん!たのしいよ!」

 

父さんが俺に声を掛ける。俺はサツマイモの天ぷらを食べながらそれに答える。実際楽しい。子供の肉体になったことで精神も子供になっているようだ。でも母さんと風呂に入るときはそうもいかない。超ドキドキする。どうやらそれとこれは違うらしい。

俺の通う織朱大学付属幼稚園は所謂名門と言う奴で保育料も高い。しかし父さんはどうやらカチグミサラリマンらしいので、そこの心配はなさそうだ。前世に比べると生活レベルが一つか二つは違う。ちなみに今食べているサツマイモは幼稚園の芋掘りで貰ってきたものだ。

 

織朱→おりしゅ→オリ主

偶然の一致か、カズトさんの導きかは解らないが俺はこの幼稚園に行かなくてはならないと思った。

織朱大学には付属幼稚園から小学校、中学校、高校もある。これが本当にカズトさんの導きであるならエスカレーター式に学歴を重ねていくどこかでオリ主的イベントに遭遇するはずだ。

この伏線はいつになったら回収されるのか。そもそも回収されるのかが今の気掛かりだ。

そんなことを考えながら夕食を食べ終える。

 

「ごちそうさまでした」

「お粗末さまでした」

「ちゃんと全部食べたな。偉いぞ」

「自分の部屋に戻ってるよ」

「最近晩御飯を食べたらすぐ部屋に戻るが何かあったのか?」

「最近は地図帳に夢中みたいなのよ。ノリ君は」

「もう勉強を始めてるのか!?これは将来が楽しみだなあ」

 

両親の会話を背に自分の部屋に戻る。三歳ではあるが自分の部屋を貰っている。夜に母さんと一緒に寝るのは去年卒業した。母さんはいかにもな大和撫子というタイプだ。美しいお顔に高い教養、そして奥ゆかしい性格。お胸の方も少々奥ゆかしさがあるが、大体の男が思う理想的な女性と言った感じだ。そして、そんな母さんといつまでも一緒に寝てるのは少々辛いものがある。

しかしながら、こんな人と結婚できた父さんは幸せ者だと思う。カチグミサラリマンは伊達ではないのか。そしてそのカチグミサラリマンと大和撫子の息子の俺も幸せ者だと思う。

 

部屋に入り、本棚から真新しい地図帳を取り出す。一週間前母さんと本屋に行った時、わがままを言って買ってもらったものだ。母さんは俺のために童話とかアソパソマソの本をを買いたかったみたいだが、生憎俺に情操教育は必要ないのだ。母さんは少し不満な様だった。少々罪悪感があるが、今更桃太郎とかアソパソマソとか読んでられない。

気を取り直して地図帳を眺める。昨日は中国地方を見たから、今日九州、沖縄を見て終了だ。

俺は今、海鳴市をはじめとするアニメ、マンガ、ゲームの舞台になる場所を探している。俺の推測が正しければこの作業に意味は無いのだが、答え合わせはもう出来ないのだ。ついでに言うと 神聖ブリタニア帝国も無かった。

 

やはりそれらしい土地は無かった。見落としがあるのかも知れないが、カズトさん曰く時期が来れば自ずと解るのだから焦ることはない。これからは将来のために知識と体を鍛えよう。前世ではバリバリの文系だったから、俺のオリ主知識では理系科目がちょっとよろしくない。前世で子供の頃大人たちによく、「子供のうちにちゃんと勉強してないと、大人になって後悔するぞ」と言われたもんだ。子供の頃は大人たちが何故そんなことばかり言うのか疑問だったが、大人になってからそれが身に染みて解った。Fラン大学に行ってから後悔しても遅いのだ。

まぁ、転生オリ主というのはチートを付けてなくても概ね頭の良いものだ。わざわざその慣わしに逆らうの気も起きない。

 

「ノリくーん。早くお風呂に入っちゃいなさーい」

「わかったー」

 

扉越しに母さんの声が聞こえる。時刻は只今八時三十分。風呂に入ってなんやらかんやらしてるとすぐに九時になる。九時になれば子供は寝る時間だ。明日早く起きなければならない。さっさと風呂に入って寝よう。

 

 

そんなこんなで転生オリ主藤木紀春3歳の秋は過ぎて行った。




一向に出てこないIS要素。
次はなんとかなるはず。

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