インフィニット・ストラトス ~栄光のオリ主ロードを歩む~ 作:たかしくん
今回は33話まで書きました。
「俺に触れるな」
そう言われ、僕は拒絶された。
でも紀春は僕のことを嫌いではないとも言ってくれた。
そうして紀春は自分から記憶を失っていったんだ。
その後、紀春はいつものように僕に接してくれている。僕も何もなかったような態度で紀春に接するように気をつけた。
そんな時、ラウラが一夏に対する嫁宣言をし、更に紀春に対して兄になって欲しいと言った。
そんな無茶苦茶な話を紀春はすんなりと受け入れた。
紀春はにこぽがどうとかと訳のわからないことを言っていたが、僕の方が訳がわからなかった。
僕とラウラ、どこが違うのだろう。少なくとも紀春はラウラの事を仇敵のように忌み嫌っていたはずだ。
でも今じゃ紀春はラウラにデレデレしている。
「紀春……僕、紀春のことが解らないよ……」
解らない、本当に解らない。紀春のことだけではなく自分の事でさえも……
「僕……これからどうすればいいんだろう」
それに答えてくれる人は居ない、ルームメイトはこんな朝早くからどこかへ行ってしまったようだ。
新しい朝が来た、しかしそれは希望の朝というわけでもなかった。
「おい、お前ら何やってる?」
「のっ、紀春! 助けてくれ」
「おっ、兄も起きたのか。おはよう」
俺の隣のベットでは一夏とラウラがいちゃついていた。しかもラウラは全裸である、ちょっと目の毒。
「ラウラ、何故全裸なんだ?」
「日本ではこういう起こし方が一般的だと聞いたぞ。将来結ばれる者同士の定番だと」
どこが一般的なのだろうか? 親の顔が見てみたい。あっ、コイツ親居なかったな。
「ラウラ、そういうことは俺の居ないところでやってくれ。疎外感がハンパない」
「そうか、兄は寂しかったのだな。よし、今日の夜は三人で川の字になって寝よう、私達は家族だからな」
「だから何でそうなる……」
シャルロットが女だと判明し引越しして、俺はまた1025室に呼び戻された。
それから一週間位経ったが一夏は早速イベントを起こし、こんな状態だ。
「兄よ、遠慮しなくてもいいんだぞ。私の体は嫁のものだが、私の心は嫁と兄二人のものだ」
「へぇ、うれしいなー」
「そうか! 兄も嬉しいのなら私も嬉しいぞ!」
今日もラウラのニコポは絶好調だ、そしてラウラのニコポのお陰で俺はラウラに強い態度を取れなくなってしまったのである。
「紀春……」
「一夏ゴメン、俺はニコポにはどうやっても勝てないんだ」
「だからにこぽってなんなんだよ……」
その時、またしても事件が起こる。
「一夏、藤木。折角だし朝食を一緒にしようと思うのだが」
そんな事を言いながら篠ノ之さんが部屋に入ってきた。
「あっ……」
部屋には全裸のラウラと一緒にベッドに潜っている一夏、時々俺。
俺は、察した。
「篠ノ之さん、俺は部屋から出て行くから。ごゆっくり」
そう言い俺は部屋から逃げ出した。
一夏と同室になるとこういうイベントに事欠かない、故に俺の私物はとばっちりを回避するため特別室に置きっぱなしだ。あの部屋に俺の私物なんて服くらいしかない。
確か、特別室に制服の予備があるはずだ、それに着替えて飯を食いに行こう。
俺は特別室に歩を進める、1025室からはドッタンバッタンと物音が聞こえている。
「しかし、幾らなんでも全裸はやりすぎだぞラウラ」
「仕方ないではないか、私はここの制服と軍服以外服を持ってないのだ。故に寝るときはいつも全裸だぞ」
「ってことは俺達の部屋まで全裸で来たって事か!?」
「そういうことになるな」
放課後の教室でラウラと語り合う、全裸を注意しようとしたら衝撃的な事実に驚かされる。
コイツ、服を買いにいく服すら持っていないとは……
「仕方ない、次の休みの日に服買いに行くぞ」
「おっ!? ということはデートか!?」
「デート!?」
ラウラの言葉に反応したのはシャルロットだ、シャルロットは俺達に詰め寄る。
「デートなんて駄目だよ!」
「何故だ? 私と兄は家族なのだから別にいいだろう。お前はいつもいつも家族の問題に口出ししてきて、何様のつもりだ?」
「そう怒るなラウラ、そうだシャルロット、付き合ってくれないか?」
「付き合う!? ええと、その……」
やたらもてる一夏にあやかって言葉をぼやかしてみたのだがやはり意味を勘違いされシャルロットが戸惑う、やっぱり駄目だな。俺は一夏のようにいかない様だ。
「ああ、買い物にな。流石に俺は女物の服まではよく解らんし」
ちなみに、制服と軍服しか持っていないラウラにはファッションセンスなんて最初から期待していない。
「ああ、うん、そうだよね、やっぱりそうなるよね」
「すまんな、一夏みたいな真似して。俺もちょっとやってみたかったんだ」
「やめてよ、心臓に悪い……」
シャルロットがジト目でこっちを見てくる、今ので確実に俺に対するシャルロットの好感度が下がった気がする。
これは良くない、シャルロットは同じ三津村に所属する仲間だ。世話になったり世話したりもするだろうから、出来るだけ仲良くやっていきたいのだ。
「すまんすまん、お詫びに何か買ってやるから一緒に来てくれないか?」
シャルロットを誘うのにはちゃんと理由がある、それはクラスの中の勢力図が関係していた。
現在クラスの中は大きく分かれて三つのグループが存在している。
谷本さん、鏡さんを中心とした腐女子連合。
布仏さんを中心とした中道派。
そして専用機持ちと篠ノ之さんを中心としたホモ否定派。
別に普段仲が悪いと言うわけではないのだがホモの話題を出された時の反応の違いから俺の中でこんな感じのグループ分けがされている。
ちなみにこのクラスでは腐女子連合が多数を占めている。対抗するホモ否定派は数も少ないし、一夏のことで対立することも多いのでグループとしての力も弱い。
そして俺は男であり、腐女子連合の標的の一人だ。そんな人と街に出ようものなら確実に色々話を聞かれてネタを提供することとなってしまう。
中道派も中々問題だ、中道派で仲がいいのが布仏さんしか居ない。
普段着ている着ぐるみを見れば彼女のファッションセンスはお察しだ、他のメンバーに夜竹さんや四十院さんが居るが、いきなり買い物に誘うほどの仲でもない。
故にホモ否定派の一人であるシャルロットにお願いしているというわけだ。
そして、一夏にイカレてる女達を誘うのもなんだか気が引けるしね。
「買ってくれるって、プレゼント?」
「そういうことになるな、まぁお前とは同じ三津村なわけだし今後とも仲良くやっていきたい。金なら心配するな、これでもカチグミサラリマン並の給料を貰っているからな」
「そうか、プレゼントか……」
「おお、兄よ太っ腹だな。やはり男は甲斐性なのか」
「もちろんお前の服も俺の奢りだ。そうだ、臨海学校の水着も買わないとな」
「おおっ! すごいのを買って嫁にアピールせねば!」
「ということで、シャルロット。頼む」
「うん、僕に任せて!」
シャルロットは上機嫌に俺に言う。
レディは贈り物が好きだと相場は決まっている、それはこの世界でも宇宙世紀でも一緒のようだった。
ありがとう、ワイアット大将。貴方は無能だったけど、その教訓は俺に生かされていますよ。
「あっ、そうだ。アリーナ行かないと……」
「えっ? 今日って紀春の訓錬の日だったっけ?」
「不動さんに呼び出されてるのすっかり忘れてた、シャルロットも来て欲しいってさ」
「不動さん? ああ三津村の整備の人ね」
「長い付き合いになる人だからちゃんと覚えておけよ。さて、ではラウラここでお別れだ」
「ああ、週末楽しみにしているぞ」
ラウラと別れの挨拶をした後、俺とシャルロットは呼び出されたアリーナへ向かった。
「このショットガンすごいよ! 片手で撃てるよ! 両手で一丁ずつ持てるし!」
「ISの装備って大体そういうものなんだけどね……」
「アサルトライフルも凄い! 弾がいっぱい出てくるしよく当たる!」
「アサルトライフルって普通はそういうものなんだよ」
不動さんにアリーナに呼び出された理由、それは破損して使い物にならなくなったサタデーナイトスペシャルとレインメーカーに代わる武装を選ぶ手伝いだった。
アリーナに到着した時、不動さんは大きなコンテナと共に俺達を待ち構えており、俺はそのコンテナにある武装の試し撃ちをさせられていた。
この中で俺の気に入った武装が、今後サタデーナイトスペシャルとレインメーカーの代わりに打鉄・改の拡張領域に入ることになるらしい。
しかし、困った。今試している武装のほとんどが癖の無いもので、俺的には満足いくものばかりだ。
「紀春! このとっつきなんてどうかな!?」
「却下、大体火薬使って杭を打ち出すって発想がわけ解らん」
「紀春……とっつき嫌いなの?」
「ああ、嫌いだね。どうせなら杭飛ばせよ、何でわざわざ近接に用途を限定するのかが全く解らん」
「ええと……ロマンだから?」
「ロマンで勝てるなら俺は今頃ロケットパンチを飛ばしとるわ」
困ったことにシャルロットはとっつきを始め数々のロマン武装を押してくる、しかし俺はロマンを理解できる人間ではない。
ちなみにプロレスがロマンだと思った奴は出て来い、一番スゲェのはプロレスなんだよ。
前世でリンクスをやっていた時だって俺の獲物は両手のライフルと両肩の少佐砲だった。
雑魚はライフルで削り、大物は少佐砲で焼き払ってきた。それが俺のスタイルだ。
そこにロマンなんて言葉は無かった。ああ、ランドクラブとかと戦う時はとっつき解禁するけどね。
結局俺は六一口径アサルトカノン、ガルムと大口径バズーカを二丁ずつ選択する。
「ガルムは僕とお揃いだね」
シャルロットが嬉しそうにそう言った。
「ああ。どうせこの機体は繋ぎの専用機だし、武器特性を知ってるシャルロットに教えてもらえれば習熟も早いだろうしな」
「繋ぎの専用機?」
「以前言ったろ? 三津村がイグニッション・プラン参入を画策してるって、それが俺の専用機になるらしい」
「ああ、そんな事言ってたね」
「そういういうことだ。さて、もう遅いし帰ろうか。ああ、今後武装習熟訓錬に付き合ってくれよ。暇な時だけでいいから」
「うん、解ったよ」
そんなこんなで俺達は武装の片付けを終え、寮に帰っていった。
毎回一回目はこんな感じで全く盛り上がりません、明日から本気出す。
セインツロウ4買ったり、lowのバレンタインイベントのせいで財布が一気に寂しくなりました。