インフィニット・ストラトス ~栄光のオリ主ロードを歩む~ 作:たかしくん
「ついに、ついに、ついにっ! 女の園、IS学園へと……来たぁぁぁぁあ!!」
赤髪の男が叫ぶ、それを私と太郎は遠巻きに見つめていた。叫ぶ男はそのあまりの不審振りに私達だけではなく他の人々の視線も集めていた。
「うわ……何あの人。人の往来の真っ只中で叫んでみっともないわね」
「近づいちゃ駄目だよ花沢さん。ああいう人は何するか解らないんだから」
「仮に何かしてきてもあれ位なら一撃でノックアウトする自信はあるわよ?」
「そんな事すれば少なからずかみやんにも迷惑掛るんだから出来るだけ大人しくしてようね」
「はいはーい」
太郎のこの対応、まるで子供を宥める親のようである。
まぁ、五年以上もかみやんと友達をやっている太郎なのだから大人の精神を持っていないとやってられないのだろう。
「あの、チケットの確認をさせてもらっていいかしら?」
そんな事を考えながら歩いているとある女性から声を掛けられる、その女性が身に纏っているのはIS学園の制服だ。
ああ、憧れのIS学園の制服。私もこれを着たかったなぁと思いながらチケットを差し出す、彼女は私と太郎からチケットを受け取り確認する。
「ええと、配布者は……あっ……」
チケットを受け取った女性の顔が一瞬強張る、この人はかみやんの知り合いなのだろうか?
「ふ、藤木君に篠ノ之さんですか……」
「知り合いなんですか?」
「ええ、まぁ……藤木君の方は……一応……」
妙に沈んだトーンで彼女はチケットを私達に返す、多分彼女はかみやんのせいで何か酷い目にあったのだろう。
「まぁ、なんというか……頑張ってくださいね」
「ええ……」
太郎がなんとなく彼女を励ましているが彼女のトーンは沈んだままだ、しかしいつまでも彼女と会話しているわけにはいかないので私と太郎は彼女との会話を早々に打ち切り学園の中へと入っていった。
「オープニングイベントの会場はこっちだよ~」
今度は妙にのほほんとした声が聞こえる、目をやると見た目ものほほんとした女の子が手持ちの看板を持っているのが見える。
「へぇ、オープニングイベントねぇ。行ってみましょうか」
「そーだね」
太郎の適当な相槌を聞きながらのほほんとした子の誘導に従い私達は歩き出す。
こんな感じで私達のIS学園学園祭訪問は始まった。
「みんなー! こーんにちわー!」
「………………」
「あれあれ~? 元気がないぞ~、こーんにちわー!!」
「こーんにちわー」
既に超満員となったアリーナの観衆が渋々答える、ここは藤木紀春争奪バトルロイヤルの会場だった。
アリーナに設置された特設ステージでたっちゃんが司会を始める、しかしあの感じはまるでヒーローショーに出てくるお姉さんだ。
俺と虚さんと本音ちゃんはその様子をバックステージにあるモニターで窺っていた。
「なんなんすか、あれ」
「さ、さぁ……」
「あと本音ちゃん、飲み物を飲ませてくれないか」
「はいはーい」
そう言って本音ちゃんが俺の口にペットボトルを添えて飲ませてくれる。ちなみに虚さんが登場して以来布仏さんのことは本音ちゃんと呼ぶようにしている、実際どっちも布仏さんなので訳が解らなくなるからだ。
そして、なぜ人からわざわざ飲み物を飲ませてもらっているかというのも理由がある。現在俺は両手が使えないからだ、ついでに言うと足も動かせない。
「あっ、そろそろですね。行きますよ、藤木君」
「あいよー」
虚さんが俺を持ち上げる、しかし女の筋力で俺を持ち上げるのなんて不可能なはずだ。しかし今の虚さんはそれを可能にしている、なぜなら彼女は打鉄を纏っているからだ。
そんな虚さんに連れられてステージに出る俺、そして俺はというと十字架に磔にされていた。
「はいはーい、というわけで商品の藤木紀春君にインタビューしてみましょう。ノリ君、今の気持ちは?」
そう言ってたっちゃんが俺にマイクを差し出す。
「……辛いです」
実際辛い。両手両足を十字架に縛りつけられ、ステージ内の照明が俺を照りつける。そんなわけでステージ上は結構な高温だ、そんな中汗一つ見せないたっちゃんは流石プロと言った所か。まぁ、何のプロかと聞かれれば返答に困るところだが。
「さて、ただいまよりIS学園学園祭のオープニングイベント『藤木紀春争奪バトルロイヤル』を開始します! というわけで全選手入場!」
その言葉と共に流れるBGM、というか城島怒りのテーマ。その音楽と共に色とりどりのISがカタパルトから飛び出してきた。
「ん? 見覚えのないISが居ますね」
「ああ、あれはコールド・ブラッドね。二年の専用機持ち、フォルテ・サファイアのISよ」
「へぇー、勉強になるなぁ」
「というか学園に居る専用機持ちの事くらい覚えておきなさいよ」
「ほら、俺記憶喪失体質だから。きっと覚えてたんだけど忘れたんだよ」
「都合のいい話ね」
「全くだ」
「ところで、この戦いでディアナの専用機持ちとしてのキャリアは一番浅いけれど勝てる見込みはあるの?」
「ああ、そこら辺は大丈夫だ。ディアナさんのポテンシャルはめっちゃ高い、はっきり言って何故アメリカが彼女に専用機を渡さないのかと思えるくらいには強いよ。それに一応彼女のために仕込みをしておいた」
「ふふっ、それは楽しみね」
「ああ、楽しみだ」
しかし、一年専用機持ち全員がこのバトルロイヤルに出ているとは驚きだ。ラウラはともかく一夏に惚れている連中は俺のことなんて別に欲しくないだろうに、そしてシャルロットは……どうなんだろうね?
「試合開始に先立ちまして、商品の藤木紀春君から一言どうぞ」
もう一度たっちゃんが俺にマイクを向ける。よし、とりあえずここはぶっこんでおこう。
「あっ、アタイのために争わないでっ!!」
「というわけで試合開始!」
本音ちゃんが思いっきりゴングを鳴らす、こうして俺を商品にした戦いの幕が上がっていった。
「…………」
バトルロイヤルの戦いにおいての正しい戦い方、それは周りからのヘイトを極力集めないようにするということである。
戦いの中で目立とうものなら周りから一気に集中砲火を浴び、戦わずに逃げ回っていても標的にされる。
つまり、目立ちすぎず逃げ過ぎず。そして最後の二人になった時に相手にどれだけのダメージを与えているか、それが勝利の鍵となる。
皆それを解っているが故に最初の一歩が踏み出せない。最初に何らかのアクションを起こした人が最初に脱落する、そんな空気が漂っていた。
「はっはっはっ、みんな臆病者ッスね。しかしそんなのは自分の実力に自信がない証拠ッス! 誰でもいいからかかって来るッス!」
しかし、そんな空気を読まない人物が一人。二年生専用機持ちのフォルテ・サファイアであった。
このバトルロイヤルに参加しているのは計七名、一年専用機持ちの女子全員と先程猛々しく声を上げたフォルテ・サファイア、それとソフトボール部部長であり藤木紀春から専用機を借り受けたディアナ・ウォーカーである。
ディアナはフォルテとは対称的に会場の隅で腕を組み静かに目を閉じていた、しかしその様子を気に留める者は居ない。何故なら絶好の獲物が目の前に居たからだ。
その獲物に対して口火を切る者が一人、それは中国代表候補生凰鈴音である。
「へぇー、流石先輩ッス、度胸があるッスね」
鈴はフォルテの口調を真似る、それがおかしかったのかどこからか笑い声が聞こえる。
そしてフォルテの表情が明らかに曇る。馬鹿にされている、彼女はそう感じたのだろう。
「そっちこそ流石は中国代表候補生ッス、人の真似はお手の物ッスか?」
「あら、優れた人物の模倣こそ成長の近道ではありませんか? ッス。わたくしたちは先輩をただ敬いそこに近づこうと一生懸命模倣しようとしているだけですわッス」
セシリアから鈴に言葉の援護射撃が入る、しかしセシリアの真似方は非常に下手であった。その事が更にフォルテの怒りを買う。
しかし、セシリアの顔は涼しい。何故ならこの時点で全員の視線がフォルテ一人に注がれているのを把握しているからだ。年上の代表候補生、自分達より少なくとも一年のキャリアを持つフォルテは強敵だ。しかし五人で掛れば楽勝だろう、たとえ同じ二年であるディアナ・ウォーカーがフォルテに加勢しようともその絶対的有利は微塵も揺らがない。
「ぐううっ、後輩の癖に先輩に対してリスペクトの意思が全然感じられないッス。生意気ッス! 許さんッス! 二人ともシメてやるッス!」
「ほう、二人とな? ッス」
「サファイア先輩、あなたは目立ちすぎたッス」
「悪いけど全員で行かせてもらうよッス!」
フォルテの啖呵に箒、ラウラ、シャルロットの順番で応える。もちろん全員が語尾を真似て。
「あっ……ッス」
一年全員がそれぞれの得物を手ににじり寄る、フォルテにとってそれは絶体絶命のピンチであった。
「さっ、流石に五人同時は卑怯ッスよ!」
「あら先輩、あたし達はルールに則って戦おうとしてるだけッスよ? ということで、撃てええええッス!」
鈴の号令の元、一斉に射撃が開始される。この射撃に身を晒していては一瞬でシールドは底を突いてしまう、しかし相手も手練の代表候補生。その一斉射撃のほとんどをかわしていく。
「ぎゃーーーーーッス! 痛いッス! このままだとジリープアーッス!!」
しかしその射撃の全てを避けているわけではなく、幾らかはその身に受けてしまう。このあたりが彼女の技術の限界なのだろう。
「ディアナ! 同じクラスのよしみで助けるッス! いや、助けてくださいッス!」
そう言いながらフォルテはディアナの下へと一直線に向かっていく、ディアナは未だ腕を組み目を閉じ立っていた。
そのディアナの下へと全力で飛ぶフォルテ。その距離がゼロになろうかとした瞬間、ディアナの目がカッと見開かれた。
「ディ、ディアナああああ「死ねぃ!」うぎゃーーーーーッス!!!!」
一瞬の出来事であった、ディアナは目を見開いたと同時に展開領域から特製の金属バットを取り出し、向かって来るフォルテを北の侍ばりのフルスイングで自分から見てセンター方向に打ち返しそのまま壁に激突させた。
「………………ッス」
場内のアナウンスで、フォルテ・サファイアの脱落が告げられる。一年生達の目論みは成功した、しかしながらこの終わり方は誰も予想してはいなかっただろう。
「すっ、凄い……」
「あれって、紀春さんより強くないですか?」
ディアナ・ウォーカー、彼女の纏っているヴァーミリオンはあくまで借り物である。しかしながら彼女の強さはヴァーミリオン本来の持ち主である藤木紀春より明らかに上である、そんな印象を彼女はバット一振りで一年生全員に植え付けた。
藤木紀春と更識楯無の決闘から今まで一週間と少々、ディアナは完全にヴァーミリオンをモノにしたのだ。
「くっ……」
箒がディアナに向け空裂を構える、しかしこれからどう動けばいいのかが全く解らない。解る事は唯一つ、少しでも隙を見せれば次は自分があのバットの餌食にされてしまうという事だけだ。
しかし、その瞬間はすぐに訪れる事になる。
「食らえっ!」
「なにっ!? ぐわああっ!」
鈴が箒の背中に衝撃砲を打ち込む、それを受けた箒はディアナの目の前まで吹っ飛ばされた。
そして息つく間もなく襲い掛かるバットの先端、箒はそれをまともに食らいフォルテと同様にセンター方向へと飛んでいきそのまま壁に激突した。
程なくして篠ノ之箒脱落のアナウンスが流れる、バトルロイヤル参加者は残りは五人となった。
「鈴っ、貴様どういうつもりだ!?」
ラウラが怒声を上げる、彼女の怒りは最もである。
現在この中で最大の戦力を持つのは明らかにディアナであり、ラウラ達の誰かが勝ちを得るためには彼女を全員で倒す事が最も合理的な戦術であったはずだ。
それを鈴が解っていないはずはない、しかし鈴は衝撃砲を箒に食らわせディアナの攻撃をアシストした。これは明らかに敗退行為である。
「悪いわね、でもあたしこっち側なの」
ラウラの怒声に悪びれもしない返事を返す鈴はゆっくりと飛び、ディアナの目の前に立ち彼女に背を向ける。
そして背を向ける鈴に対してディアナは攻撃を仕掛けようともしない。この様子を見た誰もが悟った、鈴は裏切ったのだと。
「鈴さん、あなた裏切ったのですね」
「裏切った? 人聞きの悪い事言わないでよ、あたしの目的は最初からソフトボール部をこのバトルロイヤルで勝たせることよ。そもそもこの戦いはバトルロイヤル、裏切りなんてあって当たり前だしあんたたちと同盟を組んだ覚えもないわよ」
鈴の言う事は全く以て正論だった、バトルロイヤルは裏切り裏切られが醍醐味の戦いであるし一年生の同盟もただなんとなく一緒に戦っているだけである。そこには契約はおろか口約束すら存在しない。
「でもどういうこと? 鈴はラクロス部に紀春を呼ぶために戦ってるんじゃないの? それなのになんでソフトボール部の味方なんて……」
「ラクロス部のため? 冗談じゃないわ、あたしは部のみんなに勝手にこの戦いに参加するように決められたのよ。そんなのに従うわけないじゃない」
「でもそれだけじゃソフトボール部の味方をする理由にはならないよね?」
「ああ、それね。少し前に紀春があたしに言ったのよ、ソフトボール部の味方をするならお小遣いあげるってね」
「つまり、紀春に買収されたってことだね?」
「その通り」
ステージ上に磔にされてる紀春に視線が集まる、その視線には様々な感情が含まれていたが紀春はそれに苦笑いを返すだけだった。
「さて、さっさと終わらせましょう。こんな茶番早く終わらせたいのよ、あたしは」
鈴が青竜刀を構える、それに答えるように皆それぞれの得物を構えた。
バトルロイヤルは二対三のハンディキャップマッチへと変貌した、しかし三の方の分は明らかに悪い。
おもむろに鈴が突撃を仕掛け、シャルロットはそれをブレッド・スライサーで受け止める。そして、そこから五機のISが入り乱れる乱戦が始まった。
「これでっ!」
「きゃあああああっ!」
僕のとっつきが鈴のお腹を抉り、鈴は大きく飛ばされ壁に激突する。流石に鈴のシールドも底を尽きたようでそのまま動かなくなる。
遅れて数秒、鈴が脱落する旨のアナウンスが流れた。ラウラもセシリアも既に脱落していてこのアリーナ内部で戦える者は僕ともう一人だけとなってしまった。
「あなたで最後ですか、デュノアさん」
後ろを振り返るとそこには最後の敵であり、紀春の狂信者の長であるディアナさんが立っていた。彼女の力は圧倒的であった、僕が鈴と一対一の攻防を繰り広げている間にラウラとセシリアの両方を一人で倒しているのだ。
以前、ヴァーミリオンは全てにおいて高いレベルでの戦闘行動を行えるがいま一つ何かが足りないと紀春は評していたのを思い出す。乗って一週間の彼女がここまでやれているというのに一体何が足りないと言うのか、正直紀春のこの機体に対する評価は的外れだと思う。
そして、ヴァーミリオンはラファール・リヴァイヴの後継でありそれに乗っている彼女も物凄く強い。正直勝てる見込みも無いし、紀春みたいに策があるわけでもない。
でも、それでも僕は諦めない。可能性はゼロではないのだから。
「…………」
ディアナさんの問いに僕はとっつきを構えて答える。今更言葉など不要だ、この戦いに勝った者が紀春を手に入れる、それだけで良かった。
そんな僕を見てディアナさんもバットを構える。今の彼女に有効打を与える方法はただ一つ、彼女が攻撃してきたところにとっつきでのカウンターを放つ、それしかないだろう。
ディアナさんの乗っているヴァーミリオンがその朱い翼を大きく広げる、まるで威嚇しているかのようで僕に緊張が走る。
「では……参ります」
律儀に言葉を発した次の瞬間、ディアナさん急接近しバットが僕を捉えようとする。そのスイングに対し僕は反射的にとっつきを放った。
金属同士がぶつかり合う激しい音が響く、僕のとっつきはディアナさんのバットに当たりそれを弾いたのだ。
突然やってきた好機に思わず頬が緩む、今の彼女はとっつきを受けたバットを放しはしていないものの隙だらけだ。次弾装填までの時間がやけに長く感じる、しかし次の一撃を決めれば僕の勝ちの可能性は一気に大きくなるはずだ。
しかしそんな淡い希望はすぐさま打ち砕かれた、ディアナさんはすぐさま体勢を立て直しバットを振り直す。そのバットは次弾装填の終わってない僕のとっつきをしめやかに叩き潰す。
得意の高速切替で次の武装を用意する暇もなく襲い掛かる三打目、敗北を覚悟した僕だったがそのバットは僕の目の前で静止した。
何があったのだろうと考える、その直後にディアナさんが口を開いた。
「一つ、聞きたいことがあります」
そう言う彼女の目はどこか冷めていてなんだか怖い、その雰囲気に気圧されながらも僕も口を開く。
「なんですか?」
「貴女は何のために戦っているのですか?」
「それは、紀春を料理部に入れるために……」
「……おかしいですね、貴女は藤木さんを好いているのではないのですか?」
ああ、ばれてる。クラスの中では紀春と一夏以外は大体知ってる話だし、料理部のみんなからも知られてる話だから別段隠そうってわけじゃないけど、いざそう言われるとなんだか恥ずかしい。流石に紀春にまでこれを知られるのは危ないので、この音声が中継されてなくて本当に助かった。
「そっ、そうですけど……」
「なら何でこの戦いに参加しているのです? あの人はソフトボール部に居続けることを望み、私はそれを叶える為に戦っているのです。しかしそれを本当に為すべきなのは貴女なのではないのですか?」
「そっ、それは……」
痛いところを突かれた、この戦いにおいて紀春の味方といえる存在は彼女と鈴だけである。鈴は少し事情が違うけど。
それに引き換え、僕達その他の人間はそれぞれのために戦っている。そして自分が本当に為すべきことを言われて初めて気がついた。
「確かに貴女はソフトボール部ではないので藤木さんの意向に沿うことは出来ません。しかし、それでもこの戦いの中で凰さんのように私に味方するという選択があった筈です。私は僅かながらにそれを期待していました。しかし貴女は藤木さんの事なんて何も考えてなかったのですね、自分さえ良ければそれでいいのでしょう」
「なっ!?」
「私は貴女とは違う、私は……いえ、私達はあの人のためなら死ねる。それが私達とあの人に対し恋などという性欲をオブラートに包んだような自分勝手な感情しか抱けない貴女との差です。というわけでさようなら、これを機会に少し頭を冷やしてみてはいかがですか?」
その言葉と共に再度バットの先端が僕に迫る。
そしてバットは僕のラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡを打ち抜き、ついにこのバトルロイヤルの勝者が決定した。
なんだかフォルテがイトノコ刑事みたいになってる気がする。