インフィニット・ストラトス ~栄光のオリ主ロードを歩む~   作:たかしくん

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第80話 We All Soldiers

「ノ、ノベンタ元帥はいらっしゃいませんか!? このままだとガンダムに殺されてしまう!」

「何を言ってるんだ、兄よ」

「隊長にはあまり関係のない話ですよ」

「むぅ、なんだか隠し事をされてるようでつまらんな」

「申し訳ありません、話せば長くなるのです」

 

というわけで俺達ISLANDERS一行はアメリカ組が待つエドワーズ空軍基地にやってきたのだ、ちなみに俺達というのは俺、ラウラ、たっちゃん、クラリッサ、新井、テンペスタの人、そして織斑先生と水無瀬夫妻だ。勿論その他大勢のスタッフも居るのだろうが主に絡むメンバーはその位だろう。

 

「しかし、一面砂漠っすな。なんでまたこんな所に」

「どうやらISでの軍事演習に備えての事らしいです、ここなら周りを気にせず射撃演習や飛行訓錬が出来そうですね。それにここの周りは砂漠ですが車で二時間程でロサンゼルスに行けますし、三時間もあればラスベガスにも行けますよ」

「ロサンゼルスはともかく、ラスベガスねぇ。カジノに興味がないわけじゃないけど俺未成年だからなぁ。というかそんな所に行けるような休みがあるのか?」

「ありますよ、ISLANDERSは土日は休みですから。緊急の任務がない時に限ってですが」

「ISLANDERSって天国だったんだな」

 

IS学園に居た頃、俺の休みは週休半日がデフォだった。というか二週間に一日しか休みがなかった。

それが一気に四倍に増えるとは、どうやらここに来て正解だったようだ。

 

「しかし、出迎えはないのだろうか。というかナターシャさんに会いたいんだが」

 

以前ドイツで会ったナターシャさんは魅惑のばいんばいんボディの持ち主であり物腰柔らかい常識人である、となれば非常識人だらけのISLANDESできっと俺の癒しになってくれる存在になるだろう。

 

「ナターシャ? はて、聞いたことのあるような名前だが……」

「以前戦った銀の福音のパイロットの人だよ。以前一度話したことがあるんだ」

「ほう、兄はアメリカ軍にも知り合いが居たんだな。流石の人脈だ」

「まぁ、その時のナターシャさんの目当ては俺じゃなかったんだけどね」

「藤木、ちょっとこっちに来い」

 

そんな会話をしていると、物資搬入を指揮しているせっちゃんから声が掛る。俺はラウラとクラリッサと別れせっちゃんの下へと向かった。

 

「お前に依頼されてた装備が届いた、確認してみろ」

「おっ、もう完成したんですね。さてさて」

 

そう言いながら俺はせっちゃんの足元に置かれている木箱を開ける、やたら邪魔臭い梱包材を当たりに放り投げるとそこにはエメラルドに輝く刃を持った剣がお目見えした。

 

「うん、ばっちりですね。これなら大丈夫そうだ」

 

これは見た目はエムロードとほぼ一緒の剣だが実はちょっとした細工が施されている剣であり、エムロードとは全く異なる機能を持っている。つまりこの剣があるからと言って今までのエムロードがお役御免になるような事はない、ということでこれは今後エムロードⅡと呼称されることになる。そしてこれが俺の新しい切り札となることだろう。

 

「ふむ、しかしよく考えたものだな。まさかエムロードの……」

「ストップだせっちゃん、これ以上は言ってはいけない」

「……そうか、確かに誰が聞いてるか解らないからな。藤木、お前もISLANDERSらしくなってきたじゃないか」

「そりゃどうも、最近は周り全員が怪しく見えてきますからね。警戒は怠れませんよ」

 

織斑先生の言葉から端を発したISLANDERSへの不信感は未だ止まることを知らない、そしてこの組織で一番怪しい人物が目の前に居るせっちゃんだ。今は味方に見えているが俺のオリ主アイではせっちゃんの心の奥底など見ることは出来ない、なら俺はこの中で誰を信じればいいのだろうか。

 

「ふっ、そうだな。だったら精々頑張ってくれたまえ」

「ええ、もちろんですよ」

 

不敵な笑みを見せるせっちゃんがその場から去る、そんなせっちゃんの態度に俺の疑念は益々深まるばかりなのであった。

 

「あら、藤木君じゃない」

 

そうするとまた俺に掛けられる声、振り向くと俺の癒しになってくれるであろう存在であるナターシャさんが立っていた。

 

「ナ、ナターシャさん! 会いたかったですよ」

「ええ、私もよ。これから一緒に頑張りましょうね」

 

にこやかな笑みと共に差し出される右手、俺はそれを力強く握り返す。ああ、俺が求めていたのはこういうのなんだよ。

 

「それにしてもうまくいったようですね、銀の福音の件は」

「ええ、それもあなたと水無瀬司令のお陰よ。本当にありがとう」

 

銀の福音の件、それについては説明が必要だろう。俺とナターシャさんが初めて会ったその日、俺はせっちゃんとの仲介をナターシャさんに頼まれていたのだ。

銀の福音は俺達の臨海学校での暴走の件で凍結を予定されていたのだが、それを阻止したいナターシャさんは暴走の原因究明とそれの対策を求めて色々な科学者の下を訪れていたのだ。

しかし、多くの科学者は匙を投げた。そもそもアメリカの管理下にある銀の福音を調べるだけでも一苦労であるし、その原因を探るのは誰にも出来なかったのだ。

そこで現れたのが三津村最高の頭脳の持ち主と言われるせっちゃんとそれに連なる俺だった、ナターシャさんは俺を介しせっちゃんと交渉をし銀の福音の調査を依頼した。そしてせっちゃんは銀の福音の暴走は外部からのハッキングが原因であることを特定しその対処を行ったというわけだ。

 

「いえいえ、俺は水無瀬司令を紹介しただけですよ」

「それでも感謝してるわ、水無瀬司令が居なかったら今頃あの子は凍結されていただろうから……」

 

ナターシャさんの銀の福音のこだわりは半端ない。まぁ、自分の専用機となっているわけだしある意味当然なのかもしれない。それに、俺だって今織朱を失ってしまえば世界が真っ暗になること請け合いだろうから人のことは言えないし。

 

「おーい、ナタル。何処に居るんだ?」

 

そんな事を考えているとどこからかそんな声が聞こえる。ナタルさんとな、一応非戦闘員を含めた名簿は確認してるがそんな人は知らない。多分アメリカの基地の人だろうか、という疑問をナターシャさんぶつけてみた。

 

「ナタルってのは私の事ね、よくある渾名よ」

「ふむふむ、今話題のレベッカさんがベッキーって呼ばれたり謙二郎さんがケニーって呼ばれたりするようなもんですか」

「ケンジロー? 藤木君のお友達かしら?」

「いえ、ただのメイショウです」

「メイショウ? 知らない単語ね、やっぱり日本語は難しいわね」

 

翌々考えてみると、日本人以外のIS操縦者ってのは基本バイリンガルだ。俺も英語が出来ないわけではないが日常会話レベルのものをすらすらと言うとなるとちょっと難しい、やはりこういう点においてもIS操縦者ってのはエリートなんだなと感じさせられた。

 

「なんだ、こんな所にいたのか。居るなら返事ぐらい……って、お前は……」

 

そう言えばナターシャさんを呼ぶ声を完全に無視していた、そんなわけでその声の主がこちらにやってきた。

 

「ごめんねイーリ、ちょっと話し込んじゃって。とりあえず紹介するわ、男性IS操縦者の藤木紀春君よ」

 

そう言われた声の主は眉間に皺を寄せいかにも不機嫌そうな態度を取る、というか彼女の顔は俺のよく知るものだった。

 

「……イーリス・コーリングだ」

 

なんなんだこの態度は、確かに彼女はアメリカ国家代表であるから俺よりも圧倒的な格上ではある。しかし初対面の相手にこんな態度を取るようなのはちょっといただけない。

 

「藤木紀春です、宜しくお願いします」

 

しかし俺はいつもの爽やか営業スマイルで彼女を見据える。一応仲間なんだ、相手がちょっと不機嫌だからと言ってこっちまで態度の悪い対応をするわけにはいかないだろう。

そして俺は手を差し出す、しかしそれはイーリスさんの手によって弾かれた。

 

「なっ!?」

「いいか、一度だけしか言わないからよく聞いておけ。アタシはテメェだけとは馴れ合うつもりはないからな」

 

『テメェだけとは馴れ合うつもりはない』ということは俺を狙い撃ちってことか、知らぬ間に恨みでも買ったのだろうか。いや、それは考えにくい。なにせ俺達は初対面なんだから。

 

呆気に取られてる俺を尻目にイーリスさんは俺達から離れていく、するとナターシャさんがイーリスさんの背中に声を掛ける。

 

「ちょっとイーリ! どういうつもり!?」

「うるせぇ、アタシはそいつだけは許せねぇんだよ」

「ごめんね藤木君、彼女には後で言って聞かせておくから」

 

そう言いながらイーリスさんの背中を追いかけるナターシャさん。謎は深まるばかりだが一つだけ解ったことがある、『そいつだけは許せねぇ』という台詞だ。

つまり男性操縦者だから俺を嫌ってるというわけではなく、やはり彼女は俺個人に恨みを持っているという事になる。

 

「ちっ、なんだよ。たかが国家代表風情がいい気になりやがって」

 

そしてもう一つ確かな事は、俺自身も彼女にいい印象を持てなくなってしまったということだ。

アメリカ到着直後から起こったこのちょっとした事件はまるでISLANDERSの未来をしめしているかのようだ、俺は心にもやっとしたものを抱えながら搬入作業の手伝いを再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

「さて、早速だがミーティングだ。用意した資料を開いてくれ」

「……いや、ミーティングはいいんですけどね織斑先生」

「どうした、何か不満でもあるのか?」

「不満と言うか疑問と言うか……兎に角ですね、なんでこの部屋には俺と織斑先生しかいないんですかね?」

「それはそうだろう、ここは私の部屋なんだから」

 

というわけで俺は現在アメリカはエドワーズ空軍基地にあるISLANDRS用の宿舎の中の織斑先生の部屋に来ている、到着初日のその部屋は雑然に段ボールが置かれているだけで何の片付けもしてないのがよく解る。というか俺もまだ荷解きが終わってない。

 

「で、ミーティングの内容ってなんなんですか?」

「明日から行う訓錬についてだ、という事で資料を開け」

「ほいほい」

 

俺は織斑先生から渡された紙束を捲る、するとそこにはISLANDERSメンバーの基礎的なデータが書いてあった。

 

「とりあえずISLANDSERSは亡国企業の動きをキャッチするまで訓錬を続ける事になっているんだが、お前にとっては現状の把握が一番大切だ。まずお前の基礎データの欄を見てみろ」

 

言われるがままに自分のデータを見てみる、そこには中々辛辣なコメントが書かれていた。

 

「うわなにこれひどい」

「そこにある通り、お前のIS操縦者としての技量はISLANDERSの中でも最低だ。現在なんとか戦えているのは織朱の性能のお陰と言っても過言ではない」

「でも俺たっちゃんに勝ちましたよ?」

「それはお前が卑怯な手を使ったからだろう。種は知らんが連日にわたる睡眠妨害に過去の事での言いがかりによる撹乱、挙句の果てには睡眠薬。正直あの状態の更識ならちょっと腕がよければ誰でも勝てるだろう」

「いや、そうなんですけど……」

「不満か? なら言い方を変えてやろう。お前は今後も戦う相手の過去を調べ上げ、その度に仕掛けを施し、戦う前に毒を盛るような戦術を取るつもりか?」

「うっ……」

「出来る訳がない、亡国機業なら尚更な」

「そ、そうですよね……」

 

確かにそうだ、あの時俺がたっちゃんに勝てたのはひとえに織朱の性能と幽霊二人から得た情報を基にしたかなり卑怯な作戦のお陰である。

 

「……なんだか俺の未来に暗雲が立ち込めてきた気がする」

「それをどうにかするのが私の役目だ、とりあえずこの訓錬期間は私がみっちりとお前を鍛え上げてやるからな?」

「出来れば優しくお願いしたいのですが……」

「まぁ、それでお前が強くなれるのならそれもいいかもしれないな」

「……なんだか織斑先生、キャラ変わってません?」

「お前今まで私をどんな風に見てきたつもりだ?」

「鬼軍曹」

「……即答だな。しかしここはIS学園ではない、よってお前の教育方針も少し変えていきたいとは思ってる」

「教育方針を変える? 一体どういう事ですか?」

「IS学園は飽くまで教育の場だ、よってISの操作技術を学ぶ過程においての人間的成長を主眼とした教育プログラムが組まれている。しかしここはそうではない、ということで私はお前の技量を伸ばす事に主眼をおいたプログラムを組んでみた」

「ふむ、つまり俺の人間的成長とかいうのは一切無視して兎に角強くなれるようにということですね?」

「そういう事だ、そもそもお前がIS学園で人間的に成長出来たとは思えないしな」

「ハハッ! ゲイリー!」

 

俺の技量を兎に角伸ばすか……これはいいかもしれない、以前ドイツに居た織斑先生は落ちこぼれのラウラを黒ウサギ隊の隊長まで育て上げた名伯楽でもある。そして俺もそういう風になれるのならISLANDRSに来た意味もあるのかもしれない。

 

「とりあえず、明日から訓錬を開始する。私は部屋の片付けをするからお前も部屋に帰れ」

「了解っす、という事で明日からよろしくお願いしますね」

「ああ」

 

そんな織斑先生の台詞を背に俺は部屋から出て行く、明日から忙しくなりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

私の目の前には一機のIS、打鉄が鎮座している。そしてこれは私が水無瀬に用意させたものだ。

怖い、あの日天野の死を目の当たりにして以来ISに搭乗するのは初めてでまた悲劇が起こってしまうのではないかと錯覚してしまう。

天野が死んだ原因、それは天野の乗った打鉄に掛った過負荷だ。そしてその過負荷が掛った原因というのは私にある。つまり私が天野を殺したようなものだ。

 

「……天野、許せとは言わない」

 

しかし藤木を今以上に強くしなければ今度は藤木の命が危険に晒されてしまう、もう教え子が死ぬのはたくさんだ。

 

「しかし、こうするしかないんだ。悪いな」

 

私は打鉄に背を預ける、約一年半ぶりのISに異常は全くないようでスムーズに私の体に鋼鉄の鎧が装着されていく。

そして久々の浮遊感、私は少し浮ついた気分のままにアリーナの扉を開ける。その先には私の最も新しい教え子が待っているはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ぬわああああん暇だもおおおおん!』

 

織斑先生とのミーティングから一夜明け、俺はエドワーズ空軍基地内のIS用アリーナに来ていた。そこはIS学園とは違い、観客席もかなり狭くいかにも訓練用という感じだ。そしてそこではISLANDERSのメンバーが思い思いに訓錬をしていた。

 

「どした、ゆうちゃん?」

『なんかここ最近私の出番がない気がするのよね、だから暇で暇で』

「仕方ないだろ、人前でゆうちゃんと話すわけにはいかないんだから。喋り相手なら霊華さんにやってもらえよ」

『それが最近霊華って付き合い悪いのよね、趣味に忙しいとかなんとかで』

「へぇ、趣味ってそのビットの中で何か出来るのか?」

『あっ、はい。最近はお絵書きというか漫画を描いてるんです』

「漫画? そのビットの中で漫画とか書けるのか?」

『はい、実は私intel入ってますから』

「えぇ……」

『水無瀬博士に入れてもらったんです、ついてにOSとフォトショとかその他諸々も』

「はぇー、すっごい便利。で、どんな漫画を書いてんの?」

『ホモです』

「え?」

『ホモ漫画です、BLです』

「…………そう」

『え、私そんなの入ってないんだけど……』

『水無瀬博士にお願いしたらどう? ネットとか出来るよになるよ?』

『あー、いいっすねー』

「っと、時間だ。織斑先生が来るぞ」

 

そんな事を言った直後、アリーナのカタパルトから織斑先生が姿を現す。そして彼女は打鉄を纏っていた。

そんな姿に皆がざわめく。無理もない、俺も織斑先生がISを纏うのを生で見るのは初めてだ。

 

「き、教官!?」

 

そんな中で一際大きな声を上げたのがラウラだ。

 

「ふむ、久しぶりだが思ったより違和感はないようだ」

「もしかして教官が私達に直接稽古を!?」

「いや、そうではない。当面私は藤木の指導に当たることになる、今はお前に構ってやる時間はないんだ。悪いな」

「えっ、ええ……」

 

織斑先生にあっさりあしらわれたラウラは少し複雑な表情を浮かべ、織斑先生の背中を見送る。そして俺の前に立った。

 

「さて、早速だが訓錬を始めよう。近接用の武装を展開しろ」

「うぃっす」

 

俺は新武器であるエムロードⅡを展開し、構える。そんな俺の姿を織斑先生は厳しい眼差しで見つめていた。

 

「展開速度はまぁまぁか、しかし実戦では一瞬の差が勝敗を分ける事になる。武装展開の練習はちゃんと続けておけ」

「うぃっす。で、次はどうすれば?」

「まぁ待て。まず、お前の今までの戦闘傾向から言うと遠距離で牽制をした後近接戦でトドメを刺すという流れが非常に多い。つまりお前は近距離寄りのオールラウンダーだ、というか只の器用貧乏だ。そもそも真のオールラウンダーというのは飽くまで全てが一流の奴の事を言う、しかし今お前を真のオールラウンダーに育てる時間はない。だからこれからの訓錬でお前の長所を伸ばす、異存はないか?」

「ええ、全く。そして俺の長所ってのが近距離戦ですか」

「本当は口八丁だがな、今後それが通用するとは思えん」

「ありゃ、それは厳しいこって」

「とりあえずお前の動きを見てやる、好きに掛って来い」

「ああ、そういう感じですか。まぁそういうの嫌いじゃないです……よっと!」

 

その瞬間、俺は迅雷跳躍を使い一気に織斑先生との距離を詰め、袈裟切りに切りかかる。しかし織斑先生はそれを予期していたようで俺の斬撃はあっさりと受け止められる。

 

「これは……あいつとよく似ている」

「天野さんの事ですかい?」

 

鍔迫り合いを始める俺と織斑先生、しかし流石ブリュンヒルデだ、これ位じゃ全く動じないか。

 

「何故そいつを知っている、というかどこでこんな動きを憶えた?」

「そりゃ秘密ですよ、いい男には秘密が多いもんでね!」

 

鍔迫り合いをする剣を弾き、距離を取る。そして織斑先生の表情が更に険しくなった気がする。

 

「まぁいいだろう。この訓錬でお前の秘密、暴いてやろうじゃないか」

「それはちょっと勘弁願いたいですね、まぁ無理でしょうけどね!」

 

俺と織斑先生は再度激突し、刃は火花を散らす。ブリュンヒルデからの直接指導、こんな機会はめったにない。だとすれば少しでも多くの技を盗んでやろう、織斑先生の期待に答えるため、そしてなによりも俺自身の未来のために。


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