「深海棲艦とちょっとドンパチしてくる」「おいちょっと待て」 作:神影 森羅
「過去語り…か。」「まずは紅蓮か。」1
~side娯楽室
「過去…か。確かに俺たちのあいだでも全部さらした訳じゃないしな。」
「そーそー。せっかく青葉が聞いてきたし、この機会に全部言っちゃおうぜって考えさね。」
「零斗が珍しくいいことを言ってるね~」
「碧海ちゃん辛辣だね…」
ここは娯楽室。が、その空気は娯楽室にしては少し重い。
それもそのはずだった。この四人にとって過去はもはやタブーと化したものであり、艦娘の誰一人もその断片すら聞いたことは無かった。
まぁそうなれば、今度こそと意を決してパパラッチが聞きに来るのも当然だった。あろうことかこれで1000回だが。
「…まぁ、いいだろう。」
「私も異論はないかな~。」
「私も…多分大丈夫。」
「おけ。んじゃ放送かけるさね。」
そう言ってマイクに近づいた零斗は…
「さぁさぁはじまりました!艦娘の皆に送る過去語りラジオ~‼」
「おい待てナレーションがテンション的におかしい。というかラジオじゃない。」
いつも通りのバカだった。
~side食堂
今この食堂には全艦娘が集まっていた。皆一様に神妙な面持ちでスピーカーを見る。
『―――――――ザザッ――さぁさぁはじまりました!艦娘の皆に送る過去語りラジオ~‼』
『おい待てナレーションがテンション的におかしい。というかラジオじゃない。』
『そもそもマイクテストやってない時点でアウトじゃない?』
『批判が痛い今日この頃、ま、頑張っていっきましょー‼』
思っていたものより軽いその放送に少し表情を和らげる艦娘達。
『とうとうこの日がきたか~。』
『…どちらにせよ何時かは通る道さね。』
『まぁそうだな。…これでつまらなければarenacloser砲だな。』
『やめて?それ前撃ち込んだよね?ポンポン切札使うの止めよう?いやほんとにarenacloser砲はマジで一発で瀕死だから。』
『いやいや冗談でしょ?あれ食らって瀕死ですむ零斗って…。』
『…気にしたら負けだ、澄華。』
そして繰り広げられる日常会話。…物騒さなんて無い。無いったら無い。せいぜい新参の皆がSAN値直葬されるだけである。
『…さて、誰から話すんだ?』
『…くじ引き?』
『なんでお前が万策つきてんだよ。碧海流神算はどうした。』
『ま、いつも通り適当で良いでしょ。』
『おい零斗どうしてくれる澄華が脳筋ウイルスに感染したじゃないか。』
『なにそれ初耳。』
『………………はぁ。俺から話そう。らちが明かん。』
その言葉で再び引き締まる空気。
『一番最初に言っておく。俺は優しくなんて無いさ。…俺は
一人の人間を、
見殺しにしたよ。』
さて、その真実はまた今度。