〈凍結〉イナイレ×バンドリ 笑顔を護る英雄   作:夜十喰

10 / 38
今回は募集したキャラの中で、バンドリキャラとの関係があったキャラたちの日常を書いてみました。ちょっとした短編集みたいな感じで見ていただけたら嬉しいです。


それぞれの休日

これは、花咲川サッカー部員たちのある休日のお話。

それぞれが、音楽に魅せられた少女たちとの関わりのお話。

 

 

〜佐々木正吾side〜

 

時刻は午前10時を回った頃、本来ならばこの時間は、朝から部活に勤しみ汗だくになりながらボールを追っている時間だ。

 

だが本日は、月に数回あるか無いかの貴重な祝日。サッカー部の練習も休みとなり、俺、佐々木正吾は束の間の休息を自室のベッドの中で過ごし、本日はこのまま、食事、トイレ以外はベッドから出ないつもりでいたのだが…………

 

 

 

「起きなさい、正吾」

 

そう言って、俺のオアシスを無理矢理剥ぎ取る人物が現れた。

 

カーテンが開けられ、窓から朝日(もうそんな時間では無いが...)が照りつけ、俺の顔を忌々しくも照らす。

 

「うぐっ...⁉︎ 勘弁してくれよ...

 

 

 

 

友希那....」

 

俺の部屋に勝手に侵入し、あまつさえ俺からオアシスを奪った人物の名は、「湊 友希那」。灰色のロングストレートの髪に薄い黄金色のような色の瞳をした仏頂面の女の子、俺の幼馴染だ。

 

「いい加減起きなさい。何時だと思っているの?」

 

「俺の体内時計だと、深夜2時...」

 

「完全に狂ってるわよ、その体内時計...」

 

友希那は俺に呆れたような表情を見せる。

 

「とにかく、早く起きなさい。買い物に行くわよ。」

 

と、友希那は俺を残酷にも外に連れ出そうとする。

 

「いや...お前普段買い物とかしないだろ...というか、ならリサと行けよ...」

 

「リサは今日用事があると言っていたわ、だから貴方について来てもらうんじゃない」

 

「リサ」と言うのは俺のもう1人の幼馴染で、よく友希那と一緒にいる簡単に言えば、「女子力の塊」みたいな奴だ。

 

「そうかよ...じゃあ、バンドの練習は?」

 

「今日は休みよ、昨日電話で言ったじゃない」

 

そういやそうだったな、と俺は眠気を飛ばせていない頭で思い出す。

 

ちなみに、バンドと言うのは友希那がボーカルを務めるガールズバンドの事で、結成してから僅かではあるが、かなりの実力を誇るバンドらしい。そのため、練習もかなり厳しく、休みも少ないと聞くが、俺にとっては不運にも、今日がその休みらしい。

 

「久しぶりにお互いの休みが被ったのだから、さっさと支度しなさい。時間が勿体無いわ」

 

どうやら友希那は、何が何でも俺を買い物に付き合わせたいらしい...仕方ない、ずっと枕元にいられても困るし、付き合うか...

 

俺は睡眠を諦めて、友希那に付き合う事になった。

 

「(さらば....俺の楽園....)」

 

 

 

数分後……

 

 

 

「おまたせ。じゃあ行くか」

 

「ええ」

 

着替えた俺は、友希那と共に買い物に出発した。ダメだ...欠伸が止まらない...

 

「ふぁ〜〜あ、で、どこに行くんだ?」

 

「ペットショップで猫のおやつを買ってから、いつもの公園よ」

 

またか...と、俺は頭の中で声を漏らす。というのも、友希那に買い物に付き合わされる時、大抵音楽に関係あるものか、今回のような、ペットショップから公園というコースなのだ...

 

 

 

 

俺たちはペットショップで猫用のお菓子を買ってから、街のはずれにある公園に行き、公園のベンチに腰掛ける。

 

友希那が、先程買ったお菓子を袋から取り出すと、至る所から野良猫がぞろぞろと集まってくる。

 

「ムニャ〜」

 

「ミャーー」

 

「ニャニャ〜」

 

灰色の猫に真っ白な猫、三毛猫にトラ猫、様々な種類の猫がお菓子を求めて俺たちの足元に集まってくる。

 

集まって来た猫たちは、お菓子をねだるように友希那の足に顔をつけ、スリスリと擦り付ける。

 

「はぁう///」

 

猫の行動に、友希那は顔を真っ赤にし、いつもの仏頂面を崩し、なんとも言えない緩んだ表情に変わる。

 

「にゃーんちゃん。はい、お菓子よ」

 

「ムニャ〜〜!」

 

「はぁう///」

 

完全に猫にメロメロな友希那、我を忘れて猫たちと戯れる。

 

そんな彼女の横顔を見ながら、正吾はふと考える。

 

「(普段はあんなに猫好きなのを隠してるのに、俺の前だと御構い無しなんだよな〜、まぁ?こいつのこんな顔を見られるのは面白いけど...)」

 

彼女の自分にしか見せない顔を見て、正吾はあれだけ感じていた眠気を忘れたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜岩隈凌平side〜

 

 

「あいつら! 一体どこ行ったんだ⁉︎」

 

俺、岩隈凌平は今、街中を駆け回っていた。

 

なぜ街中を駆け回っているのかと言うと、遡ること数日前……

 

 

 

「え? 遠くのカフェに行くからついて来て欲しい?」

 

学校の昼休み、俺が弁当を食べていると2人の女子にそう頼まれた。

 

「ええ、そうよ」

 

「うん、私たちだけだと…不安で…」

 

頼んできたのは、俺の幼馴染の白鷺千聖と同じく幼馴染の松原花音だった。

 

 

白鷺千聖、薄い黄色のロングストレートに紫色の瞳をした女の子で、元子役で若手女優という芸能人である。今は何やらアイドルになるとかならないとかいう噂を耳にする。

 

松原花音、長いフワフワの水色の髪でサイドテールの女の子。千聖よりも少し薄い紫色の瞳で、内気でオドオドとした、小動物を思わせる雰囲気を持っている。

 

 

「別に構わねえけど」

 

「ほんと?助かるわ」

 

「あ、ありがとう‥!凌平君‥!」

 

そう言ってお礼を言う千聖と花音、というのもこの2人、ちょっと遠出をすると必ず迷子になり、俺がそこまで迎えに行くというおきまりの流れが出来上がっているほどに、道に迷うのだ。

 

千聖は、電車の乗り継ぎが苦手で電車で移動する時は必ずと言っていいほど乗る電車を間違えるし、花音に至っては、極度の方向音痴に加え、目を離すとすぐフラ〜とどこかに行ってしまうという状態で、混ぜるな危険と言った感じなのだ。

 

「まぁ、2人で出かけたら十中八九迷うからな。お目付役が必要だろ」

 

「お目付役だなんて失礼ね、そこまで酷くはないでしょ...」

 

「とか言って、この前も電車を間違えて県を2つ超えたのはどこの誰だったっけか?」

 

「うぐっ」

 

俺の反論に言葉が出なくなる千聖。

 

「とにかく、ついて行ってやるから勝手にあちこち行くんじゃねえぞ」

 

「わ、分かったわ」

 

「う、うん…」

 

 

そうして冒頭に戻り………

 

「あいつら...あれほど勝手にどっかに行くなって行ってんのに...」

 

走りながら悪態を吐く凌平、3人でカフェのある街の駅まで来たのは良かったものの、凌平がカフェまでの道のりを確認している間に、2人は何処かへ消えてしまったのだ...

 

「くそっ、携帯にも繋がらないし...一体どこ行ったんだ?」

 

膝に手をつき、肩で息をしながら考える凌平。その時、凌平の携帯から着信が入る。名前を確認すると、そこには白鷺千聖の名前があった。

 

「っ⁉︎ もしもし、千聖か!今どこにいる!」

 

凌平は慌てて現在地を千聖に聞く。

 

『ごめんなさい、勝手に居なくなって...ちょっとトラブルが起きて...』

 

「分かった。とりあえずそっちに行くから、場所を教えてくれ!」

 

『わ、分かったわ。えっとここは…………』

 

 

 

千聖から場所を聞き、俺は急いで2人の元へ向かった。

 

俺が目的の場所に着くと、そこには千聖と花音がいた。そして、花音の腕の中には青い首輪を付けた泥だらけの仔犬が抱きかかえられていた。

 

「っ! 凌平!」

 

「り、凌平君!」

 

2人は俺を見つけるなり、焦った表情で俺に呼びかける。

 

「何があった?そこの仔犬は?」

 

俺は2人に状況の説明を求めた。

 

「駅に着いた時花音が見つけたの」

 

「う、うん。ドロドロで弱ってたからどうしたのかなって近づいたら急に走り出して...怪我してるみたいだったから慌てて追いかけて、捕まえた時にはここが何処だか分からなくなって...」

 

「私も迂闊だったわ...まさか仔犬を追いかけているうちに貴方とはぐれるなんて...」

 

2人は俺にそう説明する。

 

「とにかく無事で良かった」

 

「心配かけてごめんなさい...」

 

「ご、ごめんなさい...」

 

2人そう言って俺に誤った。最初は見つけた時にどう説教してやろうかと思ったが、この状況を見て怒るに怒れなくなり、俺は2人に注意だけして許すことにした。

 

「次からはちゃんと俺に報告すること。約束だからな」

 

そう言って俺は両手で2人の頭を撫でる。

 

「「・・・・//////」」

 

2人は顔を伏せたが、耳は真っ赤になっていた。

 

「よし!それじゃあ行くか」

 

そう言うと2人は驚いた表情を見せる。

 

「い、行くって...何処に...?」

 

花音がそう聞いてくる。

 

「何処って、飼い主を探しにだよ。お前らのことだから、見つけてやりたいんだろ?そいつの飼い主」

 

俺は仔犬を指差しながら2人に問う。2人は俺の言葉を聞いて、パァッと顔を明るくする。

 

「ええ!ありがとう、凌平!」

 

「ありがとう...!凌平君!」

 

そう言って俺たちは仔犬の飼い主を探し始めた。と言っても、仔犬がしていた首輪に住所が書いてあり、そこへ行くだけだったのだが、その住所は駅を1つ越えた先と、以外と離れていて、2人では行けないな...と、俺は思った。

 

 

 

 

首輪に書いてあった住所の家に着いた俺たちは、家の前で偶然にも仔犬の飼い主とその娘さんと出会い、仔犬は無事飼い主の元へ帰ることが出来た。

 

聞くと、この仔犬は一昨日窓を開けた隙に外に出てしまい、探したものの見つからなかったそうだ。だからあんなにボロボロで汚れていたのかと思った。

 

俺たち3人は飼い主からとても感謝された。何かお礼をと言われたが、時間も遅かったので、気持ちだけ貰って帰ることにした。

 

「良かったね...!飼い主が見つかって...!」

 

「そうね、ほんと良かったわ!」

 

2人は本当に嬉しそうに飼い主が見つかったことを喜んでいた。

 

「ったく、面倒かけやがって...」

 

「そんなこと言って、貴方はいつも私たちを助けてくれるじゃない」

 

「うん...!いつもありがとう...凌平君!」

 

俺は2人の言葉に少し顔を赤くする。2人は俺が照れることを分かっていたのか、俺の反応を面白がっている。

 

2人に少しイラっとした俺は反撃をする。

 

「今度もし勝手に居なくなったら、そのまま置いていくからな」

 

「「ええッ⁉︎」」

 

「ハハッ! ほら、行くぞ!」

 

そう言って俺は急に走り出す。2人は慌てて俺の後を追いかける。

 

「ちょっと⁉︎ 待って、凌平⁉︎」

 

「ま、待って〜⁉︎ 凌平く〜ん⁉︎」




読んでいただきありがとうございます!いかがだったでしょか?
今回は佐々木正吾(artisanさん)と岩隈凌平(鳳凰院龍牙さん)の2人にスポットを当てて書いてみました!お2人のキャラの魅力を引き出せたのなら良いのですが....
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。