まあそんなどうでもいい話は置いといて、今回遂にあのグループが5人登場します。5人の騒がしい絡みをしっかり書けるよう頑張ります。
「えっ.....バンドに入った?」
練習で帰りが遅くなり、1人遅めの晩飯を食べていた俺。話があると妹である美咲に言われ、晩飯を食べながら話を聞くことにしたのだが、美咲の口から出た言葉は、つい先日、ガールズバンドに入ったという報告だった。
「う、うん...なんか流れでそうなったと言うか、なんと言うか...」
美咲は心底落ち込んだ、と言うよりも、めんどくさそうにそう呟く。
「ていうかお前、ついこの間バイト始めたんだろ?部活にバイトにバンドって、大丈夫なのか?」
そうなのだ、美咲はこの間、高校に入ったからには自分のお金は自分で稼ぐ、とアルバイトを始めたのだ。初めはどうかと思った俺だったが、家族にずっと甘えるわけにはいかないと言われ、何も言えなくなり、無理をしない事を条件にアルバイトを許可した。
「そうなんだけど...そのバイトが原因といか発端というか...」
「どういう事だ?」
煮え切らない言い方をする美咲に、俺はハッキリ言いなさいという言葉をかけ、更に聞いた。
「えーっと、最初っから説明するとね……………
そう言って美咲は自分がガールズバンドに入った経緯を俺に話し出した。
なんでも、美咲は着ぐるみを着てビラ配りをするアルバイトをしていたそうなのだが、アルバイトをしているところに来た1人の女子高生にいきなりバンドに加入させられたらしい。
いきなりのことに戸惑いながらも必死に抵抗した美咲だったが、その女子高生はそのまま美咲を...というかこの場合、着ぐるみを着た美咲つまり相手は着ぐるみの中身が誰かも確認せずそのままバンドに採用してしまったという.....何とも意味不明で迷惑な話をだと思う...。
その後、美咲はバンドを断ろうとその女子高生の元へ行ったそうなのだが、その女子高生並びに、同じバンドに所属する子たちが美咲を着ぐるみの中の人だと認識せず、何故かその着ぐるみ…名前はミッシェルと言うらしいのだが、そのミッシェルの知り合いという認識を持たれたらしい。
上手く話が噛み合わず、流れるようにそのバンドに巻き込まれる美咲だったのだが、話を聞いていくうちに無謀ながらも、このバンドなら何故か出来そうな気がする。と、影響され、断るに断れなくなった美咲は渋々加入する事を決めたらしい。
…………という事なんだよね....」
何ともまあ...災難といか、何というか、妹よ...ドンマイ....
そう思いながら遠い目を美咲に向ける咲真、が、今の話を聞いて咲真はふと後輩のお嬢様を思い出した。
「なぁ美咲」
「ん?何?」
「もしかしてその女子高生って……」
プルルルルッ!プルルルルッ!
そう咲真が聞こうとした瞬間、美咲の携帯に着信が入る。
「ごめん、お兄ちゃん。ちょっと待って...」
そう言って美咲は電話をしに廊下へ出て行く。
「もしもし、ああ花音さん。はい、大丈夫です。何か…………」
電話をする美咲の声を聞きながら咲真は先ほどの話を思い返す。
「まさか、な……」
そう言って自分を納得させる咲真、食べ終わった食器を持って流し台へ運ぶ。
すると、電話を終えた美咲が後ろから咲真に声をかける。
「ごめんお兄ちゃん、さっきの話の続きって……」
「いや、気にしなくていいよ。それより何だったんだ?今の電話」
咲真は話を晒すように美咲に聞く。
「実は明日バンドの作戦会議が入って...」
「作戦会議ね...」
「あっ、そうだ!」
「どうした?」
「お兄ちゃん、一緒に来ない?」
「その作戦会議にか?」
「うん、お願い!私と花音さんだけじゃ収集がつかないの!」
そう言って必死に俺に頼んでくる美咲、どうやらその作戦会議とやらは一筋縄では行かないようだ。
「俺が行って大丈夫なのか?」
「多分大丈夫。それにほら!お兄ちゃんギター出来るし、教えに来たって言えば何とかなるよ!」
美咲の必死さが増して行く。明日は部活も休みだし丁度いいかと思い、俺は美咲について行くことにした。
「分かったよ。ついて行ってやる」
「ほんと⁉︎ ありがとう!お兄ちゃん!」
美咲は満面の笑みで俺にお礼を言う。...なんだこの可愛い生き物。
そう言って、噂の女子高生の家の前に着いた俺と美咲、家の前に着いてすぐ...というかこの家が近づいてすぐ、俺は自分の考えが正しかったと理解した。
「やっぱりか....」
俺は額に手をつけながらそう呟く。
俺たちの前にそびえ立つ大きな屋敷は、弦巻邸。言わずもながら、俺の後輩でこの前知り合いになった、弦巻こころの家である。
ピンポーン!!
チャイムを鳴らしてすぐ、塀の門が開き、使用人らしき黒服の女性が俺たちを出迎えてくれた。
「お待ちしておりました。奥沢様と奥沢様のお兄様ですね。どうぞ、お入りください。中でお嬢様がお待ちです。」
そう言って黒服の女性が俺たちを屋敷の中へ案内する。
「「お、お邪魔します」」
俺と美咲は、ぎこちない動きで屋敷の奥へと足を踏み入れる。
中に入ると、そこはまるで物語に登場するお城のようになっていた。高い天井、キラキラと輝く照明、赤い絨毯、白く光る大理石の壁や床、完全に場違いな空気を目の当たりにする俺だったのだが、黒服さんは、平然と歩いて行く。
少し歩くと、黒服さんが立ち止まり俺たちは扉の前に着いた。
「こちらでお嬢様がお待ちです。他の皆様もすでに到着されています。では...」
そう言って黒服さんが扉を開ける。
すると、突然……
「さ〜〜くまッ!!!」
「ゴハッ!!!」
俺の腹に何かが突撃してきた、いや、何かは分かっている。だが、あまりに突然の事に体勢を崩した俺は、そのまま後ろ向きに倒れる。
ドォォンッ!!
「ぐふッ!!」
本日2度目の衝撃に、俺は何とか意識を保ち、突撃してきた人物を見る。
「またか...こころ...」
「ウフフッ!ごめんなさい咲真、貴方が来たと聞いて居ても立っても居られなくなったの♪」
「大丈夫⁉︎ お兄ちゃん⁉︎」
心配して寄ってきた美咲が俺に声をかける。
「大丈夫、大丈夫。」
笑って答えた俺は、ゆっくりと立ち上がり服に付いた埃を手でパンッパンッと払う。
「さぁ2人とも、入って入って♪ハロハピ会議を始めるわよ♪」
こころはそのまま部屋の中に入って行った。俺たちもこころについて行く。
部屋に入るとそこにはこころの他に3人の女の子たちが居た。
1人は紫色の髪にキリッと整った顔立ち、女子にしては高めの身長の女の子、1人は気弱そうなふわふわした水色の長い髪のサンドテールの女の子、そしてもう1人は……
「あれ⁉︎ みーくんと一緒にいるの、さっくん先輩⁉︎」
「あれ、はぐみ?お前もこのバンドのメンバーだったのか?」
オレンジ色の単発のいかにも活発そうな女の子、俺の行きつけの肉屋の娘、北沢はぐみだった。
「お兄ちゃん、はぐみのこと知ってるの?」
と、美咲が聞いてくる。
「ああ、よく行く肉屋さんのとこの子だよ。よくお店で見かけてな。」
「そうだったんだ」
「ていうかさっくん先輩、みーくんの兄ちゃんだったの⁉︎」
はぐみはとても驚いた表情で、俺と美咲に聞いてくる。
「そうだぞ」
「へぇ〜、そうだったんだ!」
俺とはぐみが話をしていると、紫色の髪の女の子が話に入ってくる。
「お話中すまない、少しいいだろうか?」
俺は話しかけてきた女の子の方を向き、話をする体勢をとる。
「おっと、まずは自己紹介だね。」
そういうと、彼女は胸に手を置き、ポーズを決めながら自己紹介をし始めた。
「ワタシは、瀬田薫。羽丘高校の2年生で、このバンドのギターを担当しているものだ。」
そう名乗った人物は、そう言った後、後ろにいる水色の髪の女の子にも話しかける。
「さあ花音、君も自己紹介したまえ。なあに心配いらないさ。いざとなれば、ワタシは仔猫ちゃんのために矛にでも盾にでもなろう。」
いきなりキザっぽい台詞を吐く瀬田に俺が少し戸惑っていると、花音と呼ばれた女の子がオドオドしながら俺に挨拶をしてくる。
「は、はじめまして…松原花音と言います…。え、えーっと…花咲川高校の2年生で、ドラム担当です…。よ、よろしくお願いします…」
彼女は少し涙目になりながら、しっかりを自己紹介をした。見る限り、どうやら相当人見知りらしいな。
初対面の2人の自己紹介を聞いた俺は、すかさず自分も自己紹介をすることにした。
「自己紹介ありがとう。えっと、いきなり男が入ってきて戸惑ったかもしれないが、俺は奥沢咲真。苗字を聞いてわかると思うが、隣にいる美咲の兄だ。花咲川の3年で、サッカー部のキャプテンをしている。今日は妹の付き添いとギターを少々かじっていて、今日はそれも教えに来た。よろしくな。瀬田、松原」
「ああ、よろしく」
「よ、よろしくお願いします…」
各々の自己紹介が終わったところで、こころが俺に話しかける。
「どうかしら、咲真♪これが、私が世界を笑顔にするために組んだバンド、『ハロー、ハッピーワールド!』よ♪」
こころはいつものように満面の笑みを俺に向けて、自信満々に言った。
「お前らしいな、とっても」
俺は笑いながらこころにそう答える。するとこころは満足そうに微笑み……
「それじゃあ、みんな♪ハロハピ会議を始めるわよ♪」
と、みんながやる気になったものの・・・
1時間後………
「な、何も決まらない...」
この1時間、机に向かい合っているが、何一つ決まらない。というのも、こころとはぐみは次々とライブでしたい事を上げて行くが、「動物たちと一緒のサーカスをやりたい」、「空中アクロバットをやりながらライブ」など、実現できそうなものは一つも出さず、瀬田に至っては、2人の意見に賛同した上で、仔猫ちゃんが…だとかシェイクスピアがどうとか、意味のわからない事ばかりでキリがない。
議題を書くために用意してあったホワイトボードには、デカデカと世界を笑顔に!と書いてある。が、その前にはまず、人前で演奏できるだけの技術を身につける必要があるのだが、練習をするにしても、スタジオの予約や各々の予定を合わせたりと、必要な事が一切書かれていない。
「いつもこんな感じなのか....?」
俺は諦めて、バンド内の常識人である美咲と松原に聞く。
「え、えーと…はい…こんな感じです…」
「うん、だいたいいつもこうやって時間だけが過ぎていく感じかな...」
どうやら、俺はとんでもないバンドと関わりを持ってしまったらしい・・・
本日はここまでです。いかがでしたでしょうか?
ハロハピの騒がしさを書くのって凄く難しいです...もっと上手く書けるように努力せねば...
※活動報告にて、新たなキャラ募集を行っております。ぜひ、参加して下さい。皆様の素晴らしいアイデアお待ちしております。