ピーッ!!という笛の音と同時に白ボールから試合が再開される。
「(さて、紅チームの守備をどう崩す?氷川....)」
氷川がボールを持ったままドリブルで上がっていく。その後ろでは、岩隈妹と水瀬が片桐と茜にマンツーマンでマークについている。
「(よし、FWの2人は抑えてある。後は、日向先輩たちの守備を崩すだけだが、、、)」
氷川は、ドリブルをしながらも敵味方の位置を完璧に把握し、それに合わせて立ち回る。
「随分と忙しないな、氷川」
そんな氷川の前に日向が立ち塞がる。
「そうですね、、、こっちにはかなりの問題児がいますので。」
軽く話をしながらも日向と氷川の高レベルな攻防が繰り広げられる。
氷川が抜こうとすれば、日向がそれに合わせて動き、日向がボールを奪おうとすれば、氷川がボールを捌きキープする。
そんな攻防が数十秒に渡り繰り広げられる。
「(よし、だいぶ引きつけた。後は‥‥)」
氷川はもう一度自らが決めた作戦を思い返す。
試合再開数分前-----
「で、作戦はどうするんだ?」
水嶋が氷川に尋ねる。
「そんな難しいことじゃないですよ。ただその場から引き離すだけです。」
氷川は簡潔にそう答える。
「引き離すって河野をか?しかしあいつはそう簡単にゴールの前から動かないと思うが....」
水嶋の意見に、佐々木や他の選手も同意する。
「ええ、河野先輩をゴールから引き離すのは難しいと思います。」
「?だったら...」
氷川の発言に更に疑問が深まった水嶋が氷川に質問しようとすると、、、
「だから、引き離すのは河野先輩じゃありません。河野先輩に完璧な守備をさせている外枠、日向先輩と猫神を河野先輩から引き離します・・・・・」
時は戻り----
「(なるほど、自分が日向を引きつけて河野から引き離す...か。簡単に言うが日向は守備もかなりのレベルだ、あいつをあそこまで引きつけられるのも氷川の実力があってこそだな。)」
水嶋は氷川から作戦を聞き、初めはそう上手く行くかと疑問を抱いたものの、作戦を完璧に実行する氷川を見て、改めて氷川の実力を再確認する。それは、氷川と付き合いの長い佐々木も同じで、、、
「あいつ、やっぱスゲェな。」
佐々木も、改めて氷川という選手の凄さを目の当たりにしたような感想を述べる。
「まぁ、めんどいがアイツが頑張ってる分こっちもある程度は働かないとな。」
そう言って佐々木は、日向とは反対側にいる猫神にマークをつける。
「うぇ⁉︎ 佐々木っち⁉︎」
「悪いな、めんどいからあんまり動かないでくれよ。」
そう言いながらも佐々木はキッチリと猫神のマークに着く。
それを横目で見ていた氷川が、、、
「(よし、これで守備の両翼を封じた。後は、本体のみだ!)」
佐々木が猫神をマークした事を確認し、氷川は日向との勝負に決着をつけようと動き出す。
「残念ですが、日向先輩との勝負はここまでです。」
「ほう?なにか秘策でもあるのか?生半可な攻撃では私を抜くことはできんぞ!」
氷川の軽い挑発にも日向は全く動じることなく、今まで以上の圧力を氷川にかける。
「えぇ、分かってます。だから...全力で抜かせてもらう!」
そう言うと氷川は右足を前に突き出したまま横に回転する。
「ホワイト...ブレードッ!!」
回転するにつれ、氷川の周りには円の形をした氷塊が出来ていき、それが全方位に弾けることで日向を吹き飛ばす。
「くッ⁉︎」
「水嶋先輩!」
日向が怯んだのを見て、氷川はすぐさま水嶋にパスを出す。
「ナイスパス!氷川!」
氷川からパスを受け取った水嶋が紅チームのゴールに一直線に向かっていく。氷川はすぐさま日向のマークに着く。
「くッ⁉︎氷川」
「援護には行かせませんよ」
氷川からボールを受け取った水嶋がそのままゴールを狙う。
「行かせないぞ、水嶋」
「っ! 河野!」
ゴールを狙う白チームにまたしても河野が立ち塞がる。
「例え、2人の支援が無くてもお前1人くらい私だけで止めてやる。」
そう言って河野が必殺技の構えを取る。
「へッ! 誰が1人だって言ったよ!」
「何?」
「おら!こっちだ!」
水嶋が右にパスを出す。
そこには誰も居ない、それは河野もわかっていた。だが、、、
「ふッ!!」
そこには、日向にマークについているはずの氷川がいた。
「いつの間に...」
「もらった!!」
氷川はパスを受け取るとすぐにシュートの体制に入る。
白チーム全員がゴールを確信した。
しかし、、、
「舐めるなよ、氷川!!」
氷川の目の前には、氷川自身がマークを外し自由になっていた日向が居た。日向は氷川の前方を覆い、コースを塞ぐ。
氷川は完全にボールを蹴る体勢に入っているため今更ドリブルに変更出来ない。
止められた・・・
白チームの頭にその言葉がよぎる。
全員が焦燥と驚愕の表情を見せる。が、こんな状況でもいつもと変わらない表情を見せる男がいた。
「さぁ、お前の手も尽きたぞ。氷川」
「・・・・・」
氷川の表情に焦りは見られない。むしろ、少しイラついているように見える。
「あぁ、最悪だ。こいつだけには頼りたくなかった。」
「なんだと?」
日向は氷川の言ってることが一瞬理解できなかった。が、すぐに理解する。
「まさか⁉︎」
日向はすぐに顔を上に上げる。
「ミスんじゃねぇぞ!
黒騎ッ!!」
そう言って氷川は体勢を変えずにボールを上空に蹴りあげる。
そこには黒い炎を足に纏わせながら回転する黒騎の姿があった。
「誰がミスるか!俺様を誰だと思ってる!」
完全に不意を突かれた紅チームは誰も動くことが出来ない。
「くらえ!ダークトルネード!!」
黒騎が放ったシュートは一直線にゴールに向かう。そして・・・
ズドォォォン!!
そのまま凄まじい勢いでゴールに突き刺さる。
ピーーーッ!!!
紅 1-1 白
同点、白チームが点を決め勝負をイーブンに戻した。そして・・・
ピッ!ピッ!ピーーッ!!
試合終了。新生花咲川の最初の練習は1-1の同点で幕を閉じた。
読んでいただきありがとうございます。今回で紅白戦は終了です。いい感じにキャラを活躍されることが出来たでしょうか?w
評価、感想お待ちしております。
活動報告にて新たなるキャラ募集を行っております。ご応募お願いします。
※次回、遂にヒロインの登場(予定)です。