〈凍結〉イナイレ×バンドリ 笑顔を護る英雄   作:夜十喰

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遂にヒロインが登場です!バンドリにメインのクロスなのにバンドリのキャラを全然出せず申し訳ありませんでした!!ここから積極的に出していこうと思います。

※キャラ募集が集まらずに困っております。募集人数が少ない為1人2、3キャラでお願いしています、是非参加お願いします。


笑顔のお姫様

紅白戦が終了し、結果は引き分け。両チームとも素晴らしい試合をしたと思う。特に、今回キャプテンに任命された2人はそれぞれが味方をしっかりと活かしていたし、他の奴らも自分の力を出せた様だ。

 

「最後はやられたな、まさかあそこで黒騎を使ってくるとは」

 

日向が氷川に賞賛の言葉を送る。

 

「いえ、俺としてもあいつを使うのはあくまで最終手段だったんで、出来れば使いたくなかったです、、、」

 

氷川は何とも言えない表情で答える。どうやら氷川は本当に黒騎が気に入らないみたいだな。

 

「ハハハッ!お前がそこまで誰かを毛嫌いするのも珍しいな」

 

日向はそう言って、自分のチームの方へ戻っていった。これから数分間、各チームでの反省会を挟むと咲真から指示があったのだ。

 

氷川も自分のチームに戻り反省会を開始する。

 

「(今回は上手くいったが、正直危なかった。日向先輩が俺について来なければ、作戦は失敗だった。次、同じ状態になった時どうすべきか‥‥本番の試合ではもちろんキーパーもいる、もっとドリブルを強化すべきか‥‥パスをメインにするか‥‥それとも…………)」

 

氷川が思考の深くへ潜ろうとした時、不意に声をかけられる。

 

「お疲れ!氷川」

 

「っ⁉︎水嶋先輩」

 

「上手くいったな、今回の作戦」

 

「そうですね、ですが多分次は通用しないでしょう。また他の戦法を考えないと……」

 

そう言ってまた氷川がブツブツと考えごとを始めようとすると、、

 

「ヘッ、あんな細々した作戦なんて無くたって、俺様が1人居ればどうとでもなったぜ」

 

氷川を挑発するように黒騎が悪態を吐く。

 

「結局あんたの作戦もほとんど破られたじゃねぇか。最後に俺様が居たからなんとかなっただけだろ」

 

と、黒騎は更に続ける。

 

「偉そうに俺に説教しときながら自分は少し時間稼ぎしただけ、それなら最初からこの俺に任せておけば・・・・」

 

「おい、黒騎。いい加減にしろよ。」

 

黒騎の態度に我慢出来なくなったのか、岩隈が少しイラついた表情で黒騎に言葉をかける。

 

「なんだその言い草は!氷川が居なけりゃ俺たちは河野先輩のディフェンスを崩せずに負けるところだったんだぞ!それを!」

 

「たかが紅白戦だろ、テキトーにやって良い所をアピールさえすれば良いんだよ。」

 

「このやr「やめろ」ッ⁉︎」

 

今にも殴りかかりそうな岩隈を止めたのは、氷川だった。

 

「やめろ、岩隈。そいつの言ってる事も間違ってはない。」

 

「だが氷川ッ!」

 

「分かってる。だがお前が自分からバカみたいに熱くなってやる必要は無い」

 

「バカッ⁉︎」

 

氷川は岩隈にそういうと、佐々木の方に視線を送る。氷川はさっきの試合で佐々木に言われた様な事を岩隈に言ったのだ。

その視線に気づいた佐々木が、フッと少し笑う。

 

「お前の言う通り、俺は時間稼ぎをしただけだ。最後に決めたのはお前だしな。」

 

そう黒騎に言う氷川、黒騎は怒りを見せない氷川が気に入らないのか少しイラついている様に見える。

 

「だがな、断言してやる。お前1人じゃ河野先輩には勝てない。絶対だ。」

 

「なんだとッ?」

 

「お前にどれだけ技術があろうと、サッカーはチームスポーツだ。個人技にも限界がある。だから、、、」

 

一呼吸置いて氷川が黒騎に告げる。

 

「お前の個人技を、俺が使ってやる。」

 

「はあ?何意味不明な事言ってんだ?」

 

「お前が好きに動くなら、俺が動かしてやる。ドリブルもシュートも俺がお前を動かして使ってやるって言ってんだよ。」

 

氷川はそう言って、ニヤッと微笑んだ。

 

「やれるもんならやってみろ!言っとくが俺様は、チームプレイなんて緩いもんやるつもりはねぇ!」

 

黒騎は氷川の目論見を潰してやろうと、心に決めるのだった。

 

 

 

 

 

 

「うん、中々良い試合が出来たな。」

 

咲真は、外から紅白戦を見てウンウンと頷きながら手応えを感じていた。そんな咲真を見て和泉川が声をかける。

 

「どうしたの?奥沢君。」

 

「なんでも無い。これからが楽しみになってきただけだ。」

 

そう言って咲真は部員全員に声をかける。

 

「反省会はそこまで!全員集合!」

 

咲真の声に全員が反応し、駆け足で咲真の元へ全員が集まってくる。

 

「よし、まずは紅白戦お疲れ様。良いものを見せてもらった。キャプテンをやってもらった日向と氷川も良くやってくれたな。」

 

褒められた2人は少し恥ずかしそうに微笑む。

 

「これでチームメイトの特徴、プレースタイルが分かったと思う。これからそれを頭に入れて練習してくれ。」

 

「「「「「ああ(はい)(うっす)!!」」」」」

 

咲真が試合の感想と練習の心得の様なものを話し終わると、すでに空が茜色に染まっていた。

 

「よし!じゃあ、今日は軽くここまでにしよう。全員ストレッチ忘れるなよ!大会は遠い様ですぐそこだからな!怪我すんじゃねぇぞ!」

 

「「「「「はーい!!!」」」」」

 

本日は解散となり、それぞれが帰路に就く。

 

 

 

 

 

 

 

咲真も晩飯の時間が近くなり、急いで家に向かっている時だった。

 

「〜〜♪」

 

「ん?」

 

突然、前を通りかかった公園から女の子の歌声が聴こえてきた。

 

「らら〜ん♪ ららら〜♪」

 

よく見ると高校生くらいの少女がジャングルジムの上で回りながら歌っている。それはもう楽しそうに。

 

「っ!」

 

咲真は一瞬、見入ってしまった。いや、見惚れたと言った方がいいだろうか。夕焼けを反射する綺麗な金色の髪、小さく整った顔、小柄な体型、咲真の瞳に映る光景が一枚の写真の如く咲真の頭の中に記憶される。が、すぐに疑問が頭を下げてよぎった。

 

「何だ....あれ...」

 

咲真が困惑の表情で歌い続ける少女を見ていると、、、

 

「らら〜♪ら...あら?」

 

髪と同じ金色の瞳が咲真を見つめる。

少女が咲真に気付いた。

 

「(っ⁉︎ やばい、なんか分からんが関わるとやばい気がする⁉︎)」

 

直感でそう感じた咲真は、すぐさまその場を離れようとする。しかし、、、

 

「ねぇ!あなた!」

 

「オワッ⁉︎」

 

さっきまでジャングルジムの上にいた少女がいつのまにかすぐそばにいた。

 

「(嘘だろ...さっきまであそこに...)」

 

「ねぇ!」

 

「……何だ?」

 

逃げることを諦めた咲真は、少女との会話を試みる。

 

「貴方は誰?どうしてここにいるの?」キラキラッ

 

少女がキラキラと輝く瞳を向けて聞いてくる。

 

「えっ⁉︎ いや...その...」

 

突然の事に整理が追いつかない。

 

「(何なんだ⁉︎ 普通初対面でいきなりそこまで話しかけるか⁉︎)」

 

咲真は一旦落ち着こうと、目をそらす。すると、そらした先に少女の着ている制服が目に入る。

 

「それってうちの高校の....お前、花咲川の生徒なのか?」

 

「えぇ、そうよ!今年から花咲川に入ったの!」

 

咲真の質問に少女はすぐに答える。

 

「(今年からって事は1年か...)」

 

「ほら、ワタシは貴方の質問に答えたわ。次は貴方の番よ!」

 

「あ、ああ。」

 

咲真は諦めて自己紹介をする。

 

「お、俺は奥沢咲真。花咲川の3年でサッカー部のキャプテンをしている。えっとー、ここは家の帰り道で公園の前を通ったら歌が聞こえてきたから、何だと思って覗いたら君が歌っているのを見かけたんだ。」

 

咲真は素直に答えた。そして、質問を返す。

 

「君の方こそ何してたんだ?あんな所で」

 

「歌を歌っていたのよ!」

 

……うん、見てれば分かった。

 

「じゃなくて、何であんな所で歌ってたんだ?」

 

「楽しいと思ったからよ!」

 

……これは、あれだ…常人が理解出来ないタイプのやつだ……

 

そう思った咲真は質問を変える。

 

「じゃあ、君の名前は?」

 

少女はすぐに答えた。

 

「ワタシはこころ!弦巻こころよ!」

 

弦巻...こころ...。弦巻...?弦巻って確か....

 

「なぁ弦巻」

 

「こころで良いわ!」

 

「...じゃあ、こころ。弦巻ってのはお前の苗字だよな?」

 

「えぇ!そうよ!」

 

「じゃああの山の上に建っている弦巻邸って...」

 

そう言って山の上にある巨大な城の様な家を指差して聞く。

 

「ワタシの家よ?」

 

こころは当たり前のように答えた。

 

「(っ⁉︎ やっぱり、てことはこいつ...あの弦巻家のお嬢様⁉︎)」

 

「どうかしたの?咲真?」

 

こころはいきなり咲真を呼び捨てにして聞いてくる。いや、この際呼び捨てなど咲真にはどうでも良かったのだ。

 

「えっ⁉︎ い、いや、何でも無い。ちょっと驚いただけだ。」

 

「(弦巻のお嬢様は変わり者だって聞いたことはあったが、まさか本人を目の前にするなんてな、、、)」

 

そう考えているとこころに声をかけられる。

 

「ねぇ、咲真!」

 

「何だ?」

 

「咲真は笑顔になれるものって何かあるかしら?」

 

「笑顔になれるもの?」

 

「ええ、そうよ!ワタシは世界中を笑顔にするのが夢なの!だから、貴方が笑顔になれるものを知れば、他の誰かもそれで笑顔に出来るかも知れないもの!」

 

世界中を笑顔に……途方も無い夢だ。多分、その夢を叶えることは出来ないだろう。それほど世界は広い。この小さな島国の中でさえ、自分の力の無さを思い知らされた。ましてや世界なんてスケールがデカ過ぎる。でも………

 

「ジーーーー」

 

彼女は真っ直ぐに俺を見ている。自分の夢が笑われる事も恐れず、いや、笑われるとも思ってないのだろう。そんな彼女だからか、不思議と出来そうな気がしてくる。

 

「俺が笑顔になれるもの...か」

 

咲真は考える。自分が笑顔になるとき、一番近くにあったもの。それは何か、考える。

 

「…大切な人の笑顔…かな?」

 

「えっ?」

 

笑顔になれるものは笑顔。咲真の言葉にこころは少し驚きを覚える。

 

「大切な人が笑ってるとさ、こっちまで心が温かくなって、自然と笑顔になれるんだ。大切な人の笑顔が俺に笑顔をくれる。だから、俺を笑顔にしてくれるものは大切な人の笑顔なんだよ。」

 

父さん、母さん、美琴に広樹、そして美咲。それからサッカー部のみんな。咲真は頭の中で自分の大切な人達を思い浮かべる。

 

「笑顔が笑顔をくれる………」

 

こころが少し考えるような表情を見せる。

 

「どうした?」

 

「…だわ」

 

「ん?」

 

「とぉーっても、ステキだわ!!!」

 

「オワッ⁉︎」

 

こころの大声に驚きの声を上げる咲真。

 

「とってもステキね!咲真!」

 

「あ、ありがとう?」

 

真っ直ぐ褒められて咲真は少しむず痒くなる。

 

「あら?」

 

「ん?」

 

急にこころが上を見上げたのでつられて上を見ると、そこには大きな満月が浮かんでいた。

 

「いつの間にこんな時間に、、、」

 

「楽しい時間はあっという間ね!」

 

「フッ、そうだな」

 

自分でも楽しいと思っていた事に気付いた咲真が笑みをこぼす。

 

「今日はもう帰るわ!お話してくれてありがとう!」

 

「こっちこそ、楽しかったよ」

 

「それは良かったわ!じゃあ、またね!咲真!」

 

「またな、こころ」

 

そう言って2人は反対の方向に歩いていく。

咲真の後ろ姿が見えなくなった頃、こころはさっきの青年のことを思い返す。

 

「奥沢...咲真...」

 

その呟きは誰の耳にも入る事なく、満月の空に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、お兄ちゃん。晩御飯までに帰ってくるって言ったよね。」

 

「いや、その、ちょっと話をしていたと言うか何と言うか...」

 

「ふーん、妹との約束を破ってまでする話ってどんなの?」ニコッ

 

満面の笑みを浮かべながら美咲が聞いてくる。

目が笑ってない...後ろに般若が見える。

 

その夜、咲真の悲鳴が近所に響いたのはまた別の話。

 

 




本日はここまでです。だいぶ長くなってしまった、、、
そして遂にヒロインが登場しました〜。こころ可愛いよね〜。

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