学校が終わり、帰宅した。
有咲達の方が早く帰っていたみたいで練習している音が聞こえてきた。
俺は練習を見に行こうと思ったが、やっぱり恥ずかしい。
何を話せば良いだろう。
そこにいて何をすればいいんだろう。
頭の中がゴチャゴチャしてきた!!
やっぱり今日もいいや…部屋で休もう…
と思った矢先…
「あれ?ゆーちゃん!帰ってきたなら言ってよー!」
「戸山さん!?練習中じゃないの!?」
「トイレ行ってた!」
まじか…そのパターンは予想外だわ…
「じゃあ行こうか!皆会いたがってるし!!」
そう言って戸山さんは俺の手を引っ張り歩き始める。
「待って!ちょっと手を離して!!」
「大丈夫だよー手は洗ったから!!」
「そういうことじゃないからぁ!」
抵抗虚しく皆様練習中のところにお邪魔することになりました…
「皆!ゆーちゃんがいたから連れてきたよ!!」
「げっ!兄ちゃん!?」
やっぱり1番最初に反応したのは我が姉、有咲。
「ほーほー、この方が有咲のお兄様ですかー」
続いてじーっと俺を見つめて不思議そうな反応をする黒髪ロングのクールな子。
「へぇ、あなたが有咲のお兄さんなんですね!初めまして、山吹沙綾って言います」
「は、初めまして…市ヶ谷優星です!」
ドラムスティックを持ってるからドラムの子かな?
自己紹介までしてくれて凄い律儀な子だな…
山吹さんって言うのか…
「あ、あの初めまして!わ、わわ私は牛込りみって言います!」
「初めまして!よ、よろしくね!」
ちょっとテンパって可愛らしい反応を見せてくれる子。
まぁこれが普通の反応なんだろうな…
牛込さん…覚えておこう。
「で…そちらのずっと俺を見つめてる人は…」
「お、おたえちゃん…?自己紹介した方が…」
牛込さんが心配そうにクールな子に声をかける。
「あー私は花園たえ。よろしくねー?」
「う、うん…よろしく…」
じーっと見つめられたままなんだけど…
とりあえずこのクールな子が花園さん…っと。
ていうか…
全員可愛いんだけど!?
どうしよう、この状況…
ドキがムネムネ状態…!!
花園さんは凄いクールでスラーっとしていてとても綺麗だし
山吹さんもとても律儀で、完璧なお嫁さんって雰囲気が漂ってる
牛込さんはこのおどおどした感じ、守ってあげたくなるような可愛さがある
戸山さんだってあのハツラツな笑顔、ものすごく魅力的だと思う。
何この有咲のバンド、最高かよ!?
「ごめんな兄ちゃん…香澄が無理矢理連れてきたみたいで…」
「いやいや、大丈夫だよ。それよりも俺こそ姉ちゃん達の練習止めちゃってごめんね?」
「え?お姉ちゃん?優星さんがお兄さんじゃないの?」
山吹さんがすかさずに誰もが抱く疑問を投げてくる
「有咲とゆーちゃんはね!特別な関係なんだよ!」
「なんで香澄が答えてんだよ!」
「姉ちゃんも戸山さんもその事は皆に話してないの?」
メンバーと会話している時にたまに俺の話題になると戸山さんから聞いたことがあったのだが…さすがにそこまでは話してないのかな。
「まだ話してないんだ。まぁ後で詳しく説明しておくよ」
「ありがとう姉ちゃん。あ、お邪魔してごめんなさい!練習再開して大丈夫ですよ!」
そう言って部屋を後にしようとすると
「せっかくなんでお兄さんも練習見ていってくださいよ!私達も第三者の感想が欲しかったところなので」
と、山吹さんに頼まれる。
「じゃあ…聞いてみようかな…?」
時間が無いわけではないので少し聞いていくことにした。
~♪
「兄ちゃんどうだった?」
1曲を聞き終え、有咲が俺に感想を求めてきた。
俺もプロではないため的を得たことを言えるわけではないが…
「良かったと思うよ!!」
聞いててすごく心地良かった…まるで何かに包まれてるようだった。
「ゆーちゃん…他に何かないの!?」
「え!?他に!?」
戸山さん…やっぱりあなたにはついていけないよ…
無茶振りをされ必死に言葉を探した。
何かに包まれているような感覚…
良い感じの例えがないかなと探しているなか思いついた物が…
「チョココロネみたいだったかな…?」
………
皆の頭の上に?が浮かんでいる。
そりゃそうだよね!?俺もそうだもん!!
でも1人だけ目をキラキラさせて…
「チョココロネ!?」
まさかこの子が…という感じの牛込さんが物凄く食いついてきた。
「そ、そうチョココロネ!フワフワなものに包まれた柔らかい音みたいな!」
この食いつきに同様を隠せない俺の言葉は自分でも何言ってるかわからなかった。
「良かったねりみ。チョココロネ友達が見つかって」
「あ、その…チョココロネお好きなんですか…?」
え、なんでそっちに持っていった!?
こうして有咲バンドと俺の物語がスタートした。