皆との初めての会話も終え、その後も練習を見学させてもらうことにした。
バンドの練習ってもっとキツいイメージだったのだが、凄い楽しそうで皆笑顔が絶えなかった。
この子達の楽しそうな顔…それがとても魅力的でとても魅入ってしまった。
皆とても整ってる顔立ちなので、少しドキドキしてしまう。
それは…もちろん家族である有咲も例外では無かった。
有咲のこんなに楽しそうな顔、全然見たこと無かった。
素直にめちゃくちゃ可愛い。
贔屓目無しに1番可愛いんじゃないか?って思うくらいに可愛かった。
俺は練習が終わるまで音では無く彼女たちに、特に有咲に釘付けになっていた。
「ふぅ~今日も疲れたねー!そろそろ終わりにしよっか!」
「そうだねぇ~そろそろ家の手伝いしなきゃいけないし…」
「おっ、そうか。もうそんな時間か…続きはまた明日だな。皆明日も集まれるよな?」
「私は大丈夫だよー」
「じゃあまた明日有咲の家集合ね!ゆーちゃんもちゃんと来るんだからね!?」
「俺も?俺いる意味ないんじゃないか…?」
俺は戸山さんの言葉に疑問を投げかける。
「有咲はね!ゆーちゃんがいるといつもより張り切ることがわかったから練習効率アップに繋がるんだ!」
!?
戸山さんの言葉を聞いて、なぜか俺が少しドキッとしてしまった。
「な!?ちげぇーから、ちげぇーからな兄ちゃん!?香澄の勘違いだからな!?」
やばい、どうしよう。恥ずかしくて有咲の顔が見れない。
「2人とも仲良いんだねぇ。私も帰ったらお姉ちゃんに色々教えてもらお~」
こうして練習が終わり、皆帰っていった。
「ごめんな兄ちゃん、無理に付き合わせちゃって…」
「全然大丈夫!楽しかったし!それにしても皆可愛いねぇ…」
「兄ちゃん、手を出すとかやめてくれよ」
有咲の言葉が冷たくささった…。
「……兄ちゃんは私の兄ちゃんなんだから…」
「ん?何か言った?」
「な、なんでもねぇ!早く部屋もどるぞ!」
有咲が何かボソッと言った気がしたが…気のせいだったみたいだ。
こうして改めて有咲と2人きりになると、どうもドキドキが止まらない。
家族同士なんて気持ち悪い。兄姉同士なんて気持ち悪い。
そう思われるのは仕方ないことなんだろう…。
でも。
あの練習でのキラキラした有咲を見てからだ。
有咲の身体が、仕草が、声が、存在が…
全てが…全てが愛おしく感じる。
今まで感じたことが無かった…いや、
その感情を否定していただけなのかもしれない。
なぜか、今はこの感情が止まらない…。
でも、有咲はどうだ?
有咲だって普通の子だ。
きっと好きな人だっているだろうし
普通の恋愛をしているんだろう…
もしこの俺の感情がバレたらどうなる?
きっと…もうこの仲良しな家族には戻れなくなると思う。
それだけは絶対嫌だ…。
だから…
この想いだけは誰にも気付かれちゃいけないんだ。
「姉ちゃん」
「な、なんだよ急に…」
「これからも…仲良くやっていこうな…家族として」
そう俺達は…
「はぁ!?本当になんだよ!?そんなの当たり前だろ…兄ちゃん」
家族なんだから。