諦めた俺がもう一度立ち上がるのは間違っているだろうか 作:ジル・ザ・リッパー
恐らく長くは続かないだろうが、読んでもらえたら嬉しい。
生まれ変わったらダンまちの世界だった。
俺の名前は、レイブン・ガイスト。俺はオラリオに住む冒険者の間に産まれた。俺が七つほどになる頃に両親が死んだ。親父は酒飲みで何時も俺を殴ってくるので嫌いが、お袋は何時も甘やかしてくれてくれるから好きだった。だが、両親の死にあまりなんとも思わなかった。いや、思えなかった。
俺は生きるためにファミリアへの入団を決意するが、何処も相手にしてくれない。
「子供の遊びじゃないんだぞ!」
「危ないからやめとけ。」
「入りたいなら金持ってこい、考えてはやる。」
そんな言葉を浴びせられ続けた。こっちも遊びで冒険者になろうと思っていない。生きるために成りたいんだ!
だが、そんな俺を受け入れてくれるファミリアが存在した、ロキ・ファミリアだ。
ファミリアに入って、俺はリヴェリアにダンジョンについて、ガレスに戦い方を教えて貰った。そして俺は金髪の女の子、アイズ・ヴァレンシュタインとペアを組むことになった。初めはお互いに息が合わず一人と一人が好き勝手に動いているだけだったが、俺がなんとかアイズに合わせることでなんとかバランスが取れるようになった。
やがて月日は流れ、俺とアイズは二人仲良くレベル2にランクアップした。アイズには『剣姫』という2つ名が、俺には『
だけど、嬉しくもあった。彼女となら、アイズとなら何処までも行ける気がしたのだ。それからの俺は努力した。アイズのフォローや自主トレーニングまでこなし、前世の時よりも努力したつもりだった。
そして、俺はロキからアイズのレベルが3に成ったことを告げられた。
アイズに先を越された、この事実が俺の不安を書き立てた。アイズが遠征の一人に選ばれたこともあり、俺は一人で行動することになった。一人取り残された俺は、後輩の面倒を見ることになった。その中でもとても張り切っているエルフの女の子がいた。彼女はアイズに憧れているらしい。
後輩たちを面倒見ている中、周りがどんどん自分より上に上がっていく。取り残されたと感じた俺は無理をしてしまった。一人で大量のモンスターと戦い、全身ボロボロに成って倒れてしまった。そんな俺を、遠征からの帰りだったアイズに助けられてしまった。
俺は、死の一歩手前になるまで戦い勝利した事でやっとレベルが3に成った。ファミリアの仲間達にはかなり怒られたが、この事に俺は喜んだ。やっと彼女に追い付いたんだ。また彼女の隣に立てるんだと。
だが、アイズは遠征での活躍でレベルが4に上がっていた。俺がどれだけ努力しようが彼女に追い付けない、彼女は俺を置いて先に進んでいく事を知って、俺の心は折れてしまった。
俺の怪我が治ったその日の夜、俺は主神ロキに頼み事をしに行った。そして、俺はロキに土下座をしながら頼み込んだ。
「ロキ様、頼み事があります。」
「なんや?お前が頼み事なんて珍しいな。」
「ロキ・ファミリアを脱退させてください。」
「.....お前、本気でそないなこと言っとんのか?」
「お願いします!俺に出来ることなら何だってします!ここに居るのが辛いんです。お願いです、助けてください!」
「.....理由は分からんけど、嘘もついてないみたいやしどうやら本気みたいやな。だけど、月に1度は顔見せ。それが条件や。」
「はいっありがとうございます!」
地面に擦りつける俺の顔はどうなっていただろう。少なくとも、辛さと情けなさとで涙でグシャグシャになっていたと思う。
俺の脱退後は、オラリオの片隅で菓子売りをしていた。そんな時、あいつはやって来た。
「レイブン、一緒に帰ろう。」
「.....帰ってくれ。」
「でも「帰ってくれって言ってるだろ!」」
「いい加減にしてくれ!どれだけ俺を惨めにさせるんだ、お前は!そんなに俺を苦しめて楽しいか!お前なんか嫌いだ!もう俺に関わるな!」
違う、俺はこんなことを本気で思っていない。なのに彼女を見ていると辛くなってしまう。心が押し潰されそうになって、思ってもいないことを吐き出してしまう。
俺がそう言うと、彼女は走って何処かに消えてしまった。その後ろ姿を見て、俺は何故か安心してしまった。
それから幾らかの時が経ち、彼女はレベル5となり一級冒険者として有名になった。そして、『執事』の2つ名を持つ冒険者は最初から居なかったかのように消えた。
俺は1人の神を雇い菓子屋を続けていた。その神の名をヘスティアという。ヘスティアは、俺をファミリアに入れたいようだが、諦めてしまった俺はもう冒険をしようと思える筈もないので断る毎日だ。
だが、そんなヘスティアに初めてのファミリーが出来たようだ。名をベル・クラネルというらしい。俺はお祝いとして少しの菓子折りとジャガ丸くんを渡しておいた。
「物語の始まりか。」
俺は1人、夜空を見上げながら明かりのついていない店の中へと姿を消した。