「クソが!!」
近くの瓦礫に八つ当たりする。あの巨大ごみ、俺が苦痛で蹲っている時に逃げやがった!
どうやって逃げたかは不明だ。だがあんな化け物が今まで評議員に目をつけられることなく町を破壊していたのだ、瞬間移動のような能力を持っていても不思議ではない。
だが、それよりも気になることがある。
「………あの化け物、魔力が殆ど感じられなかった」
そう、あの巨大ごみからは破壊力に釣り合う魔力を感じられなかったのだ。
そのせいで俺は盛大に無様な醜態を晒した。もし最初からあれほどの力がると分かっていれば龍脈を最初から使っていたというのに! ……いや、それはあの破壊された町から見て推測すべきか。
この世界のエネルギーの大半は魔力である。他のエネルギー源もあるが威力は魔力ほどではなく、とても実用化できるレベルではない。少なくとも、あの破壊力を再現するのは不可能のはずだ。
しかし、あの巨大ごみは魔力を感じられなかった。というか、奴はあの炎を生み出す際にも魔力を使っていなかった。かといってエーテルナノにも龍脈にも干渉した様子はない。つまりあの力は魔力以外のエネルギー、未知なる動力ということになる。
ではそのエネルギーは何なのか。……それがわからなくて困っているのだ。
「………いや、まずは救助が先か」
既にアイツの匂いも音もしない。こうなってしまったら追うことは不可能だ。
町に目を向ける。破壊尽くされた悲惨な光景。残酷な話だが、この状態では生存者も絶望的だ。仮に生存者がいたとしても大半は重傷者。軽傷の者や無事の者がいるのは稀有であろう。
しかし助けないわけにはいかない。生存者がいる可能性がある以上見捨てるなど出来るはずもない。それが人情というものだ。
幸いさっき龍脈を吸収したおかげで俺の魔力も体力も回復済み。火傷も完全回復しているため難なく動けるようになっている。
「誰か! 誰か生存者はいないのか!?」
というわけで救助活動を開始する。下着を着替える音を拾える耳を駆使し、1㎞先の美女美少女の匂いを嗅ぎつける鼻を使い、無駄に鋭い直感を使い。俺は感覚をフルに使って救助を開始した。
救助した後も問題だ。俺だけではとても治療に手が回らない。
薬は作れるが回復魔法というわけではない。軽い傷や打ち身などは治せるが、複雑骨折や切断となると治すのは不可能だ。
途中、目が覚めた幼女たちも参加してくれた。彼女たちは自分たちが生きていることに一瞬だけ感激するも、すぐに町や家族を亡くしたことを思い出して嘆き悲しむ。けどなんとか励ました甲斐あって救助に参加してくれた。それはほかの大人たちも同じだ。
隣町からの援護や救助隊やら魔導士が来たのはその後だった。……来るのが遅ぇんだよ無能共が!!
「……ガハッ!」
途端、口から血が出た。
「……クソが。反動が……また襲ってきやがった……!」
未だに痛む腹を抑えて蹲る。
この痛み、たぶんまだ内臓だけでなく骨にもダメージが残っている。肋骨が軋み、臓物が悲鳴を上げる。
鎮痛剤と回復薬ぶち込んだはずなのだが、未だに傷とダメージが回復しない。というか、どんどん拡がっている。
解除したばかりは内臓がいくつか潰れていたのだ。肋骨も完全にイカれていたのだから、かなり回復したほうだろう。
もちろんこれは攻撃を受けたからではない。
「やっぱし、いきなり毒疫龍は無理か……」
これが龍化による反動。自身より大きな力に手を出した代償だ。
ほんの一部とはいえ人間が星の力を自身のものにするのだ。そんな強大な力を体内に無理やり取り込んだのだから、こうなるのは当然のこと。この反動は魔力の上がり幅が大きいほど比例して反動もキツくなる。
この切り札はそれに見合った成果を期待できるが、活かせるかは俺次第。もし無計画に使えば自業自得という名の自滅を迎えることになる。
それでもかなりギリギリだった。
傍から見れば圧倒しているように映るかもしれないが、実際は違う。あれは一瞬の隙を付いて我武者羅に突っ込んでいただけだ。
猫だと思っていた相手がいきなり獅子になったのだ。誰だって驚くし隙を晒すことになる。そこを付いただけだ。というか、それしか戦法が取れなかった。
龍化は反動が大きい。常にダメージを受けながら、傷を庇いながらの戦闘になる。故に短期戦しか出来ないし、一度攻撃が当たれば相手に形勢が行ってしまう。
時間が経てば経つほど不利になり、一回当たるだけで終い。……なんつークソゲーだよ。
「クソ……が…………」
さっきまで傷を庇っていたのだが、どうやら限界が来たらしい。
一気に来た反動に流され、俺はゆっくりと夢の世界へと旅立った。
・龍脈操作
星に流れる魔力を操作する技術。
フェアリーテイルの世界ではない技術だが、イクマンは前世にあった風水の知識を応用して開発した。
イクマンはこの技術を秘密にしており、あまりにも強力なため誰にも教えるつもりはない。
・龍化
龍脈操作の一つ。龍脈と自身を接続し、同調させることで半無限の魔力を得る。しかしその代償は大きく、使用時は常に反動が蝕み、使用後も大きな反動が返ってくる。対策として魔力で無理やり回復している。要するに壊しながら直している。
イクマン自身エーテルナノを操作することでなんとかごまかしているが、それでも反動は消えない。本人曰く、ダンプカーに衝突する際に90の衝撃を受け流せても10の衝撃で腕を折られるようなもの。
イクマン曰く禁術。よほどの相手でない限り使うことはない。
滅竜魔導士を全員女体化したいんですけどいいですかね~?
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yes
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no
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一部のみOK